ミラーニューロンと難治性慢性疾患と密接な関係

脳の誤作動

現医学で解明できない難治性疾患は、日常的なものから命を奪うものまで様々な程度で存在し、医学者たちが想像している何十倍もその罹患数は多いでしょう。それは下痢や腹痛から麻痺やしびれ、慢性頭痛、耳鳴りやめまい倦怠感まで医学で解明できないものばかりが堂々と存在しています。


医学書の診断基準にあてはまらない奇妙で特異的な症状は「脳の誤作動」「心因性」と診断されます。そう判断した患者は精神科へと回し薬物治療を受けさせることが医学書のガイドラインで決められています。しかし、実際は「脳の誤作動」と言われた患者の多くは精神科には行かず病院にもかからないようになり、ただ耐える方が圧倒的に多いと思われます。このようにして治療をあきらめた方はマレではなく、莫大な数にのぼると思われます。つまり、現代医学で解明できない症状を持つという人は実はあまりにも大勢存在していて、そのことを医師も知らないというのが現状です。私のように、現代医学で治らない症状を治すことを専門とする医師にしか不可解な患者がどれほど多いか?ということを認識することが不可能だからです。


これらの患者を見捨てるわけには行きません。真実が脳の誤作動であるというのなら「脳の誤作動を解除する方法」を模索し、その根本治療を見つけなければなりません。


精神科薬で「脳の誤作動が解除される」ことがあることは私も医学者として認識しています。しかし精神科薬の使用では単に解除させるだけでは済まず、性格、モチベーション、嗜好、行動パターンまで変えてしまい「人の尊厳の根源部分」を変えてしまう恐れがあります。また、長期服用で禁断症状やとりかえしのつかない副作用が出現することもあり、安易に使用するべきものではないと私は考えています。


ところが、近年は精神科医だけではなく、整形外科医やペイン科の医師が、精神科薬の副作用を認識せずに軽い気持ちで処方するようになってきています。その理由はガイドラインができあがり、ベルトコンベアー式に「慢性疼痛に精神科薬を使いなさい」というマニュアルが近年作られてしまったからです。そうしたガイドラインが作られてしまったことを非常に残念に思っています。ここでは脳の誤作動を薬剤を使わずに改善させる方法がないか?について考察します。


上頚神経節ブロックで脳の誤作動解除

上頚神経節ブロックでうつ状態が著しく改善させることができることを私はこの2年間の臨床データで確認しています。神経症も同様に軽減できます。上頚神経節ブロックは脳の血流を増加させる手技ですから、脳神経の異常には脳の血流障害が関与していることが推測されます。自律神経核(迷走神経核)は外界の刺激や感情の変化に応じて肉体を自動制御する装置ですが、ここの誤作動では外界の変化をもろに受けて体内にあらゆる不具合を起こします。いわゆる自律神経失調症です。これも脳の誤作動の一種と考えられ、治療の中心は精神科で行われています。上頚神経節ブロックでは自律神経(迷走神経)核の不調さえも改善できますので、脳の誤作動には脳幹の血行不良も関与していると推測されます。よって自律神経失調症は精神科薬でごまかすのではなく、上頚神経節ブロックで根本的に治療するべきでしょう。しかし、血行不良だけが原因ではないとも感じます。上頚神経節ブロックが効きにくい人もいるからです。


上頚神経節ブロックが効きにくい場合、免疫・代謝・脳幹-頸髄の形態学的異常など様々な問題が原因として複雑にからんでいると思われます。真に難治性疾患を治療するには「様々な問題全てにアプローチしていく姿勢」が必要になります。その様々な問題を解決するための秘策として、今回はミラーニューロンについて考察します。


ミラーニューロンは模倣・共感能力に関与

ミラーニューロンは他人がしていることを見て、我がことのように感じる共感(エンパシー)能力を司っていると考えられています。霊長類や鳥類などで発達しており、自閉症児ではミラーニューロンが障害されていて発達障害などと関係していると言われています。ミラーニューロンがヒトの脳に存在するという確証は得られていませんが、しかし、機能的核磁気共鳴画像法(fMRI)による脳イメージング研究によって、ヒトの下前頭回と上頭頂葉が、被験者が実際に行動する時と他者の行動を観察する時の両方で活動を示すことが分かっています。したがって、この領域にミラーニューロンが存在し、ヒトにおけるミラーニューロンシステムを構成していると考えられています(ウィキペディアより)。


私はこのミラーニューロンが脳の誤作動を発動させるかなり重大な鍵になっている可能性について考え、ミラーニューロンが身体の活動に悪影響をもたらすケースとその治療法について述べたいと思います(全ては空想の域を脱しませんのであしからず)。


ミラーニューロンは一種のテレパシー

私たちは何もしゃべらなくても相手の心の動きを読むことができます。顔の表情や態度、雰囲気で相手の感情がどういう状況にあるかを判断できます。テレパシーは誰もが持っているということです。それはミラーニューロンのなせるわざかもしれません。ミラーニューロンの数や鋭敏さは遺伝子により決まっていますが、突然変異により極めて少ない者や極めて多く過剰に鋭敏な者が存在します。極めて少ない者は他人の行動や感情に影響されにくく、発達障害が起こりやすいと言われています。ではミラーニューロンが過多の人はどうなるでしょう。


相手の行動や表情に共感するだけではなく、視力や聴力以外に肌で感じる感覚や気配でいろんなことを読み取れる可能性があります。普通の行動と少し変わった行動をしている人を見ただけで悪意を感じることもできるでしょう。その能力がさらに発展すれば写真や残留物で犯罪捜査ができるかもしれません。それはサイキックと呼ばれるかもしれませんが、医学的には「ミラーニューロンが過敏状態にある」だけなのかもしれません。

このミラーニューロン過多がサイキッカーとして多くの人に役立つ場合があるかもしれませんが、一般的には多すぎるミラーニューロンはその人の健康を害する方に向かわせることが多いと思われます。それはミラーニューロンが少なすぎる人が発達障害に陥りやすいことの正反対であり、多すぎることも障害になると考えるのは当然です。平均を著しく超えた個体は生きるのに不利であることが多いのは進化生物学の定説です。ただ、医学は「少ないと自閉症になる」ということを考えても、多すぎるとどうなるかに論述する学者は私を除いて一人もいないのが現実です。


ミラーニューロンによる反射現象

他人が流血しているのを見て失神する人、恐怖映画を最後まで見ていられない人、他人の吐いた汚物を見て自分も吐いてしまう人、写真や絵に反応して実体験しているかごとくに感じてしまう、などはミラーニューロンの共感作用が自分の体に病的な反射を起こしてしまう例と言えるでしょう。そういう人はおそらく悪意を持っている人をみただけで鳥肌が立ち、吐き気や頭痛が起こるでしょう。


催眠術にかかりやすい人もミラーニューロン過多と言えるかもしれません。おそらくミラーニューロンが少ない(鈍い)人は催眠術にはかからないと思います。逆にミラーニューロン過多の人は一般の人にも催眠術をかけられてしまうと思います。例えば「鉄棒のさかあがりができないなんて、へたくそ!」とののしられれば、そこから一生さかあがりができなくなるというような催眠術のかかり方をする可能性があります。ジンクスも催眠術の一つです。できないという催眠がかかってしまっています。


催眠術にかけられて起こっている不具合であれば、催眠術により不具合を解消できる可能性が高まります。よってミラーニューロンにより脳の誤作動が起こっている人には催眠療法は極めて有効性の高い治療になると推測します。


また、ミラーニューロンはトラウマを容易に作ることが想像できます。例えば、バナナを食べた時に酷い下痢になってしまった人は、ミラーニューロンがバナナを見た時に脳にネガティブな感情を起こし、その感情が自律神経を不安定にさせ、再び下痢を起こさせるというものです。バナナがトラウマになります。

そう考えると、電車に乗ると恐怖感や焦燥感が起こるという神経症もまた一種のミラーニューロンの反射と言えるかもしれません。一度起こった嫌な体験を、電車に乗るたびにミラーニューロンが毎回呼び戻してしまうという仕組みです。


ミラーニューロンと自律神経

ミラーニューロンは自律神経(交感神経・副交感神経)と連動しているでしょう。だから外界の刺激の変化で失神したり、下痢腹痛が起こったり、めまいや吐き気・呼吸困難が起こるわけです。


さて、それが慢性病にどう関係があるのかを考えましょう。自律神経の動きは皆さんが考えている以上に人体に影響を与えます。その影響は細胞死を招くレベルなのです。


例えば、血管平滑筋は交感神経の興奮によって血管が収縮しますが、長時間血管平滑筋が収縮を起こしたままでいると、その血管に支配されている細胞は虚血となり壊死します。例えばそれが心臓を栄養する冠動脈に起こると心筋梗塞が起こり死に至ることもあります。脳底動脈に起これば脳梗塞が起こります。このように自律神経(交感神経)の過興奮は皆さんが考えているよりもずっと人体に脅威となります。そして細胞死、臓器不全を起こす原因となります。下痢や腹痛では済まない場合が多々あるということです。


自律神経を動かすミラーニューロン、そしてミラーニューロンを動かすことができる外界の刺激。つまり外界の刺激の与え方で人を病気にさせることができるということを認識しておいた方がよいでしょう。例えばそれを意図的に心臓の冠動脈に起こすことが出来れば殺人さえも理論上可能です。ワラ人形で人を呪い殺すという儀式が今でも密かに行われており、呪いグッズまで売られています。五寸釘を人形の心臓部分に刺すのは、ミラーニューロンによる反応を冠動脈に集中させるためかもしれません(単なるオカルト話です)。ただし、呪われたとしても、不具合は誰にでも起こることではありません。ミラーニューロンが過多な人だけが呪いにかかりやすいだけですので普通の人はご安心ください。ですが過多の人はそれを認識して生きて行かないと危険です。


ミラーニューロンが過多な人は外界の刺激から自分を守る手段を講じなければ他人によって病気を操作されてしまうこともあるでしょう。つまり悪意を持った者に暗示をかけられてしまうと病気を作られてしまう可能性があるということです。だから人から恨まれないように注意して生きなければならないでしょう。


ただし、今述べたことが仮に事実であったとしても、1万人中9999人にはそういうことは起こらない話です。ならばミラーニューロンが関与した病気があったとしても、それはオカルトとして葬り去られる運命にあります。私はその1万人に1人の特異体質の人を救う研究をしているわけですから、このようなオカルト話さえまともに考察しているのです。


ミラーニューロン過多はキ○ガイと紙一重

外界の刺激(人の念も含む)に反応し、体が勝手に作動してしまうのがミラーニューロン過多の特徴と思われます。現代社会にはポルノやファッション、ぜいたく品など欲望を強烈に刺激するものがあまりにもあふれていますので、ミラーニューロン過多の人にとっては極めて生きにくい社会となっています。性的に強く興奮させられてしまうと、自らを制御できずに、浮気・フェティッシュ・同性愛などインモラルな方に向かいやすいことも理解できます。パチンコや競馬などにもたやすく「やみつき」の状態になり抜け出せなくなったり、その結果犯罪に手をそめるようになったり・・・と普通の人よりも波乱万丈な人生を送ることが運命づけられます。

その結果脳が破綻して統合失調症になりやすいことも推測されます。そして今回のテーマである慢性疾患を作ることもあるでしょう。精神科に通う人の中にはそうしたミラーニューロン過多の人が多いような気がします。

ただし、ミラーニューロン過多は極めて豊かな感性であるので、それを芸術方面やカウンセラーなどに活かすことができれば世界トップの脳力を発揮できる可能性があります。相手の雰囲気だけで家族背景や生活の裏側までわかってしまう能力ですから、それを活かせば有名な占い師になれるでしょう。

自分を制御できない程のミラーニューロンですが、制御できれば霊能者・神と自分を呼び、商売に役立てることも可能です。ですが、ミラーニューロンの力を霊能と呼ぶことに私は全く同意できません。それが真に霊の力であることを誰にも証明できないからです。何でも察知できる能力は、外界の刺激にたやすく影響される悪しき能力でもあり諸刃の剣です。

ミラーニューロン過多の人々は一度や二度は「この世に生を受けたことに恨みや憎しみ」を持つはずです。人と関わることで普通の人の何倍も精神疲労し、そして傷つくからです。その恨みを一般の人達に晴らさないでいただきたい。霊能と呼び、霊感詐欺商法を行い、財を築くことに用いていただきたくないと思っています。その因果が巡り、最後に自分が滅ぼされるおそれがあります。なぜなら霊能者自身が他人からの恨みの念に弱いと思われるからです。


エルム街の悪夢やエクソシストは現実?

瞑想の達人・ヨガの達人は空想だけで自律神経を動かすことができます。空想だけで性的に興奮させ射精することもできます。通常は自律神経は意識的に動かせないのですが、彼らは強い感情・強い空想で意図的に自律神経を動かすことができます。当然ながら、ミラーニューロンが過敏な人であれば訓練などしなくても、生まれつき自律神経を制御できてしまうでしょう。そして他人にも自律神経を操られます。本来、意志によって操られてはいけないのが自律神経のはずなのですが。


「腕が痛い」と自己暗示をかければ、その暗示だけで腕の血管平滑筋が収縮をし続け、そして1か月後には腕が壊死して腐り落ちるということもおそらく彼らには可能です。暗示で病変を局所に作ることは可能だと思われ、夢で腕を切り落とされるシーンを見ただけで、腕にあざができてしまうということもあるでしょう。


しかし、それらは昔から西洋では悪魔のせいであると言われ、そしてエクソシストが呼ばれることが多々あったと思います。呪いと言えばよいのか催眠・自己暗示と言えばよいのかわかりませんが、ミラーニューロンを意図的に操ることが出来る能力があれば、相手に病気を起こすことさえ理論上可能です。日本では霊障などといいます。


ミラーニューロンの相手を操る能力

ミラーニューロンは相手に起こっていることを共感するだけの神経細胞でしょうか? 相手を共感させることにも利用されていると私は考えます。どのような態度をとり、どのような表情をし、どのようにいたわれば相手を自分の思い通りに動かすことができるのか?を教えてくれるのもミラーニューロンの役割であると思います。


「あの人のそばにいるだけで心が安らぐ」「あの人のそばにいるだけで不快な気分になる」「好きにさせられる」などはミラーニューロンに発信作用があるからではないかと考えます。それは波動エネルギーとも特殊な脳波とも言われるものかもしれませんが、ミラーニューロンは相手の感情を操作するためにある種のエネルギー(脳波)を出すのかもしれません。それは「気」と呼ばれるものかもしれませんが、呼び方はどうでもよいことです。どう読んだとしても科学で解明できていないものです。


何度も言いますが、凡人では波動エネルギーは退化しており、人を操る能力にまでは至らないでしょう。しかし1万人に1人クラスのミラーニューロン過多の人は相手を操る波動を出せる可能性があり、訓練や修行によりその波動を強めたり、一点に集中させたりできるかもしれません。その能力があれば、ミラーニューロンによって生じている悪しき自律神経の異常を改善させることができるかもしれないと考えたわけです。もちろん、その能力を持ってすれば相手に不治の病を作ってしまうことも可能かもしれません。


逆に言うと、ミラーニューロンの脳力者はまた自分自身も相手からの悪意を受けて容易に健康を害される可能性があり、外界の刺激から自分を守らなければならない宿命があります。それを知らずに能力を使って治療してあげようと努力をすれば、相手の悪意を受けて自分の健康が障害される可能性があります。


私はオカルト信者ではありません、科学者です

現代の科学は、証明できないことをオカルトであると捨て置くことが決まりになっています。しかし、現医学で言う「脳の誤作動」も全く根拠のない診断であり、非科学の極みです。つまり現代の科学でさえ、わからないものに対しては勝手に決めつけるわけですから、私がミラーニューロンと自律神経の関係を述べることも、現代の科学理論それほどかけはなれていないと思いませんか?


さて、そのような迷走する科学の中、実際にサイキック治療をされている方が日本の至る所におられます。少なくありません。そして彼らは実際に現医学では治らなかった慢性病を治すきっかけを作ることができているようです。できているという事実を科学的に分析することが私の役割でもあるため、このサイキック系を避けて通れませんでした。避けることは難治性疾患の治療から逃げていることになるからです。


心霊と呼ぶべきではない

私はミラーニューロンについて述べてきましたが、敢えて心霊治療という言い方はしませんでした。実際に五感が常識を超えて鋭く、いろんなものを透視し、予言し、言い当てる者が各地にいることは否定しません。しかし、それを心霊と言うことで誤解が生じると思います。ミラーニューロン過多であれば、人の醜さを10倍にして受け入れてしまい、自分の醜さも10倍になって返ってきます。それらの因縁が毎日少しずつたまって行けば、それが理解しがたい症状を発するでしょう(西洋医学ではヒステリーとも呼ぶ)。それはもともと自分が創り出しているものであり、いわば自分自身の業でもあるわけです。自分自身の業を霊の仕業にしてしまえば、本当の意味で解決できません。


霊のせいにすることはおもいやり

下級霊が憑依したなどの言い方をして霊障を述べる方がいます。現医学で治らないものは霊障であると述べる人もいます。しかし、その言い方は「おもいやり」かもしれません。西洋医学的な考え方では、霊障はヒステリーと言われ、心の葛藤を身体に表現しているだけであると結論付けられています。つまり、心の葛藤を昇華できない腹いせに、自分の体に障害を作るというものです。西洋医学的に考えると、霊障を作り出しているのは自分の怨霊(自分自身)であるという結論になります。


障害を下級霊のせいであると述べてあげることは、その人の尊厳を守ることにつながりますが、真実は自分が創り出しているものであるなら、結局悪いのは自分自身であるということを認めなければならなくなり、本人にとってはたいへん厳しいものとなります。


心の葛藤が真の原因であるなら、その原因は子供の頃のトラウマや夫婦間、恋愛、社会など複雑な問題を解決できない自分自身にあるということになるので、それを認めることは極めて難しいでしょう。下級霊のせいにした方が、その人の葛藤をごまかしてさしあげることができますし、精神的に楽であると思います。


下級霊のせいにするならお祓いという他人任せの治療で済みますし、自分の怨霊であるなら心の葛藤を自ら昇華させていかなければなりません。お祓いのほうがはるかに楽で霊のせいにできるわけですから、誰もが前者を選びたくなるでしょう。しかし、それは根本治療ではないため再発を繰り返す可能性があります。


能力者は修業が必要

ミラーニューロンを操る力がある者は現世ではサイキッカーとして崇められるか、精神異常者として病院送りにされるかの両極端にあります。


持って生まれた共感能力が高すぎるため、感情の起伏も激しく、さらに自分の意志で制御できなくなるからです。つまり、能力者の多くは「元々は精神疾患の患者」であった経験があると思います。いやな思いを多数経験し、その苦悩も一般人の10倍感じることでしょう。


そうした能力者たちは現実世界で成功して心の葛藤を昇華させるか、修行により能力を制御できるようになるか?のどちらかを選択しなければならないでしょう。しかしながらどちらもかなり困難なので現実的には能力者は社会から外れてしまい、精神科に頼ることが多くなることでしょう。


おこがましい話ですが、修行をすれば、その能力を次元の高い完成した能力にできるかもしれません。完成した能力となれば、その能力は他人がひれ伏すものとなるでしょう。


しかし、もし能力を高めることに成功すれば、使用には厳重な注意が必要です。他人の人生をたやすく変えることができる力であり、他人の作った財を集める力でもあるからです。他人の財を吸い取って自分の利をなすことが容易にできるだけに、それが本当に相手の幸福につながることなのか?を公正に考えることのできる人格が問われます。欲がある者が他人を操ると、それは自分の利益のために動くことになり、結局他人の人生を陥れ、恨みを買い、その恨みが巡り巡って最後に自分が呪いを受けて因縁を背負うことになるからです。


因縁を防ぐためには能力者は自分の欲を捨てることができるまで修行を毎日欠かさず行う必要があり、それを行っていないサイキッカーは危険な存在に成り得ます。欲を捨て去ることは並大抵の修業では無理であり、多くのサイキッカーは自分の助言で他人を不幸に陥れかねません。それゆえ、慢性の難病にかかっている患者はたやすく心霊治療などを受けるべきではないと考えます。


2017年高僧との治療を提案

私の患者の中に真言密教の高僧の方がおられました。その方は波動エネルギーを操る能力があるようです。これまで様々な心霊治療を行ってきた治療実績があるそうです。それが真に心霊であるのかどうかは私には理解不能ですが、心霊と言って差し上げる方が患者の尊厳を守ることができることだけは真実です。ならば私も患者の尊厳を守るために心霊という言葉を借りることに一旦同意しておきます。


前述した修行僧の先生は患者を私利私欲に導くことはあり得ないでしょう。そこで、「ぜひお力を貸していただけないか?」と私の方から提案させていただきました。ミラーニューロンによる脳の誤作動を解除させ、著しく改善するという可能性にかけてみたいのです。

特にミラーニューロン過多の人に起こる不可解な難治性疾患は修行僧の先生のお力で軽減できるのではないかと考えています。おそらく相手のミラーニューロンを動かすことのできる能力があるのではないかと・・・ミラーニューロンのスイッチイングをする能力・・・

ミラーニューロン過多に心当たりがあるかたは申し出てください。救えるかもしれません。

2016年治療報告

はじめに

西洋医学で治らないとされている疾患・症状を診療することを専門としている私の診療スタイルは一般の方々にとって信じられないものであり、不透明なところが多いと思われます。「他の医師たちが治せないものを治す」ということに不信感をお持ちであることもよく理解できます。そこで、私の治療内容を少しでもクリアにするために、治療内容を公開します。信じる信じないは各自の判断にゆだねますが、少しでも難治性の症状にお悩みの方に光が差しますようにとここに投稿しておきます。2016/12-12から12/17 までの5営業日に治療を受けたのべ130名の来院患者の実態調査です。調査期間は短いですが、データをまとめる時間的な余裕がないためでありご容赦下さい。


最後の砦として機能する診療所

私の診療所には大学病院や全国的に評判の高い専門病院でさえ改善しなかった患者が集まります。中でも、ペインクリニック、鍼灸、カイロプラクティック、奇蹟的な治療技術を持つ治療師、サイキッカーなどに治療をしてもらっても治らないという超難治性の患者が集まります。ここでは治療成績を公表していません(成績は一定期間の治療経過後に出すものですから、現在治療中の患者では出せません。また、評価・調査に莫大な時間がかかりますので省略せざるをえません。後日疾患別に治療成績を少しずつアップしていきますのでご容赦ください)。

 

上記の表の中で勤務医時代から私がひきついでいる患者も少数存在します。私の診療所は予約が厳密であり、しきいを極めて高くしてあります。それでも私にくらいついて治療を継続していることから、他の医師たちには治せない状態であることが推測されると思います。つまり、上記の患者たちはほぼ99%難治性の患者であり現医学で手に負えない方たちばかりであることがわかります。


通院距離

当診療所は都内某所にありますが、おおむね2km以内の徒歩圏内から来院される患者が28人(21.5%)しかおりません。来年からはさらに近所にお住まいの患者が来院できなくなります。その理由は「治療にかける情熱の差」にあります。不治の病をなんとか治し、この世の地獄から抜け出したいという患者を優先的に診療するために近所に住んでいる患者に対してしきいを高くしているからです。

新幹線や旅客機で来院する方の数と近所から来院する方の数がほぼ同数であることから、私が近所にお住まいの患者に対していかにしきいを高くしているかがわかると思います。簡単には次回診察の予約をとらせませんし、軽症の方はすぐに治してしまい来院させません。


治療症例

私は整形外科医として20年間勤務しましたが、開業はペインクリニックです。ブロック注射でしか治療しない医師ですから、ペインクリニックの方が妥当です。しかし、上記のように治療疾患名に「科の垣根」は存在しません。神経内科・耳鼻科・脳外科・精神科・整形外科などあらゆる科の難治性疾患を診療しています。


なかでも症候性パーキンソンや筋萎縮性側索硬化症(ALS)、などは現医学では「打つ手なし」であり、これらに対してブロック治療を行い治療成果を出しているのはおそらく私の診療所だけではないでしょうか?

特徴的なのは突発性難聴です。現在、私の診療所でもっとも多い治療となりました。他の専門病院でステロイド・高圧酸素・鼓膜内ステロイド注射・星状神経節ブロックなどを行っても改善しなかった患者が、手遅れとなった時期に私の診療所に来院します。そこからさらに改善させるのですから「最後の砦」にふさわしいと自負しています。


突発性難聴が症状固定してしまってからでもある程度改善させることができるということは、他の神経(視神経・迷走(自律)神経・三叉神経)や脳でさえも治せる可能性があることが容易に推測できると思います。よって、視力低下や視野狭窄、かすみ目、原因不明の頭痛、症候性三叉神経痛、そして認知症、脳梗塞後遺症などにも効果があることはすぐに推測できるでしょう。また、スポーツ選手やアーティストにブロックすれば、脳が活性化し、身体能力が向上し、一流の成績を残せることも容易に予想できます。今後はトップアスリートの能力開発に私の治療技術を応用していこうと考えています。


難治性=特異体質

なぜ現代医学を結集しても治らないのか? なぜ医学書に掲載されていない症状が出るのか? 診断さえつけられないのか? その理由はマイナーであるからです。1万人に一人しか持っていない極まった体質を持っているからです。難治である理由は、それらを治すまでに知識が普及していないからです。

実際に難治治療に携わっている治療師は皆、そのことを知っており、西洋医学で治らないものが霊能者のお払いで治ってしまうことがあることも知っています(信じていなくてもそういう事実があることを知っています)。私は心霊を信じていませんが、私たちの知識を超えたところで病気が起こっていることがしばしばあることは理解しています。私はそれらを特異体質と呼んでいるに過ぎません。


ただし、特異体質は極めて危険な体質であることを理解するべきです。普通の人ならばかすり傷しかつかない程度の障害で寝たきりの重病になる可能性のある体質だからです。

私はブロック注射を専門にしていますが、その注射1本で2日後に「激烈な全身痛と倦怠感で動けなくなった」というような極めてリアクションの高い人を専門に治療しています。注射ミスをしておらず、丁寧に繊細に正しく行った注射で大きなリバウンドが出ます。もしもこうした特異体質の患者にミス注射をしてしまうと、とりかえしのつかない合併症を起こすおそれもあるでしょう。だから私の方もたった1本の注射に命がけなのです。

上記の表は私の治療は朝から晩まで命がけの注射を行い、それを日課にしているということをあらわしたものです。


他の医師が私のような治療ができない理由は、特異体質の患者ばかりを集めると、医師の命がない!からです。私の診療はナイフの上を綱渡しているようなものであり、年々危険度が増していきます。現在のような危険な患者ばかりを診療できるようになったのは、昔からの少しずつの積み重ねがあるからであり、繊細な治療技術の修業を毎日積み重ねてきたからであり、決して無謀だからできるのではありません。

私の行う治療を他の医師が真似れば、おそらく患者に多くの合併症を作ってしまうと思われます。そしてその医師もただではおれないでしょう。


腱引きとのコラボレーション

2016年の下半期は腱引き師の先生方とコラボレーション治療を行いました。腱引き創始者の先生も難治性の患者の治療に以前から携わっていました。そして、腱引きとブロックをその日のうちに両方同時に行うことで治療効果を大きくできないか? 模索しました。

結果はやはりブロック単独で治療するよりもコラボ治療を行うほうが治療効果が高く持続時間も長いことが判明しました。特にALSの治療、うなだれ首の治療に効果を感じています。2017年はさらに連携を密にしていきたいと思っています。ただし、治療にコストがかかることは言うまでもありません。患者の皆様はなんとか工面してください。


2017年CBPカイロとのコラボレーション

CBPとはChiropractic Bio Physicsの略で生体物理学に基づいたカイロプラクティックです。ちょっとしたマニュピュレーションではなく、2年近くかけて脊椎の軸を矯正していく極めて理論的なカイロプラクティックです。

私は難治性の方々の根底に脊椎の異常があることが多いと判断しており、カイロプラクティックとのコラボレーションは必要不可欠と考えていました。ようやく2017年から実施できます。すでにALS様症状の患者の数名はコラボ治療を開始しています。


2017年脳の誤作動への挑戦

脳の誤作動とは、脊髄から脳へ信号が伝わる際に、正しい回路で脳に伝わらないために、あり得ない痛みやあり得ない異常感覚、苦しみを味わってしまうものの総称です。例えば、他人の吐いた汚物を見ただけで自分も吐き気が起こるというのも脳の誤作動の一つです。それらに生まれ持った特異体質が加わると、逆戻りのできない症状が起こり難治となる場合があると思われます。

私は、この特異体質の部分を改善させるためにブロックを行っているわけですが、脳のスイッチングの誤作動は、ブロックでは治せません。例えば恐怖症をブロックで治すことは難しいでしょう。


脳のスイッチングには精神が関与していると思われますが、世の中にはそうしたスイッチングを正しく書き換えることができる能力を持った者がいるかもしれません。

その能力は現代科学では解明でない波動エネルギーのようなものかもしれません。実際にサイキックのような能力で難治性の病を治してしまえる治療師がいます。私は、それらを信じる信じないという話しをするのではなく、その者たちの治療成果を調査し公表することが重要であると思っています。まあ、すでに私も多くの奇蹟的治療実績を西洋医学で残していますから、サイキックに勝る治療成績と言えるでしょう。しかし、波動に感受性の高い患者であれば、私のブロックよりも効果的に症状が回復する可能性があります。そういう方々にきちんとした治療師を紹介できる状態を作っておきたいと思っています。


安全なブロックへの挑戦

わずかなミスも絶対に許されないという緊迫状態の中で毎日毎日繰り返しブロックを行っています。特異体質の患者に些細なミスをしただけでも症状が悪化することがあるからです。しかも、最悪なことには、重症な患者にはブロックの効きを強くしなければならず、際どいところに際どい量の薬液を注入しなければなりません。極めてリスクの高い患者に際どい注射をするという命がけの行為を毎日繰り返すことで、ますます安全保持能力が高くなってまいりました。

痛くない、ミスしない、高い命中率、そして合併症なし、の4拍子そろったブロックがさらに日々進化をとげています。

この進化のおかげで、オリンピック選手やプロのアーティスト、要人など、絶対にミスを侵してはならない人々にもブロックができるようになりました。しかも、痛みを治すのではなく能力開発のためのブロックです。この分野は今後広がりそうな気配がします。


2016年の終わりに

今年はますますの難治性、重症患者が集中するようになり、一人当たりの治療時間が延びてしまい、精神をすり減らし健康を損ないそうになりました。年末に予約数を半分に制限し、患者数を大幅に削減しました。おかげで収入も激減。

そのうえ精神疲労と時間のなさのためブログも2ヶ月間更新できない状態となりました。そこで年末は休診日を作り、資料作りし、こうしてブログを更新しています。来年もごひいきによろしくお願い申し上げます。

上頚神経節ブロックと屈辱の1年半

近況報告

開業して1年半、全国そして海外からも難治性疾患を治療するために現医学では治らない症状を改善させるために私の元へ患者が訪れるようになりました。そのため私には予想を上回る治療負荷がかかり毎日疲れ果てて死んだように眠る毎日となりました。これを読む方々はそんな私に対し「私の医療技術や論文をどこまで信じたらよいのか?」迷われていると思います。治療実績を出せばよいのですが、日々の命を削るような激務のためデータをまとめる暇さえない状況です。データの公表は必ず行いますが、今回は論文ではなく私の個人的な意見や近況報告をここに書き記すことにしました。ブログが炎上するかもしれませんが今後の治療方針を明確にするために、愚痴をこぼすことにします。


開業して1年半

開業したのは2015年4月であり、まだ開業して1年半しか経っていません。私はそれまで非常勤専門の整形外科医でしたので3か所のクリニックを日替わりで勤務していました。その3か所のうちの1箇所である東京の某地区に開業したのは、その地区に住む患者とのつきあいが5年以上になるからでした。


私のような反社会性・反体制を覚悟して治療法を編み出す医師は当然ながら長くいると病院のお荷物になることが多く、勤務先は転々としなければならない宿命があります。しかし偶然にもこの地区には5年以上いることができたため「私の治療で命をつないでいる患者」がいました。その地区の病院勤務を4月で辞めなければならなくなったので、急遽、その地区に開業することにしたわけです。スタッフの迅速な対応のおかげもあり、なんと、2か月という短い期間でクリニックを作ってしまいました。おそらく、0から作った新規クリニック開業としては2か月日本記録だと思います。この地区の重症患者を切れ目なく治療を続けるために全力で仕上げました。


私が開発した唯一無二の上頚神経節ブロック

私の元へ患者が全国や海外から患者が来院するのは、私が上頚神経節ブロックの開発者であり、まだそれをほとんど誰にも伝授していないからです(奈良県に1名、伝授した医師がいます)。このブロックは星状神経節ブロックのさらに上位の交感神経節を狙った「脳幹や脳」に絶大な治療効果を発揮する世界最強クラスの注射です(実績はいずれ必ず公表します)。よって希少価値が極めて高いと言えます。開業当時は1日に数名くらいにしかこのブロックを行っていませんでしたが、現在では外来患者の7割がこのブロックを受けるために来院します。気の毒にも、九州や北海道の方も、このブロックを受けに来るためだけに東京に1~2週間滞在します。どれほど効果が強力か?は「滞在する」ことから推測してください。効果がなければ早めに切り上げますから。


売り上げが激減の危機

開業当初、上頚神経節ブロックを星状神経節ブロックとして保険適用していました。ほぼ同じ頚部交感神経節ブロックですので違法性はありません。

しかし問題がありました。星状神経節ブロックは左右のどちらか一方にしますが、私の上頚神経節ブロックは左右両方にすることです。両方にする場合は片方よりもリスクが高く、それを回避するために注射手技で時間が倍以上かかり、しかも精神をすりへらします。にもかかわらず料金を片方分しかいただかないわけですから、時間当たりの収益は半分から3分の1くらいにまで落ち込みます。これが1日に数名だったら売り上げにあまり影響しませんが、全体の外来患者の7割が行う状況になれば売り上げが半分になってしまいます。


世界で私しかできない極めて効果が高いブロック注射なのに・・・そのブロックを正当な料金の半分以下で提供し、そして売り上げが右肩下がりに低下し続けるさまはまさに「屈辱」でした。外来が混雑すればするほど売り上げが下がりました。1日に数名だったブロック治療が、1日に数十名となってしまった理由は、「料金が安く、安全、痛みがほとんどなく、奇蹟的な効果」が得られるからです。宣伝しなくても利用者は広がっていきます。そして私は精神疲労と売り上げ低下の屈辱のためイライラするようになりました。


患者を連れ戻す家族

九州から一大決心して単独来院した女性の夫が治療の翌日妻を連れて帰りました。夫は私に「どうしてあなたは有名ではないのですか? 本当に効果のある治療なら世界中に知れ渡るはずでしょう? 妻の難聴は医学的に治ることはないと大学病院で言われました。それを8~9割の確率で改善させることができるという話を信じられるわけがありません。」と言い捨てて妻を連れて帰りました。このような屈辱を受けることはしばしばあります。ですから、来院する前に「家族と闘ってください」と私はいつも言います。「家族を説得できなければ治療をうけることができません。」と述べています。


ですが、考えてみてください。私の治療が世間に認められれば、もちろん私は世界的に有名なるでしょう。なぜなら現医学では治らないと宣言されたものを治すのですから。しかし、それは現西洋医学が自分たちが築き上げた医学理論を叩き壊されることを認めることであり権威が失墜します。しかも、東洋医学で治すのではなく西洋医学で治してしまうわけですから完敗です。私の治療が認められることは医学秩序を乱すことであり望ましいことではないでしょう。それを自覚しているからこそ、私は自分の名前を出さずにこのようなHPを作っているわけです。名前を出せば私だけでなく出身大学にも圧力がかかり迷惑をかけることになります。ですからあくまでひっそりとサイトを運営しています。前にも述べましたが、私は反体制ですが体性を覆そうとは思っていません。反体制なのは患者を救うためにやむを得ずそうしているだけです。体性に逆らわなければ救えません。


縁がないとあきらめる

「縁がなかったねえ」が私の診療所の口癖です。私のクリニックに来院された患者がよく言いますが、「治る治らないじゃなく、ここの治療を受けるしかないんだよねえ。」と。私の元へ来られる患者は、すでに大学病院で無効、漢方薬で無効、鍼灸で無効、カイロプラクティクで無効、他の怪しい治療を受けても無効という方が最後の砦として来られます。難治オブザ難治、難治の中の難治という方が来られ、そこから実際に私が治療して改善させるわけですから「ここの治療を受けるしかない」ことを理解されます。


しかし、難治の中の難治が来院するおかげで、治療成績はさすがに低下します。突発性難聴の改善率は90%以上でしたが、最近では80%代まで落ち込んできました。さすがに、短期間では治せない、または通常の仕組みではない病気にぶち当たると治せない場合もあります。ですが、他に世界のどこに、私以上に治せる施設があるというのでしょう?


私は常に言います。私以上に改善率の高い施設があるのなら紹介します。自分で見つけたならいつでも移ってください、と。私は常に「ブロックをやりたいわけではありません。これしかないからブロックを行っています。ブロックをしなくてもよい日が来ることを常に待ち望んでいます」と述べています。それでも移っていく人がほとんどいないことから、私の治療力が評価されていることがわかります。


私のところへ来院された突発性難聴の患者の多くは、現西洋医学で最新の治療を受け、その治療に怒りを覚えています。「もう治らない、あきらめてください」とあっさり言われたと言って怒っています。それを治すわけですから間違いなく医学の権威を失墜させています。ですが、権威がどうあれ、治る可能性があるのなら、治療をするしかありません。


しかし、初診で予約をとった後に考え直して来院予定をキャンセルされる患者が後を絶ちません。おそらく家族や同僚、医師などに「怪しいからやめておいたほうがいい」と言われるのだと思います。「ここしかないのにねえ」と思いながらも最後には「縁がなかったねえ、残念だけど仕方ないねえ」で終わります。ちなみに私の診療所は患者がキャパシティオーバーですので、来院がキャンセルされると私は心から喜んでいます。縁がなかった患者には悪いのですが、私の体力が限界です。予約を一手に管理している医療秘書もいつも連日疲労困憊しながらも、優秀な見極めでなんとか予約患者のために治療時間を確保して患者を救っているので、私たち診療所にとっては屈辱を受けるほうが体力の温存にはよいのです。


難治を治せる=軽症は一発

現代医学が見放した疾患は無限にあります。まずは老い、アスリートの抱える故障、変形、慢性の痛み、しびれ、冷え、自律神経失調などなど。これらの難治性疾患は西洋医学では治せなくても、東洋医学で治せる場合があります。一流の(1回の施術で2万円クラス)施術師なら、かなりの改善率があります。が、私の元へは一流の施術師が治せなかった「さらなる難治」の方が来られます。ただし、病気の種類によっては私の治療よりも効果の高い施術ああると思います。相性がありますから。


難治を治せるということの意味を、多くの方が理解されていないことに屈辱を受けます。それは「難治が治せるなら普通の症状はたった1回の治療で完治に近い状態へ導くことができる」という意味だと言うことをほとんどの方に理解されていないからです。では、難治の中の難治を治せるというのはどういう意味でしょう? これは手術しか方法がない、何年通院しても治らなかったというクラスの症状もたった1回の治療で完治に近い状態に導ける可能性がそこそこあるという意味です。


私のサイトの人気コンテンツの一つに「捻挫後に長引く腫れへの対処法」がありますが、これを読んで来院される方の腫れを、ほとんど全員、1回の治療で完治させています。1年以上通院して治らない腫れと痛みを1回で治してしまうそのお値段はいくらにすればよいのか悩みます。通常、保険診療では関節内注射は800円ですが、私の注射を800円で提供することは「極めて屈辱的」です。なぜなら、実際は私の注射を1本受けるために飛行機で往復される方がしばしばおられ、その方たちはすでに交通費で3~5万円をつかっているからです。高額な交通費をかけるほどの価値がある治療を800円で行うことはどれほどの屈辱かわかりますでしょうか?


 予約のズルは許せない

私の診療所は開業当初より完全予約制です。しかし、急な痛みには予約外で診療しなければなりません。予約枠は一人15分。健全経営のためには15分で7000円前後を稼ぐ必要があります。しかし、ばね指270円、膝注射800円、肩注射800円・・・というような患者がこの15分枠を予約すると我がクリニックは倒産します。よって、本来はこれらの疾患を受け付けないことが経営にとっては必要なことです(ペインクリニックを標榜しています)。


ところが私は受け付けてしまいます。理由は・・・私以外の医師にはたやすく治せないからです。私がこれらの患者を拒否すれば、患者たちは行き場をなくし、最後に手術へと追い込まれることがわかりきっているため、受付けています。


ですが、上記の疾患で予約されてしまうとマジで倒産しますのでこれらの疾患は予約なしでフリーで受け付けます。私が治療してしまうのです。屈辱的な料金で!受付は大変です。


私の地区に住んでいる近隣の患者たちは私が全国レベルの治療力を持つことを知りません。また、予約制をとっているクリニックも近隣にはゼロです。よって、予約をして診察を受けるという「しきいの高さ」に近隣の住民は不満を感じている者が多いというありさまです。


北海道や九州から飛行機に乗って来院される方がざらにおられるということも知りませんので予約に対していい加減なのです。私の地区の患者は平気で当日ドタキャンし、予約をとらずに「痛いからどうしても診てほしい」と言って毎回割り込み、膝や肩の疾患で予約いらずの来院をしているにもかかわらず、「今日は別のところを診てほしい」といって割り込んでくる患者がいます。スタッフへの精神的負担もかなりのものになります。


私は極めて高い治療技術を、屈辱的な治療費で治療し、しかもほぼ1発で治すというようなことをしていますので、毎日理不尽という名の屈辱を受けながら診療しています。その屈辱に耐えるため「しきいを高くする」ことだけには全力を尽くしています。できる限り予約を入れさせない、できる限り1回で治す、できる限り治療間隔を開ける、そしてずるい割り込みは絶対にさせないということに全力を尽くすのです。これが屈辱に耐えるための最後の砦です。とにかく来院させないことです。


私のブロックが効果が高い理由は、狙ったところを外さない、外した場合は成功するまで何度もトライする、そしてリスクを極めて低くするために時間をかける、診断力が高い、というところにあります。それを死守するためには、一人15分という枠を死守する必要があり、予約がそのライフラインとなります。私の地区に住む患者はその予約をたやすくふみにじる傾向があるので、スタッフにも敬意を払わずにルールを守らない患者には雷を落とし、場合によっては出入り禁止にします。私は患者に嫌われることなど全く気にしません。他の患者の命を守るために時間厳守は当然のことでありこれを乱す患者は叱りつけます。


屈辱的料金に甘える患者たち

私の治療技術は当然ながら長年かけて自ら開発してきたものです。つまり、勤務医時代から技術磨きを積んできたということです。勤務医時代から難しい関節内へ注射し、上頚神経節ブロックを行い、高齢者の変形脊椎に果敢にブロックを行ってきました。1日に1回しか計上できない神経ブロックなのに2か所に治療することもありましたし、週に1回しか計上できないブロックを2回行うこともありました。


計上できないということは、それは「無料奉仕」になることを意味します。つまり、勤務医だったころの私の患者は、私の無料奉仕によって助けられたという人が大勢存在していました。もちろん、それは今よりもさらに屈辱的でした。無料奉仕ですから。


私は昔から「治らない疾患を治す」という芸当を行っていましたので、極めて高い技術をタダで提供したことが何度もあります。皆さまには理解できないかもしれませんが、現医学を超えた高い技術を無料で提供することは「プライドがへし折れてしまう作業」であり、たやすくできることではありません。私は自分のプライドを折ることを修業と考え生きてきましたからできましたが、同僚の医師たちは「絶対にやらない」ことです。医師はプライドこそが命の職業だからです。


私の地区にはその無料奉仕の恩恵を受けていた患者がいるわけで、その患者が継続して今の診療所に通院しています。そのような患者は「週に1回しかブロックしてくれない」ことや「1日に2回ブロックをしてくれないこと」や「本来は自費診療になること」に対して極めて強い不満を持つようになります。


勤務医時代に行っていたサービスが、実は無料奉仕だったということに感謝の意もなく、その無料奉仕に支えられて生きてきたというのに、不満を抱くわけです。これがどれほどの甘えであるか? 恩を仇で返す不満であるか?ということをわからない患者を診療し続けることは極めて屈辱的です。


不信を抱く患者は救えない

私の診療所はコンビニエンスストアではありません。難治を治すには医師だけの力では不十分であり、患者の努力も不可欠になります。つまり患者の生活指導をしなければなりません。思い出してみてください。中学校時代の生活指導の教師がどれほど怖かったか? 生徒の生活を指導するには、その教師は鬼になり嫌われ役を演じなければなりません。卒業式にはお礼参りに怯えなければなりません。その役を買って出るのが生活指導の教師です。


私の診療所ではその生活指導の役を私が演じなければなりません。難治性の患者は生活指導しなければ治らないからです。もちろん、一発で治るような患者には生活指導する必要はありません。また、私を信じている患者は丁寧な口調で生活指導が進みます。しかし、私を信じていない患者に生活指導するとどうなると思いますか? 患者が言うことを聞かないので口論になるわけです。患者は15分しか持ち時間がありません。ブロックに時間をかけたい私にとって、口論という「治療費をいただけない診療」に時間を費やすことがどれだけ屈辱的かわかりますでしょうか? しかも信じていないことがありありとわかる患者に無駄な生活指導をし、嫌われ役を買って出ることの無意味さ・・・


つい先日私は患者から「何ですか?その言い方は?怒鳴らないでください!」と言われました。私はこのように言う患者には毎回決まったセリフで対応します。「ここはコンビニエンスストアじゃないんだ。我々が先生と呼ばれる理由は、あなたたちが生徒であり、ここに指導してもらいに来ているからなんだ。生徒が先生に怒られているときに「怒鳴るな!」と反論する奴がどこにいる? ここはあなたのような患者が来るところではない。帰りなさい。」と追い返しました。


このように、不信感をぶつけてくる患者は私にも救いようがありません。ここへ来院したのは「勝手に治してくれる」医師を探しに来たわけで、「自分が指導される」ことは考えていないようです。この患者はプライドを私にへし折られて帰りましたが、後日、予約もとっていないのに来院し、外来で患者の前で文句を言って帰って行きました。


私を信じていない患者に、私しかできない特別な治療を施すことへの理不尽さをいつも感じています。私の治療法は他の病院の治療と同じものは一つとしてありません。保険診療としてお決まりの治療をしているわけではなく、自分の身を切って創意工夫で治療をしています。私以外の施設で治るものであれば、そこで治していただいて構いませんので、私のところへは来ないでいただきたいのです。


トップアスリートが来院しない(2016年現在)

難治性を治すということはアスリートの能力を上げることもできることを意味します。アスリートは常に限界まで肉体を酷使しますから、一度はトップに立てたとしても、それを維持することは不可能に近いと言えます。その不可能を可能にするためには、アスリートの痛みという難治性の症状を治す特殊技術が必要です。


一般の方は変形や体質によって難治性となりますが、アスリートは酷使することで難治性となります。原因は異なっても同じ難治性ですから、私はトップアスリートの治療技術にも自信があります。


以前、トップアスリートがマネージャー2名、トレーナー1名をつれて診療に来ましたが、本人は私の治療を受けたいと意思表示しているにもかかわらず、マネージャーに拒絶されて来院をやめた経緯があります。マネージャーには「トップアスリートに気軽に針を刺さないでください」と私は叱られました。どれだけ私がなめられているか?想像してみてください。その方はALS様の症状で筋委縮がありましたが、私のようなどこの馬の骨ともわからない医師に、トップアスリートを触られたくない、と本気でそう言って怒って帰りました。まあ、私の治療を拒絶するのは自由です。縁がなかっただけです。屈辱的というよりもあっけにとられてしまいました。


私に言わせれば、トップアスリートは真贋を見抜く眼力が必要だと思います。名前だけの有名治療師にかかれば、それ以上の改善はのぞめず、引退するしかなくなります。よって治療師を選ぶことは命がけでするべきであり、他人任せにしてはいけません。にもかかわらず、自分の肉体を他人任せにし過ぎています。自分でしっかり調べられなければ、私にたどりつくことは無理だと思います。


現時点でプロのアスリートを2名、定期的に治療していますが、たったの2名です。しかも、その2名も自分で私を見つけたのではなく、現在の治療師に来院を命じられて私の元へ来ただけです。


手術をたやすく受けてしまうアスリートも多いと聞きます。健康管理で誰にかかるか?はアスリートの生命線なので自ら真贋を見極める眼力で選ぶべきだと思います。もちろん、それが私でなければならないわけではありません。私は難治を治せる。それ以上でもそれ以下でもありません。


上頚神経節ブロックに隠れてしまう他の技術

私は世界で初めて上頚神経節ブロックを開発しましたが、今では想定外の7割の患者がこのブロックを求めて来院します。7割は多すぎます。


私の特殊技術は、神経根ブロック、椎間関節ブロック、仙腸関節ブロック、へバーデン結節への注射、顎関節症の注射、股関節内注射、手根管内注射などなどがあり、高い治療効果を発揮します。さらに、捻じれた背骨、高度に変形した背骨にも正確に硬膜外ブロックができる技術など、多くの悩める患者たちに活かしたい技術がたくさんあります。


しかしながら、上頚神経節ブロックを希望する患者が増えすぎてしまったために、上記の注射を行うべき患者が追い出される傾向があります。そしてこれらの技術を評価されなくなる危機に瀕しています。優れた技術があるのに、それを眠らせてしまうことも屈辱的です。


表には出られない仕組み

私の技術は患者には「絶好の救いの手」ですが、同業者にとっては「いかさま師」として葬り去りたいものです。同業者とは大学、厚生労働省、製薬会社、学会などです。よって社会秩序を乱さないためには、私は表には出ないほうがよいでしょう。それは屈辱ではなく、理屈として認識しています。


ただし、問題があります。インターネットの医学的広告に対して規制されることが決定しているからです。美容外科で誇張表現や虚偽が多く掲載されていることを理由に、インターネットの医学系論文に圧力をかける方針で国が検討しています。まあ、真の狙いは美容業界ではなく、まさに私のようなやからが今後出てくることを防ぎたいのではないか?と勘ぐっています。リリカ・トラムセットの禁断症状に警告!の記事などは、国も製薬会社も表に出してほしくない記事ですから・・・。それらを規制する法律が欲しいのだと思います。今の法律では文章を削除させることもできませんから。


言論の自由を奪われることは中国や北朝鮮では当たり前ですが、日本もそうなるのでしょうか? まあ、私は国家体制に逆らうつもりはありませんので、削除要請があればすぐにでも削除します。それは屈辱というよりも真実の隠ぺいですが、国や教授が「信用性が低い」と感じたものは「虚偽や誇張」と勝手に認定することができますので、彼らが「都合が悪い」と感じた論文は何でも削除対象になると思います。特に西洋医学に否定的な内容は、削除対象でしょう。日本は民主主義国家のように見えますが、医療はバリバリの共産主義ですので言論統制は屈辱的であっても受けるしかありません。


もし、そうなったとして、このサイトの論文の何割が削除対象になるのでしょうか? もともと医学論文には信憑性が少ないことは一つ前のブログに書いた通りです。すなわち、いいがかりをつければ、ここに掲載されている全論文が削除対象になるということです。医療は共産主義。そこから抜け出すことはこの日本という国では難しいかもしれません。

医学論文に嘘が多い理由~過活動性膀胱の治療法から

H2016.8.6.のライフハッカー日本版の記事

「尿は無菌は嘘だった!:研究結果」を例にあげ、「医学理論は科学理論でありエビデンスもあり」のはずにもかかわらず論文に嘘が多い理由について考察します。以下に記事の全文を記載します。


尿には、尿素、水分、ナトリウム、カリウムやその他の化学成分が含まれています。無人島やジャングルなどを舞台にしたサバイバル番組を見過ぎた人だけでなく、医師までもがこれまでずっと、尿は無菌だと考えてきました。ところが、尿は体外に排出された時点で無菌状態ではないことがわかったのです。


米国微生物学会の学術誌『Journal of Clinical Microbiology』で発表された研究によると、健康な女性と、過活動膀胱(膀胱が過敏になり自分の意思に関係なく収縮する)を患っている女性の両方から尿サンプルを集めて検査した結果、健康な女性であっても、膀胱と尿に生きた細菌が存在することが確認できたそうです。これまでは、尿サンプルから細菌が検出された場合、医師は何らかの尿路感染症だと判断していました。しかし、「尿は無菌である」という見方が誤りであることが研究で証明されたのはこれが初めてではありません。


尿は無菌という通説が生まれたのは、検査室で実施される通常の検査環境であれば、健康な人間の尿サンプルから「臨床的に有意な」数の細菌コロニーは検出されないだろうという考え方があったからです。細菌が検出されたとしても、皮膚や、滅菌されていないものと接触したせいだとみなされていました。


同じ研究チームがさらに研究を行ない、その結果を米国微生物学会に報告しています。この追跡研究では、84人の女性から尿サンプルを採取し、一般的な検査手法と、より有用なEQUC(Expanded Quantitative Urine Culture)と呼ばれる手法で培養しました。その結果、サンプルの70%以上に細菌が含まれていたのです。ところが、見つかった細菌の90%は、一般的な検査手法であらかじめ「陰性」とされていたもので、従来の手法には限界があることが示されました。


こうした結果からさらに明らかになったのは、過活動膀胱を患う女性の膀胱内に存在する細菌は、健康な女性の膀胱内にある細菌とは異なっており、種類も多様であったことです。


研究チームは、膀胱に存在する細菌は消化器官で見つかる菌とかなり似た働きを持っており、正常な菌バランスの変化が過活動膀胱の発症の背後にあるのではないかとの仮説を立てています。これにより、尿路感染症や失禁といった膀胱疾患の予防や治療に対する医療関係者や研究者の取り組み方が変わると、泌尿器学学会誌『European Urology』に掲載された論文で研究チームの1人が述べています。

Stephanie Lee(原文/訳:遠藤康子/ガリレオ)


この記事の「嘘」が疑わしい部分は赤字にしてあります。


医学論文の多くは1、データ 2、統計学的な事象の関連性 3、因果関係の推測 4、治療への応用 という4部構成になっています。


上記の論文の場合1、健康な女性の尿の検査結果 過活動性膀胱の尿の検査結果、2、健康な女性の70%から細菌が検出された。過活動性膀胱の患者の尿からは菌腫が異なりかつ豊富であった。


という科学的な実験データと結果が示されました。ここまでのエビデンスは全く問題ありません。ところが3の因果関係となると、ここから先は全く非科学的な著者の空想になります。


因果関係は統計学では述べられない

統計学では関連性を述べることができます。関連性は「科学的に裏付けられている」と述べても問題ありません。しかし、因果関係は述べることができません。わかりやすく言うと、AとBは関連があることは間違いないが、「Aの原因がB」だと述べてはいけない、というのが統計学の規則なのです。


例えば、A「雨の日が多い」とB「カビが生えやすい」という事象で、「AとBは関連がある」は科学的に正しいことです。しかし、「カビが原因で雨の日が多くなる」と述べると笑い話になります。カビが雨を降らせる背景となっていると述べる科学者はこの世に一人もいないでしょう。


 

同様に川の流れの真ん中で採取した水に潜む細菌と、川の淀みで採取した水に潜む細菌とでは菌腫も菌の数も異なっていたという実験結果があったとします。この実験結果から「細菌が川の流れをせき止め、細菌が淀みを作った」と考える者はこの世に一人もいないでしょう。


しかし、上記の過活動性膀胱での考察では「正常な菌バランスの変化が過活動膀胱の発症の背後にある」と延べ、細菌が過活動性膀胱の原因であると考察しています。この考察はあまりにも飛躍しすぎていませんか? 川のよどみの例では「細菌が淀みを作る」のではなく「淀んでいるから細菌の菌腫や量が変化する」のだということは一般の人が考えてもわかることです。それを「細菌が過活動性膀胱の原因」とするには、あまりにも奇抜すぎて理解に苦しみます。もちろん、この考察に科学的な根拠はゼロであり、一研究者の無謀な妄想です。しかしながら、この考察を述べる前に、壮大な実験データがあり、まるでその実験データから考察を導き出したかのような言い回しになっています。これが詐欺的なのです。


問題はその後です。医学論文では、この後に治療への応用がなされます。この論文を元にです。つまり過活動性膀胱を治療するために、広域抗生剤を用いると言うおろかな治療法へと駒を進めることがわかりきっています。なぜなら、細菌が過活動性膀胱の原因だと仮説をたてているからです。


当然ながらその治療はよい結果を残しません。しかし、データ改ざんを少し行えば、「抗性剤を用いると過活動性膀胱が改善する」というデータが捏造できてしまいます。そして間違った治療が世界に流布します。これを名のある教授が発表すると、全て真実として医学書に掲載されてしまいます。


詐欺的な考察の中にも真実が潜んでいる場合がありますが、こうした論文を読んだ者は、「細菌が過活動性膀胱を起こすことが科学的に証明された」と勘違いするでしょう。


医学論文のほとんどはこのような詐欺的な作りとなっていますので、結局、その真偽は誰にもわかりません。ただただ、権威者が述べた論文は真実として世の中に流布し、名もない研究者が述べた論文は無視されるという法則があるのみです。


過活動性膀胱の原因を探る

私は過活動性膀胱の95%以上を、硬膜外ブロックで完治、または改善させています。泌尿器科の医師たちはそういう経験がありませんから、上記のような論文を書くに至っています。実際に数多くの過活動性膀胱を治している医師から見れば、上記の論文は笑い話であり詐欺的に見えてしまいます。


別に私はここで自分の治療力を述べたいのではなく、医学論文はこのようにして科学の化けの皮をかぶって仮説を立て、仮説が真実化されるのだという仕組みを知ってほしいために例を挙げたにすぎません。


 

正義の投稿

つい最近、私のブログに以下のような投稿がありました。


「悪徳医療撲滅さんより 素人相手に嘘ばかり書くのはどうかな。詐欺商法ですよ。 臨床症状だけでエビデンスのない理論です。」

との書込がありました。


彼の書込は間違いではありません。私の論文は「臨床症状だけでエビデンスのない理論です。」はとても正しいものです。しかし、「他の世界の教授たちが書く論文にエビデンスがある」と考えていることは間違いであることを知らなければなりません。どこまで行っても、因果関係にエビデンスはないのです。統計学からは因果関係を導くことはできないという大原則を無視し、その結果、一般大衆は「教授の論文にはエビデンスがある」と思わされています。


この真実を正しく受け入れない限り、誤診、悪化、無駄、な治療が改善されていきません。特に難病治療にはエビデンスが全くありませんので、エビデンスがないから治療しないでは、患者を救うことはできません。お願いですから医学を妄信的に信じすぎないでください。信じすぎた結果、バカを見るのは国民なのですから。

 

日本の医療に対する苦情

はじめに

医療はサービス業の一つであり、当然ながら患者の希望に沿う形で治療方針が決められていくべきですが、日本の医療は事実上「患者の希望で治療を行うことを禁止する」という方針で保険医療が進められています。ご存知でしたか?

私は開業して初めて知りました。それまで普通に勤務医をしていましたが、まさか「患者の希望は禁止」が保険医療の大原則であるなんて教えられずに20年以上医師を行っていたわけです。

この原則のおかげで余計な検査や頻回の治療など「お金のかかる治療」を制止することができるので「医療費がかなり削減できる」という国にとっては最高のメリットがあります。しかし、一方で医療が「患者本位」とならないために、検査を拒否することで病気を見逃し、治る可能性のある治療を途中でやめ、重大な医療事故を招くという弊害が起こっています。ここでは「患者の希望で診療を進めることを禁じている日本の医療行政」の実態を学び、その是非について考えます。


「治療に患者の希望はNG」に驚くばかり

私は難治性疾患を専門に治療を行い、数々の「治らない症状」を治してきましたが、それは私が望んでそういう医師になったのではなく、患者の希望をかなえようと必死に最善を尽くして医業に励んだ結果、他の医師が治せない症状を治せるようになりました。つまり日本の医療行政に逆行し「患者の希望中心」で診療を進めたおかげで「他の医師が治せない症状」を治せるようになりました。皮肉にも、医療行政に逆らって診療をしてきたおかげで医師として卓越した技術を身につけることができたわけです。

その私にとって「治療に患者の希望はNG」であるという保険医療の大原則を聞いた時は正直言って動揺しました。というより、他の保険医たちがこの大原則に違和感を持たずに診療を普通に行っている姿に危機感を覚えました。これは普通じゃない…

具体例を挙げます。治療を行う際、検査を行う際、その理由をカルテに記載しますが、それが「患者の希望」で行われることが許されていないのです。例えば、カルテに「先週のブロック注射が非常に効果的で、痛みが平均して半分以下になった。患者は継続して治療を希望。引き続きブロックを行う。」と書くとダメなのです。患者の希望で治療を行った旨をカルテや症状詳記に記載すると、その診療費を保険側が支払い拒否することがあります。また、個別指導を受ける場合があります。あくまで「患者の主観ではなく、医師から見た客観的な理由を記載した上で検査や治療を行いなさい」ということです。


一見もっとものように聞こえますがそうではありません。客観的=ガイドラインに示されている通りの方針、を意味しますから、例えば、患者の症状が診断基準を満たさない場合、非典型的で二つの病気が重なった症状などでは十分な検査や治療を開始することができなくなります。つまり、主観的には重い症状であったとしても、客観的な目に見える症状があまりないようでは治療や検査を受けられません。

また、治療間隔(治療頻度)を決める上で「患者の希望を無視する」ことは治療成績や医の倫理に大きなダメージを与えます。

患者は自分の主観で「治療をどのくらいの頻度で行えば適切であるか?」を考えます。そこには社会が介在し、会社を休める日数、注射がどのくらい効いているか? 手技が痛いのでやりたくない、危ない目に遭ったから可能な限り受けたくない、しかし本当に治るなら回数を増やしたい…などの思惑があります。これらの主観は医学的ではなく、客観的でもなく、厚生労働省は「無視しなさい」と医師に指導しているものです。しかし、実際は治療回数に患者の希望を取り入れることは「生活レベルを向上させるため」にもっとも重要で、治療成績に最も関わり、さらにリスク回避にも関わります。よって患者の希望主体にしてはいけないとしてしまうと、治療成績が大きく低下します。そして私は「患者の希望を主体として治療方針を決めているからこそ治療成績が極めて高い」ということを常に実証してきました。


患者の主体で医療を進めると、腕のいい医師では患者が多くの治療回数を希望し、ミスが多く痛い治療しかできない医師では患者の来院回数が減ります。よって腕のいい医師ほど厚生労働省のガイドラインに逆らわなければならない状況になり、腕の悪い医師はガイドラインに忠実に従い、医師の裁量で「毎週×5回連続治療を続けなければなりません」と患者に強制的に来院させようとするでしょう。基本的に治療回数は医師が決めるものというのが厚生労働省のガイドラインですから。よって、腕の悪い医師は「この治療があまり効果がない」ことをうすうす感じていたとしても、「5回連続治療に来なさい」と患者に命令し、お金儲けをするという医の倫理に反したことを平然と行います。つまり、腕の悪い医師にとっては「患者の希望禁止」は有利に働きます。厚生労働省のガイドラインが多くの医師に支持されていて、これに反感を持つ医師が少ないということはすなわち、腕の悪い医師が多いということに直結します。


私はこうした「患者の希望を禁じた日本の医療」に激しい違和感を覚えました。自分が「腕のいい医師」だからです(自画自賛で恐縮です)。多分、腕の悪い医師は違和感を覚えないと思います。

サービス業でありながら患者の希望を通すことがNGというあからさまな医療緊縮行政を推進するというなら「そうした指導を行っていること」を国は国民に伝える義務があるのではないでしょうか。

もちろん、なぜ患者の希望を通してはいけないか?の理由はわかります。患者の希望を通すと国の総医療費が膨らむからです。


患者の希望をNGにすると医療費の支出を抑えられる

痛みが強い患者は「できるだけ多く通院して多くの治療」を希望します。しかし、その希望をかなえるためには「患者が希望するから!」という理由をカルテに書くことはできません。例えば、毎週のブロック注射を行って患者を救うためには、カルテに「なぜ毎週連続で治療することを計画したのか?」について理論整然と記載しなければならないのです。真の理由は「患者が痛み・苦しみ・治療間隔を開けると苦痛で生活できないから」なのですが、「だから患者の希望を通し、毎週治療した」というのであれば、保険側がその治療費の支払いを拒否してよいことになっているわけです。


支払い拒否を免れるためには、まず治療計画を立て、痛みという患者の主観ではなく、生活水準の点数化などを行い、重症度を診断し、その診断から導いた治療回数を設定し、その予定通りに治療を行いなさいということになります。とても面倒、かつ融通の利かない、かつ患者の感情を無視した治療計画が正当とされています。


開業医としては、面倒な治療計画を立てるよりも「治療を減らして支払い拒否を免れる」方向に進めるものです。よって厚生労働省側は出費を抑えることができます。開業医に精神的なストレスをかけることで患者に濃厚治療をさせないことが可能です。腕の悪い医師であればこのような苦労は無用です。患者が来院したがらないのですから、最小限の治療で済み、保険の審査から目をつけられることがないからです。

 


病名がつかない症状は治療も検査も禁止

現代には病名をつけることができない症状が無数にあることは私が何度も述べてきたことです。その理由は「複数の病気が重なる」ためです。医学書に記載されている症状は、ほとんど全てが単一の病気の症状や診断基準であり、二つの病気が重なれば、診断基準をみたさなくなるというからくりがあります。つまり、複数の病気が重なると病名がつかなくなることが日常茶飯事にあります。

しかし、「病名がつかないものに検査も治療もしてはいけない」のが日本の医療の規律です。患者が検査を希望しても「患者の希望で検査を行うことはNG」としているため十分な検査や治療をしてもらえないことがあります。よって私のところへ来院するALS予備群の患者たちは病名もつけてもらえず、検査も門前払いされています。まさに医療費が削減できているわけです。

国側はあいまいな病名のままたくさんの検査をすることは、最も医療費を消費するので嫌っており、そうした国の方針に逆らう医師はいません。あいまいな病気ほど多くの検査を必要とし、それでも結果が出ないこともしばしばあるからです。日本の医師は極めてお上に従順です。この従順さは諸外国から見ると異常です。

さらに、あいまいな病気を一まとめにしてしまうのが精神科です。診断が付けられない不思議な症状を訴える患者は「精神がおかしい」としてうつ病、ヒステリーなどの精神病名をつけることが通例です。この通例により医療費の支出がどれほど抑えられていることでしょう。精神病がつけば検査や治療に大金をかけずに済みます。よって、先ほど述べたように、複数の病気が重なる場合は、精神病名がつけられ、検査や治療を医師側が打ち切ることができます。


厚生労働省のすばらしき業績

日本は世界一の長寿国であることは既知ですが、医療の業績を「平均余命」とするならば、日本は世界一の医療水準を誇っていることになります。ところが医療費の対GDP比は2014年に世界23位(グローバルノートによる)であり、少ないお金で世界一の医療水準を生み出していると言えます。つまり、医療経済効率が極めて高いと言えます。

この現象を医者側から見ると、日本の医師は他の諸外国の医師よりも処遇が悪く、少ない賃金で最大の仕事をする、つまり、お金にならない仕事でも引き受けることを意味しています。

そして学会・大学教授を筆頭とする超封建制度があり、日本の医師は上司に対して奴隷のように従順です。したがって厚生労働省の理不尽極まりない命令にも従い、反抗しません。まるで軍隊です。この体制こそが「日本の医師が少ない賃金で精一杯働く」理由となっています。

軍隊の筆頭が厚生労働省であり、以下に大学教授・・・となりますから、日本の医師は言わば「官僚の犬」です。よって「患者の希望はNG」「厚生労働省のガイドラインに忠実」となるのは当然のことといえます。


目の前に大企業の社長や会長、有名人がいたとしても、その患者の希望は通さず、厚生労働省の言うがままに動くあたりは、まさに忠義の犬です。凛々しくもあります。

患者が地位の高い人でも、大金持ちでも、総理大臣でも、その意見や希望は断固通さないというあたりは見事な共産主義であり美学です。そのおかげで日本の医療費はこれほど低コストに抑えられています。患者の希望で「この検査を入れてほしい、○○を診てほしい」などの要望は無視し、医師が必要と認めた教科書どおりの診療しかしてはいけません。医師が必要と認めた検査、つまり国が教授が学会が必要と認めた検査のみ行ってよいことになっています。医療費の削減は世界一といってよいほどわが国の低コスト医療は見事なものです。それは厚生労働省の業績と言ってもよいでしょう。


高齢化から見た日本の医療費

2015年の日本の高齢(65歳以上)人口は26.4%と世界一であり、しかも2位のイタリアを大きく(4%)引き離しての独走1位です。高齢者ほど医療費がかかるのは世界共通ですから、本来、普通に医療費をかければ、日本の医療費の対GDP比は「単独1位」で当たり前のはずですが、実際は世界23位です。これが意味するものは、日本の医療費のかけ方は世界有数の医療費削減国家であることがわかります。

どこでどのように削減しているのか?はいろんな要因があり、一概に言及することはできませんが、やはり、大衆が罹患する病気の保険点数の設定を低くし、大衆病こそ患者の希望通りに治療を受けさせない、という国の姿勢が大きな要因になっていると思います。しかし、それでも医療水準が高いのは、癌治療や心臓病治療などの分野で医師たちががんばっているためであり、結局、一定の賃金で一定以上の働きをしている医師たちが「泥をかぶっている」と思います。

さて、そうしたかわいそうな日本の医師たちにエールを送りたい気持ちはあるのですが、今後100年間は医療費の増大を防ぐことは不可能です。それは高齢者の人口が増え続けることがわかっているからです。


以下に日本の未来における人口ピラミッド予想図をあげます。

人口

人口問題研究所の予想図によると、2060年には65歳以上の高齢者の人口が現在の25%が40%にまで増えます。一方、生産年齢の人口は現在の57%から47%にまで減ってしまいます。これが意味することは、医療費を消費する人口が大幅に増え、税金を納める側の人口が大幅に減ることです。つまり、医療財政が崩壊する可能性が高いと言えます。

この現実をつきつけられると、「患者の希望をかなえる医療を推進しろ!」とはとても言えません。できるだけ医療費を削減するために、医師の数を減らし、保険点数をどんどん低下させ、新しい医療技術を認可せず、検査は最小限にとどめ、「できるだけ患者の希望を通すな!」ということになります。


切り捨てられる患者

未来の高齢化社会を考えると、重症患者切り捨ては正当です。99%の患者を救うために1%の重症患者をやむを得ず切り捨てます。

では、どういう患者が日本の医療に切り捨てられるでしょう(美容を除く)? 例を挙げると、高齢で起こる病気(難聴、歩行困難、更年期症、認知症、変形など)、慢性的で治りにくい病気(治りにくい痛み、後遺症、しびれなど)、診断名が付けにくい病気(複数の病気が重なった場合、症状があっても診断基準を満たさない)、原因がわかっていない病気(線維筋痛症 慢性疲労症候群など)、手のかかる患者(重症の患者、治療箇所が多い患者など)、治らないとされているもの(難聴、めまい、味覚嗅覚異常、自律神経失調症、神経内科的病気)の大部分。

これらに該当する患者は切り捨てられます。無治療というわけではありませんが、値段の安い治療しか認可されていませんので、お金のかかる治療をしてはいけないという意味で切り捨てられます。

切り捨ての典型例は「同じ薬を定期的に処方」が延々繰り返される、精神科を案内される、検査を入れてもらえない・・・などです。


患者の希望を取り入れた医療

私は医者になりたての頃から「患者の希望を叶える医療」を心がけてきました。それは今から思うと、まさに国家や教授、学会への反逆医療でした。

例えば「膝が痛い」という患者には患者の希望する回数の注射を行いました。2日で痛みがぶり返すのなら、1日おきに週3回の注射をしました。

また、保険が通らない薬は、使っても「使っていないこと」にしてお金を請求しませんでした。請求しないことも不正の一つです(これらは過去の話です)。とにかく、患者の希望を叶えるという「やってはいけない医療」に全力をかけて生きてきました。しかし、その恩恵は極めて高く、治せない症状を治すことができる技術が身につきました。


患者の心理は高性能診断機器

私たち医師は「患者の心を無視する」ように教育されます。ガイドラインに忠実であることを要求されます。そして知らず知らずに患者の心が極めて高性能な診断機器であることを忘れるようになります。

例えば、とても痛い注射をして、患者の症状を少しだけ除去できたとしましょう。患者は症状が改善した喜びよりも、痛い注射におびえ、「次に同じ注射をしたくない」と思います。この感情は極めて高性能な計算機(脳)によって、「治療が成功しているようで成功していない」ことを意味しています。プラスとマイナスの差し引きがマイナスになっているからです。副作用も同じです。注射で膝の痛みは軽快したが、薬剤で蕁麻疹が出て、注射をしたくなくなった。というのも、結果的に治療は不成功です。


しかし、膝に注射して蕁麻疹が出たが、それは二日で消え去り、その後2週間、膝が全く痛くなかった。という場合、患者はたとえ蕁麻疹が出ても、喜んで次の注射を受けに来ます。つまり治療成功です。成功か失敗かを決めるのは患者の感情です。しかし、感情は高性能な計算機である脳がはじき出しているものですから、その信憑性が極めて高いと言えます。

足の痺れが治らないという患者に硬膜外ブロックを行い、「わずかにしびれが軽くなった」という場合、治療を続けるかどうか?悩みます。ですが、患者に「治療を続けたいですか?」とたずね、「是非続けたい」と言う場合、たとえ効果が少ししかなくても治療を続けることが正解です。通院の労力、ブロックのリスク、かかる費用、そして症状の改善度・・・これらの総和がプラスだからこそ患者は治療を望むのですから。医師の一存で治療の継続を決めるよりも、患者の希望を叶えるほうが正しい結果を招くことが多いのです。その理由は患者の人生は患者にしかわからないものであり、患者の判断には極めて多くの計り知れない要素が判断材料に含まれているからです。


もちろん、患者の希望をかなえたことで、悪い結果となることもあります。しかし、全患者の統計をとれば、患者の希望を叶えるほうが正しい結果となることの方が圧倒的に高いはずです。なぜなら人間の脳は究極の未来予測計算機だからです。それを信じるか信じないか?が医師の器量なのです。器量のない医師は患者の言葉を信じません。常に医学書を信じます。そして多くの薬害を作るわけです。私はそうした薬害、手術害の尻拭い専門医です。毎日が他の医者たちが犯した医害の尻拭い業務を行っています。それができるのは患者の希望という高性能診断機器をおおむね信じているからです。


患者の希望が誤っている場合

患者の希望や感情が正しくないこともあります。患者は自分の病気の長期予測ができないからです。医師は治療して1年後の患者、10年後の患者、20年後の患者を同時に診察することにより、病気の未来の姿を知ることができます。しかし、患者は自分の症状の未来の姿を予測できませんので、患者が希望する治療や検査が無意味となる場合があります。よって、患者の希望や感情に任せて診療を進めると、無意味な治療や検査に大金をかけることになり無駄となることがあります。そうした医療費の無駄遣いをなくす上で「患者の希望をかなえないこと」は国政にとっては有益です。


面倒くさい患者の希望

患者の希望が本当に間違っているかどうかを判断できるのは、「患者の希望を叶える治療をやったことがある医師」だけです。ここが重要です。

予期せぬ副作用やリスク、失敗に遭遇するのは、多くの場合患者の希望(感情)を無視した場合です。なぜなら患者は本人しか知らない特異体質を持っている場合があり、そこから来る不安を無視して行う医療ではリスクが極端に高くなります。患者が不安を感じている治療を無理に行わないことが医療事故を防ぐ上で極めて重要です。患者の漠然とした感情(不安や期待感)を治療に活かす医師は、そうした1000分の1にしか起きないリスクを回避することができます。しかし、それは「患者のたわごと」につきあうことを意味しますので、医師にとっては極めて面倒なことです。中にはオカルト現象までしゃべりだす患者もいますのでつきあうのは大変です。


特異体質を持っている患者の場合、過去にちょっとした治療で予期せぬからだの不具合を起こした経験を多く持っています。だから患者は病院にかかる時は何科にかかるときでも不安をかかえています。よかれと思って行った治療が裏目に出ることが多いからです。しかし、医師の前でそれを説明したところで理解を示してもらえないことを患者は知っているので口に出すことは少ないでしょう。患者は「何か起こった場合にデリケートに対応してほしい」という気持ちがあるのですが、医師にとっては一人だけ特別扱いはできませんので無視することになります(特別扱いすると人件費が数倍かかりますが、治療費は同じなので赤字になります)。


しかし、リスク回避の真髄は患者の特異体質に医師がどれだけ対応できるかにかかっており、それらは医学書には載っていないため、医師の経験値が頼りです。それを無視した代償は重大な医療事故として返ってきます。「患者の希望NG」とする日本の医療では、こうした重大な事故をなかなか回避できません。

同様に、患者が抱く不安が間違っている可能性がありますが、その判断ができるのもまた「患者の希望を叶える治療をやったことがある医師」だけです。面倒なことをやった医師だけが得る経験値です。偉い教授先生たちはそうした経験値がおそらくゼロです。


必要にあわせる医療は別次元の医療

どんなに変形した骨格を持っている患者でも、ほとんど「家の中だけで過ごす患者」の場合、手術の必要はありません。逆に変形もないのに、肘が痛くて試合ができないプロゴルファーの場合、手術が必要なことさえあります。このように「治療が必要か必要でないか?」は患者の社会背景によって変化します。これらを全く無視することを指導しているのが日本の医療です。

必要な治療回数は肉体労働をしている人とデスクワークをしている人とでは全くことなります。肉体労働をしている人の腰痛・膝痛を「仕事ができるレベル」で治療するためには、ほぼ毎週の注射が必要です。またデスクワークの患者では月に1回で十分に生活が送れます。よって肉体労働者は「毎週注射をしてほしい」「仕事が続く限り半永久的に治療をしてほしい」と希望します。当然ながら現在の日本の医療ではこうした患者の希望を叶えることは禁止されています。


さて、患者の必要にあわせて治療をするということは、その患者の幸福を考えて治療することを意味しますが、そのために医師は全力でリスクを回避しなければなりません。治ればよいというものではなく、合併症を作らずに、リスクを極めて小さく・・・を実践すれば、患者の必要度が増すからです。つまり、患者の希望を叶える治療は「その治療のリスクによって治療回数が変化する」ことが必然となります。リスクが小さくできるなら、患者の希望が増し、リスクが大きいなら患者は治療を希望しなくなります。ならば、患者の必要にあわせる医療は、医師の腕に大きく影響されます。腕が良い医師ほど患者から多数回の治療を要求され、それに呼応する毎に医師の実力が上がります。それは患者の社会生活の程度に応じて治療の質や量を変える医療ですので、いろんな患者の社会生活まで理解できるようになり、患者の治療要求を満たすことができるようになります。これが医師の究極のあるべき姿です。そして残念なことに「あるべき姿」が国家レベルで禁止されています。なにせ「患者の希望はNG」ですから。


患者の希望を無視する医療は医学の発展を妨げる

患者の幸せのために医療が進歩することを国家は禁止しています。では、何のために医療は進歩するのでしょう? 多くは医学部の教授が自分の業績をあげるために医療が進歩します。もちろんそれはよいでしょう。進歩することには変わりないのですから。

国は国民の幸せを考えるのではなく、国民の寿命という数字を考えます。つまり生活の質を向上させるための医療を認めていません。

さて、私はそうした現代医療の体制に真っ向逆らって生きてきました。その結果をご覧ください。大学病院で治らない数々の難病を改善させることができます。しかもほぼ全ての科に渡る疾患です。もちろん、手術などのダイナミックなことはできません。しかし、患者の生活の質をあげるための医療としては極めて優秀です。

名もない一人の小さな医師が、現医療体制に逆らって治療してきただけでこれほどの偉業ができるようになるわけですから、現医療体制がどれほど医療の進歩・発展を妨げているのか?が理解できるでしょう。

しかし、そうでもしなければ医療財政が崩壊するので、やむを得ず国家レベルで「患者本位の医療を禁止している」という現状を知らなければなりません。


患者の希望を無視すると重大事故(死亡例)が多発する

今年8月2日に「群馬大病院で同じ男性医師の手術を受けた患者が相次いで死亡した問題で、群馬大は2日、東京都内で会見し、執刀した男性医師や元上司の教授ら計9人の処分を発表。」とありました。こうした死亡例の原因を調査した木村孟元東工大学長)の最終提言には「死亡事例が繰り返された背景として、医師の3分の2が群馬大出身者で占められ、先輩や恩師に発言しにくい風土と、県内唯一の大学病院として地域医療の頂点にある独特なヒエラルキーを指摘。当該診療科で、医師が真の意味での患者本位の医療を提供する視点を備えられなかった。」としました。


患者本位の医療を提供しないことは重大な医療事故につながることを述べていますが・・・これには苦言を言わざるを得ません。「患者本位を国家が禁止」しているからです。患者の希望による検査、患者の希望による治療、を保険制度側は断固禁止しています。国家が禁止しているせいで患者本位の視点に立てないというのに、死亡例が続くと「患者本意の治療ができていないからだ」という報告で終わらせてしまうところに、この国の危うさを感じます。この群馬大学医学部の問題は、大学側の問題と言う小さなものではなく、国家レベルの低コスト医療が根本にあることを国の責任として考えるべき問題です。教授を含め9人の処分とありますが、それはこの9人が見せしめにされて、小さな事件にされてしまっただけのことであり、実際は「患者の希望を通さない医療を指導している」国家の責任とも言えるのです。国民の皆様にはどうかこのことを強く心に留めていただきたいと思います。国を動かせるのは国民の1票、世論だけだからです。


インターネット時代の患者の希望は無視できない

現代の患者たちはインターネットを通じて最先端の医療、最先端の代替医療があることを簡単に調べることができます。その情報は医師の知識を上回ります。つまり、患者の知恵が医者の知恵を上回ることがあります。よって、患者が提案する治療や検査を行うことで新たな病気が発見されたり、奇蹟的な改善を見せる治療を開発できたり、極めて効果の高い医療を行うことができることが多々あることを私は臨床現場で経験しています。

そして、患者が危険と感じた治療を無理に勧めないことでリスク回避できることも経験します(時には無理に勧めることもあります)。よって患者の希望を取り入れることを禁じた厚生労働省の方針は、明らかに時代と逆行していると思います(医療費緊縮財政ですのでやむを得ませんが)。

そして実際に各種医学学会は効果的な治療を見つけられず、私のような名もない医者が治療法を次々と開発するに至っています。私は単に「患者の意向に沿う治療」をしているだけのことです。それだけで、新たな治療法を次々と見つけることができます。そうであるならば、行政がいかに医学の進歩を妨げているか?考えさせられてしまいます。財政が苦しいことは承知しています。しかし、せめて患者の意向が反映される医療にならないものか?と考えてしまいます。

私の声が国家に届くことはないかもしれませんが、国民の一人ひとりの声は届くかもしれません。患者本位の医療が国家レベルで推奨されるように願っています。

 

薬物依存(耐性)者の慢性疼痛治療ガイドライン

はじめに

慢性の難治性疼痛をお持ちの方は医療機関から多量の鎮痛薬や精神科薬を処方されているケースがあります。リリカ、トラムセット、デパス、リボトリール、サインバルタ、リフレックス、ソラナックス、コンスタン・・・など、神経のシナプスに作用する薬剤は「必ず耐性を作る」ことが知られており、耐性が出来てしまった結果、人体にとっては極めて危険な薬剤となる場合があります。これらの薬剤は最初のうちは効果を発揮しますが、やがて必ず神経シナプスが耐性を持つように変化を起こし、多かれ少なかれ薬が効かなくなります。

薬が効かないからと言って、服薬を中止したとしても、耐性を持った(変性した)シナプスがすぐに元通りにはならないため、その後に予測不能な様々な苦痛をともなう症状がおしよせてくることがあります。いわゆる禁断症状です。

禁断症状は薬剤耐性が出来あがってしまった人全員に必ず起こる現象ですが、多くの医師たちはそのことを知らないため上記のような薬剤を気軽に処方してしまうという罪深いことが無意識に・楽観的に普通に行われています。

こうした患者たちに疼痛を改善させる治療(ブロック注射・マッサージ・鍼灸など)を行うと、極めて強いリバウンドが生じ、逆に苦痛が倍化することがしばしばあります。その苦痛は患者たちがとても耐えることのできないレベルのものであり、治療はほとんど失敗に終わり、治療を試みた勇敢な医師(治療師)が恨まれ、訴訟を起こされるという悲しい出来事が世界中で起こっています。

現在、上記の薬剤を処方されている患者は全国に何十万人と存在し、治療後のリバウンドで治療が困難になるケースが増えてきています。ここではそうした薬物依存の難治性疼痛者たちを「どうすれば治療できるのか?」について考察すると共に、薬物依存・禁断症状から離脱する方法を考察します。おそらく現在の医学の中でも解決策のない最難題です。奇蹟的にさまざまな病気を治療できる驚異的な治療師でさえ「治せない」課題です。

実際は「難治性疼痛治療」に限らず、自律神経失調治療、更年期症状治療、不眠症治療、神経内科的病気の治療など、様々な慢性疾患でこの問題が起こっていますので、他人事ではないことを認識ください。


薬剤耐性が起こる原理

詳しくは英国のニューカッスル大学神経科学研究所ヘザー・アシュトン教授が著した 『アシュトンマニュアル』には、ベンゾジアゼピンの作用、副作用、離脱症状、減薬法などをまとめたものがありますので、こちらを参考にしてください。


ここでは薬剤耐性とは何か?を簡単に述べます。神経は電気信号を次の神経に伝える時に、神経と神経の隙間(シナプス)にホルモンを分泌し、そのホルモンが次の神経のスイッチをONにます。薬剤はそのホルモンの量を増やしたり、ホルモンに成り代わったり、スイッチを塞いだりして電気信号を増減させます。電気信号の増減=薬効 です。しかし、人間の体は外部からの薬剤に対して「抵抗しよう」とする力が常に働いており、例えばホルモンを増やす薬剤をのみつづけると、神経のシナプスではそのホルモンのスイッチ部分を減らすことで抵抗します。スイッチが減れば、薬剤でホルモンが多く分泌させても電気信号が伝わりにくくなります。これが薬剤耐性です。そして神経系は「薬物を飲み続けている状態で普通になる」よう変化します。ここで薬物の使用を中止するとホルモン不足と同じ状態になり、様々な禁断症状が出ます。


例えば、脳の興奮を抑える薬を使っていると、これをやめたときに「脳が常に興奮している状態」となり、眠れない、不安になる、幻聴や幻覚を見るなどの症状が現れます。


薬剤耐性+物理的血流障害で最悪の病態

アシュトン博士でさえ知り得ない話をしなければなりません。それは「物理的な血行不良などで禁断症状が低下している」状態です。わかりやすく言うと「神経自体が死にかかっていると電気信号が伝わらないので禁断症状がやわらぐ」という状態があるということです。

例えば、正座をしていると足が形容しがたい嫌な感覚になります。しかし、さらに長時間正座をしていると、嫌な感覚という苦痛が軽減します。これは神経が仮死状態になるために「苦痛」を伝える電気信号さえも、伝わらなくなるからです。

原則的に「苦痛を伝える神経自体が仮死状態になれば、楽になることがある」ということを頭に入れておいてください。

では、薬剤耐性が出来あがっている場合に、神経の仮死状態が合併している、とどうなるかを考えてみてください。例えば、痛み信号を遮断する薬剤に対する耐性が出来あがっている場合です。


神経のシナプスでは恒常性を保つように変化しており、痛み信号を「増幅させよう」とする状態になっています。いかし、その神経が血行不良で仮死状態になっているため、電気信号があまり伝わらず、痛みもあまり感じない状態で過ごすことができます。

この状態の患者に治療を行い、「神経の血行を再開」させてあげると・・・増幅した痛み信号が一挙に大量に流れ始めます。当然ながら患者は今まで感じたことのないほどの激しい痛みを感じるようになります。つまり、治療することで痛みが倍化します。

このように薬剤耐性に物理的な障害が加わっている場合、適切な治療をすればするほど痛みがさらに激化するという信じがたい症状が出ます。

患者は「治療のせいで痛みが倍化した」と捉えるため、治療した医師に激しい怒りと不信感を覚え、最悪の場合は訴訟を起こします。よって、薬剤耐性+物理的な障害、が考えられる時は「適切な治療を行ってはならない」とするしかなく、事実上、「治療法なし」となります。


こういうケースをマレであると考えてはいけません。実際に正座をした後に、立ち上がると、足がジンジンして激しい苦痛をともなうということを「誰もが経験」していることです。血流が再開すると「想像を絶する苦痛」が来ることは誰にでもあることでありマレではありません。

また、例えば、地震で瓦礫の下敷きになって、足がはさまってしまった人を救出する際にも同様なことが起こります。血行不良のために滞っていた体内の毒素が急に全身に回るためにショックを起こして死に至ることがあります。血行不良を改善することは根本治療なのですが、血行を再開したとたんに、体にとって不利な物質、不利な電気信号までもが流れ始めるために想像を超えた苦痛を襲うことがしばしばあります。

現医学では、この薬剤耐性+物理的障害 を治す方法はなく、絶望的と言ってよいでしょう。薬剤耐性だけでも治療が困難だと言うのに、物理的な障害が加わっていると、治すも地獄、治さないのも地獄です。


漢方薬でも薬剤耐性がある

重要なことは「漢方薬では薬剤耐性が起こらない」と考えている人々が医師を含めて非常に多いことです。基本的には漢方薬にはいろんな薬効の薬が混ざっているので「薬剤耐性は西洋医学の薬剤に比べれば起こりにくい」というだけのことであり「起らない」わけではありません。西洋医学の薬剤は一つの成分が精製されて濃縮されているため、薬剤耐性が起こりやすいのですが、漢方薬でも起こります。

薬剤耐性ができているかできていないかを調べる方法はとても簡単です。服薬した薬剤が効くか効かないか?で誰でもすぐに判断できます。「最初は効いていたが、最近は効きにくい」と感じれば、そこには薬剤耐性が必ず生じています。


注意しなければならないことは、下痢止め、腹痛止め、頻尿治療、認知症治療などに用いられている抗コリン薬もまた、シナプスに作用するものであり、自律神経系に必ず耐性を作ります。当然ながら様々な禁断症状が起こるのですが、自律神経が耐性を作っても、痛みなどの直接的な害がないので認識できないところに問題があります。私の経験上、自律神経の異常こそ難治性で厄介であり人々の生活レベルを低下させます。そういうことを知らずに抗コリン薬などを処方し続ける医師と飲み続ける患者がいることに危機感があります。

自律神経系の異常は内分泌、外分泌の異常を起こし、慢性の消化器疾患を作ります。


薬を多くのんでいるほど予想不可

アシュトン博士によると、ジアゼパム系と抗うつ系の同時服薬の場合、量を減らすのならまずジアゼパム系から行う方が良いと述べています。抗うつ系の薬剤の方が禁断症状が強いからです。セロトニンやノルアドレナリンの取り込み阻害薬などの薬剤(サインバルタ・リフレックスなど)の場合、禁断症状はさらに強いと思われ、文頭に挙げたような薬剤を複数のんでいる方の場合は薬剤の減量には慎重に根気強く徐々に行わなければなりません。

基本的に禁断症状が弱いものから減らしていくことが原則です。また、短期作用の薬剤は、長期作用の薬剤に置き換えてからの減量がよいと述べています。多くの薬剤を飲んでいる人ほど、禁断症状が重篤になりやすいでしょう。

薬剤の減量は医師の指導の下に行いましょうと述べていますが、指導できる医師がほとんどいないのでこの注意書きはほぼ無意味です。


強い禁断症状は特異体質

文頭に挙げた薬剤を飲めば「誰にでも強い禁断症状が懸念される」わけではなく、特異体質が加わってこそ強い禁断症状が出現します。2000年の初頭から薬剤による禁断症状に警鐘が鳴らされているにもかかわらず、放置されてきた理由は「誰にでも起こることではない」からです。特異体質を持つ少数派に起こり、大多数には大きな影響がないため、大を活かし、小を殺すことで世界が回っています。

強い禁断症状を起こす者の大部分に自律神経失調が合併しており、延髄の機能がうまく働いていない人が多いと推測します。延髄には脳神経核があることはもちろんですが、錐体路という運動神経が通っており、ここの障害では筋委縮や慢性疲労なども起こります。


延髄の機能障害は主に延髄が尾側に強く引っ張られることで生じていると私は推測しており、脊椎の形態異常がある方が圧倒的に多い印象を受けています。特異体質の多くはこのような脊椎の遺伝的な形態異常がベースにあると推測しています。さらに、免疫の過敏性により強い炎症反応が加わると致命的な病態に発展することがあり、ALSなどもその一つではないかと考えています。

特異体質を持つ者が安易に神経のシナプスに作用する薬剤を飲み始めると、医師が想像し得ない激しい禁断症状を生み出す可能性が高まります。しかし、特異体質を持つ者はそれほど多くないため無視され、「精神異常」と烙印を押され、精神科で薬漬けにされる羽目になります。私の元へはそうした患者が数多く訪れます。


いきなり断薬すると危険

アシュトン博士はジアゼパムに対する警告を発していますが、実は私の元へはさらに深刻な患者が訪れます。それは脳神経内科的な疾患ALS,小脳脊髄変性症、脊髄性筋委縮症、慢性疲労症候群などをメインの症状とする難治性疾患に薬物依存が重なっている重篤な例です。純然たる精神疾患ではなく、様々な難解な症状を持つ患者が訪れます。

そうした合併症のある患者がいきなり断薬すると「メインの症状が激しく進行(悪化)」します。そして警告しなければならない薬剤はジアゼパムにとどまらず、リリカ、トラムセット、サインバルタ、リボトリール、睡眠薬などなど多岐に渡ります。


脳神経内科的な合併症を持つ患者が現在飲んでいる神経シナプスに作用する系の薬剤をいきなり中止すると、筋委縮、筋痙攣、脱力、痛み、しびれ、呼吸困難、水が飲み込めないなどの症状が急激に悪化してしまい、場合によっては寝たきりになることがあります。

どんなことが起こるのか?の詳細を知りたい方は「下山日記」を読んでみるのもよいでしょう。体に起こる不快な諸症状を避けるために服薬していた薬剤が、自分の体を「元に戻せないほど」悪化させ、そこに禁断症状が加わると不可逆な悪化のサイクルを回してしまうことがあることを頭の隅に入れておきましょう。誰にでもおこることではありませんが、あなたに起こらないとも限りません。


かなり深刻な疼痛治療の薬害

疼痛治療の投薬ガイドラインには1、ロキソニンなどのNASAIDS 2、リリカ 3、トラムセット、4、サインバルタなどのSNRI、5、リボトリールなどのジアゼパム系 と薬剤を重ねて行く方法が一般的です。オプションとして睡眠薬(ジアゼパム系)、抗うつ薬なども追加されます。


しかし、考えなければならないことは、このように薬剤をたくさん重ねることを医師に勧められた時点で「あなたの疼痛は現医学では治らないレベル」であり、半ば根本的な治療をあきらめられている状態であるということです。そしてこのような処方を行う医師の考え方に「脳の誤作動」という思考に占領されていることを考えなければなりません。つまり「存在しない痛みを脳が勝手に作っている」と思われており、精神異常者として扱われているということをしっかり見つめなければなりません。

その上で、これらの薬剤をたくさん服薬しも、すぐに効果が薄れてきます。「すぐに効果が薄れる」=「薬剤耐性ができた」ことを意味し、すでに薬物依存ができています。この状態で薬を減量しようとすれば、禁断症状に苦しむことになります。


慢性疼痛+多くの薬剤でも痛みが全く改善しない場合

上記のような薬剤を重ねて服薬しているにも関わらず、痛みがほとんど改善しない場合、すでに薬物離脱が起こっていると考えます(byアシュトン博士)。つまり薬剤耐性が強化されていることにより「薬剤が効かない」ようにシナプスが変性を起こしてしまっているということです。薬物を服用しているのに「効かない」状況になっていますので、これは相対的に「肉体が薬物から離脱している」と考えます。服用しているのに離脱しているわけで、薬をのんでいるにもかかわらず禁断症状が出ている状態と考えます。禁断症状を回避するためには薬剤を増やす以外に方法がなく、このためリリカやトラムセットを最高量まで上げて行こうとする医師が大勢います。これがどれほど危険な状態か理解できるでしょうか? 多くの医師たちは禁断症状について知りませんので、自分の力で医師の処方から逃れなければなりません。が、痛みが強いために医師が言うままに増量してしまう患者がほとんどです。再度いいますが、増量は危険です。


痛み信号をシナプスレベルで遮断する系の薬剤は「痛みを感じやすい方向にシナプスが変性」しますので薬剤離脱時に耐え難い痛みに襲われることがあるからです。

この「痛みを感じやすいシナプス」が作られてしまっている患者の場合、疼痛治療が極めて困難になります。実際にどれくらい治療困難であるかを、いかに症例報告します。


CRPS(複合性局所疼痛症候群)の47歳女性の症例報告

2年前に採血をしたことがきっかけで痛みとしびれが出現し、それが両上肢・両下肢に拡大。今年に入り近医でリボトリールを処方されるが軽快せず痛みが増す。約1か月服薬した後、リボトリールをバッサリ中断。しかしその禁断症状として「物が飲み込めない、全身の筋肉の線維束攣縮、頻脈」などが出現。その後漢方薬を試すが、漢方薬でも症状が悪化。痛みやしびれが増強したため私に治療を相談。


私はこれに対し。「CRPS、断薬などの治療ではほぼ必ずブロックによる「耐え難い症状」がでます。断薬の際に出たような症状がさらに1.5倍になる程度の辛い症状です。ブロックが「寝た子を起こす」と思われます。それに耐えるために、私は連日のブロックをおすすめしているのですが、そのためには私の診療所の近くにお住まいがあることが治療の条件になります。リバウンドが起こらないように、ブロック間隔を縮め、リバウンドの症状をブロックで取り去っていくという治療です。断薬治療は、ハードルが高く、中途半端な気持ちでは治すまで至らないでしょう。」と返しました。「診療所の近くに」というのは徒歩またはタクシーで毎日来院していただける距離です。なぜならリバウンドが強い場合歩くことさえつらくなるからです。


上記の患者は「断薬治療は、ハードルが高く、中途半端な気持ちでは治すまで至らない」という私の言葉を甘く考え来院。しっかりした治療の準備(連日来院する準備)も行いませんでした。これに対し、まずはブロックの反応をテストするために上頚神経節ブロック(1%キシロカイン2㏄を左右の神経節近傍に注射)を行う。リバウンドが起こることを当然ながら説明し、そのリバウンドを払しょくするためにも連日の治療を指示。しかし、患者は2週間後に来院。患者に問診すると「ブロック当日は少し症状が軽くなりましたが、翌日から全ての症状が悪化し、動くことも出来なかった。想像以上の苦痛だった。」とのこと。再度同じように上頚神経節ブロックを行う。ブロック直後に左の上肢にしびれが出現(これはキシロカインが腕神経叢に一部浸潤したことを意味し、しばしばブロック後に起こるもの。上頚神経節ブロックは腕神経叢よりもかなり上に刺入するため、直接刺すことは解剖学的にあり得ない。)。ブロック後も症状が軽快することはなく、ブロック3時間後から強い右下肢痛、左上肢のしびれ、右上肢の痛みが出現し、それが数日後も継続しているという報告を受ける。そして、たった2回のブロック治療で治療失敗が明瞭となる。


上記症例の薬剤耐性の考察

薬剤耐性のメカニズムは臨界点にあると思われます。それは痛や痺れなどの苦痛な知覚信号を過敏に伝えるシナプス変性と、その神経の仮死度によるスイッチングにあるという理論です。わかりやすく言うと、正座して足の感覚が無くなった後に、立って血流が再開する時にピリピリが強くなるという現症です。神経を仮死状態にするか、元気な状態にするか、のスイッチングの役割を血流が行っているという理論です。血流が悪いままであれば、足に強いピリピリは起こりません。しかし、ある一定量の血流となると、神経は仮死状態から目覚め過敏なピリピリ信号を脳に送ります。そのある一定の血流が臨界点となっています。


臨界点付近の血流量が「もっとも痛み信号を脳に伝える」ことになります。そして臨界点以上の血流では他の深部知覚神経が優位に(元気に)なり、これが痛み信号を伝えるシナプスに抑制をかけ、痛みはやわらぎます(ゲートコントロール理論)。血流量が極めて低い場合は、痛みを伝えるシナプスが休止状態となるため、耐え難い痛みにはなりにくいのですが、血流量が丁度臨界点にある場合は耐え難い痛みとなります。


まとめると、

  1. 神経への血流供給が少ない場合、神経は仮死状態となり痛み信号は伝わりにくい。ただし、シナプスでは痛み信号が過敏に伝わる状況になっている(薬剤耐性のため)ので「それなりに痛い状況」となる。
  2. 神経への血流供給量が臨界点の場合、痛みを伝える神経は元気になり、痛みを抑制する深部知覚神経は休止状態のままとなる。よって薬剤耐性で痛み信号が過剰となった神経だけが元気を取り戻し、これが耐え難い痛みを発生させる。
  3. 神経への血流供給が十分の場合、痛みを伝える神経は元気になるが、同時に深部知覚神経も元気を取り戻すため、これが痛みを伝える神経に抑制的に働く。よって痛み信号は抑制される。しかし、痛み信号は過敏状態なので抑制は不十分であり「そこそこの痛み」が起こる。つまり、中途半端な血流増加は強い痛みを招くという結果になります。この状態を真に治療するためには「常に十分な血流が起こる」ようにブロックを行い続けなければなりません。よって連日のブロックを行わなければ耐え難い痛みを乗り越えることができず、結果的に治療が失敗に終わると思われます。

リバウンドの原理

ブロック数日後に「以前より強い症状」が数日起こり、そしてその後は症状が軽くなり、さらに4~5日経過すると再び症状が重くなるという症状の波を多くの患者が経験します。

これを説明できるのが上記の臨界点の血流量です。苦痛な症状を伝える神経が血流不足で仮死状態に陥ると、一旦症状が軽くなります。よってリバウンドはもともと「神経の仮死状態」が起こっている場合に発症するということになります。リバウンドが起こること自体が軽い病態ではないことを意味します。

そこへブロックを行うことで血流を十分に上げてやると、苦痛を伝える神経が元気になりますが、同時にこれを抑制する深部知覚神経も元気になるため、結果的に苦痛は軽快します。しかし、血流増加はいつまでも続かず、数日以内に臨界点に戻ります。この際に深部知覚神経だけが血流不足になります(深部知覚神経は血流不足に弱いからです)。そこで痛みが倍化するのですが、血流は臨界点以下にはなりません。それがブロックの治療効果です(ただし重症な人は再び臨界点以下まで血流が低下する)。痛みは強いですが、血流は足りているため、なんとか自然治癒力で血流量が徐々に向上します。これによりリバウンドの数日後に症状が軽快します。しかし、日常生活により再び血流量を悪化させ、臨界点付近にまで血流量が低下してきます。そこで再びブロックを行い、血流量を向上させて治癒へと導きます。


薬剤耐性が出来あがっている場合の治療経過

薬剤耐性が出来あがっている場合は苦痛を伝える神経が仮死状態であっても、「苦痛信号が過敏に伝わる状態」ですから比較的強い苦痛が発生し続けます。そこへ中途半端な治療を行うと悲惨な状況になります。血流量が臨界点よりも低い状態にあったものを、臨界点へと引き上げるため、苦痛を伝える神経のみが元気を取り戻すからです。薬剤耐性で過敏になっているだけに、その苦痛は地獄の猛火のレベルでしょう。よって、生半可な代替医療、生半可な漢方薬、生半可な鍼灸治療など、どの全ての治療も全て裏目に出ます。もっとも苦痛を感じる臨界点の血流量になるからです(深部知覚神経が元気にならないほどの半端な血流量だからです)。


症状を改善させるためには臨界点を越えるレベルまで血流量を上げなければなりませんが、それには強力なブロックが必要でありリスクも高まります。


最悪なことには、臨界点を越える血流量を得る結果となったとしても、薬剤耐性の出来上がったシナプスでは苦痛信号を多く伝えます。つまり、深部知覚神経が元気になっても、抑制が効きません。よって症状は「少ししか改善しない」ことになります。本当は治療が成功しているにもかかわらず、本人は「効いてない」と錯覚します。

そして血流がピークから少しでも落ちてくると、深部知覚神経が元気をなくしはじめ、苦痛信号の抑制が働かなくなります。つまり、わずかの血流量不足でさえ苦痛を訴えるようになります。ですから、ブロックの効果時間が短いのです。苦痛を伝える神経は、血流増加で元気を取り戻していますので、今度は今までよりも強い苦痛が出現します。これを防ぐには血流が24時間低下しないように連日ブロックをすることです。

この現象のおかげで患者は症状が悪化ととらえます。


 ブロック直後から症状が悪化する理由

症状が悪化する場合、それは血流量が臨界点付近を行ったり来たりしているということを意味すると推測します。ブロックにはその手技により効くときと効かない時の差があり、たまたま効かないブロックを行ってしまうと、臨界点を大きく超えることが出来ず、宝物戦を描くように臨界点にまで血流が戻ってきてしまいます。さらに、ブロック注射が運悪く血流量が臨界点付近をキープするように働いてしまった場合、症状は悪化した状態をキープすることになります。それでも、真実をいうと、血流量は今までよりも改善しているわけです。しかし、患者は間違いなくブロックが私の症状を悪化させたと言うでしょう。


薬剤耐性のある患者の難治疼痛治療は無理に近い

薬剤耐性は普通の方であればそれほど大きな問題にならないでしょう。確かに耐性があると痛みを増幅させますが、深部知覚神経が元気であれば、痛みに抑制的に働くからです。よって耐えられる痛みで治まりがつきます。

しかし、薬剤耐性+物理的な血行障害 が加わり、神経細胞が仮死状態になっている「慢性の疼痛患者」ではほとんどの治療が裏目に出てしまいます。治療により「寝た子を起こす」ことになるからです。おもしろいことに、治療が的を射ているほど症状は悪化するというパラドックスが起こります。

このパラドックスのせいでほとんどの治療は失敗に終わることがほぼ確定的です。薬剤耐性+物理的な血行障害 の場合、地上のあらゆる治療が不成功に終わると言っても過言ではありません。

物理的な血行障害は、痛み神経だけに限ったことではなく、運動神経に起こればALSのような症状になり、自律神経に起これば精神疾患のような症状になります。そうした症状に薬剤耐性が加わることで「誰も治せない悪魔の病気」に変貌します。


誰も治せない悪魔の病気を治す

悪魔の病気に対する治療法の一つは、自分が誰であるかわからないレベルになるまで薬で抑制させ、それにより行動範囲を究極に狭め、安静にせざるをえない状況で長期間滞在し、神経の仮死状態を自然治癒させていく方法です。抑制系が働けば、薬剤耐性は単なる薬剤耐性になりますから離脱できるようになるでしょう。一部の精神病院では実際にそうしています。

それに対し私は「連日ブロックする」ことで血流量を上げ続け、深部知覚神経を元気にさせ、その後に悪物を減量していくという方法を提案します。

連日の治療のためには私の診療所付近に宿泊し、とまりがけで治療する必要があります。そして現在1例の成功例もありません。私がこのように忠告をしても、その忠告に従った患者がかつて一人もいません(重症以外の人はほとんど治していますが)。

よって薬剤耐性+物理的な血行障害 の難治性疼痛患者の治療実績はゼロであり、私の忠告に従えば、症状が改善するのか?は未知です。未知であるから厳しい忠告には従えないということであれば、私の診療を受けに来る必要はありませんので、来院されないでください。


薬剤耐性の怖さを知ってください

薬剤耐性は、普通の方では重篤な症状にはなりません。せいぜい職場をクビにされる程度で済みます。しかし、薬剤耐性+神経への物理的な血行障害 が加わっている場合は「誰にも治せない悪魔の病気(CRPS)」に変貌します。悪魔の病気へと進行する方はマレでありそう多くはありません。そこには特異体質がほぼ必ず存在しており、症状が進行する方は偶然になったわけではなく、なるべきしてなっています。そういう体質を理解することなく、仕事を続け、薬に逃げて病気を進行させた結果です。

残念なことに、そういう体に進行する前にこの文章と巡り合える方は皆無でしょう。そして出会えた方も私の厳しい忠告に従う方はこれまで1名もいませんでした。よって、私は本症例の患者をまだ1名さえも治せていません。

私に治療を相談される方は、それを承知でご相談ください。

朝寝坊症候群 ~朝寝坊は病気です~

はじめに

社会人になってからも朝寝坊を繰り返してしまい、解雇される方々が少なからずおられますが、それは寝る⇔起きる、のスイッチングが不良であるという病気であることを知らない方がほとんどだと思います。寝ているときは副交感神経が優位になり、起きているときは交感神経が優位になりますが、寝る⇔起きる の切り替わる時には 交感⇔副交感の交代現象が起こります。朝寝坊はこの「交感⇔副交感の交代」のスイッチが入りにくいという自律神経失調症の一部であるという認識が必要と思われます。そして自律神経失調症は延髄にある迷走神経核の血流を増加させることで治療が可能であると思われ、以下に述べる上頚神経節ブロックで改善させる方法を紹介します。

 

交感⇔副交感のリズム

交感神経と副交感神経は互いに拮抗する作用があり、例えば戦闘体勢のときは交感神経が優位になり副交感神経が抑制され、例えば睡眠状態では副交感神経が優位になり交感神経が抑えられます。人は眠りに突くときに健康体の場合、「必ず足が温かくなる」という現象が起こりますが、この現象はまさに「入眠時に交感神経が抑制されて足先の血管が拡張するために起こる」ものです。お母さんは赤ん坊が入眠したかどうかを「赤ちゃんの足の温度」で察知しますが、まさにこれが交感⇔副交感のスイッチングが起こっていることを肌で感じることができる現象です。

 

不眠症と朝寝坊の関連

全員がではありませんが不眠症と朝なかなか起きられないことの間には優位な相関関係があると思われます。朝、なかなか起きられない人100人に不眠症があるかどうかを質問すれば、おそらく7~8割以上がYesと答えるのではないかと思います(データを蓄積中です)。その逆は少々減ると思います。また、不眠症の方に「夜、寝るときに手足が熱くなる間隔がありますか?」と質問すれば、多くはNoと答えると思います。

寝る⇔起きる の交代現象は眠る際にも起こることであり、不眠症の方は眠る際に交感⇔副交感のスイッチングが起こりにくいと思われます。

実例としては「夜型人間(深夜になってから頭が回転し始める)」「目覚まし時計と30分以上格闘する」「遅刻経験が何度もある」「午前中は調子が出ない」「午前中に血圧を測ると異常に低い」などです。

 

病的な朝寝坊

社会人になってから、何度も何度も朝遅刻するのは「精神が弱い」わけではなく病気です。おそらく自律神経失調症の一部です。遅刻が原因で会社を解雇された方はほぼ間違いなく「朝寝坊症候群」です。おそらくきちんと治療すれば治ります。

重要なことは本人の意志にかかわりなく「朝起きることができない」ことです。午前中にどんな重要な案件があっても「起きることができない」のです。

この朝寝坊症候群に該当する方は、遅刻することが怖いので、試験日・面接日などの重要な日の前日は徹夜をし、とにかく「睡眠をとらないように徹夜」します。心当たりがある方は朝寝坊症候群です。

 

朝寝坊に社会的なサポートゼロ

現医学レベルではこの病気は治す方法もなく、病名も理解されていませんから社会的なサポートを受けることが全く不可能です。この病気の方は職場を追われ生活保護を受ける方も多く、生活保護者の中に多く潜伏していると思われます。

一刻も早く社会がこの病気の存在を認識してあげる必要があります。しかし、社会に認識させるには症例を集め、治療実績を示さねばなりませんので今回こちらへの公表とさせていただきました。前途多難ですがご協力ください。

 

朝寝坊症候群の治療法

現在、有効性が確認されているのは上頚神経節ブロックです。左右両側の頸部交感神経節にキシロカインなどの表面麻酔剤を用いて神経節ブロックを行う方法です。これにより交感神経を一時的にブロックし、延髄の血管を拡張させ血流を増加させ、自律神経核への血行動態を改善させる方法です。

上頚神経節ブロックが不眠症に有効であることはすでに私の実績より明らかですが、不眠症患者にブロック後「寝起きについて」聞き取り調査をしたところ、目覚めもよいことがわかりました。

最近になり「朝が起きることができない」という36歳の男性患者に同ブロックを行ったところ、ブロック翌朝は比較的しっかり朝起きができるという効果を確認しました。

ただし、効果として「持続性があるか?」については重症度と比例すると思われ、重症であればあるほど持続効果が少ないと思われました。しかし、重ねて治療すれば累積効果が見込めると考えますので重症の方の場合は根気よく治療を受けることをお勧めします。

 

朝起きられない人を社会から救いましょう

朝起きられないという「朝寝坊症候群」は自律神経失調症の一部である可能性を考えます。そしてこれは病気であり、本人の意思が弱いから朝起きられないのではないという認識を持つべきです。こうした傾向は学生の頃からあると思われ、学業にも大きなハンディを背負います。よって学生の方でも、上記に該当すると思われる方はぜひご相談ください。

難治性疾患治療ガイドライン

はじめに

難治性とは・・・現医学であらゆる治療を行っても治りにくい疾患の総称であり、人類にはだかる最大の難治性疾患は老化です。よって、生まれてきた生き物は年齢と共に100%が難治性疾患を抱え、そこから逃れられた人は過去に一人もいません。そして、この事実は千年後も1万年後もおそらく変わることがありません。つまり、医学がどれほど発展しようとも、「治らない病気」はその時代時代に必ず存在し未来においても克服できないことがわかっています。

医学がどれほど発展してもその時代に治せないものが存在し、その疾患を治そうとすることは常に極めて厳しい挑戦となります。

すなわち、難治性疾患になってしまった患者とそれを治そうとする治療師は共に「前代未聞の道なき道」を歩むことになります。

「難治性疾患治療ガイドライン」とは、「道なき道を歩むための」ガイドラインですから、極めて矛盾したタイトルです。その矛盾を申し上げなければならない理由は、「道がないほど険しい道であること」、「前例がない」のを知らずに安易に考えている方が患者と治療師共に非常に多いからです。安易に考えている人が険しい道を歩いていけるはずもなく、治療師も患者もほとんどが治療半ばで脱落していきます。そうした悲惨を避けるためのガイドラインが必要です。

数週間かけて文章を作成したため、重複した内容が多く見られます。お許しください。


全ての代替医療が難治性疾患と対峙する

ちょっとした健康器具やサプリメントも含めて、全ての代替医療は必ず難治性疾患と対峙します。アンチエイジング関連の商品も全て「老化」という難治性疾患としっかり向き合っています。それこそ、商品開発をしている会社員も営業も難治性疾患と向き合っているわけで、それは「前代未聞の険しい道」を歩もうとしていることなのに、それに気づいていない人があまりにも多いことに驚かされてしまいます。


水素のあわ、グルコサミンから心霊療法まで・・・実は全ての利用者と治療従事者が「現代医学では治らない」とされている疾患に立ち向かっています。しかし、それらの使用者が「道のない険しい道」を歩んでいるという意識が全くなく、製造者も無責任に宣伝広告だけすれば売れる!という考え方でビジネスにはげんでいることは嘆かわしいことです。

そしてお金・暇・体力を浪費する者、そして副作用で生涯苦しむものなど被害者の山が世界中に築かれています。


被害者の山と、それを利用して大もうけした者の両者共に、難治性疾患を軽んじています。誇大広告や嘘は次第に暴露され、そして商品は売れなくなり、そしてまた新たな商品が開発され、爆発的にヒットし、そして効果があまりないことが知れ渡り、売れなくなり・・・を永遠に繰り返すのも人間社会の性とも呼べるでしょう。「懲りないやつら」です。


しかし、真に難治性の疾患を治療しようとするなら、患者も治療師も命がけで必死にならなければ難しいということを知っている人はいったいどれくらいいるのでしょうか? 難治性疾患治療は常に「未体験ゾーン」となるわけで、その予測がつかないリスクに命を張って挑戦しているのだという自覚が必要です。


難治性疾患の種類

難治といってもその程度には段階があります。一つの悪化点が連鎖して悪循環を起こし、重い症状を次々と作っていく連鎖型難治と、細胞が壊死などを起こし、機能が破壊されて再建が不可能となった破壊型難治があります。破壊型難治の最終形は死であり、神様でさえ死人を生き返らせることは不可能です。連鎖型の難治はどこかで連鎖を断ち切ることで治癒することが可能であり、ただし、その連鎖が複雑なために治すことが難しいだけのことです。


そして連鎖型と破壊型の混合したものがありますが、混合の場合は、連鎖を断ち切ることである一定の治療効果を得ることができますが、それ以上治療を続けても無効となります。破壊されたものは連鎖を断ち切っても改善に向かわないからです。


一般に、「奇蹟と呼ばれる治療」はほとんどが連鎖型の難治性疾患であり、破壊型ではありません。どこかの連鎖を断ち切れば改善しますが、その「どこか?」がどこにあるか?が不明であるため難治となります。

治療者も患者も「自分はどちらのタイプの難治性疾患を治そうとしているのか?」を見極めない限り、両者共に不幸な結果が待ち構えています。


破壊されている血管、破壊されている神経、破壊されているシステム(中枢感作)、破壊されている骨格、破壊されている遺伝子などを瞬時に治す技術はありません。

よって破壊型の難治性疾患をどうにかして治療するためには、細胞新生が起こるまで根気よく「細胞新生の環境を整え続ける治療」をしなければならず、しかも治療期間さえ不明で何年かかるかわかりませんので、患者も治療者も治療途中でギブアップすることになります。


難治性疾患には医学理論が通じない

現代医学で治らない疾患・症状はその医学理論にほぼ必ず誤りがあると推測します。その誤りは「理論を唱えた教授が死去するまで修正されない」「その教授の弟子の教授が主張を続けると次の世代も修正されない」という密かな政治があります。


政治による無理な医学理論は年々少しずつ修正はされるものの当分の間は「無理のある理論」で進みます。現時点で治せない病気(高血圧・うつ病・自律神経失調症など)は医学理論に誤りがあるはずですが、どこが誤りなのか?さえも現時点ではわかりません。


さて、医学の誤りでもっとも被害が多いのは精神科であると思います。それは精神疾患の原因を「心にある」とする考え方です。心というまだ解明されていないものに原因をこじつけることに私は極めて違和感を覚えますし、「あなたの精神がおかしいから不可思議な痛みが出るのだ」と言われて納得できない患者は世界中にごまんといると思われます。


なぜ精神医学が患者を完治させることができない医学に成り下がっているのか?を考えたとき、それは「現代精神医学理論に大きな誤りがあるため」というところに行き着いてしまいます。


精神医学を例にあげましたが、「医学理論が間違っている(未熟である)おかげで治せない疾患」は日常には無数に存在します。そして、現代医学理論に疑問を感じた治療師だけが、その理論に反抗して独自の治療を研究・創造し、密かに治療を成功させます。


本態性、原発性、特発性、突発性と名の付く病名は現医学で「原因不明」とされているものの名称であり、あらゆる病名の前にこのワードがつきます。もっとも多いのは本態性高血圧です。しかしその真実は「原因不明」ではなく「医学理論自体が誤り」であると思われます。その証拠に、代替医療者がこれらの原因不明、治療法なしの病気をことごとく治してしまえるからです。ただし、治してもその論文や証拠は無視されます。


私も同様に、「原因不明」の疾患を治すことを専門としている医師ですが、独自の理論に沿って治療すれば治っていきます。ですから、現代医学理論の方が誤りであることを実証しているわけですが、そうした論文は社会秩序を乱すため、無視されるのが通例です。


もっとも被害の多い医学の誤りは精神科疾患であるといいましたが、最も人口の多い誤りは本態性高血圧です。

たとえば私は、上頚神経節ブロックを用いて、比較的若い年代の本態性高血圧を完治させています。私独自の理論では、自律神経失調症による高血圧が多いと思われます。


また、突発性難聴も上頚神経節ブロックで次々と改善させていますので、それらは突発性(原因不明)ではなく、内耳神経の血流障害性難聴であると確信しています。

と・・・、これらはほんの一部ですが、現代医学理論が誤っている(未熟である)と思われる例です。つまり、難治性疾患の多くは「医学理論が間違っている(未熟である)ために難治性になっている」疾患が少なくないということを認識しておかなければなりません。


よって、難治性の疾患を治すためには「現代医学理論を超えた型破りな発想」が必要となります。しかし、万人が絶対的に信頼している西洋医学理論にケチをつけるにはかなり勇気が必要です。


型破りな発想のお値段

以前のブログで述べましたが、医学部の教授でさえ、たまに「型破りな発想」をする先生がおられます。というより、既成概念を超えた型破りな発想は、日本では教授にしか許されていません。日本では教授になったら「型破りな発想をしてもよい」とする慣習があり、教授はその型破りな発想を「リスクも判明していないうちに治療してもある程度許される」ことになっています。このおかげで医療が進歩します。


ところが、私も含め代替医療者は「現代医学理論を打ち破る型破りな発想」を患者に行って後遺症を作ってしまったら自分の人生が台無しです。よって、新たな治療を試す場合は、患者と極めて密な信頼関係を作り、無料奉仕を行い、まずは自分や身内にためし、注意深く少しずつ新来関係のある患者に試していき、データをとって技術を改良して行き、それによって起こる合併症を熱心に研究し、合併症を起こさずに何千人と試すことで安全確実にしていくという途方もない長く険しい道程を経由しなければなりません。そのため安定確実な治療成績が出せるようになるまでに、金銭的に数千万円に値する労力がかかります。


それは現医学部の教授たちの顔に泥を塗る新技術ですから、万一事故でも起こせば、二度と社会に出られないほどに叩きのめされることになります。このように難治性疾患に対する新治療開発には精神的にも金銭的にも大きなコストがかかります。コストをかけない、研究もしない、大胆さだけがとりえという治療師もいますが、そういう方は被害者を出してしまい長続きしません。


難治性疾患の治療技術は、実際大変高価な技術です。例えば「たかがちょっと治療しただけでどうして数万円もかかるの?」と思うかもしれませんが、難治疾患の治療で1回数万円なら、それは極めて安い値段であるという意識を持たなければなりません。治すことは普通ではなく特別です。しかも、難治性の患者は特異体質を持っていることが多く、リスクが一般人の何百倍も高くなります。それを一般の方と同じ値段で治療することは不可能です。私は「同じ値段」で治療していますが、それは「本当は請求金額の10倍はコストがかかっているところを9割引して提供している」のと同じ意味になります。


難治性疾患治療にお金がたくさんかかることは当たり前ですが、その意識を患者側が持っていないことに危うさを感じます。「保険治療に毛が生えた程度の治療」としか考えず、美容室に髪を切りに行くくらいに安易に足を運ぶからです。治療にかかる代金を軽んじておられる方は、治療にも甘い精神で挑む傾向があり結果的に治せません。難治性疾患治療は決して安易ではありません。


難治性疾患の治療は国が「治せない」と認めている疾患であり、それを治すことは治療師の義務ではなく挑戦であるということ。挑戦とはある意味くじ引きに等しく、治らなかったからといって抗議する筋合いのものではありません。

よって、お金がない方は難治性疾患の治療にそもそも挑戦してはいけません。挑戦すれば周囲の者に大きな迷惑をかけてしまいます。


難治性疾患の治療を受ける患者側に、「治療には大金と大きな労力がかかる」という意識がないとトラブルになります。治療費が高いのは当たり前であり、安い値段で難治性疾患を治療しようと考えていると治療師にも家族にも社会にもあきれられることになります。「難治」の意味を軽く考えてはいけません。


なぜ治らないのかを考える

難治の病気になった人は「なぜそうなったか?」を考えない人がほとんどです。その真実を追求すると、遺伝子に原因があることを認めざるを得なくなります。例えば、私の診療所には症候性ALS(筋委縮性側索硬化症様の症状があるが確定診断がつかない患者)が多く来院しますが、その患者たちは脊椎が曲がっている、捻れているというほぼ共通した特徴があります。そのために脊髄が下方にひっぱられやすいという物理的な弱点があり、この弱点が難治性の症状を発生させていると私は考えています。


難治性疾患になる方は、そのほとんどが事故で起こるわけではなく、日常生活をしているうちに突如起こります。この事実はもともと親から受け継いだ肉体が、現代人の日常生活に適合しにくいことを意味します。


「日常生活で起きる」症状は「些細なことで起きる」「一触即発」であることを意味し、当然ながら治療中に発症することが十分に考えられます。それほどデリケートな肉体であるという意味です。この事実を治療師側から見ると「極めてリスクだらけの肉体」となり、医師が手を出したくない患者であることが理解できると思います。


そういう患者を専門にデリケートな治療しかしないのであれば問題は生じません。しかし、頸部硬膜外ブロックなどのリスクの高い治療をするとなると、その治療費はいったいいくらに設定するべきか? 考えてみてください。


医師の誰もがやりたくない、大金を積まれてもやりたくない、リスクだらけの患者に危険な治療を行うのです。おそらく、正規の料金の10倍を積んでも、医師は治療してくれません。それほど難治性疾患の治療には大金がかかっているということを認識しなければなりません。


難治性疾患はデリケートな肉体を両親から受け継いだ場合に起こると考えていいでしょう。まず、「自分に原因がある」ことを認めない限り、難治性の地獄から這い上がれません。


薬剤の使用がさらなる難治性を作る

難治性疾患の多くは、その原因が「現医学では手の届かないところ」に存在します。それは脳幹や大脳です。脳幹は人間の生命維持に関わる司令塔であり、内臓の動きから血流調整、血圧調整、五感の全て、睡眠のリズム、免疫力などを感情の動きと連動させて自動調整しているところです。


人間を含め、全ての陸棲せきつい動物は前屈すると脳幹が引っ張られるという構造的弱点を持ちます。もしも脊椎構造に遺伝的な異常があると「常に脳幹が引っ張られ続ける」ために脳幹の慢性的な血流不足が発生します。特に自律神経核の血流低下が起こると、神経細胞は「緊急事態」の警報を鳴らすために交感神経を興奮させ、人間を不眠にさせ、強い不安感が起こりやすいように自ら変性するでしょう。


この世で「難治性の難病奇病」と言われる症状のほとんどに「脳幹の血流不足」が関わっていると私は推測しています。その理由は、脳幹の血流量を上げる治療(上頚神経節ブロック)を行うと、多くの難病奇病が改善することを毎日経験しているからです。


人々は脳幹の血流不足で起こっている神経過敏による不安感をとりのぞくために安易に抗不安薬を服用しますが、それが取り返しのつかない悲劇を生むことがまれではなくしばしばあります。


先日、私への投稿でベンゾジアゼピン(デパス)の常用量離脱作用で、筋肉減少と頭鳴で苦しんでおられた方が立ち上げた人生の変転・下山日記 http://blog.goo.ne.jp/lifeischangeable

を読んでみてくださいとあったので斜め読みさせていただきました。


脊椎に遺伝的な不適合要素がある場合、普通の生活しかしていないのに脳幹の慢性的な血流不足を招きます。症状はたいてい共通しており、夜眠れない、朝起きられない、不安感が強い、イライラしておとなしくしていられない、血圧や脈が上がりやすいなどです。


それらを薬(精神薬の全てが原因になりえます)にたよって症状を抑えて(体の悲鳴を無視して)社会生活を送ると、脳幹のニューロンは「薬剤耐性がつくように」変性します。わかりやすく言うと、抗不安薬を飲み続けていると、脳が異常興奮しやすいようにニューロンが変性するということです。


上記の下山日記の筆者は「薬が原因かもしれない」と思い、断薬を決意しますが、今度は「断薬による禁断症状」が起こります。長年の使用が原因で脳が激しい興奮状態になり、ニューロンの酸素消費量を激増させます。もともと患者の脳幹は慢性の血流不足に陥っています。つまりデリケートな肉体です。そこに酸素消費量増加が加わると、ニューロンは極度の酸素不足に陥り壊死が始まります。酸素の少ない密閉した箱の中で暴れまわるようなものです。すぐに窒息して死に至ります。


脳幹や大脳のニューロンが壊死すると多発性硬化症やALS、脊髄性筋萎縮症、パーキンソン病などと同じような症状が現れます。しかし医者を受診しても「異常なし」と言われ精神異常者扱いされて放置されます。


ブログの筆者は「デパスの禁断症状でALS(ニューロン変性)が発症した」と考え、医師を恨み、国を恨み、西洋医学そのものを恨み、その恨み節を書き続けていましたが、これが不幸なパターンです。


本人は薬のせいでニューロンが破壊されたと妄想します。確かにデパスはニューロンの変性を招きますが、壊死の直接的な原因は慢性的な脳幹の血流不足であり、血流不足の原因は遺伝子、つまり本人にあります。この不幸な出来事の根本原因は「自分の遺伝子の不適合さを認識していなかった」にもかかわらず、薬でごまかして普通の人と同じ生活を送っていたことにあります。


難治性疾患を治療する際に、服薬している薬剤は極めて大きなリスクとなります。経口薬を止めさせてもリスク、続けさせてもリスクです。治療師と患者の間に不信感や逆恨みを作るのも薬剤が原因となることがしばしばあります。


もしも、この患者を救えるとすれば、それは脳幹の血流量を増やしてあげることです。しかし、血流量を増やすことでさらなる脳の興奮が起こったら、この患者はその症状に耐えて治療を続けてくれるでしょうか?


難治性疾患の患者の多くが精神科薬漬けにされていますので治療を行う前に薬剤使用の歴史をしっかり訊いておかなければなりません。基本的に薬漬けになっている難治性疾患者は極めて救いがたいです。そのことを治療師は最低限知っておかなければなりません。


日本の難治性疾患治療費は非常識に安い

難治性の患者たちは西洋医学で治らない、そして自分の体がリスクだらけのために、日常茶飯事に治療後に合併症を起こし、それを自分のせいではなく医師のせいだと妄想を膨らませます。よって彼らは極めて医師不信に陥っています。


彼らは難治性疾患を治療しようとする治療師に対してもその不信感をぶつけ、「どんなリスクがあるのか?」「治療期間はどのくらいか?」「実際あなたは私を治せるのか?」「リスクを起こさない自信はあるのか?」「お金はいくらかかるのか?」などの質問攻撃をしてきます。


これがどれほど失礼か?を知りたければ、同じ言葉を大学病院の教授に浴びせてみればわかります。おそらく出入り禁止にされます。

あなたが大学病院で教授に「お金がいくらかかるのか?」と質問することがなぜ失礼に当たるのかを知らない患者は不幸です。その理由は治療費が諸外国と比較して日本は「あり得ないくらいに安いから」です。大学の教授も、新米医者も、治療費は同じです。ですから大学の教授は「その技量と比較すると極めて安い治療費」で患者を治療しているに等しいわけで、その教授に「お金がいくらかかるか?」を質問することは極めて失礼にあたります。教授に診てもらっていて、かつ安い治療費であり、その恩恵を得ているということを認識できていない身のほど知らずだと思われるでしょう。


同様に日本の代替医療師たちも「難治性疾患を治す」という特殊な技術を持っているにもかかわらず、請求する金額は「てもみん」のマッサージに毛が生えたくらいの治療費しか請求しません。アメリカでは有名な治療師は1回100万円を請求することもあり、それに比べると日本の有名な治療師の請求額は非常識なくらいに安いといえます。

難治性疾患の患者は「みのほど知らず」ではいけません。自分が難治性で治療に手間隙がかかることを自覚しなければなりません。


治療の予定はつかないのが難治性の宿命

難治性疾患の患者は医療不信に陥っており、それを自分のせいであるということを気づかずに不満を抱えています。よってその難治性疾患を治そうとする治療師に対しても不信感をぶつけ、治療計画をききたがります。


しかし、難治性疾患は、その患者の遺伝子的な特殊性のために難治になっていますから、前例どおりにならないことがほとんどとなります。当然ながら治療計画が立てられません。というよりも、治療計画が存在するのなら、それは西洋医学の医師に任せても治ります。治療の反応を見ながら手を換え、品を換え、頻度を換え、期間を換えるからこそ難治性疾患に対応できるわけです。つまり、難治性疾患の治療に計画を立ててはいけないのです。計画を立てれば、計画通りに行かない時点で治療が終わります。


それは治療師が治療を終わりにするのではなく、「計画通りに行かないのは治療師の技量不足である」と患者が勝手に決めつけ、患者自らが勝手に治療を中止します。つまり、治療計画を立ててほしいと要求する患者は「治療が成功する確率が低い」のです。


難治性疾患の治療には前例がありません。100人の患者がいれば100通りの異なる治療をしなければ難治性疾患は治りません。だから計画を立てるとほとんどが終了へと収束します。私は常に難治性の患者を前に「やって見なければわかりません」というのですが、この言葉に身をゆだねて私に全てを任せる器量のない患者は治療を拒否するようにしています。


難治性疾患治療に道はない、あなたの後に道ができる

普通の医者が治せない疾患・症状は「難治」です。難治の疾患には治療予定というものが存在しません。いつ、何を、どうするのか?は毎回、患者と治療師が決めていきます。その理由は個人個人で大きく異なる治療リスクがあり、可能な限りそのリスクを回避しつつも、効果が最大になるように莫大な治療労力をかけ、常にありとあらゆる方法を試していかなければならないからです。使う薬の量も回数も患者毎に異なります。それらを決める要素は治療効果です。前回の治療の結果を受けて次の治療内容を決めていきます。この柔軟性こそが難治を治すことができる唯一の方法です。


時代が進めば、難治であった疾患も治せるようになります。しかし、時代が何万年と進もうとも、その時代に治せない疾患が必ず存在し、そういう疾患を治すためには、柔軟に治療方針を変えながら試すということを繰り返さなければなりません。だから、どこまで行っても難治性疾患の治療には道がなく、あなたを治療してはじめて1本の道ができるのみです。


その1本の道は他の似たような症状の患者に通用するかと言えば通用しません。その理由は単一の原因でその症状が出ているわけではないからです。


治りにくい理由の一つは、原因が幾重にも重なっているからでありそのバリエーションの通りは無数にあり、一人の患者を治療して、無数のバリエーションのうちのたった一つが判明するのみです。似たような症状があったとしても全く同じ症状はありません。


なぜ普通の医者が治せないのか?を考えれば、原因が重なり、無数のバリエーションがあるからだということが理解できると思います。


難治性疾患治療には莫大な根気が必要

難治性疾患が治りにくい理由の一つに壊死があります。前述した破壊型難治です。破壊されて壊死している場合、新たに細胞が新生する以外に治る道はありませんが(移植を除く)、そもそも細胞が壊死する=栄養動脈などの破損、が存在し、そこは細胞が新生できる環境ではありません。細胞が新生する環境を作るには24時間よい環境状態にし、その状態を長期間継続しなければなりません。つまり、破壊型難治を治すには環境を整えるという治療法しか存在しません(移植をするにしても環境が整わない限り移植した組織も壊死します)。


しかし、そのような治療には莫大な手間隙がかかり、生活指導も徹底しなければならず、さらに「治る保証がない」ので、あくまで「先の見えないトンネルを延々と突き進む」治療となるわけです。


この環境を整える治療に見切り発車することは患者・治療師共に大変な勇気がいります。治る保証がない場所を突き進むので、症状が改善しなかった場合に「かかったコストが莫大であればあるほど患者に恨まれてしまう」「長期間、この患者を優遇しなければならないために採算が合わない」「患者を励ますのも自分を励ますのもたいへん」だからです。


破壊された細胞を再生させる治療の代表は脳梗塞後遺症でしょう。脳梗塞後遺症ではほとんどの患者が例外なく、医師が推測した最悪な状況よりも5年後にはずっと改善しています。言語能力、歩行能力などがほぼ必ず医師の予想を上回るものです。医師は脳細胞が再生されるとは考えていないからです。しかし脳には神経芽細胞が存在し、再生する可能性があることが数年前に示唆されています。


自然回復でさえ、医師の予想を上回るわけですから、積極的に根気よく治療を行えば、自然回復よりもさらに改善する確率が高くなるでしょう。


しかし、そこには「治る保証」がないだけに治療を継続するには勇気と根気が必要です。しかしながら、現在の保険制度は「治る保証がある」治療だけが適用とされるので、このような「治る保証のない治療」は病院やクリニックではできない現状があります。


例えば改善するために結果的に数百回の治療を必要とした患者がいたとします。この患者は何の保証もないのに根気強く数百回の治療を続けたわけで、自分の判断を信じ、医師についていくことを決めた勇気があります。医師は治る保証もないが「患者が熱心であるから最後までつきあう」と決めたからこそ数百回の治療につきあいました。ここには医師と患者に大きな絆が存在します。


絆を築くためには医師と患者の両者共に強い魂を持っていなければなりません。どちらか片方にだけに存在するものであれば、完走することはできません。破壊型の難治疾患の治療には医師と患者の絆が不可欠です。つまり、性格上、社会成熟度上、治療をしてよい患者としてはいけない患者に別れるということを意味します。絆を結べないと思った患者には「治療を拒否」しなければなりません。保険診療ではないのですから。


難治の理由をつきとめる

なぜ難治なのか?には様々な理由があります。理由を知れば治せるものと治せないものがあることがわかります。そして治せるとしても、治療師だけの力では無理で、患者の献身的かつ積極的な協力が必要であることもわかります。


  1. 患者が繰り返し自ら損傷させる(スポーツ・仕事・環境などが原因)
  2. 先天的に問題がある(骨格・アレルギー体質など)
  3. 変性・壊死・欠損・梗塞・悪性腫瘍・加齢など不可逆的なダメージ
  4. 多くの疾患が重なる
  5. 中枢感作による神経伝達システムの異常
  6. ノーマンズランド(治療の手が届かない、脳・延髄・免疫)
  7. 治療が的外れ(医学理論の過ち)
  8. 体内に入れたものによる症状

難治の患者の場合、上記の理由が一つではなく何重にもなっていると考えなければなりません。これは前述の連鎖型と破壊型の病態分類とは異なり、難治の原因を追究したものです。そして、一人の患者がこれら全ての原因を背負っていることが稀ではありません。


1~5は患者側に原因があり、6~8は医師(治療師)側に原因があります。6~8はすぐに理解できますが、1~5を理解することは、千年後も1万年後の未来も「極めて困難」です。難治になる理由はほぼ必ず患者の遺伝子にその原因が存在しています。今まで何ともなかった肉体が、急に難治性の疾病に侵され始めたとしても、その原因は先天的なものと関連があります。例えば脊椎の長さが正常な人より数%長いというだけで、脊椎の変形・椎間板ヘルニア・側彎などが起こりやすく、成長痛が発症しやすい、ちょっとしたむち打ちが重症化しやすい、自律神経失調症や難聴になりやすいなどの現症が起こりやすくなります。


5の中枢感作は医師も代替医療師も認識できないほどに複雑ですので後で別途解説します。

難治であるには必ず理由が多重に存在することを患者も治療師も認識しなければ互いに不幸になります。そして、治療には答えもガイドラインもなく、ただただ患者と治療師に互いの熱意が必要になります。


中枢感作(薬剤耐性)が難治性疾患を難解にさせる

「中枢感作とは?」の定義は世界的に誤解されていますが、私の定義としては「神経のシナプス(またはニューロン)に通常とは異なる神経伝達回路が出来あがっている状態」とします。


中枢感作の症状の代表はアロディニア(異痛症)と呼ばれるもので、触られた感覚が痛みに変換されて「痛みとして」脳に伝わるものです。このようなアロディニアはめったに経験しないことですのでだれもが「私には中枢感作は関係ない」と思うでしょう。しかし中枢感作はシナプスに作用する薬を常用している方なら誰もが経験しています。(下痢止めのための抗コリン薬など、意図せずシナプスに効いてしまう薬を飲んでいる場合もあります)。


例えば、睡眠薬を毎日のんでいると睡眠薬の効きが悪くなります。これは人が睡眠薬に対抗するためにシナプスでのGABAの受容体(抑制系の受容体)を減らす方向に変化を起こすためです。このためシナプスからGABAが分泌されても「それが作用しにくくなるシステム」が出来あがります。一般的にはこれを薬剤耐性といいますが、実はこれがまさに中枢感作です。


GABAは不安を抑制するために重要なホルモンですが、それが効かなくなるシステムができあがってしまうと、睡眠薬を中断した際に、「脳が激しい興奮状態」となり、「耐え難い不安」に襲われることになります。これがいわゆる禁断症状です(前述しました)。


同様に、リリカやトラムセットなど、シナプスに作用する鎮痛薬は、常用すると「痛みや不安を抑えるホルモンが効かなくなる」という中枢感作を起こします。よってこれらの薬剤には禁断症状が現れます。シナプスに結果的に「痛みを抑制するホルモンが効き難くなる」というシステムが構築されてしまいます。「システム」=「中枢感作」です。


薬剤を常用すると中枢感作が起こることを現医学で理解している医師はほとんどおらず、それを強く主張し続けている医師の発言も「表には出ない」世界情勢があります。


この中枢感作は難治性疾患の治療を妨げるものとして圧倒的なパワーがあります。なぜなら、肉体を正常化させる治療(血行をよくするなど)を行うと中枢感作で新たに作られた悪循環システムがきちんと作動し始め、「ほぼ必ず症状が悪化」するからです。つまり、「薬剤で抑えていた症状の全て倍返しされる」という現症が必ず起こります。しかも最悪なことに、治療が正しいものであればあるほど症状倍化が正しく発症すると予想されます。


よって中枢感作があると、「治療をするほどに症状が悪化」という矛盾を起こし、患者は当然のごとく治療師を逆恨みします。

このように中枢感作の存在は治療を妨害する最大の壁となりたちはだかります。このことを治療する側もされる側も知りようがありません。現医学の枠外だからです。実際に難治性疾患を専門に治療している者にしか知りようがありません。難治性疾患には治療法がありませんので、難治性疾患を治療する者も原則として存在しません。だから中枢感作によって症状が悪化する現象も、誰にも知られることがありません。なぜならば、まず、その難治性疾患に「治療が効果あり」とならなければ「悪化現症」も起こらないからです。「難治性なのに治療効果を出せる者」が希少であるがゆえに、この現象を知る者もわずかです。


中枢感作は下痢止めの抗コリン薬でも起こり得ますし、降圧薬でも起こり得えると思われます。睡眠薬やリリカ、トラムセットだけの話ではありません。


私の症例研究から得た情報では、薬剤による中枢感作システムが正常化するためには最低でも数か月、長い場合は半年を要すると思われます。本気で難治性疾患を治すにはこの長い月日を「禁断症状と闘わなければならない」わけであり、その期間は症状が倍化することになります。患者だけでなく治療師にさえ、症状倍化と闘い続けることは不可能に近いと思われます。


このように中枢感作による難治が重なっている患者の場合、治療自体が地獄となるため治療が極めて困難です。中枢感作による難治をどう治療するか?は今後の課題ですが、禁断症状をブロックで抑えながらの治療しかないように思えます。なぜなら、ブロックが唯一「ほとんど耐性を作らない薬剤」だからです。ただし、禁断症状を抑えるには多数回ブロックをきわどい分量で行い続けなければなりません。そのリスク回避に必要な精神力は莫大ですのでそれを行う医師がいません(私でさえできないかもしれないと思う程です)。この治療を行うための技術力と精神力を金銭に換算すれば半年で数千万円クラスであると思います(おおげさではありません。技術力の極めて高い医師は1日に100万円くらいは稼げますので、たかが数十日分のお値段です)。つまり、「中枢感作の治療は大金がかかる」と言えます。このことを認識していない患者が治療師に「恩を仇で返す」ことになります。


難治性疾患の治療に挑むのであれば、必ず中枢感作の存在を覚えておいてください。また、中枢感作に特異体質など遺伝的なものが加われば、さらに複雑な病態になることはいうまでもありません。


難治性疾患患者の肉体はリスクの宝庫

難治性疾患患者の場合、特異体質と特異システム、恒常性の低下の3つのリスクが治療の壁として巨大に存在します。特異体質=特異免疫システム のことです。金属・ポリエチレン・防腐剤などに免疫が過敏に反応してしまう体質のことで、例えば鍼の金属部に反応、薬剤の容器のポリエチレンに反応、薬剤中のわずかな防腐剤に反応するなどにより予期せぬ炎症を引き起こしてしまうパターンです。


一般には予期することが不可能で、治療師のほとんどが意識していません。意識していないだけに原因を特定することが不可能で、治療を続けているうちは悪化を止めることが出来ず患者を不幸のどん底に落としていきます。


これに対処する唯一の方法は「特異体質の患者には治療しない」ことです。難治性疾患の患者の場合、免疫系の特異体質を持っている確率は一般人の何千倍も高いと考えるべきで、リスクの宝庫です。


もう一度言いますが、「特異体質の患者には治療しない」ことが最善であり、これが難治性疾患の患者を治療することの最大の壁になっています。スティーブン・ジョンソン症候群がさの代表ですが、ちょっとしたスティーブン・ジョンソン症候群もどきの患者は少なくないと認識しておくべきです。


特異体質の患者を治療する際には、治療師も患者も、このことは最初に認識しておかなければならないことです。そして特異体質の患者を治療するには、外界から体内に入れる物質のあらゆるものに警戒しなければなりません。


ただし、薬剤の禁断症状によるリバウンド(症状の悪化)と、この特異体質による症状の悪化を区別する方法はありません。唯一異なる点は前者では治療を継続することが望ましく、後者では治療を中断することが望ましいことです。ほとんどの患者は症状が悪化した際には「治療を中断する」はずです。ですから、リバウンドで起こる悪化、特異体質で起こる悪化のどちらが起こっても結局は治療を中断することになります。


この当然な原理により、薬剤の禁断症状を持つ患者を治療することは不可能となります。よって、治療後にリバウンドが起こる患者を真に救済するためには、「神がかったレベルの治療師の勘」が必要であり、さらに、治療師と患者が強い信頼関係が結ばれている必要があり(教祖と信者の信頼関係)、事実上それは不可能ですので結局治療は中止となります。これがまさに難治性疾患治療の限界です。限界を知らなければ治療師も患者も不幸です。


特異システムとは前にも述べた中枢感作システムのことです。神経のシナプスに作用する薬剤を慢性的に使用していると、シナプスではその薬剤に耐性変化が起こります。変化=システムが変わる、ことを意味し、一般の人に使用すれば改善する治療で、症状が悪化するということが起こります。薬剤により起こる中枢感作だけではなく、シナプスへの慢性の血行不良でもシナプスの変性(変化)が起こります。どちらにしても中枢感作は難治性疾患の主原因であり治療の大きな壁です。


まずは中枢感作=特異システム、を改修しなければどんな治療も裏目に出やすいでしょう。中枢感作は治療リスクそのものです。


恒常性の低下=自律神経失調 です。自律神経は体温が下がればそれを上げ、血圧が下がればそれを上げ、ご飯を食べれば腸を動かし内分泌を促し、睡眠のリズムで休息をとらせ・・・と、外界の刺激から身を守るために「意識とは無関係に勝手に動く」システムです。この自律神経が壊れている場合、血圧が下がっても上がらない、ご飯を食べても腸が動かない、睡眠が出来ない、など様々な悪しき症状が出現し、最後には血流調整能が壊れて重要臓器に血液が流れなくなり組織の壊死を招きます。実際に、異型狭心症や古典的片頭痛などは血流調整能の不調で起こります。


外界からの刺激に過剰反応してしまうのは自律能が低下しているせいです。よって治療という外界の刺激にも過剰反応し「治療による悪化」が起こりやすくなります。


難治性疾患患者の多くが自律能低下を起こしており、その患者に治療を施すことは極めて危険な行為です。治療が火に油を注ぐことになりやすいと言えます。自律能低下の患者を扱うには一般の患者の何十倍もの神経を使わなければなりません。よって治療師は疲弊し、長くその職務に就いていることが難しいでしょう。患者にはそうした治療師をいたわり、ねぎらう必要がありますが、そうした患者は皆無に等しく、これがお互いを不幸にしています。


このように、難治性疾患はリスクの山です。よって頭がいかれている治療師しか、難治性疾患の治療に足を踏み入れません。頭がいかれた治療師がこの世に何人くらいいるでしょうか? それを考えれば難治治療の治療師がどれほど希少価値かということがわかるはずです。その価値をわからない患者が多すぎるため治療師は結局生き残れません。希少価値の治療師を殺していくのも、「価値のわからない患者たち」なのです。何度も言います「難治性疾患治療では治療師も患者も不幸になります」と。


話しは変わりますが、普通の保険医にとって難治性の患者は経営を悪化させる存在ですので積極的な治療を避けなければなりません。それをサポートするのがリリカやトラムセットなどの「究極の痛み止め」です。これらの薬剤がどれほど保険医たちの役に立っているかを想像したことがあるでしょうか? 患者に薬害があるとうすうす気づいていても、これらの薬剤を処方する理由は、難治性の患者につきまとわれたくないからです。それほど難治性の患者は保険医たちにとって実害をこうむらせる存在になっています。そのことを自覚していない患者は不幸です。なぜリリカやトラムセットを処方されているのか? それは日本の医療費が難治性疾患に対応できないほど安いからです。逆に言うと、難治性の患者は治療に大金がかかるというのが真実なのです。国としては、そのお金を税金でまかないたくないわけで、全て自費でやっていただきたいはずです。


また、患者のリスクが高いことを知らずに安易に治療を開始する治療師は何度でもトラブルに巻き込まれます。患者のリスクを察知できない治療師は、基本的に「難治性疾患を治すセンスがない」と言えますので、普通と違う症状を持つ患者には手をださないことを強くお勧めします。


基本的に高齢者は難治+リスクの宝庫です。よって高齢者の治療を行う場合は、全く割に合わない奉仕活動になること、リスクの責任を取らなければならない可能性があることを念頭に置き、安易に「お金儲け」として高齢患者を呼び込まないことを強く勧めます。


難治性疾患治療はジョーカーです。誰もが避けるものです。その世界に足を踏み入れている治療師には偉大な敬意を払いなさい! 敬意がない難治性患者の治療はどうせ成功しません。したがって「敬意を払いなさい」ではなく、敬意がなければ治療は成り立たないというのが真実です。


治療方針が間逆

難治性疾患治療は「毎回が発明」となります。前例も医学理論も届かないところにあるからこそ難治なのですから、これは当たり前のことです。しかし、医学は「発明で治療をしてはいけない学問」です。極めて保守的です。保守の原則は95%または99%の患者が治る治療法の集大成が医学の基礎となっているからです。つまり統計学に基づくのが現西洋医学であり、残りの5%が悪化しても無視するのが医学という学問です。現在の医学治療で悪化した残りの1%または5%未満の患者が難治性であり、それらの患者を治療するには現在の医学理論と真逆の治療をしなければならないのも当たり前の事実です。


つまり、医学をかたくなに信じている権威者(教授や知名度の高い医師)の治療方針と、難治性疾患を治そうとする医師の治療方針では、その治療法が真逆になります。もう一度言いますが、真逆になることが当然なのです。


もしも医学界の重鎮が提言する治療の真逆の治療をして、患者を悪化させた場合、その医師は社会的に抹殺され、さらに医師免許に傷がつくおそれがあります。このことを考えたことのある患者はいるでしょうか? いや、いないと思いますが、だからこそ難治性疾患を診ようとする医師がこの世に存在できないのです。難治性疾患にかかっている患者は全身全霊でその医師をサポートしなければなりません。サポートのやり方はいろいろあるでしょうが、治療師の業績になれるよう努力し、治療成果を逐一報告し、時に意見や忠告もし、他の人にも同様の治療ができるように資料を提供しなければなりません。それは極めて当たり前のことだと言うことを患者は知らなければなりません。


医師免許を持っていると、逆にクリエイティブな治療をすることが難しいということを理解しましょう。だからこそ、医師免許を持っていない代替医療師たちが治療をしてくれています。唯一、私のように医学界を覆すくらいの根性で努力している無謀な者だけが医師免許を持ちながら難治性疾患の治療法を創造できるのだということを知っておいてください。


そして常々、私は難治性疾患治療に従事することを辞めたいと思っています。あまりにも精神が疲弊するからです。患者たちがそれを許してくれないので続けているだけです。


患者は迷いに迷う

迷うなとは言いません。難治性疾患の治療師に身をゆだねて治療を続ければよいか? 知名度の高い権威のある医師の言う意見に追従するべきか? 迷って当然です。そして、治療師は患者の迷いこそが最大の治療妨害となっていることを認識しなければなりません。


迷う患者を信じさせるには、数回以内に症状改善の結果を出すことです。だから治療師は焦ってしまい、危険な治療に足を踏み入れ、そして病気の地雷を踏んで患者の恨みを買いつつ撃沈します。


地雷の代表格は先ほど述べた特異体質と特異システムです。最悪なことに、特異システムは他の医師が処方した薬剤によって作られることが多々あることです。まさに治療方針が真逆とはこのことです。


ただし、難治性疾患の患者は勇気を持たなければなりません。既存の知識では治らないことが判明している時点で、既存の医師の意見を参考にしてはいられないということに気づかなければなりません。


新しい治療が成功するとは限りませんが、挑戦しなければ前に進みません。前に進まない場合に、現状を受け入れる選択もあるということを忘れてはいけません。既存の治療に頼っていれば、ますます悪化していくことがあります。進むかとどまるか、拒否するか? いずれを選択するにも勇気と責任が必要です。


難治疾患は患者負担が莫大

難治性疾患を治療できる治療師はいつの時代も千年後の未来も、常に全国に少人数しか存在しません。これは難治であるがゆえの宿命です。そして難治を治せる治療師は「世の表舞台には出ない」という法則があります。


有名人の難治疾患を治療することで一躍脚光を浴びる治療師もおられますが、それは宝くじで1等が当たる確率よりも低いことです。日本では田中角栄の顔面神経麻痺をブロックで治癒させた若杉先生が有名です。


このように「難治性疾患を治せる者が少ない」という事実を裏返せば、難治性疾患を治すためには遠方からはるばる特別な技術を持つ治療師の元へ通院しなければならないことも必然です。そして特別な治療師は毎日何十人という難治性疾患の患者を治療していますので、「私は苦しいから特別扱いして診てほしい」というわがままが通用しないことも必然となります。ならば、入院施設を用意してほしいと思うかもしれませんが、再度言いますが、難治性疾患の治療師は表には出られません。表立って入院施設を持つことは経済的にも社会的にも許されていません。なぜなら、医学(国が世界が)が認めていない治療法だからです。


難治がゆえに、治療費が桁違いに高くなり、治療回数も長くなり、通院距離も遠くなり、その上リスクにとびこまなければならないという必然があります。この必然を乗り越えられる方だけが治療に成功をおさめることができます(保証はありませんが)。


つまり、患者負担が莫大です。よって病気をあきらめるのではなく、治そうとするならば、最初から強い(折れない)精神力が必要になります。折れない精神力を持ち、リスクが起こったら全て自己責任にできる方でなければ難治性疾患を治す機会を逃します。


すでに患者は難治性疾患に精神を侵され、治療師を信じきる心を失っています。しかし、不信の目を治療師に向けた時点で治療は終了です。不信感=治療終了の合図、となることを知らなければなりません。つまり、治療を終了させるのは常に患者側です。だから難治性疾患は治療が難しいと言えます。


詐欺師が潜む難治治療

難治性疾患の患者は常に「迷いの中」を生きています。目の前の治療師を信じていいのか? この治療法であっているのか? の迷いです。選択肢を誤れば悪化し、さらなる地獄へ落ちてゆく恐怖にさいなまれています。また、難治性疾患の治療師には詐欺師も潜んでいるため騙されて大金を奪われることも普通です。治療師によっては「アドバイスが真逆である」ことが多々あります。誰を信じていいのか迷います。


患者は唯一、自分の苦痛を少しでも和らげることができる治療法だけを選ぼうとするため、根本治療ではなく、姑息治療を選んでしまう傾向にあります。よって詐欺にあいやすくなります。大切なことは「自分の責任において選んだ治療師を信じ切る」ことであり、「信じた自分を信じる」ことです。


難治性疾患の患者は「治せるという保証」を求めます。「誰も治せないから難治」であるというのに、治る保証という「ないものねだり」をしてきます。しかもないものねだりをする患者はたいてい治療師の指示に従いません。そもそもこういう方は難治治療に不向きですので治療をあきらめて自然治癒を目指す以外に道はありません。


難治性疾患を治療する治療師は、「あらゆる治療を試す」ということを行います。治療に王道も答えもないことを知っているからです。つまり、一流の難治性疾患治療師は常にあらゆる治療法を組み合わせてバリエーションを変えます。これを別の言い方にすると「一流の治療師は治療法を迷うことに迷いがない」となります。一流の治療師は「迷い道に深く入り込むことに迷いがない」のです。


勇気をもって、堂々と自ら迷い道に入り込むことではじめて難治性疾患の治療の糸口を見つけます。その迷い道には地雷や落とし穴だらけです。いつ自分にも危害が及ぶかわかりません。その危害を回避しながら迷いの森へと迷いなく入り込んでいきます。


そして患者は迷いの森を進もうとする勇気ある治療師に不信の目を向けます。確立された治療法がないのに「治療を試そう」とする治療師に不信の目を向けます。まるで「私の体で実験しないでください」とでも言いたげです。この時点で治療は終了です。


難治性疾患に確立された治療法がないのは当然であり、「治療を試さないで」と言った時点で「ないものねだり」になっていることが患者にはわかっていません。


そうではなく、この「訴訟天国」と呼ばれる時代に「治療を試してくれる」医師は皆無だというのに、患者の幸福のためだけを思って「治療を試そう」としてくれている治療師に不信感を示してどうするのでしょう? 難治性=確立された治療法がない ということを患者はなぜ理解できないのでしょうか? 残念ながら、迷いの森で治療師についていくことができなければ治療は終了です。そこまでかけた労力は全て水の泡です。患者も苦痛ですが、治療師の方も苦痛です。本気で患者を治そうとする治療師は、必ず代金以上の奉仕活動をしていますから、その奉仕活動分の大金がすべて水の泡になります。


ネガティブキャンペーンという治療妨害

不信感の強い患者は「治療成果を口にしない」という特徴があります。難治性疾患の治療師にとっては「治療成果」こそが次に打つ手を考える治療指針となります。しかし、ネガティブな患者は治療によって「改善したこと」を一切しゃべりません。まるで与党に反論する野党のキャンペーンです。


例えば、「治療後に食欲が多少出ました」ということは口に出さず、「現在も便秘が続いています」という「自分の体に起こっている今現在の悪い部分」のことしか言いません。「体に一瞬でも起こったいるよいこと」は治療の成果である可能性がありますが、ネガティブな患者はそれを成果だとは認めようとしないものです。よって次回の治療方針が立てられず、結果的に「治療をしているのに悪化しかしていない」という印象になります。


こうなると、実際には治療が成功しているにもかかわらず、治療師は「失敗に終わった」と考えるようになり、一つ一つ治療の手を中断して行くことになります。そして最後に打つ手がなくなると治療が終わりです。


満足の行く治療成果が得られていなければ、「治療成功」とは考えないネガティブな患者の場合、それは治療妨害となることを知っておかなければなりません。答えのない迷いの森に入っていく治療師に、出口の糸口となるヒントを差し出さない患者は、治療師を「迷いの罠」にかけてしまいます。これが恩を仇で返すことになっているということを認識しておいてください。


難治性疾患の治療に挑む患者は、「常に自分の体に起こった変化を客観的に治療師に伝える義務」があります。「私は医者じゃないからわからない」と言って何もしゃべらない患者がいますが、そんな患者は、難治性疾患を治してもらう資格がありません。治療師を迷いの罠にはめたくないのであれば、全身全霊で自分の体の変化をチェックし、治療との因果関係(特に少しでも改善した症状)を正しく言えるようにしておかなければなりません。


人のからだは同じではない

難治性疾患をわずらってしまう理由の最大は体質です。免疫系が過敏である、動脈が細いなどの遺伝的な体質が根本にあります。現代西洋医学では「全ての人間が同じ構造をもつことを原則としているため、特異体質を持つ人は存在しないことになっています。


しかし実際は抗生物質を服用しただけで、体中の皮膚が壊死を起こし、失明するスティーブンジョンソン症候群などの特異体質を持つ方が存在し、そうした特異体質の軽度なものを持つ者の数は決して少なくありません。


難治性疾患はそうした特異体質を持つ人が、些細なきっかけで発症させますから、現代医学では理解不能となります。そして、このようなデリケートすぎる体質をもつ人の場合、普通に行う普通の治療で症状が悪化することがあります。治療とからだの何かが反応するためです。


このようなデリケートな体質が存在し、難治性疾患の患者の場合は「例外なくデリケートな体質」であるからこそ、治療師は次元を超えた幅広い知識(医学を超えた知識)を持つ必要があります。そして、治療の技術も卓越していなければなりません。


技術がいくら卓越していても難治性疾患の治療は無理で、超高度な万物を見通す見識眼が必要です。そうでなければ、地雷を踏み、落とし穴にはまります。


難治性疾患治療では、特異体質を持つ患者のみが集まります。それらを全て「頭がおかしい」とする現代医学に立ち向かうための勉強と研究も必要です。人のからだは同じではないからです。


私はおそらく難治性疾患を専門に治す医師として非常に多くの勉強と研究を重ねています。そして現医学の次元を超えた幅広い知識とデリケートな治療を行っていますが、それでも私の言葉を信じない患者が大勢来られます。悲しいことです。


患者は「全てを説明してほしい」わけですが、次元を超えた医学理論であるだけに、説明したところで理解できるはずもありません。「あなたには理解できないと思います」と真実を患者に述べると、患者は激怒し不信感を持ちます。患者はみな自分が特異体質の持ち主であることを知らないのか、それとも知らないフリをしているのか、治療で症状が悪化すれば、それを全て治療師のせいにし、自分には全く責任がないような顔をされます。


難治性疾患の治療では、かくも理解してもらえないところで、患者に不信感をつきつけられながら、命を張って治療を行わなければならず、非常に理不尽な毎日を過ごしています。

おそらく、医学がどれほど進歩しても難治性疾患に挑む治療師は、こうした理不尽と戦うことになります。


特異体質と難治性疾患

人のからだは同じではないという意見を前回述べましたが、真実は「95%(99%)は同じ範疇に入る」中で「5%(1%)以下の人間に特異体質がある」と考えてよいでしょう。統計学的な考え方ですが・・・。

難治性疾患を治そうとする治療師は、この5%(1%)未満の特異体質を理解しようとする者です。


そうした特異体質を本人がわかっていない、医学書にも載っていない、インターネットを探しても見つけられない、という中で理解しようとする治療師は極めて貴重な存在です。


別に特異体質を理解しなくても治療はできますが、治療の際に症状が悪化することを想定できないことになります。そして一度手痛い失敗を経験すれば「特異体質の患者には近寄りたくない」と思うはずです。


しかし、真に難治性疾患を治そうとするなら、特異体質を理解しなければ、患者をデリケートに治療することができません。知らなければ治療がガサツになるでしょう。


私は、おそらく難治性疾患の患者より、患者の体質について深く理解しています。しかし、患者は「私が特異体質を理解していること」を決して信じません。それはこれまでにさんざん多くの医師がガサツに治療して失敗してきているからです。私も同類と思われています。


そこで私は最初からデリケートに治療を始めるために、遠距離の通院はご遠慮願い、近くに宿泊しながらの治療を計画するのですが、そのアドバイスに従うこともなく、患者の都合で来院します。そしてブロックしてリバウンドがきつくてドロップアウトです。


もちろん、宿泊で通院するにはかなりハードルが高いことはわかります。まず1回治療を受けてから考える・・・としたいのはわかります。しかし、特異体質による症状悪化は、連続の治療でしか防げないことがあり、私に張り付いていないと対応しきれません。しかし、毎回単発治療で来院されるため、リバウンドがきつくて中止になります。つまり、特異システムが出来あがってしまっている患者の場合、「治療を試す」だけでも1週間の滞在が必要なのです。患者はそんな私のアドバイスを簡単に無視します。


結局、患者は私のことを「そこらじゅうにいる普通の医師」と同じくらいにしか信用しておらず、そのために私のアドバイスどおりに動くことはなく、治療を中止せざるを得なくなります。おそらく、私ほど特異体質を理解している医師はいないと思っていますが、患者は理解してくれません。非常に残念です。


難治性疾患を治療するには、特異体質であることを前提に、極めてデリケートな治療が必要です。例えば、ブロック注射をする際に、枕の高さを念入りに調整するなどのデリケートさです。なぜならば、少し悪い姿勢を5分も続ければ、特異体質の人は呼吸困難の発作を起こすからです。


逆に言うと、そういうデリケートさがなければ難治性疾患を治療する資格はありません。しかし、患者側はそのデリケートささえも信じることはなく、自分の意のままに医師を動かそうと考えるようです。


ここにこのように書くのは、難治性疾患をなめておられるのは患者本人であるということを強調したいからです。難治を治すには極めて険しい断崖絶壁を登るようなものであるという真実から逃げてばかりの患者に、「自分の体から逃げるな!」との最終通告です。


特異体質=頭がおかしい

特異体質をお持ちの方々はこれだけは絶対に覚えておいてください。特異の意味はその疾患人口の1%未満にしか存在しないと言う意味です。これは統計学です。西洋医学は統計学を悪用し(本当はやってはいけないのですが)1%未満にしか起こり得ないこと=「あり得ない」 と断言してしまうことがまかり通ってしまっています。つまり、特異体質による特異な症状は「あり得ない」ことであり、「あり得ないことが起こる理由」は「あなたの頭がおかしい」からであると結論付けてよいことになっています。よって、特異体質を持つ方は、「一度心療内科にかかってください」と言われます。まさに統計学の悪用であり、この悪用のおかげで医師たちは「やっかいごとにまきこまれることなく日常業務ができる」わけです。

特異体質の患者には治療法が確立されていませんので、医師にとっては避けるべきやっかいごとであり、避けなければ日常業務が成り立ちません。よって特異体質=頭がおかしい、とすることは社会的に認められるというシステムがあります。まずはシステムを理解しなければなりません。医学に対して怒りを抱く前に、システムがなければ社会は動かないことを知らなければなりません。あなたがたは大人なのですから。

その中で、特異体質の患者に大胆な治療をしようとすることは医師にとって命がけになることも理解しなければなりません。特異体質を理解する医師がこの世に存在すること自体が極めて稀なことであると理解しなければ「ないものねだり」をすることになります。特異体質に対し、命がけで治療しようとしている医師に対して敬意を十分に払わなければなりません。敬意がない特異体質患者を治療すれば、その医師は命がけではなく命とりになります。


患者の意見は最重要

ここでは個人的な意見を述べます。難治性疾患と毎日24時間闘っている患者は、自分の体の異変について誰よりも知っています。そして人間の勘はどんな精密機械よりも優秀であり、たまに誤動作はするものの「患者の勘」に従うことが特異体質の治療に有効であることが多いと感じます。そこで私はできるだけ患者の勘におつきあいすることにしています。治療に患者の意見をとりいれるのです。

難治性疾患治療は道なき道ですから、患者の意見に完全にそって治療することも必要です。しかし、患者の意見に沿うことは厚生労働省の治療指針に逆らうことを意味していることを知ってください。学会、教授、先輩医師、行政、国に逆らうことを意味し、医師にとっては精神的負担が莫大です。よって、医師が患者の意見をとりいれた治療をする場合は、その精神的コストも考えると、実際にかかった費用の10倍以上の費用がかかっていると考えてください。その金額を請求することはありませんが、そのくらい大変な厄介事に引きずり込んでいます。このことは絶対に忘れてはいけません。真実だからです。

そして最終的に私のような「患者の特異体質を理解する特殊な医師」の意見と、患者の意見が割れることがあります。その理由は私の治療に従うことが苦痛を伴う場合です。どちらが正しいかは神様しか知り得ません。だからその時は私の意見を無視していただいてもかまいません。

 


難治性疾患は永遠です

医学が進歩して、今の時代に難治であるものも千年後には普通に治せるようになっています。その千年後にも「難治の疾患」が必ず存在し、それらを治すには患者・治療師、共に莫大な労力がかかります。それは未来永劫変わりません。


難治性疾患の治療師は極めて希少な存在です。そして患者はその治療師に全身全霊をもって敬意を示してしかるべきです。「難治とは何か?なぜ治り難いのか?」を考えた時に、「それは現医学で治療法が確立されていない症状が出ているからだ」と素直に認めなければなりません。


患者のみではなく治療師も認めなければならない事実です。治療師が「この症状への治療法は現医学で確立されていない」ことを知れば、「マニュアル通りの治療で治るはずがない」ことを悟ることができるからです。逆に言うと、難治の疾患にマニュアルを適用させる治療師ほど愚か者はいません。そしてその愚か者が一般の医者たちです。基本的に厚生労働省はマニュアル以外の治療を認めていませんので無理もありません。


医師たちがマニュアル通りに治療しても治らない患者は「頭がおかしい」としてしまう愚かさから抜け出すことは、多分、未来においても無理でしょう。なぜなら、この愚かさから抜け出せるのは、いつの時代も、既成概念にとらわれず真実を見ようとした希少な治療師だけだからです。


難治性疾患を治せるのは常に一握りの存在です。そして、その一握りの治療師に出会った幸運な患者も、治療師に不信感を向けて治療を自ら終わらせてしまいます。難治性とは何か?を各自がもう少しまじめに考えるべきではないでしょうか? 真実から目をそらさず、まじめに考えてください。治療師にすべて丸投げですまないのが難治性疾患です。特異体質や恒常性の低下が起こっている者は自分の体に責任を持たなければなりません。他人に治療を依頼する前に、自分の体質と向き合ってください。そして、それらを理解できる希少な治療師を探す義務があり、お金も労力もかかることを覚悟する必要があります。


私は難治性疾患にたずさわろうとする治療師を一人でも多く世に輩出するために、このような文章を書いています。


最後に

全ての治療をあきらめ、自然に任せることは最善の難治性疾患の治療になりうることも忘れないでください。

難病治療・筋膜リリース・腱引き・その威力

はじめに

線維筋痛症学会ではトリガーポイント注射に続き、筋膜リリースという治療法を編み出し、そこに多くの難治性疼痛を治せる可能性を見出しおおいに沸き立っています。線維筋痛症学会は正統派の医学会からは離れ(診療科がない)、独自の理論展開をするある意味亜流の学会です。が、その分柔軟性は高く、あらゆる科の個性派の医師たちが痛みを取り除くための意見を交わします。現医学では解明されていない疼痛領域の治療法研究ですので科学的に検証することは難しいのですが、彼らなりに科学理論を追究し、そしてなかなか治らない疼痛症状を治す実績もあります(テレビで紹介されている)。


ここでは最近話題となっている筋膜リリースという治療法に着目し、なぜ筋膜(筋溝間)に生食を注射しただけで様々な不可解な症状を改善させることができるのか?について考えます。


一方、筋膜リリースは線維筋痛症学会の医師らによって最近にわかに注目を浴びてきた治療法ですが、実はその概念はすでに日本では江戸時代以前からありました。「腱引き」という日本古来の伝統療法です。ここでは、筋膜リリースでなぜ治るのか? を考えるとともに、いろんな難病奇病が代替医療者たちの手で改善できる原理を考えます。そして最後に「腱引き」について紹介します。難病奇病に悩んでいる方はぜひ最後までお読みください。


代替医療の威力

代替医療が西洋医学で治せない疾患・症状を治してしまえるという事実は普通に生きていたのではわかりません。正直な話、私も知りませんでした。代替医療の治療師たちは捻挫で腫れた足首を10分ほどの施術で歩けるようにしたり、寝違えで首が動かない患者の首を動けるようにしたり、五十肩で腕が挙がらない患者を即効で挙がるようにできたり、など西洋医学では奇蹟と呼べるような治療を日常的に普通に行っています。また、さらに上を行く技術として難聴治療、精神病治療、自律神経失調症の治療など、西洋医学では薬でごまかすしかない病気を根本的に治す技術もあります。


そうした事実を知らないのはむしろ西洋医学の医師であり、また健康に生きている人たちも一生知ることがありません。

実際に奇蹟的な治療の威力に驚かされるのは、自分が西洋医学ではなかなか治らない病気にかかり、何軒も何年も病院を渡り歩いても全く改善せず、そして代替医療で10分ほど治療してその症状がすっかり治ってしまった時です。


筋膜リリースは医師が行う代替医療

筋膜リリースは痛みを改善できる驚きの治療法の一つです(痛みが改善できる理由が未解明)。全てを治せるものではありませんが、医師が行う画期的な疼痛治療としてテレビなどで紹介され注目されています。筋溝間に生理食塩水を入れてスペースを作るだけの治療ですが、これが著効して驚くべき治療効果が発揮される例が報告されています。


医師が行う筋膜リリースであっても保険では認められていない治療法ですから、ある意味これも代替医療の一つです。筋膜リリースを行う医師の多くは、「ほとんど無料か安い治療費」で提供するしかありませんのでボランティア活動になっています。筋膜リリースには超音波を用い行いますが、機材の使用料も含めて高額な技術料金がかかっているにもかかわらずその料金を請求できません。こうした「ほとんど無料」の治療は残念ながら日本中に広がることはまずありません。無料であれば経営が成り立たないからです。よって、医師にとっては趣味の一環で治すという屈辱的なポジションにあり、どこでも受診できるという気軽な治療にはならないでしょう。にもかかわらず行われる理由は、今まで整形外科医が治せなかった病気を瞬間芸で治してしまうことのできる優越感を得られるからだといえます。


真に広がる医療は、必ず対価が発生するものであり、そういう意味では筋膜リリースは治療として普及しにくい現実があります。


私は以前からいろんな種類のブロック注射を駆使し、瞬間芸で患者たちを治すという芸当を行ってきましたが、それに見合う正当な料金を患者に請求することができませんでした。よって私のブロックもまた代替医療の一種です。西洋医学者が行う治療であっても、厚生労働省が認めていない治療は代替医療です。私のブロックが私にしかできない理由は、まさに「お金にならない」ところにあります。


代替医療、その痛み治療の原理

鍼灸、スポーツトレーナーの運動療法、理学療法、カイロプラクティク、筋膜リリース、指圧、ホメオパシーなど、そのどれもが「なぜ治るのか?」の原理はほとんど推測の域を脱しません。しかし、解明されていない→治っても信憑性がない→治療法が広がらない、という悪循環だけは避けなければなりません。代替医療が西洋医学で治せない痛みを次々と治せるからです。治せるものは普及させなければ患者が不幸になります。以下に、なぜ代替医療が西洋医学で治せない様々な病気を治せるのかの原理について推論します。


治療原理1 バランス理論

筋肉が収縮し骨を引っ張り関節が動き、屈曲伸展回転などの運動をしますが、その際に屈筋と伸筋が調和して動きのバランスをとります。どちらかが強く効きすぎたり、効かなかったりすると関節に加わる力がアンバランスとなり、関節の一部に強い力が加わる、腱鞘内で炎症が起こる、筋溝間で神経血管が圧迫を受けるなどの不具合が生じるでしょう。


この屈筋・伸筋のバランスを改善させるために、運動でアプローチ(トレーナー・理学療法)・筋のマッサージ指圧でアプローチ(腱引き・指圧)・姿勢でアプローチ(カイロプラクティク)、などがあります。


例えば屈筋優位なら伸筋を刺激し、伸筋が優位なら屈筋を刺激し、アンバランスさを調整する方法が考えられます。例えば伸筋を十分に効かせた状態で屈筋を使う動作をさせ無理のない動きをさせることによって局所の循環を改善させます。

そしてバランスを整えるだけで症状が劇的に改善することが多々あります。


バランスを整える手技は各代替医療のやり方で相違がありますが、痛みのある場所とことなる部位を刺激したり、遠隔部位の筋肉を効かしたりすることになるため、なかなか理解しにくいかもしれません。例えば首の周囲のバランスを整えるには接地点である足元から治療をしなければなりません。かつ、筋肉のバランスを考えるには経験と診断能力が必要なので誰にでもできる治療ではありません。一流の、理学療法士、スポーツトレーナー、指圧師、カイロプラクター、腱引き師などによってのみできることです。


ただしバランスが整って局所の悪循環が改善されるのは永久ではありません。持続時間は患者の体質や生活態度により変わると思われ、この時間をどれだけ長くもたせることができるか?が代替医療師たちの腕の見せ所です。


治療理論2 脊椎バランス理論

不可思議な痛み、不可思議な内臓の不調、自律神経失調症、難病中の難病のALS、突発性難聴、眼瞼下垂・・・など原因不明な病気の原因のほとんどは脊椎由来と言っても過言ではありません。しかし、脊椎由来で内臓や自律神経、果ては脳にまで障害を起こすということを認識しているのはそれらを治すことを経験している達人の治療師のみです。


一般に「神の手」を持つとされている超越した治療師たちは必ず最後には脊椎のバランス異常を見抜く眼力を持ちます。つまり真実に知識が到達するという意味です。現在の西洋医学では数百年かかるである知識の到達点に、達人たちは到達します。


私は「脊髄・脊椎不適合症候群」という診断名で脊椎由来の病気の原因推定でおそらく真実と呼べる領域にたどり着いたと思っています。たどり着いたとしても、その不適合をどうやれば治せるか?に悩み、私なりに西洋医学でブロック注射でその病態を改善する手法を編み出しています。


「脊髄・脊椎の不適合」とは陸棲脊椎動物の進化上の弱点を意味します。脊椎を前屈させる動作は必ず脊髄を引き伸ばしてしまうという弱点です。人間においてはストレートネック、ストレートバックなどが起こると、脊髄が脊椎によって引き伸ばされて緊張がかかり、脊髄が脳や脳幹を下に引っ張る形になります。また、ねじれや側彎があると、ある特定の姿勢で脊髄が強く尾側にひっぱられる可能性があります。普通に立っているだけでも脊髄や脳幹が損傷を受ける人もいると思われます。


代替医療の達人たちは、実際に目の前にある脊椎と脊髄のアンバランスさを見て触って感じ、そして物理的に脊椎軸を矯正してアンバランスさを取り除き、脊髄に強い緊張がかからないようにできる(永遠ではないが)と思われます。


彼らは先ほど述べた伸筋と屈筋のアンバランスさ改善の応用で、姿勢筋のアンバランスさを調整することで脊髄・脊椎不適合を改善させるのであろうと推測しています。


優秀なカイロプラクターはこの「脊髄・脊椎不適合の原理」を認識していると思われ、さまざまな難病を「脊椎の軸を正常化させること」で治すことを可能にしていると思われます。


「腱引き」においても脊椎の軸を正常化させる手技が存在し、実際に多くの難治性疾患患者を改善させている実績があるようです。しかしながら、どんな一流の施術の達人でも親から受け継いだ「遺伝的な骨格」を変えることはできません。ですから、せっかく施術の際に脊椎の軸が改善しても、すぐに元に戻ってしまうことは否定できません。施術者たちはどんなに逆立ちしても人の遺伝子を変えることは不可能だからです。ですが、脊椎軸が悪い人には悪い人なりの防止策があります。一流の施術者たちはそれを患者に教えます。


治療理論3 スイッチング理論

痛み信号は実際に電気信号が脳の痛みを感じるエリアに到達することで「痛み」として感じます。しかし、人間の知覚は全てが脳に伝えられるわけではなく、知覚信号が脳に届くまでに神経節で取捨選択(スイッチング)されると思われます。有名なゲートコントロール理論もその考え方の一つです。スイッチングの詳細は不明ですが信号には優劣があり、太い神経線維の電気信号が通ると、細い神経線維の電気信号が遮断されると考えられています。これを利用すれば、太い神経線維の位置覚・深部知覚(圧覚)を刺激すれば、細い神経線維の痛覚を遮断できるとなり、これがマッサージや指圧により「痛みが改善する原理」と考えられています。


トリガーポイント注射や鍼灸で痛みが軽快する理由は、このゲートコントロール理論が関係していると推測されます(真実は誰にもわかりませんが)。

理論上、スイッチングでブロックされるのは痛覚だけではなく、交感(副交感?)神経の信号もブロックされる可能性があり、ある1箇所を刺激すればある内臓へ行く血管を拡張させることも理論上可能でしょう。よって一点を指圧すると内臓の不調や自律神経失調症などを改善させることもできると思われます。


どこを刺激すればどのような効果が現れるのか?は古くから鍼灸や指圧の治療師が研究に研究を重ねてきました。例えばそれを経絡(けいらく)と呼ぶのであろうと推測します。鍼灸師や指圧師が経絡を突いて様々な難病を治すことができるのは、このスイッチングの原理(神経作用の連動や抑制・刺激)と思われます。


ただし、「どこを突けば何が改善されるのか?」は個人差があり、そして病気の種類や病気の重なり具合によって多種多様です。治療には極めて多くの情報処理が必要になるため、勉強してもたやすく身に付きません。よって治療師の経験と熱意が治療成績の差を生みます。そして最終的に1回100万円の治療と1回3000円の治療の値段格差が生まれますが、100万円の治療師の脳には莫大な診療データが存在するはずです。よって達人級の治療師の技術は師匠から弟子へと受け継ぐことが難しいと言えます。


奇蹟的な難病治療の治療師は世の中にわずかに存在しますが、彼らが死ねばその技術はそこで終わります。それを繰り返すからこそ代替医療は発展しにくいという負の宿命があります。まことに残念なことです。


そうさせないためには達人級の治療師たちが集まり、情報を集め、共通のいいまわしで文書に残さなければなりません。しかし、そこに達人たちのメリットがなく、共通のいいまわしの際にプライドが傷つくなどのマイナスがあるので実現が困難です。医学書に掲載されていない効果や原理を現在の医学用語を用いて表すことに、達人級の治療師たちの大きな抵抗があるからです。


つぼを押すだけで胃炎や便秘、自律神経失調症から内臓機能異常まで、経口薬では治らないような病状を治癒させることができる達人の技がありますが、これらの妙技はスイッチングの原理を利用している可能性があります。


鍼灸・指圧・腱引きなどがこうしたスイッチング治療に対応していると思われます。トリガーポイント注射も西洋医学では理解できないような抜群の副産物的な治療効果を発揮することがありますが、これもスイッチング治療である可能性があります。


スイッチング治療は、病状と関連したポイントを見つけ出せる能力に全てがかかっているわけで、単に「痛いところを刺激する」だけでは治せません。


治療理論4 内圧減圧

筋や腱が腫れたり、いつもと違う位置に移動してしまったりすると筋膜同士に摩擦がおこり、局所に浮腫を作り、これがさらに筋腱の位置関係を悪化させます。筋と筋の間には神経や血管、リンパ管が通っていて、これらに強い圧力がかかるようになります。圧力が慢性化すると癒着が起こり、24時間持続する症状が出ることも考えられます。


また、普段通る神経の道筋を逸脱することで神経に強い緊張がかかり、圧迫とは異なる原理で神経の根元部分が損傷(引き抜き損傷のようなもの)することもあるでしょう。


神経が圧迫・損傷した場合の痛みは現医学でも解明されておらず、広範囲な痛みやしびれを伴う場合、冷えを感じる場合、圧がかかっている場所とは全く異なる場所に腫れができる場合など複雑怪奇です(複雑怪奇であることを知らない医師は意外にも多い)。こうして受傷部位とは異なる遠隔地に痛みや腫れが出る場合が少なからずありますが、病院に行くと「精神がおかしい」と言われてしまいます。それほど現医学では治すこと、原因を予測することが難しい症状です。逆に言うと、原因を見つける能力こそが治療技術そのものとなります。達人の治療師と普通の治療師との違いがそこにあります。


こうした症状を治療するには、内圧上昇の原因となっている箇所の、さらに原因となっている筋・腱に対し1、正しい位置関係に筋腱を戻す。2、筋溝間の癒着を解消し神経や血管に圧がかかりにくくなるようにする。3、浮腫を除去する。などを行わなければなりません。


  •  1、正しい位置関係に筋腱を戻すには局所を指圧で矯正するテクニック、そして全身の骨格バランスを矯正するテクニックなどが必要と思われます。カイロプラクティクや腱引き、指圧が得意とする分野です。
  •  2、筋溝間の癒着を解消(はがす)は筋膜リリースの概念ですが、この手技は1の「正しい位置関係に筋腱を戻す」という効果もあると思われます。筋溝の癒着がはがれると、血管や神経の自由度が増し、「動作時の痛みが軽減する」可能性があります。寝違えや捻挫に効果が高いと思われます。
  • また、胸郭出口症候群や梨状筋症候群のように筋肉が神経を絞扼するようなパターンにも筋膜リリースは有効でしょう。腱引きはこうした「筋膜リリース」の癒着はがしと同様なことを「指で腱を引く」ことで達成させると思われます。血管が圧迫を受けている病態の場合、筋溝間のリリースは血行改善の効果が強力に得られるでしょう。カイロプラクティックの一部の手技でも筋膜リリースと同様なことが可能と思われます。ただし、筋膜リリースで全てが治るわけではなく、真に「筋溝間に原因があった場合にのみ」効果が得られます。筋膜リリースで症状が悪化した方も私の元へ治療に来られていますので、筋膜リリースが万能というイメージ(マスコミが作り上げたイメージ)は捨てたほうがよいでしょう。
  • 3、浮腫を除去することは治療には極めて重要です。リンパマッサージが代替医療の中では浮腫軽減手技の代表ですが、腱引きでは静脈やリンパの走行にそって指圧で浮腫を改善させる技術を行っておりかなり優秀です。なぜなら、静脈やリンパの走行を研究しているからです。彼らはやみくもにマッサージしているわけではなく、体液の帰る道筋を考えながらマッサージしています。鍼灸でも針刺激で浮腫を軽減させる技術があります。しかし鍼を打つことでなぜ浮腫が軽減するかの原理は不明です。西洋医学には浮腫を改善させる治療法はステロイド注射くらいしかありません。

 


治療理論5 血行改善

体内で起こる不具合にはほとんどが炎症→浮腫→血行障害→免疫障害→壊死細胞の蓄積、という病態が起こっていると思われ、血行を改善させることはどんな病気(難病)にも極めて有効な手段です。しかし、血行不良が「どこ?」にあるかで病態は全く違ったものになります。


  • 1、抹消で起こっている血行障害=炎症、浮腫
  • 2、大動脈から分岐した固有動脈レベルから抹消動脈レベルの血行障害=紋扼性→しびれや知覚異常。筋肉・腱・骨に至るまで全体的に萎縮し表現できない鈍い痛みや冷感を伴う。内臓や内分泌系の固有動脈では正体不明の機能不全が起こる。
  • 3、交感神経の異常で動脈が収縮してしまい、2と同様な状況になるRSD(反射性交感神経性筋萎縮症、最近では慢性複合性疼痛障害CRPSと呼ばれる)。
  • 4、神経根の血流障害で起こる様々な症状。特に反射や軸索輸送が原因?で起こる末梢神経の末端の炎症や浮腫(このことを認識できる医師はほとんどいない)。
  • 5、脊髄から脳幹、視床の血行障害ではあらゆる不可解な知覚異常、疼痛、不快感、運動異常、内臓の機能破綻(現医学では解明されていない)。脊髄・脊椎不適合由来の脳幹の血流障害。
  • 6、自律神経核の血行障害では全ての臓器の自律能が機能不全を起こし万病の元となる(5の一部の病態)。それだけではなく感情の動きで血圧・脈拍が上がる、汗が出る、顔がほてる、気分不快になるなどが起こり、不安神経症、強迫神経症などの精神障害の根本原因になる。

血行障害はほとんど「全ての病気の原因」となっていますから真に障害されている血行を改善させることができれば「どんなに難治性の病気であっても治る」可能性があります。よって西洋医学で治らない病気を代替医療で治す場合は血行障害を「どう治すか?」にかかわってきます。


しかしながら、どこに真の原因となる血行障害があるのか?は誰にもわかりません(細動脈レベルの血行障害は検査では調べられない)。よって治療者は血行障害の「真の原因となる部位」を推測できる能力が極めて重要となります。血行障害を改善させることの技術よりも、血行障害がどこかにあるかもしれないと推測する考察力のほうがはるかに上の能力です。そして先生方が「どれほど難治性の疾患を治せるか?」はこの「血行障害箇所をつきとめる」能力の高さに依存します。


例えば、精神科で見られる多くの精神症状が、真に精神の異常ではなく、脳幹や脳の血行不良であることをつきとめ、実際に多くの精神疾患を完治させている代替医療の先生方もおられます。

医学書には記載されていないような難解な原因をつきとめる能力が達人の能力です。


筋膜リリースでは筋溝間にある血管(動静脈)の血行不良を改善させることによりさまざまな治療効果を生み出すでしょう。しかし、「どこの筋膜をリリースすればどの症状に効果があるのか?」は未知数であり、筋膜をリリースする技術よりも、「どこをリリースすれば何に効くのか?」を考察する能力の方が圧倒的に治療力に左右します。ですから筋膜リリースはその手技が的確であるかよりも、どこをリリースするか?を考える頭脳力の方が重要であり、術者の頭脳力によって治療成績が大きく変わります。


特にどうすれば内臓や内分泌腺、中枢神経(脊髄・脳幹・脳)への血流増加を促すことができるか?が難治性疾患治療の鍵となります。この分野の研究は西洋医学ではゼロに等しいので代替医療の方が格段に進歩していると言えます。西洋医学では証拠が示すことのできない研究は業績として認められないという慣習があるため日常の難病治療の分野では進歩しないという事情があります。


代替医療では実際に難治性疾患を治療した実績を元に治療理論が開発されていますが、治療実績は経験でしかないため、達人の技(達人の治療データ)が多くの人に伝えることが困難です。ですから難病は一部の優れた治療師にしか治せないものとなります。


代替医療では西洋医学ではできないようなあらゆる箇所の循環不全を取り除くことができます。ここではそのうちの特殊な手法を紹介します。

  •  1、特殊な手技で静脈・リンパ系をマッサージし、心臓へと体液を返すことで結果的に動脈血流量を改善させる方法。この方法はどこの静脈・リンパ系に着手すればどこの動脈血流量が増えるのかを考察することが難しい。

 

  • 2、筋肉を収縮させ、適切な運動を行うことで動脈血流量を増やす(筋ポンプ作用)。この方法は伸筋と屈筋のバランスが重要ですので姿勢や関節の位置、動かす強さなどのコントロールが極めて難しく、治療師の技術に大差が出てしまいます。

 

  • 3、ダイレクトに固有動脈、その周囲を刺激する(腱引きなどにそうした技術があります)。固有動脈は体表には存在しませんので、体の最も深い部分を刺激しなければなりません。西洋医学ではそんなことは無理だと最初から手をつけようともしませんが、代替医療には様々な奥義が存在します。透析患者の腎機能を回復させるなどの奇蹟的な治療も不可能ではないそうです。

 

  • 4、理論上、血管の収縮を支配している交感神経を効かなくさせることで強制的にその神経が支配する血管の血流量を改善させることができます。が、この技術は代替医療よりもペインクリニックの医師の方が優秀かもしれません。

 

  • 5、姿勢を矯正し「脳・脊髄への血行」を改善させる技術があります。脳や中枢神経由来の難病を治せる可能性がここにあります。一流の治療師は必ずこの域に達していると思われます。

 


人間の病気の全てに血行障害が関わっていることは誰もが知っている常識です。血行を改善させることが出来ればあらゆる難病を治せる可能性があります。しかし、大動脈やそこから分岐する固有動脈の血行改善をリスクなく行うことはとても難しい技術です。今のところ西洋医学では選択的な交感神経節ブロックや硬膜外ブロックがそれにあたります。が、さすがにブロックリスクがつきまといます。達人クラスの代替医療者は、それを低いリスクで行える人もいるようです。


治療理論6 免疫系

全ての病気に血行不良が関わっているという常識とともに、全ての病気に免疫系が関わっているという常識も存在します。しかし、免疫系は医学が「もっとも研究が遅れている分野」ですから誰もその真実を知りません。真実が見えていない場所では西洋医学は発展しようがなく、現在ある治療は「免疫を抑制する」という方法にほぼ限定されます。先進医療として自己白血球を利用したものがありますがまだまだ実用レベルではありません。


免疫系は達人クラスの代替医療者でさえ「なかなか手をつけられない」領域です。難病を治した際には必ず免疫系にも治療が影響しているはずですが、免疫は目に見えませんので情報を得ることができません。よってどこをどう刺激すれば免疫系が活性化、正常化するのか?を知ることは困難です。ただただ、達人クラスの治療師が行ってきた自分の頭の中にある治療ガイドラインの中に「免疫系を改善させることができる手技」が含まれていると思われます。


古くからある免疫抑制の代表はクーリングであり、湿布もその一つです。また、リンパ灌流や浮腫軽減指圧なども免疫系改善と密接な関係があるはずです。


西洋医学では「免疫抑制」に関しては代替医療のはるか上の技術があります。最近はレミケードという極めて効果の高い免疫抑制の薬剤が開発されました。免疫抑制はステロイドがその代表であり、50年前は「ステロイドは何にでも効く奇蹟の薬」として乱用されました。しかし、免疫抑制は過剰になると細胞の死骸の山(膠原線維化)を作り、大きな傷跡を残します。よってその使い方が極めて難しく、現在でも免疫抑制を正しく使えている医学者はほぼ皆無に等しいと言えます(免疫システムが解明されていないことによる)。


しかしながら免疫抑制薬を微妙なさじ加減で使用できる医師が誕生すれば、様々な難病に対処できるでしょう。免疫抑制の分野では代替医療者は治療力が西洋医学者に劣るため、自己免疫系が大きく関わっている病気の場合、代替医療者の技術では治りにくいかもしれません。よってこの分野では医師に一任することが望ましいこともあります。ただし、内臓系や中枢系の疾患の免疫抑制系を使う医師は数少ないため一任するにも適格な医師がいません。一部、突発性難聴の治療では、中枢系疾患に大量のステロイドを使用するという耳鼻科医の現状がありますが、それは正しいとは言えません。免疫抑制系はうまく使えば難治性疾患治療の最後の切り札になりえますが、この分野の研究が進んでないだけに治療は困難を極めます。研究が進むことを節に願います。


正体不明の免疫系の疾患の場合(クローン病や潰瘍性大腸炎、アトピーなど)、免疫抑制剤の使用が正しくないことがあります。例えば円形脱毛症は金属アレルギーなどで攻撃性が増した免疫により毛母細胞が壊されることが原因のものがあります。この場合、免疫が悪いのではなく、原因は金属です。というように根本原因が免疫ではなく他にあることを考察しなければ、これらの病気を完治させることは不可能です。


免疫異常の原因が他にある場合、その原因を見つけることのできる能力は代替医療者の方が西洋医学者よりも優れていることがあります。


さらに、免疫を活性化させる治療法は西洋医学にはありませんが、代替医療の達人は指圧やつぼ刺激、リンパマッサージ、鍼刺激などで活性化させる技術を持つ者が存在します。その原理は不明ですが免疫を活性化させることができるとなると癌治療にも期待が持てる可能性もあります。


ちなみに私はクローン病や潰瘍性大腸炎は、腸を支配する自律神経の異常が大きく関わっていると推測しており、自律神経を治療することで免疫系を改善させることができると思っています。免疫が悪いのではなく根本原因が自律神経にあると考えています。


同様に代替医療者が自律神経を整える技術を持っていれば、クローン病や潰瘍性大腸炎を施術で改善させることが可能と思われます。しかし、問題は技術ではなく、「潰瘍性大腸炎の原因が自律神経にある」という考察ができるかできないか?であり、難病への探究心があるかないかに依存しているところです。代替医療者があてずっぽで治せるほど甘くはありません。


治療理論7 中枢感作システム

ここでは中枢感作とは広義に「通常とは異なる神経回路の流れが出来あがってしまっている状態」と定義します。例えば「触るという知覚情報が痛いという電気信号に誤って変換・増幅される」システムのことを中枢感作と呼ぶことにします。

脳はCPU、脊髄はLSI、神経根はIC回路と言われるほどに人体には神経とよばれる電線と、それを切り替える無数のスイッチがあります。全ての電気信号が脳に運ばれているわけではなく、常に信号が自動的に取捨選択されて脳に伝わります。そして電気信号のパルスの量が、ある時は増幅され、ある時は減弱されて伝わります。しかしながら、CPU,LSI,IC回路は時に壊れ、修復され、そして時に暴走し、フリーズも起こします。そうして起こる錯誤的な電気信号回路が構築された状態を中枢感作と呼ぶことにします。


中枢感作は一般的には「痛み」のことしか言われていませんが、動作、音、光、臭い、尿意、便意、排卵、内分泌などあらゆる命令系統に誤作動が必ず存在します。よって手を水でぬらすと尿意が起こるという人も実際に存在します。立って歩くと下痢になる人もいます。残念なことですが、それらの原因が中枢感作にあるという思考回路が現医学には一部のキワモノ研究を除けばほぼ皆無です。


よって中枢感作が由来する不可解な難治性の病気は「脳の誤作動」と言われキ○ガイ扱いすることが現医学での定義となっています。つまり中枢感作を現医学者には治せないわけであり、中枢感作による難病を治すには今のところ代替医療者の手を借りる以外に方法がありません。


中枢感作による電気回路の誤作動はその原因が脊髄(神経根も含む)から脳に至るどこかにあります。しかし、どこにあるのか?を調べる手段が現医学にはありません(MRIでは中枢感作システムの場所をつきとめることは絶対不可能)。そして仮に場所を推測できたとしても、システムを「どうやれば元通りに改修できるのか?」が未知です。そして改修させる正しい方法を行ったとしても、逆に一定期間、異常信号が増幅される結果を招くこともあり、悪化させたと誤認されることが多々あるでしょう。さらに改修にどのくらいの期間を要するのかが全く見えませんので患者は治る前に不信感を抱いてしまう運命にあります。


このように中枢感作は治療することが極めて難しいものです。その際たる理由が、原因箇所が不明であることです。

達人クラスの代替医療者でさえ、中枢感作を改善させることは至難の技です。しかしながら、中枢感作を治療するのも「基本は血流改善と免疫改善」であることは間違いないでしょう。どんな手技を行うにしても、感作が起こっている場所の血流改善や浮腫軽減、改修(免疫)システム増強ができれば、いつかきっと感作システムが改修されると思われます。


中枢感作システムを改修させる手段として、感作の原因箇所の血流増加を促すという方法を私は行っています。感作の場所は脳に近い部位にあることが多いと思われますので、脳幹や脳の血流を増加させるために上頚神経節ブロックを行っています。


達人クラスの優れた代替医療者では「中枢感作」の存在をおそらく感性で認識していると思われます。その感性で施術(中枢神経を改善させる目的で行う施術)するイメージがある治療師には改善させることができる可能性があります。しかし、中枢感作はあらゆる治療にもっとも抵抗性が高いと思われ、これを治すことは至難の業であることは確かです。


治療理論8 痙攣

血管平滑筋が痙攣を起こすことにより血管が急激に収縮して血流が途絶える病態があります。古典的片頭痛、異型狭心症などがその代表ですが、不可解な急性腹症や突然の体調不良などに血管平滑筋の痙攣が関与しているものが意外と多く存在していると思われます。発作のように突然起こり、そして再び何もなかったかのように治る不可解な症状は血管攣縮が原因かもしれません。


血管攣縮は寝不足が続いたり、精神的な緊張が続いたときに起こると思われますが、その発生機序は全く不明です。

私は上述した古典的片頭痛の持病がありますが、症状が出たときには即座に頸部交感神経節ブロックを自分に行うことで瞬間的にこれを治します。よって、交感神経をブロックすることで血管攣縮は治癒できます。同様に代替医療者の中には血管攣縮を止めることができる達人が存在すると思われます。そして病気を治療する際に、知らず知らずに血管攣縮を止めることによって治していることもあるでしょう。


ただし、血管攣縮の存在を認識することは非常に難しいですが、病態として「難解な症状」の中にこれに起因しているものが必ずあるはずです。知ることができないだけです。


治療理論9 骨壊死への治療

治らない関節痛の最大の原因が骨壊死であることをほとんどの治療者が認識していないと思います。わかりやすく言えば変形のことです。関節が変形する際にはミクロ的には必ず骨髄に壊死が起こっています。壊死した箇所は骨梁が消失するため骨皮質がしなったり陥没したりします。その変化を骨膜が感じ取り痛みを発生させます。つまり骨壊死=骨折の痛みを意味します。関節が変形する際に必ずミクロ的な壊死が起こります。


壊死した関節に重力をかけることをやめないと、壊死はドミノ倒しのように関節全体に広がり強烈な痛みを発することになります。

骨壊死の存在を認識しながら治療にあたっている治療師が医師を含めてこの世に何%くらい存在するのか? 極めて低い%であると思われます。


基本的に骨壊死にはほとんどの治療が無効で、唯一治す方法は重力をかけないで血行をよくする方法しかありません。この原則を知らなければ、達人級の代替医療師にも治療は不可能です。

医師も知らない、そして達人級の代替医療師も知らない事実として骨壊死があることを覚えておきましょう。なぜなら、関節の変形を起こす人は何千万人と存在するわけで少ない数ではないからです。骨壊死だけは運動で治すという法則があてはまりません。


骨壊死の治療の原則は免苛ですが、実は他にも方法があります。壊死周囲の組織は浮腫が存在し、血行不良もあり、浮腫のおかげで安静時もある1点に圧力がかかってしまうからです。よって免苛を行う前に浮腫軽減の治療を行えば、壊死が早期に治ります。浮腫軽減を得意とする代替医療師は存在しますので、デリケートに扱えば、治療が可能であるという結論になります。

私は浮腫に対してはステロイド注射で改善させ、さらに生活指導を行うことで治癒に向かわせています。


治療理論10 心理治療

呼吸法、ヒーリング、アロマセラピー、催眠治療などで交感神経の過敏状態を抜け出すことは理論上可能であると思われます。交感神経とは「感情と交わる」という意味であり、感情が神経を動かして様々な作用をもたらすと同時に体に起こった反応(刺激)を知覚して感情が極めて不快になるなどが起こります。つまり交感神経や副交感神経などの自律神経は感情と連動することが宿命です。


感情と自律神経を切り離すことができれば、自律神経と感情の間の悪循環を絶つことができます。

睡眠薬や精神安定剤はそれを薬剤で行うものですが、理論上は薬剤を使わなくとも精神の使い方でこれを自ら絶つことができます。なぜなら、そもそも睡眠が感情を肉体から切り離す作業になっていて、私たちはそれを毎日自然に行っているからです。


カウンセラーでも心霊療法でもサイキックでも、何を使おうと精神を切り離すことができれば苦痛から逃れることが理論上可能です。

これらの療法は、単に苦痛を和らげるのではなく、悪循環を絶つことで実際に体全体を好転させることができると思われます。


また、精神力で自律神経を動かすことも人間はたやすくできます。恐怖を想像して心拍数を上げるなんてことは誰にでもできることでしょう。よって理論上、精神の力で自律神経を動かすことは可能であることがわかります。

ただし、私たちは交感神経を興奮させることはたやすくできるのですが、普通では精神力で交感神経を抑制させることができません。


多くの難病は交感神経の異常興奮で起こることが多いため、これを精神力で抑えることは極めて困難です。そこでヒーリングや催眠、心霊などの達人が感情と交感神経を切り離す作業を行ってくれるわけです。それが一歩進めば、精神コントロール下に外界から内臓の動きを高めるなどということも不可能ではないと思われます。

ただし、問題点は効果時間が短いことです。感情はころころ変化しますので薬物ほどは効果時間が長くなりません。

催眠術などでは実際に脳内から眠りを促す自前のホルモンが分泌されますので薬物投与と似たような状態になります。自前のホルモンは副作用が少ないので安心です。


残念なことは、こうした治療を超能力であると宣言している方々がおられることです。たしかに、普通の人には不可能な治療法ですから、超能力と言ってもよいかもしれませんが、治る原理は科学的であるのにオカルトであると誤解されてしまいます。おかげで信憑性が低くなりがちです。ですが、患者にとっては「治るものなら何でもいい」わけで、超能力であろうとなかろうとどちらでもよいことです。


治療理論11 反復繰り返しの治療

日本の病院では反復の繰り返し治療を認めていません。たとえば、しびれにはブロック治療が無効といわれていますが、それは1回のブロックでは治らないという意味であり、毎日連続で1ヶ月間行えばしびれが治るかもしれません。しかし、そのような治療を厚生労働省が認めていないので「しにれにはブロックが無効」と言われます。


自律神経系やその他の難病は毎日連日治療して初めて効果が出る場合がありますから、そういった「根気のいる治療」の場合は医学書的には無効!と言われます。

例えば突発性難聴の治療では星状神経節ブロックを1~2週間連日でブロックを行うことがありますが、これには保険が利きませんから、ブロック自体は西洋医学であっても、その治療方法は代替医療です。


保険(厚生労働省)はお金のかかる繰り返しの治療は「効果が多少ある」くらいでは認めません。また、効果をしぶしぶ認めたとしても、「治療費自体を赤字がでるくらいに安く設定する」という「診療つぶし」をします。赤字が出るなら基本的にクリニックでは治療できませんので、安く設定=「診療つぶし」になるわけです。


よって「お金のかかる繰り返し治療」は代替医療者にしかできません。当然ながらお金がかかりますが、それこそが厚生労働省の目論見。お金のかかる治療は「自分で受けなさい」というスタンスです。

逆に言うと反復繰り返し治療は日本では「代替医療者の専売特許」です。西洋医学で治せない難治性の症状も、治療を繰り返すことで軽快させることができることは、私もこのHP上で何度も説明しています。


連日の繰り返し治療が難病に効く原理は単純です。難病の原因の多くが日常生活にあるため、治療をたまにするくらいでは悪化の力の方が強く、改善させられません。悪化の力よりも強い力で治療するためには繰り返し手をかけるしかありません。それができるのは保険外の代替医療しかないわけです。


治療理論12 じゅうたん爆撃治療

代替医療が西洋医学よりも難治性疾患に対して効果が高くなる理由の一つに、代替医療では「1箇所ではなく多数箇所へ施術をする」ことがあげられます。西洋医学は保険診療ですので診断名と一致した箇所に一つの治療しかできません。その1箇所が見当違いの治療であれば効果なし=難治性、となります。これが西洋医学の限界です。


しかし次のような例を考えましょう。

私の外来には難治性(全てのブロック注射が無効)の「両足のしびれと痛み」の患者がしばしば来院します。西洋医学では心因性と判断されます。全てのブロックは腰部を中心に硬膜外ブロック、神経根ブロック、トリガーポイント注射などが行われますがしびれが一切軽快しません。私はこのような患者には頚・胸部に硬膜外ブロックを行います。そしてはじめて症状を軽快させます。つまり、両足のしびれの原因が頚髄や胸髄にあることが予想されます。西洋医学では足のしびれの原因が頚・胸部にあるとは考えないでしょうから「原因不明」となります。


ところが代替医療では脊椎の全身バランスを調整する治療を行うため、当然ながら頸胸部にも治療が届きます。両足がしびれるのに上半身にも治療をするのは代替医療くらいなものですが、その治療のおかげで両足のしびれが軽快することがあります。

これが代替医療の威力です。原因として考えられそうな箇所全てに治療をして症状を改善させます。この「じゅうたん爆撃法」であれば、原因箇所が特定されなくても治療箇所に手が届く可能性があります。


治療理論13 生活指導

私は常々生活指導が治療の中でもっとも困難なものであると認識しています。治療師の力が及ばず、患者が自力で行わなければならないからです。難病に対する生活指導は、その難病の原因が予測できていないと正しいものとはなりません。したがって、最低でも上述した14項目を正しく理解し、なぜ難病が起こっているのかの概要を把握していなければなりません。経験も知識も技術も精神も兼ね備えた治療師にのみできるのが生活指導です。西洋医学の大学教授がテレビなどでしばしば生活指導を解説しているのをみかけますが、その程度のレベルでは難病を治すことはできません。まさに、「治した経験のある治療師」の生活指導以外を信じるべきではありません。中でも難病治療の経験のない西洋医学者の生活指導ほど的外れなものはないでしょう。


そして、生活指導は患者に負担をかけ、たやすく治らない場合は患者に恨まれることがあり、さらに、生活指導を患者が守れば治って来院しなくなるわけで、治療師にとってメリットはほぼありません。よって生活指導を行う治療師は「悪役」を買って出る精神が必要であり、そうした精神があることが超一流かつ精神が高みに上っていることの証となります。


余談ですが、私が患者に「腱引き」を紹介すると、患者たちは全員が「日常生活での注意点、自分で治すワンポイント治療法」を教わってきます。まさに生活指導です。私にはできない生活指導ですので極めて重宝します。患者に変わって感謝の意を示します。


13の難治性疾患治療論

これら13の理論は一般的な病院・クリニックの診療では全て行えません。治療手技も保険で認められていません。すなわちこれらは代替医療でしか受けられないものです。

医師であろうとなかろうと、治療を行う上で最低でもこれらの13の治療法を考えていないと難治性の症状を改善させることは難しいでしょう。一流の治療師はこれらの理論を無意識にも意識的にも研究してきたはずです。よって一流の治療師は医師であろうとなかろうと、手技は異なっても、到達する理論(思考)が同じになります。


筋膜リリースは世界の広さを知らない

筋膜リリースを積極的に患者に行おうとする医師は、善良で研究熱心で患者思いの先生方がほとんどだと思います。なぜなら、現時点で筋膜リリースは保険で認められていない治療法であり基本的に赤字の(無料奉仕の)施術だからです。赤字になっても治療しようとする医師は「極めて善良かつ研究熱心」でしょう。


筋膜リリースを行う医師たちは「これまで経験したことがないような奇蹟的な治療効果」に極めて大きな優越感を持ち治療に当たっていると思います。その優越感こそが彼らの赤字奉仕を支えていると言えるでしょう。

しかし世界は広く、既に筋膜リリースのような手法は日本では古来から存在し、代替医療者たちはすでにそれ以上の治療効果を平然と発揮しています。彼らはその事実を知らないだけです。まさに井の中の蛙大海を知らずです。


医学部の教授たちが全く知らないところで、西洋医学で治らないものを代替医療者たちはとっくの昔に治しています。しかも驚くべき治療効果です。筋膜リリースなど取るに足らない技術であると断言できるほどに他の代替医療者の技術力は筋膜リリースのはるか上を行っています。


ただし、筋膜リリースをしようとする医師は初めて日常の難病を治療するという大海原に航海しはじめたと言えます。大海原に出て初めて、世の中には「自分たちよりも優れた技で患者を瞬時に治せる人たちがいる」ことを知ることになります。

そしてぜひライバル心を燃やしてください。自分は医師だから!と特権にしがみついている場合ではありません。筋膜リリースは保険外ですから同じ代替医療です。つまり同じ舞台にいます。医師には医師にしかできない治療法で彼らに追いつけ追い越せです。


腱引きの治療力

腱引き以外にも代替医療でいろんな難病治療に携わっている方がおられると思います。その方々の技術知りませんのでご紹介できませんが、ここでは腱引きの治療力について触れておきます。


腱引きの手技は前述した治療理論のほぼ全てを網羅しています。北斗の拳の「トキ」のように秘孔を突いて細胞の再生能力を活性化させるようなことも行います(形容のしかたがおかしいかもしれませんが)。西洋医学が腱引きに劣っていると思わされるほどに種々の日常の難病治療の実績を挙げています。


例えば「全盲の人の目を見えるようにする」「透析患者の腎機能を回復させる」「うつ病・不安神経症を根本的に治す」「耳鳴り・難聴を治す」「薬物中毒の断薬治療」「頭痛・三叉神経痛を治す」など西洋医学ではできない治療を行っています。(普通に五十肩や捻挫などの治療ももちろん行っています)。西洋医学完敗です。


鍼灸師・柔整師は免許を持っていますが、腱引きには免許がありません。そして免許がなくても免許を持つ者以上に活躍しています。

全国各地に腱引きの流派を受け継ぐ先生方がおられます。詳しくはこちらをごらんください。

また、腱引きはマイナーとはいえ、治療師たちを育成し、再現性を持たせています。再現性とは師匠が弟子に伝えた治療方法を弟子の誰が行っても同様な治療効果を得られるという意味です。再現性は医学の中でかなり信用度の高い治療効果のエビデンスとなります。そしてエビデンスの高さが認められ、医学部の教授クラスが認めている医療技術であると言うことを付け加えておきます。


彼らは知名度の極めて高い一流の医師でさえ治せないような難治性の患者を次々と治しています。その効果の高さは過去の治療実績から、患者から直接、聞いています。全く脱帽のレベルです。


難病を治そうとする志は一つに通ずる

漢方・ホメオパシー・食餌療法・腱引き・カイロプラクティク・鍼灸など数々の代替医療が存在します。しかし、その治療理論はたいてい前述した14の理論の範囲内に入ると思われます。ただし、全ての代替医療は西洋医学とは異なる独自の治療理論を持っているため、非科学的な言い回しが多く、理論が油と水のように相容れないこともあります。


しかし、真に日常の難病を治そうと考える者の思考回路は必ず「真実・実績」という点で一つに通ずるものです。

西洋医学では例えばアトピーやリウマチなどで「治すこと」は考えず「抑えること」だけに研究を進めました。一方、代替医療では「抑えること」は考えず「治すこと」または「共に暮らすこと」に研究を進めました。


西洋医学、代替医療は共に相手をののしりあってきました。しかし、真に患者を救うためには「目指すところがばらばら」のはずがありません。互いに得意・不得意分野があり、自分たちの治療技術だけでは「絶対にできないこと」があることを素直に認め、協力し合うべきだと思います。

協力すれば「限界を超えた治療」ができるようになります。治療力で全ての医学技術を圧倒する最高峰の治療が実現します。


たった一つの治療が完治させる

20年以上治らなかった腰痛が、マットレスと枕を変えただけで完治するということを私たちは経験します。そこには筋膜リリースもブロック注射も腱引きも針灸も何も存在しません。悪循環を作っている原因を取り除けば、体が勝手に患部を治療してくれます。


病気を作っている原因は決して一つであるとは限りませんから、一人の治療師の意見だけでは治せないものもたくさんあります。特に病態生理がわかっていない難病ならなおさらでしょう。


にもかかわらず、難治性の患者が治った場合、それを治療師一人のおかげであると勘違いされる先生方が多いと思われます。そして自分の治療の範囲で治そうとするでしょう。しかしそれでは決して達人の領域には到達しません。


達人は自分の治療法の限界を知ることができます。これまでの人生で少しずつ限界を破ってきたとは思いますが、それでも自分の限界を正しく知る者が治療師としての一流です。


ヒトが人生をかけて、何百年も伝承して築き上げた特殊な治療の達人になるには、やはり一生かかります。そして全ての代替医療で達人になることは無理です。だから各分野の達人は自分の限界を知り、そして他の分野の達人と協力すれば、「もしかすると自分が治せなくて壁に突き当たっている患者を治せるかもしれない」と考えるほうが妥当であると思います。


たった一つの治療が完治させることがありますが、そのたった一つが何であるか?を見つけ出すには、多くの達人たちを経由しなければならないことが多々あります。それを「患者の自由行動と精神」だけに任せておいてはいけません。誰かが一つにまとめなければ患者はドクターショッピングに疲れ果て、治療をあきらめることになるでしょう。


治療の達人者はそのたった一つを見極める達人であると言えます。たった一つはひとつしかないわけで、医者であってもなかろうとも、治せた人はそのたった一つを発見できたことを意味します。だから治療の達人たちが集まれば、本来は治療論の意見が分かれることがありません。言い回しや、アプローチ法が異なるだけで、やっていることはみな同じだからです。


私と腱引きと代替医療

私は独自に開発したブロック注射でさまざまな難治性疾患を改善させています。一般的には整形外科医が治せなかった患者をペイン科医がブロックを用いて治しますが、私はさらに、他のペイン科の医師たちが治せなかった患者を対象に診療をしています。よって私のブロックの治療力は客観的にかなり高いものであると推測されます。


しかしながら、私の治療は基本的に週に1回であり、その程度の治療では治り難い患者もたくさんいます。そこで患者たちには「腱引き」を紹介し、腱引き治療師の先生に治療してもらいます。すると患者から驚きの声が返ってきます。「施術をしてもらうと、ブロックをした時と全く同じ効果が得られて痛みが消えました。本当に驚きました。」という声です。そしてさらに、「今まで感じたことのないほど、体が軽くなり、今まで感じたことのない四肢の温かみを感じました」という患者もいました。つまり、私の治療単独で得られる効果以上の効果を得られているようです。


それでは私のブロックが不要かというとそうではなく、私が中枢からアプローチし、施術者が末梢からアプローチすることで相乗効果をもたらしていると思われます。役割分担です。互いにできないことを引き受けていますので驚異的な治療効果をもたらします。


逆に「腱引き」単独では治り難い患者には私がブロックをします。するとその後の「腱引き」治療が極めて大きな効果を発揮するようになる。というような現象も起こっています。つまり、互いに「いきづまった患者」を交換治療し、超えられなかった治療の壁を越えるのです。最後の砦的治療のさらに後方に砦を作ったようなものです。


最後の砦的治療を行っている治療師の先生方が集まって意見を交換すれば、さらに治療の厚みが増すことはもはや確定的と述べておきます。


日常の難病にお悩みの方へ

西洋医学と他の代替医療が協力し合ってカリキュラムを組んで治療にあたれば、かなり重症な難病を治せる可能性が高くなるでしょう。あきらめていたものが治せる可能性がありますので望みを捨てないでください。ただし、西洋医学が治せない難病を治すには必ずお金がかかります。私の治療ではあまりお金がかかりませんが、それは私が負担しているからであるということを忘れないでください。つまり、難治性疾患の治療には、お金がかかるか、治療する先生に迷惑をかけるかのどちらかです。


ですから治療する先生には最大の敬意を払ってください。くれぐれも猜疑心で治療を受けるということのないようにお願いします。

しかし、中には商売根性丸出しの治療師もいると思われますので、お人よしすぎるのもよくありません。商売根性ありありの治療師さんとは私は協力しません。


全ての治療はリスクの低いものから行うのが原則

私のブロック注射は他の西洋医学者のブロック注射と比較して治療成績が明らかに高いと思われます。しかもリスク回避する技術も高く他の西洋医学の医師のブロックと比較してカジュアルに受けることができるレベルにまで手技を完成させています。


膝の痛み、足の捻挫、骨折後の腫れ、五十肩、テニス肘など、整形外科的な疾患も驚愕の治療効果を普通に発揮しています。「驚愕の治療効果」とは使用前使用後で瞬間的に患者に魔法がかかったかのように治ってしまう瞬間技です。まるで「治療芸」です。当然、私にも他の代替医療者と同等以上の(かなり高確率の)「治療芸」ができます。


しかし、常に思うことは、「注射をしなくても他の代替医療で治せるものであれば、代替医療にまずかかるべきである」ということです。注射はリスクと重い責任がつきまといます。ならば、まずはリスクの少ない代替医療から受けることが手順であると思います。


もちろん、西洋医学の治療で治る病状であれば、普通のお医者さんにかかればよいことです。普通のお医者さんや接骨院で治らなかった場合に、まず代替医療の達人に治療を受け、それでもだめな場合に私の注射を受ければよいと思われます。

そして実際に私の元へ来られる患者の多くは、上記のような経路をたどっています。様々な代替医療を行った結果、無効であった方々が私の元へ来院されます。私の役目はそれでよいと考えています。そして私が治療を行っても改善が少ない方には代替医療として「腱引き」を紹介させていただいています。同時治療をすれば今以上に改善が得られる可能性が高まるからです。


今後、さらに他の代替医療からの協力者が現れれば、疾患別に得意不得意を考えていろんな先生と協力治療をしようと思っています。

幸いなことに腱引きは師匠が全国に弟子を作り、「お住まいの近くで受けられる」状況を作ってくださっています。だから私のところへ相談にこられた患者をまずは近くにすむ治療師に治療してもらうように紹介することができます。


近くの治療師の治療で治らなければお弟子さんは師匠に患者を送り、それでもだめなら私がブロックを行い、そして再び治療師の元へお帰りいただきます。すると、治療師単独で治療をするよりも、私のブロックを受けてからの方が、治療効果が格段に上がると思われます。このような連携は、「私の方が代替医療者よりも治療技術が上である」といいたいわけではありません。リスクがある治療は後回しにすべきであるとの観点です。


トップ会談を行う必要性

何をどうやっても治らない地獄の淵に住む患者たちを救うためにはそれぞれの代替治療のトップ会談で患者の症例検討会を行い、治療方針の意見交換を行うべきだと思います。意見や考え方の食い違いはあるかもしれませんが、難治性患者の情報を共有することで、そして奇跡的に治療成果が上がった患者の治療法を共有することで西洋医学をはるかに超えた別世界の治療技術が誕生すると確信します。


西洋医学が「精神異常」として見捨ててきた患者たちの本当の診断名をつけられるようにもなるでしょう。そして原因が今以上にクリアになり新たな治療方針を立てられるようになるでしょう。おそらく新たな病名が無数に作られていくと思います。


難治性疾患に携わる者は究極の考え方は一つだと思います。「だれも治せないから自分が治すしかなかった」というのが真実であると思います。そうして治してきた者たちのトップ同士が集まれば、今まで見えなかった治療法のヒントが得られます。そしてさらに高みに昇り、去年治せなかった患者を今年は治せるようになっていきます。


「自分がトップである」という自覚のある治療師の先生はぜひご一報ください。トップの中のトップを決めるなどという愚かなことはありません。役割分担すれば救える患者が増えるというだけのことです。


西洋医学は偉大な学問

捻挫一つ十分に治すことができないのが西洋医学です。それは代替医療師の方々からバカにされても仕方ないことです。最近は開業した整形外科医たちが、「代替医療師の方が整形外科医よりも治す技術が高い」ということをうすうす知り始めています。

しかし、そうであってもこれだけは忘れてはなりません。西洋医学の学術力は我々が想像する以上に高く、そして「文は武よりも強し」と言われている世界では武力よりも医学の方がある意味強大であり、西洋医学は国家権力に匹敵するということ。そしてその医学の利権に企業がよりそい、巨大ビジネスとなって国の経済をまわすほどになっているということ。


西洋医学が日常の難病に対して研究が遅れている理由は単に「彼らが本気を出していない。大衆医療に国が予算をかけたくない。」というだけであることを代替医療者は知っておくべきでしょう。もしも彼らが本気を出して国が予算を出せば現在代替医療が行っている分野の病気は西洋医学でもなんなく治せるようになってしまいます。それが証拠に西洋医学者の私でさえ、ブロック注射一つで様々な難治性の病気を治せるのですから。


日本の政府が日常の病気に「医師が積極的に治療をしないように画策」していることを国民は知らないようですが、実は毎年の診療報酬改訂で政府は開業医たちに明確な圧力をかけています。難治性の日常の病気に治療コストをたくさんかけると国の財政が破産するからです。例えば関節内注射が800円、腱鞘内注射が270円。これほど安い値段では代替医療者が行う治療よりも質が悪化するのは当然です。


もしも国が日常の疾患に予算を割り当て、関節内注射8000円という値段設定にしたとすると、西洋医学者たちは一致団結して膝を注射で保存的に治療する方法を編み出してしまいます。そのパワーは圧倒的であり、とても代替医療者たちが太刀打ちできないレベルです。ただし、日本国の保険制度はすでに崩壊しているので関節内注射に8000円の報酬を出すことは絶対にありません。だから日本では日常の難治性疾患は政府によって見捨てられているという条件下において、「西洋医学が代替医療者に劣る」のです。


つまり、国家レベルで日常の疾患に「お金を出さないこと」を決めているおかげで代替医療者たちが繁盛し、そして西洋医学者たちの保存的治療が発展しないというからくりがあることを知らなければなりません。それこそが国の目論見です。

「井の中の蛙大海を知らず」なのは西洋医学者だけではなく、代替医療者たちも西洋医学の政治力の強さを知りません。代替医療など潰す気であればたやすく潰してしまえる力があります。


国家レベルの戦略として、日常レベルの疾患は保険を用いない代替医療者に任せ、医療費を削減したいという意図があります。その政策のおかげで代替医療者が生計を立てていられます。


もしも政府が混合治療を認めるようになると、開業医たちが競い合って「お金をかけてでも治す保存療法」を医師各自が開発するようになるため、代替医療者たちの仕事がおおいに食いつぶされるようになります。そして西洋医学者の治療力が現在よりも格段に上がります。それでも、医者が束になってかかってきても、西洋医学と代替医療がコラボレーションした治療力には及びません。それぞれの得意技を結集させるのですから。


協力と役割分担

それぞれの代替医療には、それぞれにしかできない固有の技術があります。固有の技術は患者の体質にマッチすれば効果が抜群ですが、マッチしなければ効果は少ないでしょう。ならば、患者の体質を考察した上で効果のある治療法だけを「いいとこどり」する治療を協力し合って提供し合えば難治性患者の治癒率は飛躍的に向上するでしょう。その“コンセルジュ的役割”ができる研究員たちを育てれば、患者はコンセルジュに相談し、コンセルジュが患者を代替医療者に割り振ってくれることでしょう。当院ではすでに医療秘書(事務長、医療クラーク/コンシェルジュ)が重要な役割を果たし稼働中です。こうなると難治性疾患に悩む患者の数は激減させることができるでしょう。それは新しい医療の幕開けです。その第一歩を踏み出すためにこうして発表させていただきました。真に難治性患者を治す心意気のある先生方は、ぜひご連絡ください。

西洋医学は井の中の蛙 ~代替医療のすごさ~

現代西洋医学の流れ

オランダ、西ドイツ、アメリカ合衆国と引き継がれてきた西洋医学は現代では医療の中心であることは誰もが認めるところです。西洋医学はもっとも科学的であり「人の命を救う医学」の最先端です。その功績のおかげで人が死ななくなり、現在の超高齢化社会を作ってしまいました。先進国は例外なく全てで超高齢化が起こっており、この事実こそが西洋医学が人類にもっとも貢献した医学であることを証明しています。どんな代替医療にも「人口構成を作り変えるほどの力」はありません。そういう意味で西洋医学は間違いなく全ての医の学問中の不動の王座にあります。


現在、医学の不動の王座の実績を先導するのはアメリカ合衆国であり、我々日本もその支配力の傘下で医療を行っています。つまり、わが国の医学は今や「米国医学」となっており、米国から医学を輸入し、服従している形になっています。そして今や米国の医学理論に疑問を持つ者が日本にはほとんどいないという状況です。


西洋医学は救命医学

脳・心臓・悪性新生物など、人の命を救うために発展したのが西洋医学です。しかし、その反面「人の命を救うこと」以外には常に無関心と言えるかもしれません。医自体が権威であり、医師であれば人をたやすく支配できます。王も大統領も医師の命令に従います。そうした権力に魅入られてしまうのも医師の宿命であり、人の命を救って自己を顕示する方向に学問が進んでしまうのは医学の宿命なのかもしれません。そして西洋医学は実際に国家権力の象徴になり、政治的にも国民の票集めの道具となり、国を安定させるために不可欠な存在となりました。しかし、そこには王座のおごりがあります。


世界中どこでも西洋医学者(医師)たちは学問の成績トップの者がその職務に就き、医師免許という特別の資格を与えられて法律的に、経済的に、身分的に保護されてきたからです。彼らは人の命を救うことができる反面、人間の日常生活における苦痛を治して行くことに無関心でした。肩がこる、汗をかきやすい、姿勢が悪い、目がかすむ・・・など不定愁訴を人生を捧げて研究した医師は皆無に等しいと言えます。


私が提唱している「日常損傷病学」はまさにその日常生活における不定愁訴を治療することに特化した医学であり、これまでの西洋医学の「欠落した部分」を補うためのものです。そして西洋医学がもっとも関心を示さなかったのが「老化」であり、老化して不具合の起こる病気のほとんどを治すことができません。西洋医学は超高齢化社会を自ら生み出したにもかかわらず、「老化による不具合」を治療できないという最大の弱点をさらけだしてしまったわけです。


代替医療は日常難病で発揮されている

鍼灸、接骨、カイロ、指圧、漢方、その他様々な代替医療は当然ながら「西洋医学が関心を示さなかった病気」を専門に発展することになります。それらは日常に起こりうる病態で西洋医学が治せない難病ですから日常難病と呼べます。肩こり、腰痛などが代表ですが、それは一部に過ぎず、西洋医学で治す方法が確立していない分野の疾患のほとんどを網羅しています。例えば突発性難聴、自律神経失調症、生理不順、うつ、過敏性腸症、パーキンソン病など、西洋医学では対症療法しかない疾患を治癒に近い状態にまで改善させることがあります(もちろん治癒率は高いとは言えませんが、全く治せないと宣言している西洋医学よりはましです)。しかし、その実績を公表したところで信じる者はほとんどいませんので「裏の事実」としてまたは「きわもの」として扱われます。最悪にも、日常難病を治すテクニックがある者が、自分をサイキックであると主張し、宗教的に人を扇動しようとすることに精力を傾けることがあります。それを否定はしませんが、これがせっかく優れた代替医療が国家から無視される原因を作っていることに遺憾の意を示します。


詐欺の温床になる代替医療

代替医療は一部の分野で、西洋医学が及びもしない治療法の研究を行い西洋医学よりも高い治療実績を残しています。が、心霊や超能力と混同されることもしばしばあります。それは現代の科学で解明することができない治療原理だからです。そしてお金儲けや支配のために施術者自らが超能力者であると主張する者までいます。さらに、わらをもつかむ患者は詐欺に遭うこともまれではありません。実際に何百万円も治療にかけてしまう者が世界中に大勢います。


真に代替医療を研究し、難病を救おうとする施術者もいますが、「ほんもの」がどこにいるのかは一般人には見分けることができません。


もし、仮に本物がいたとしたらどのような状況になるか考えて見てください。全国から難病患者が殺到してしまい、本物自ら施術することが不可能となります。ですから、名の知れ渡った本物に施術してもらうことは極めて難しく、名の知れていない場合は成功確率が低く、どちらにしても難病を治療してもらうことは難しいでしょう。もしもあなたが真の施術者であり、難病を救う技術を身につけたとすれば何をするでしょう? 一人で救うには患者の数があまりにも多く、ならば弟子を作っていこうとするでしょう。よって、真の施術者であれば門下の弟子が多いはずです。そうした事実を頼りに代替医療の達人を探すことをお勧めします。


代替医療の長所

代替医療はとにかく「治してなんぼ!」のものです。保険が効かないので施術料金が高く、治せなければ倒産してしまいますから「どんな手を使ってでも絶対に治す」という崖っぷちに存在します。そこには西洋医学のような王座のおごりはなく、必死になって治療法をあみだそうとする姿勢があります。しかも、代替医療には「西洋医学で治らなかった者たちが来院する」という当たり前の特徴があります。なぜなら患者はまず安くて信用のある西洋医学にかかり、それでも治らなかった場合にのみ必死になって他の治療法を探そうと考えるからです。


そして当然のことながら代替医療には西洋医学では解明できない難病を持つ者が集まります。さらに当然のことながら、そういった難病奇病を治せない場合は倒産します。よって代替医療の施術者には常に「難病奇病を治さなければならない」という極めて重い圧力がかかっています。この圧力を、研究に研究を重ねて生き抜いた者のみが商売繁盛となるという法則があります。これが代替医療のすごさなのです。常に「西洋医学が解明できていない病気の分野で西洋医学よりも発展してしまう宿命」にあるのが代替医療です。とても当たり前のことです。


しかし、その事実は医師たちからバカにされ非難されることもまた当然であり、それは常に国家からは認められない存在になってしまうことも当然であり世界中でマイナーな存在となります。


蜂の針で治す、血液を抜いて治す、気功で治す、悪霊払いで治す…などなどその方法は多岐に渡りますが、どんな奇妙な療法も西洋医学よりもすぐれた技術が必ずどこかにあります。なぜならそれが彼らが存在する意味だからです。奇妙な療法をバカにしたい気持ちは私にもありますがバカにして無視するのは医師のおごりです。我々が治せないものを実際に治すことを尊重し、「なぜ治るのか?」を真剣に研究して西洋医学に取り入れて行くのが真の医学の姿でしょう。


代替医療施術者との対峙

私は医師であり西洋医学者です。西洋医学では治らない・治せない・不可解である病態にさえ診断名をつけてしまうという愚かなことをしなければならないという負の宿命を負います。この宿命のせいで、治らない患者を全て精神異常とし、精神病の病名をつけることがお決まりです。そうやって治せない患者が自分の元に来院することを拒絶して精神科送りにしたという過ちがあります。このことに強烈な違和感をおぼえたのがこうした日常難病を研究するきっかけとなりました。


これまで精神科送りにしていた患者たちの病気を、一つ一つ紐解いていくことを開始し、その積み重ねで数々の日常難病を治せるようになりました。もともと私は脊椎を研究していましたがそのうち脊髄、延髄、脳と研究が進み、現在の難病研究に至っています。治療の中心はブロック注射であり、今では内科的な糖尿・高血圧・胃潰瘍から、透析患者や不妊治療患者までブロックで治せるレベルにまで理論構築が進みました。


するとようやく見えてきたのが、西洋医学者の中にもペインクリニックの名医が、やはり私と同じような治療ができること。そして代替医療の施術者が同じように数々の難病を治療した実績を持っていることを初めて知りました。


そのきっかけは患者が教えてくれるからです。私の元へ来院する患者は、既に代替医療にもひと財産をつぎこみ、それでも治らなかった者たちが集まってきます。そうした彼らに話しをきくうちに代替医療者たちの能力のすごさを知るようになったわけです。


私が他の西洋医学者と異なるところは、既に自分で難病治療の理論を構築できているので、代替医療者たちが同じように難病を治せる話をきいてもそれを素直に受け入れられるところです。治す原理を知っているので彼らが治せることを不思議とは思わないですむのです。そして私が難病を治すずっと以前から代替医療者がすでに様々な「西洋医学では治せない」病気を改善させることができることを知りました。それはあまりにも大きなカルチャーショックでした。井の中の蛙大海を知らずとはこのことです。


体験しなければ理解できない

私の治療もそうですが、代替医療は他人の話をきいただけでは理解できません。例えば代替医療の施術者が自分のサイトで患者の五十肩を治している映像を流したとしても、その患者がこれまでどんな治療を受けても治らなかったこと、どのくらい痛みが強いのか? どれほど生活に困っているのか?はその映像からはわかりません。五十肩は整形外科でも治せる疾患ですから、「五十肩の治り難さ」がわからない状況では、治している映像を見てもそのすごさがわかりません。患者本人だけが「これまでどんな治療を行っても治らなかったものが数分の治療で完治した」ことのすごさを理解できます。


また、施術後、数日から1週間後に効果がやっと現れる場合が多々ありますが、この場合、患者は「施術のおかげで治った」とは思いません。これまで十年近く治らなかった病気が自然に治った!と誤解します。当然ながら施術者に感謝の気持ちもありませんし結局施術は効かなかったと判断するでしょう。


このような誤解、曲解、理解不能などが重なり、代替医療の施術者は高い能力を発揮しているにもかかわらずうかばれない宿命を背負っています。


代替医療の施術者たちは「これまで何をやっても治らなかった日常難病」を治したという偉業を行っても感謝さえされないという理不尽さを背負っています。


その理不尽さは施術者たちにとって極めて強い精神ストレスです。私は数々の西洋医学者たちが治せない病気を治していますが、患者は謝意も敬意もない方ばかりであり、時には患者の無礼な振る舞いに激怒することもあります。だから施術者たちの気持ちがわかります。偉業を行っても感謝されない理不尽さに押しつぶされてしまいます。


そこで一流の施術者たちに共通の概念があります。それは患者に感謝されることを期待するな!というものです。ただただ目の前の病気を治すことに集中し、自分磨きに集中しろ!と言い聞かせます。患者に感謝されたいと決して思うな!と常に言い聞かせます。それでも私は器量の小さない人間です。患者の無礼や私に向ける不信感に怒りを感じずにはいられません。愚痴を書いてしまいました。


代替医療体験の実例

私の診療所の医療秘書(事務長、医療クラーク/コンシェルジュ)であるAはつい先日下腿の外側を軽くぶつけてしまいました。しかし、その1時間後に痛みが足首にまで広がり、足首の痛みと腫れで歩行困難になってしまいました。


現医学では下腿の外側を軽くぶつけただけで、そことは全く違う場所の足首が腫れて痛みだすという現症は解明不能です。なぜ足首なのか? わかるはずがありません。私は難病治療者ですから、この原理をある程度理解しており「もともと神経が中枢過敏の状況にあるから逆行性に神経末端に炎症が起こっている」と解説し、その原因を取り除くために腰部硬膜外ブロックを行いました。ぶつけた箇所でもなく、足首でもなく、治療を腰部に行うわけです。西洋医学者から言わせればきちがいじみた治療です。が、その治療は成功し、痛みの7割が消失し、腫れもすみやかに引きます。しかし3割は残っていました。やはり、根本原因は神経過敏にあることは正解だったようです。


その翌日、「腱引きという古武術医療の施術者」の先生と食事をした際にAに1分程度施術してもらったところ、残りの3割の痛みがその場で完治しました。


私はAの病態が西洋医学では治らない病態であることを知っており、それを腰部硬膜外ブロックという奇天烈かつリスクのある治療法で7割改善させたわけですから、Aの痛みが難治性であることをよく知っています。それを1分で完治させるのをこの目で見てしまったわけですから敗北感が沸き起こります。腱引きの先生いわく長母指伸筋に原因があるとのこと。


真実を言えば原因は複数あります。神経過敏はもちろんその一つですが、それを誘発させているもの(圧迫?炎症?)があり、それも原因になっています。完治したということは原因が取り除かれたことを意味します。ならばその先生の診断は極めて的確だったということです。西洋医学には全くない診断概念です。


この時はじめて私は「原因がいくつもあるのなら、その全てを改善させない限り完治はない!」と悟りました。そして私の治療がどれほど正しく適確であったとしても、もう一つの原因を取り除かなければ完治はなく、それは私の技術だけでは無理であることを悟ったのです。難病治療にたずさわらなければ決して見えてこなかった全く新たな世界です。


難病治療に役割分担

西洋医学は日常難病と老化の分野の研究が極めて遅れています。その分野では代替医療は間違いなく西洋医学の先を行っています。例えば認知症は脳血管の萎縮、脳の血流低下から来ますが、認知症を姿勢矯正で脳の血流を増やすことで根本治療するという発想は西洋医学にはありません。


姿勢や筋肉のバランス理論は西洋医学には全くない概念であり、前述したような神経過敏+筋腱による神経圧迫?のような病態の場合、西洋医学単独では完治が無理です。


日常難病や老化を根本的に改善させるには役割分担が不可欠であり、西洋医学と代替医療が提携しなければなりません。そのことに初めて気づきました。難病治療が結んだ縁で気づかせられました。


西洋医学の限界を感じている医師は世界中に数えきれないほど多く存在します。そして、そういった医師の中には代替医療の凄さを知り、代替医療を取り入れようとする者もいることを知っています。医師も代替医療の先生の弟子入りする時代ですから。


しかしながら、役割分担して手を組むということはこれまで不可能でした。その理由は、代替医療は西洋医学が見放した分野の病気」を治療しており、手を組むにも治療分野が重ならないからです。油と水の関係です。交わっていません。


唯一、代替医療と西洋医学が交わっている分野はペインクリニックだけです。ためしに「星状神経節ブロック 効果」とネット検索すればわかります。このブロックが過去に様々な得体の知れない難病治療に利用されていたことがわかります。つまり西洋医学の中でペインクリニック科だけが代替医療との交点があります。ペインと代替医療が提携すれば、難病の治療成績が向上すると確信しています。


西洋医学と代替医療は犬猿の仲

西洋医学の不備を突いて隙間産業のように発展してきた代替医療と、常に学問や政治の王者でありつつ、他の医療を一切認めない西洋医学はまさに犬猿の仲であり油と水です。医療という一つの目的を持ちながら油と水であることに遺憾の意を表します。


私は常に患者に言い聞かせています。心霊治療であろうが、超能力であろうが、治るのであれば何でも受けてください」と。「治ることが正義であり手段は問いません。どんな治療を併用してもかまいません」と言っています。まあ、湯水のごとく大金を払っている患者には「やめたほうがいい」とアドバイスすることもありますが。


代替医療と西洋医学は互いに相手をののしり合うことが宿命です。患者にとっては迷惑な話ですが、国の制度がそうさせてしまう造りになっているからです。


私が代替医療と提携するためには、最低限、相手を尊重できる方であり、難病治療のためなら何でもする!という気構えのある方でなければなりません。


おそらく、西洋医学と代替医療が手を組めば、日常難病の分野では現存する最強最高の医療を提供できると確信します。しかし、表舞台には立てません。西洋医学は今や国家安定のための道具であり、国民を安心させて暴動が起きないようにするための重要な手段になっているからです。その西洋医学の威信を汚すことは我々には許されていません。ですから裏舞台の最高医療として活躍することになるでしょう。


これは代替医療を行っている方々へのお誘いでもあります。それぞれが難病治療の得意分野をここに持ち出し合って我々と手を組むことを勧めています。拒否した代替医療の先生たちはマイナーの中のマイナーへと転落するリスクを背負うでしょう。


それぞれが「自分が一番!」と思わずに、一番の分野とそうでない分野を正しく理解し、苦手な治療は相手に預け、患者を共有して総合的に治療を行う組織づくりを目指します。日常損傷病学は、その音頭をとることをここに宣言します。


こういう書き方をすると代替医療の偉い先生方は著しくプライドを傷つけられると思いますが、難病治療にプライドなど必要ありません。患者を救うためにはプライドを捨てられるという先生方のみ私にアクセスください。患者の地獄を救ってあげてください。


ブロック治療の限界

私はこれまでブロック注射の技術を日々高めてまいりました。極めてリスクの高い頸部硬膜外ブロックでさえ安全に行う技術を磨いています。そして痛くなく、できるかぎりリスクを遠ざけ、安全かつ気軽に行えるまで技術が高まりました。よって、マッサージに行くくらいの気軽さでブロックを受けていただくことができます。


しかし、その反面、私には極めて重い責任がかかります。少しのミスも許されない、合併症の一つも起こすことはできないという責任です。その責任を負いつつの治療となるため、1本のブロック注射に「気絶するほどの緊張感」を持って治療を行っています。それを1日に100本近く行うわけで、私は肉体と精神が壊れる寸前です。


ブロックをカジュアル化するにはあまりにも医師に負担がかかりすぎます。やはり、ブロックはどこまで行っても「危険なもの」です。それをカジュアル化することは医師の誰にでもできることではありません。ブロック以外で治せるものは「ブロック以外で治さなければならない」というのが医の倫理と思います。


私がブロックを行うのであれば、「ブロックでしか治すことができない病態」に特化すべきです。代替医療の技術力の凄さを知った今、日常難病を治すには役割分担をしなければならないと感じます。


代替医療の先生も井の中の蛙

まるでサイキックのように代替医療で難病を治せる先生がいることを私は理解しています。しかし私の元へはサイキックのような治療を行っても治らなかったという「さらに上の強者の患者」が訪れます。代替医療の先生方は医師の中にも私のようなキワモノがいることをご存知でないでしょう。サイキックに近い技術をお持ちの先生ならなおさら私のような医師がいることを信じられないと思います。井の中の蛙はお互い様です。


私はサイキックの先生とは違い、安い治療費で、かつ少ない回数で治してしまいます。だからこそ多くの民に必要とされます。手を組めばさらに多くの民を救えます。お金儲けにしか興味がない先生にとっては我々の存在は目の上のたんこぶになるかもしれません。


代替医療の限界

中には代替医療で「癌を治せる」という先生もおられると思います。しかし、たとえ治せたとしても、成功率は高くありません。サイキックの先生は成功率を正しく評価・公表しないことに不誠実さがあります。たった一人の癌患者を救っても、そこにおびれとせびれがくっついて、誇大に宣伝するところに不誠実さを感じます。治せる可能性があることは否定しません。


ただ、難病を治せたとしてもそこには多大な労力がかかりすぎます。代替医療で多大な労力をかけると患者の財産がたやすく奪われるほどにお金がかかります。代替医療の先生方は常に「患者にお金を遣わせすぎないこと」に留意すべきであり、自分で治せると思っても、もっと早く安く治療できる手段として、私のような医師に患者を紹介するという手段をとるべきです。私のような医師は全国にほとんどいませんので、私は今後、弟子を育て、難病治療のできる医師を送り出していく義務が生じます。


痛みを取り除けるスペシャリストも多いと思いますが、基本的に骨壊死による痛みは小手先の施術では治せません。よって治り難い患者がいた場合は遠慮なく私に紹介してください。なんとかします。代替医療の先生方は自分の限界を知ることを恥だと思わないでください。西洋医学と代替医療、お互いに得意・不得意分野があるのですから。そして私はこうして西洋医学の恥をさらけだしています。


代替医療のリスクは軽視できない

西洋医学では常に死亡事故が起こっています。しかし国に認められている医師免許を持っていると法律的に保護されます。西洋医学、特にブロックはリスクが高く事故が多いものです。そのため患者はペインクリニックには第1選択として来院しません。それでよいと思います。ペインクリニックの医師はそれほど多くなく、第1選択で来院されるとクリニックがすぐにパンクします。私はブロックのリスクを低くするために日々修行しましたが、多くのペイン科の医師はそういう修行にはあまり関心を示しません。その理由はブロックの手技料金が安すぎるためです。値段が安いと治療に時間を多く割くことができません。短時間でブロックをしなければならず、リスクを低くさせようとすれば手技に時間がかかり赤字経営となるからです。私は赤字を考えずにリスク軽減重視ですが、そういう医師はほとんどいません。よって「ブロックは危険なもの」という概念は正しいものであり、それよりも代替医療の方が安全という概念も間違っていません。基本的に代替医療で治せる日常難病は代替医療で治すべきです。


ただし、代替医療で合併症を作ることが先生方が考えている以上に多いと思われます。マッサージや整体、リハビリは安全という概念はもうすこし考え直すべきです。


例えば人の関節は年々変形しますが、変形とは顕微鏡レベルでは局所に骨折や骨壊死が起こっています。痛みを改善させようとして施術すると、壊死部分が落ち込んで小さな骨折を起こします。小さな骨折はレントゲンでは映りませんが、痛みは強烈で治るのに1~2か月要します。こういった病態には免荷での運動が必要であり、そういうことを知らない施術者が合併症を作ってしまいます。代替医療は安全という考え方はそもそも間違いであり、病状によってリスクが高い場合があることを研究し勉強しなければなりません。私と手を組めば、予期せず合併症を作ってしまった患者をフォローすることもできます。訴訟になるリスクも回避できるようになります。


患者を救いたい気持ちが強い施術者ほどリスクにも飛び込みますから、そういう先生こそ私のような医師と手を組む必要があると思います。


不要な手術を避けるすべ

今も世界じゅうで「やってはいけない手術」「やる必要のない手術」が毎日行われています。それは西洋医学の保存療法では治らない→手術、という安易な考え方があるからです。それは間違いであることを密かに世間に知らしめていきましょう。もちろん、表舞台には立ちません。西洋医学の教授たちの顔に泥を塗ることは避け、国家の威信の象徴である西洋医学を尊重しつつ、裏舞台で日常難病の患者を救ってさしあげましょう。このブログがその幕開けです。

超慢性療法で手術を回避する~人体の驚異的適応力~

人体適応力のすごさ

 症例1)1枚の脳のMRI写真

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このMRIは86歳男性が転倒時に撮影したものです。血腫が左脳の大部分を圧迫しており、側脳室もつぶれています。普通に考えれば生きているのも信じられないような状態です。しかし、この男性は“無症状”なのです。行動、言葉、記憶力、判断力・・・全て正常で何の障害もありません。これを診察した医師はあわてて緊急入院させ、手術をしようとしたのですが、本人に症状が全くないことから、結局「過去の出血」で、手術の必要はないと判断しました。


このMRIは血腫の形成が極めて緩慢であれば脳神経細胞は血腫に圧迫されても、狭いところでも生きられるように適応することを意味しています。これが人間の適応力のすごさです。人の細胞は極めて長期間、時間をかければ、極めて悪い環境にも適応するということです。


症例2)ほぼ症状のない脊柱管狭窄症

次のMRIは私のサイトにも掲載してある高度な狭窄があっても症状が出ない症例です。

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黄色に塗った部分が狭窄した脊柱管、正常の約20分の1の断面積


severLSCS01

矢状断MRIでは脊柱管が途切れているように見えるほど狭い


この高度な狭窄所見の男性は78歳。腰痛・下肢痛がなく、症状は軽度の痺れ感、1年前から100mの間欠性歩行の出現ありという症状。つまり100m以内の生活であれば不自由がありません。もちろん、間欠性跛行は不自由でしょうが、今のこところ手術の必要も治療の必要もありません。これほどの狭窄があれば尿意や便意の消失などが起こってもおかしくありませんが、直腸膀胱症状の所見はありません。


これほど高度な狭窄があっても、それがゆっくりした時間をかけてなったものであれば、症状が出にくいという例であると思われます。馬尾神経がこの細い空間に適応した例です。


症例3)変形していても痛くない膝

慢性医療1


この写真は82歳女性。10年前から膝痛で整形外科に通い、月に1~2回の注射を受けています。左右共に末期の変形関節です。しかし、痛みの訴えはあまり強くなく、歩行には支障をきたしません。この写真を見ると「変形が進行すると歩けなくなる」と患者を脅して手術に無理矢理持ち込もうとする整形外科医の話を信じてよいものか?と疑いたくなります。

答えが見えてきます。「ゆっくりした時間をかけての変形であれば、人の関節は適応し、それほど強い痛みを感じることなく一生を送ることができる」というのが真実であると推測されます。


症例4)変形していても痛くない股関節

慢性医療4


この写真は58歳女性の右の股関節。3年前から軽い鈍痛があり、整形外科で消炎鎮痛剤をたまに処方してもらって対処していました。骨頭は変形し球形をしておらず、関節裂隙がほとんどないほど軟骨が摩耗し、さらに関節面が凸凹しています。それでもほとんど痛みなく生活ができています。他の整形外科医には「いずれ変形が進行して歩けなくなるのだから手術しなさい」と言われていますが、それは真実でしょうか? 関節が壊れても、その壊れる速度が極めて緩慢であれば、人間の体は適応し、痛みがほとんどない状態で一生を送ることができると思われます。


4例の共通点

手術を受けなくても十分に生活が遅れていること。画像上は極めて酷い進行状況であるのに、症状がほとんど出現していないこと。最後の1例を除き、「一生手術は必要ない」ことです(最後の1例はまだ58歳なので将来が未定)。

そして、おそらく「画像上の変化は数年から10年の月日をかけてゆっくり緩慢に進行して行った」と思われる点です。


医学の常識を覆す新理論

私たちは現在ある症状を軽快させるために薬剤、注射、手術、リハビリなどを必死に行っています。しかし、器質的な変化が非常にゆっくりになるのであれば、無理に治療しなくても人体の細胞が自然に適応してくれるという理論を学ばなければなりません。この理論は癌治療でも同様です。脳の大半を埋めるような脳腫瘍でさえ、その腫瘍の大きさが非常にゆっくりとしか成長しない場合、人間の脳は何の障害もなく適応すると思われます。切除することだけが治療ではないということです。


癌の進行を抑えることができるのなら、それだけでまっとうな人生を何の障害もなく送れる可能性があると言うことです。

関節の変形もそうです。変形の速度を遅らせることができるのなら、手術をしなくてもほとんど痛みのない関節を一生維持できるでしょう。その人体の適応力を信じれば、これまでの医学からは考えもしなかった全く新しい治療法が見つかります。それは超慢性療法です。治すのではなく進行速度を遅らせる新治療です。


痛み症状が強いのに画像に変化がない

痛くて仕方ないのに、病院に行ってレントゲンを撮影すると「異常ありませんねえ」と言われて薬だけ処方されるパターンがあまりにも多いことに私は現医学の無力さを常々感じています。症状が強いのに画像に変化が出ない理由を正しく説明できる医者はいますか? 答えはノーです。


医学書に「画像の変化が出ない理由」が書かれていませんし、そんなことを研究する医師もいません。しかし、私は常識としてその理由を知っています。


「画像は常に過去の傷跡を見ているのであって、現在の病状を見ているのではない」というのが真の理由です。画像上の変化は、骨が崩壊、血管が破れる、靭帯が切れるなどのはっきりした変化がない限り現れません。人間の体は、組織の崩壊→炎症反応→死細胞の除去→細胞新生と変化しますが、これが通常通り行われている場合は画像には何も映りません。炎症反応が強くて症状が莫大であっても画像には出ません。何か特別大きな破壊か、細胞適応などを起こさない限り目に見える変化はありません。細胞適応が起こるには時間がかかりますから、今現在は変化なしです。よって昨日今日出現した症状では画像上「異常なし」は当たり前のことです。時間が経たなければ異常は見えてきません。


多くの人はここを勘違いされています。症状が強いのだから画像診断で何も出ないのはおかしいと考えていることが間違いです。折れる、切れる、破れる、腫れる、貯まる以外で、現在進行中の炎症を映し出せる医学技術は、現代の科学では皆無であることを認めなければなりません。数ミリ程度の大きさの病変を映し出す技術もありません。


逆に患者の立場では、これだけ症状が強いのだから何か見落としていると考えたいところですが、それも違います。見落とすも何も、急性期には変化が現れないのですから。


急に膝を痛がる患者の写真は正常

今まで膝痛などなかった人が、急な膝痛で病院に行き、「画像上異常なしです」と言われると怒りだす患者がいます。今の痛みが3か月間続けば、画像に変化が必ず現れるでしょう。しかし、1日に0.1mmずつ破壊されているのなら、今日は0.1mmの変化しかないわけですからそれは画像上認識できるはずがありません。だから正常に映ります。


しかしながら、重要なことは「細胞レベルでは極めて急な変化が起きている」ということです。局所では毛細血管が壊れ、細胞が死に、炎症反応が起こり、補体が終結し、浮腫が発生し、PHが低下し、熱も発生する・・・という大嵐が起きています。それはミクロで起こっていることなので目に見えません。若干腫れていることがわかる程度です。炎症の範囲が小さければ、血液データにも異常が出ません。こうした事実を常識として知っておかないから臨床現場でトラブルや言い争い、不信感が起こります。


人の体は急激な力により壊れる

人に発生する様々な症状は、全て急激な物理学的、化学的な変化によって起こります。Ph、重力、温度、圧力などの急激な変化です。非常にゆっくりとした変化であれば、変化幅が広くても症状は起こりません(起こりにくい)。ゆっくりとした変化であれば、細胞やホルモンなどが適応するからです。


難病は一つの変化ではなく、いくつもの変化が何重にも積み重なっておりなす変化であり、そのスピードは想像以上に速いと言えます。非常に緩慢に進行して行っているように見えるパーキンソン病などでさえ、ミクロの細胞レベルでは物理的な急激な変化が起こっています。全体的な進行は遅いのですが、細胞が新陳代謝するよりも速い速度で細胞の壊死が起こっており、新陳代謝が間に合わないほど急激な変化が起こっています。


人間は死んだ細胞を排除して新しい細胞に置き換える力を持っており、体に不具合が出る時は、そうした新陳代謝の速度よりも速い速度で細胞の壊死が起こっているという考え方が必要です。その細胞壊死を起こすほどの急激な変化の速度を落とす治療という新たな概念を提唱します。治すのではなく変化の速度を緩める医療です。


ステロイド療法が代表的超慢性療法

ステロイドホルモンは局所に起こっているphの変化、圧の変化、貪食細胞集積、などの抑制を行い、物理的・化学的変化を緩慢にさせます。これがステロイドホルモンが万能薬のように言われる理由です。しかし、同時に新陳代謝まで抑えてしまうので、これが裏目に出ると細胞の新生が起こりにくくなり、死細胞のゴミを増やしてしまうと思われます。これがステロイドを長期大量に使用してはいけない理由の一つです。


さて、私たちはステロイド以外でもう少し建設的に変化の速度を落とさせる治療法を考えなければなりません。その骨子が生活指導です。


本格的な生活指導が健康を変える

例えば、症例3の膝痛の場合、関節面には重力がかかり、この重力の急激な変化が関節を破壊して行きます。

ではどうすれば急激な重力変化を除去できるでしょうか? それは足の裏に適切にフィットするクッションを敷くことで除去できます。階段を降りる時は手すりを使って後ろ向きに降りていただきます。立つときは必ず何かをつかんで立っていただきます。そうした指導を行うだけで症例3の女性は一生手術をすることなく、自分の膝で天寿をまっとうできるようになります。


それでも転倒などで予期せぬ急激な変化を膝に起こしてしまうときがあります。その時にはステロイドなどの薬剤を用いて局所の急激な壊死の進行を抑えてしまう。


こうした生活指導+医療で超慢性療法に導くことができます。これが一生涯手術を回避する方法であり、これまでの外科中心の医療を猛反省する新医療です。


超慢性療法成功の指標は痛み

私はこれまで一般的な医師が行わない方法で「全力で痛みを取り除く」治療を実践してきました。この治療のおかげで私が治療している患者はほぼ全員が手術を回避しています。脊椎や関節の疾患を持つ患者が1日に40人来院する外来ですが、その中で実際に手術を受けさせた患者は1年間に1名程度です。手術回避率は99%以上です。


この実例が示す真実は「正しく治療と生活指導を行えば手術は必要ない」ということです。どんなに関節が変形していても、その進行度にはほぼ無関係です。人の体は変形が激しくても長期間かければその変形に適応するからです。


ただし、変形の速度が速ければ適応できません。変形の速度は個人差があり、重労働をする方は速く、軽作業では遅くなります。よって治療や生活指導は患者別に流動的に行っています。その指標となるのは痛みであり、痛みこそが変化の速度を表していると推測しています。このことを示した論文が「膝の痛みと経年変化の関係について」です。


これは「痛みとは何か?」という究極の医学課題の答えでもあります。痛みというものがこの世に存在しているわけではなく、あくまで痛みは電気信号です。その電気信号はまさに「急激な変化のスピードメーター」であるというのが答えであると思われます。痛みは環境の急な変化を表し、痛みを取り除く=変化の速度を遅らせる、ことであるという新理論です。


すなわち、私のように痛みを徹底的に取り除く治療を行っていれば、ほとんどの人が手術を回避できてしまいます。ただし、この新理論は医学の権威を失墜させます。そして医療費の消費を大幅に減らします。つまり医者の収入も威信も激減します。よって世界が認めたがらないことでしょう。しかし皮肉なことに、現役時代にバリバリ手術していた医師が、開業して保存療法を主体に治療をし始めるようになると、とたんに私と同じような超慢性療法に興味を持ち始めるようになることです。手術と超慢性療法、どちらが優れているのか?真実は各自考えてください。


リハビリや生活指導の問題点

私はこれまでの医学概念にない破壊スピードの要因について述べています。変形速度=細胞壊死速度-細胞新生速度 という公式が定義です。そもそも治療とは細胞新生速度を高めるか、細胞壊死速度を低下させるかして、変形速度を低下させること言えます。生きているだけで全ての器官は変形していき、変形速度をマイナスにすることはなかなか難しいことです。マイナスとは若返りを意味します。しかし、変形速度が低下すれば、人体細胞は適応し始め、変形のままでも恒常性を保つことができるようになります。


これまでのリハビリにはこうした速度の概念が欠如しているため、「何でもかんでも鍛えればよい」という誤った方向にしばしば進みます。リハビリをすることにより、変形速度を速めてしまうことが多々あるからです。筋肉を鍛え、可動域を広げてあげることは、一つの適応です。ですが適応させようとして変形を生み出してしまうようでは本末転倒です。現在のリハビリや生活指導には細胞新生速度を高める、細胞壊死速度を低下させるという治療の原点的な考え方がないため良い方向にも悪い方向にも向かいます。細胞新生速度を高めるにはどんなリハビリがよいか? 細胞壊死速度を低下させるにはどんなリハビリがよいか?ということを理論的に考えていかない限り、現代のリハビリ学に未来がないでしょう。


当然ながら生活指導も同じことであり、「とにかく歩きなさい」という全く理論を無視した生活指導が蔓延していることを悲しく思います。


実際にどうすればよいか?

超慢性療法では生活指導がその骨子になります。例えば私は崩壊の激しい膝関節痛に対し、1ヶ月の松葉杖歩行(免苛)を指示します。「歩きなさい!」などという指導はもってのほかです。細胞を壊死させるのは日常生活が原因ですから、できるだけ細胞を壊させない生活をさせます。そのために補助として健康グッズ、寝具、椅子などのアドバイスもします。そしてこれらの研究開発も行わなければなりません。


ただし、生活指導については実際にどんな姿勢が体勢が、仕事が、体を壊していくのか?何をどのように気をつければよいのか?は全く一言では述べることができません。私は生活指導がこの世に現存するどんな治療法よりも一番難しいことをよく知っています。そして生活指導の専門書を執筆する計画もあります。が、簡単ではないことだけは先に述べておきます。


また、世の中にはすでに超慢性療法的な治療法に気づいておられる頭のいい医師もおられます。そういう頭のよい方は既に世の中を騒がせるような本を執筆され、ベストセラーにもなっています。しかし、書籍の中でいかに核心をついたことを述べていようとも、本は所詮流行りものであり、後世の人々に残ることはありません。世に残し、後世に知恵を残していくためには学会を組織し、学問の形態をとって残していかなければなりません。日常損傷病学はまさにそのために名づけたものです。


超慢性療法の破壊力

超慢性療法は超高齢化社会を支え、かつ国の経済を支えることのできる将来性のある治療論であり、医療費を抑えることができます。よって本療法は医学産業を質素倹約へと導き、それらを生業として生きる者たちの生活を壊します。よって様々な妨害工作を受けます。実は妨害工作は既に発動しています。それは厚生労働省が発動するものです。


超慢性療法には関節内注射や腱鞘内注射、滑液包内注射などが不可欠ですが、それらの保険点数があり得ないほどに安く設定されるという妨害工作です。あり得ないほどに安い場合、医師はその治療をすると赤字経営に追い込まれるため、そうした治療をすることができなくなります。腱鞘内注射は今年4月に270円というあり得ないほど安い値段にされてしまい、事実上、厚生労働省が腱鞘内注射を禁止したのと同じことになりました。関節内注射も800円と破格値であり、注射をすればするほど人件費赤字になります。よって、医師は注射をしなくなり、変わりに薬とシップと温熱療法のみとしますから、多くの患者がその痛みに耐えられなくなり、手術を選択するしかないようになってしまっています。


すでに超慢性療法は一昔前から妨害工作を受けていることがわかります。外科医にとっては手術に向かわせることは極めて有利ですが、それは彼ら(外科医)の威信と給与アップに対して有利なのであって、国民にとっては極めて不利な話です。


官僚は教授たちと手を結び、教授たちの都合のよいように医学制度を改革させています。別にそれを恨んでいるわけではありません。変革には痛みを伴うといいたいだけです。真に国民の健康が推進されると、困ってしまう権威者が多いのです。特に外科系が困るのです。


超慢性療法を支える代替医療

鍼灸・整体・マッサージ、特殊な温熱療法などは西洋医学よりも「痛みを取り除く」ことに関して上を行きます。もちろん西洋医学のみで痛みが除去できる方はそれでよいのですが、整形外科に通っても全く効果がない人々は、実際には代替医療にかなりの割合で流れて行っています。整形外科医が少ないのでそういったことを彼ら(医師)は気づいていませんが、20年後には医師過剰時代が訪れますので、そのときになって彼らはようやく気づくと思われます。


前にも述べたように、超慢性医療の指標は痛みであり、痛みを取り除くことができていれば、人の体は変化に適応し、痛くない体へと変化します。方法は問いません。よって、実際は超慢性医療を、既に代替医療の方々が実行しています。整形外科医が治せない痛みを、彼らが治してしまっています。しかし、代替医療のことを整形外科医があざわらい、馬鹿にし「俺たちの方が断然優れている」と思い込み、実際には負けていることを知ろうとしていません。当然ながら整形外科医はマスコミでは圧倒的に有利ですので、代替医療が表に出られないように否定し続けます。まあ、それは世の流れなので仕方ありません。強いものが勝ちます。しかし、いつまで強い者でいられるのか疑問です。


私が「代替医療が整形外科よりも優れている」ことを知るきっかけとなったのは、このHPを作ったことです。世の中の「治らないものたち」を診察するようになり、そういう人々がいろんな治療を受けてどうなっているか?を患者の口から聞くようになったからです。明らかに整形外科で処方する薬とシップよりも効果が高い。しかもそれは整形外科の分野だけでなく、内科の分野でも同じことが言えるのです。


なぜ彼らが医師よりも超慢性療法に長けているかというと、彼らは患者から100%の治療費をいただくからです。治せない=倒産、を意味するからです。いわば背水の陣で患者を治そうとするため真実を追究しなければなりません。そのがけっぷちの姿勢が医師たちよりも優れているため、代替医療が西洋医学よりも進歩するのです。西洋医学かぶれの方々はそのことを知らないようです。なぜなら、代替医療は常に西洋医学から批判の対象とされ「西洋医学よりも治せる」という事実が表に出ないように叩かれているからです。


私の提唱する超慢性医療は西洋医学ですが、当然ながらその破壊力のために、表に出られないように妨害される運命にあります。のきなみ、保険点数をあり得ないレベルまで引き下げられるという妨害を受けていると行ってよいでしょう。開業医もまた、大学の教授たち、大病院の経営者たちにとっては気に入らない存在です。よって、大学病院では行わない雑多な治療はどんどん保険点数が引き下げられる運命にあります。開業医も厚生労働省から妨害を受けるのですから、超慢性医療は前途多難です。

自分を信じることができますか?

人は力を信じる

あなたは何を信じて病院に行きますか? たとえば難聴をわずらえば「耳鼻科に行けば難聴を治してくれる」ことを信じて耳鼻科に行きます。しかし「耳鼻科医が難聴を全て治せる」とは彼らは宣言していません。実際のところ、耳鼻科医は「感音性難聴は治せない」と宣言しており、それでも私たちが難聴になった時に耳鼻科に行く理由は、耳鼻科医は「耳のことなら何でも治せる」という妄想を私たちが抱いているからであることがわかります。ではなぜ医者が病気を何でも治せるという妄想を私たちが抱いてしまうのか?を考えましょう。


それはマスコミが医学の力を誇大に宣伝しているからです。医療の最先端では難病奇病が即座に治るという「現代医学の力」をマスコミがテレビ・新聞・雑誌・広告などに垂れ流し、視聴率を稼いでいるからです。


医療費は国家予算の数割を占める金食い虫です。日本はその金食い虫を、財政赤字がどれほど膨らもうともとにかく「国民全員」に配ろうとしています。しかも、特に、お金を全く稼ぐことのできない生活保護者や高齢者に湯水のごとく配ります。そんなことをして一体国がどんな得をするのでしょう? それは国民の不満を鎮められることでしょう。国家の安定には、何よりも医療を充実させること!が最重要です。だから金食い虫を放置してでも大金を賭けて医療を(西洋医学を)国民全員に配ります。全員に!です。


そうやって国家安定を計るためには、医学が「何でも治せる」という誇大妄想が必要です。「耳鼻科で治せない突発性難聴が鍼灸師に治せる」ということが知れ渡ってはなりません。とにかく西洋医学が全ての治療の中で最高であることを国民に信じさせなければ国家は安定しません。


このような国家成立の大前提の中でマスコミは動いています。特に日本のテレビ局は放送権を国からの許可で得ている(特権な)ので、国の意向に極めて従順です。よって「西洋医学で何でも治せる」という誇大妄想を放送することに罪悪感がありません。


ここで最初の問いかけに戻ります。私たちは一体何を信じて医者に行くのでしょう? それは国が作り上げた「西洋医学は何でも治せる」という誇大広告を信じて医者に行っているわけです。そしてそのお金(治療費)を国が支援しています。国が支援している西洋医学こそが世界最高でなければ国の威信が低下します。だから誇大に宣伝せざるを得ません。すなわち私たちは国家権力を信じて医者にかかるという行動をとっています。それは力です。国民を手なずけるための力です。つまり私たちが信じているのは力なのです。


力を生み出すもの

力を生み出す根源となっているのは誤った形で悪用されている統計学です。ここでは詳細を述べませんが統計学の誤用についてはこのHP内でも述べています。西洋医学は統計学をベースに発展してきましたが、その統計学が誤用されているためにありもしない因果関係をでっちあげることができてしまいます。統計学には「人を信じさせるマジック」が存在し、そのマジックを利用して教授と呼ばれる権威者たちが自分の考えた医学理論が「真実であるかのように」見せかけます。


統計学はどこまで行っても「因果関係を述べてはいけない学問」なのですが、教授たちは自分の権威を利用して因果関係があること主張し、反論を権力でねじふせます。そして科学雑誌に掲載させてその理論が真実であるかのように見せかけます。そうした「権威づけ」のせいで国民は正しくない理論を真実であると受け入れます。わかりやすく言えば「国民が信じているのは権威」なのです。権威が力を生み出し、その力で国民をねじふせています。


権威はショービジネス

権威を作るためにルールがあります。日本医学界では東京(難関国立)大学を卒業し、研究論文を書き、教授になり、官僚と手を組み・・・という権威づけの流れがありますが、論文で常に示さなければならないのがエビデンス(証拠)になります。よって証拠は捏造されることが日常茶飯事になります。そして証拠は目に見える形でなければならないので、派手でなければなりません。逆に言うと派手に見える証拠が生み出せるショーをプロデュースできなければ世界に名を残せません。人間の体の中で証拠を作り上げることのできる病気を研究しなければ権威や名誉を手に入れることができません。よって、派手な外科手術、注目の再生医療、薬の開発などがどんどん研究され、証拠を示すことのできない病気は研究されないままになります。


よって自律神経失調症、耳鳴り、かすみ目、感音性難聴、うつ、慢性疲労、神経性胃炎、下痢、腹痛、頭痛など、私たちが日常で経験する病気はどの病院に行っても治すことができません。これらは研究したところで証拠をのこすことができないので、論文として成立せず、よって権威が欲しい人々は誰も研究しません。


私たちは権威者(教授たち)のショーを見て手を叩いて喜び、そしてその権威を信じて医者にかかるわけですが、治せるのはショーのお題目にある派手な病気だけであり、日常に経験している不定愁訴的な病気は全く治せません。また、患者はショービジネスの材料、実験台にされ、手術の必要もないのに手術を勧められることになります。


そうしたショービジネスを先導する役割が国家(厚生労働省)にあり、大学教授が官僚と手を組んで国民を管理しているのが先進国のスタイルです。

患者はショービジネスの題材にされているのか?本当に必要な治療を受けているのか?を個人個人が考えた方がよいでしょう。


インターネットは無法地帯

西洋医学は派手な病気の分野では発達していますが、ショーにならない地味な病気の分野では劣ります。国民は「この事実に気づく者」と「この事実に一生気づかない者」に二分されます。前者の「気づく者」は現代医療(西洋医学)に不信感を持ち、インターネットを利用して自ら情報を収集しようとするでしょう。しかし、そこには商売の罠が何重にも仕掛けられています。インターネットには発言の規制がほぼありませんので医療従事者が自分の商売のために患者を引き込もうとして「都合のいい結果」しかネット上に公開しません。ネット上の理論の真偽は本当のところ誰にもわかりません。これはネット上に嘘が多いという意味ではありません。真実も書かれていますが、それを証明するものがこの世にはないという意味です。

ネット上の理論が真か偽か?は各自が自分の頭で考えるしかなく、自分の決断に責任が持てない者はそれができません。


占い師に頼みましょう

例えば、私のHP上に書かれている論文が真実か偽物か?を私は敢えて述べていません。私が医者であることも嘘かもしれません。なにせプロフィールが掲載されていません。自分のことを野良医者であると言い、反社会性のあるサイコパスであるとも言い、むしろ、人々が不信感を抱く材料をふんだんにちらばらせています。


それはあなたがたに「考えること」を教えるためです。普通の人は考えることをせず、評判、権威、有名度で自分がかかる病院・医者を選びます。だから、逆にそれらを一切ここに掲載していないのです。私を信じるか信じないか?を自分の頭で考えなさい! そして自分の責任において私に頼るかどうかを決めなさい!という意味を込めています。


こうなると、責任がとれない人は占い師に相談しに行くしかありません。私は生年月日を公表していませんので、このサイトを見つけた日で占ってもらうしかないでしょう(笑)。


このサイトの信用性を考える

このサイトが商売目的で作られているのか? このサイトの治療実績が本物か? どこまで著者の理論を信じてよいか? のヒントを莫大にちらばらせています。嘘か本当か、信用してよいか悪いか?の判断は、実はそこにかかるコストで判断することができます。


たとえばK氏とBの不倫騒動は売名行為に自らネタをマスコミにばらしたのか? 誰かにばらされたのか?を考えるとき、売名で上がる予想売上と売名で下がる被害額の差で真偽を推測できます。売名で年収が1億上がったとしても、汚名で被害額が100億円であれば、これは自らネタバレさせたものではないと推測できます。


というように、人間は自ら損失に飛び込む自殺行為を理由なくできないという本能を持ちますから、コスト計算で真偽をかなりの確率で見分けることができます。


例えば、私が商売根性でこのサイトを立ち上げたとすれば・・・まず、これだけの研究と労力にどの程度の製作費がかかるか? 制作年数が何年かかるか? 医者ではない者にこの研究ができるか? どれほど強い意志が必要か? 何のためにそんな強い意志を持つ必要があるのか? が見えてくるはずです。莫大なコストがかかります。そのコストをたかが「患者を自分のところに少し多く呼んで商売を繁盛させたい」というような目的でこのサイトを立ち上げているのかどうか?が自ずとわかるでしょう。


これほど莫大な研究と情報量を一人の人間が公表しているとなると、その目的は個人レベルではないことを推測出来て当然ではないでしょうか? この世界に何かをやり残そうとする志がなければ、こんなことはできないと思いませんか? これだけ莫大な情報量です。私利私欲のためにこの情報を流すにしてはコストの掛け過ぎです。コストの方が利益をはるかに上回ります。


データを改竄し、自分に有利な情報のみを載せ、信憑性がないと考える人もいるでしょう。しかし、もしもそれがばれた場合の損失を考えてみてください。信憑性のないことを一つでも出せば、全ての理論の信憑性が失われます。これだけの莫大なコストをかけているのに、たやすくデータを改竄し、信憑性を失墜させることができるでしょうか? そのリスクとベネフィットを考えてみてください。データ改竄はあまりにもリスクの方が大きいでしょう。そういったことを、これを読む一人一人に考えてほしいという願いがあります。


私は人の心を読めます

このサイトには私が「真実のみを追究してきた」ことがわかる証拠がいたるところに存在します。医学書に疑問を持ち、権威者に一切媚びず、真実だけを見ようとした証拠です。


真実を読むことを人生の課題としてきた私は、その特技を活かし、以前、人の心を読むことを仕事にしていた時期がありました。ですから患者の心の動きが、視線やしゃべり方、態度で瞬時に理解できます。さらに、治療法を説明し、治療を受ける決断をするまでの言葉の間合いで、この患者が何を考えているのか?がすぐにわかりました。患者が私に不信感を少しでも抱いていれば、それは手に取るようにわかります。真実を追究する=人の嘘を見破る、ことを意味しますので不信感を隠そうとしても私の前では無駄です。


さらに私は徹底的なエコノミストでした。治療では一切の無駄を省きます。というより、省きたいのです。不信感を持つ患者には、まず、私を信じさせるパフォーマンスから入らなければなりません。そのパフォーマンスは「無駄の極地」であるため、私にもっとも精神的ストレスがかかります。患者を信じさせるために「効かないとわかっている治療」から始めなければなりません。


例えば、頸椎が原因で足がしびれていると推測した患者がいたとします。この患者は「腰椎が悪いから足がしびれている」と自分では思っています。その患者の頸椎にリスクあるブロックをしようとすれば必ず拒否されます。よって効かないとわかっている腰椎へのブロックから開始しなければなりません。


また、この患者は「最低でも10回以上治療しないと効果が出ない」と推測できた場合、効果の出ない治療を9回近くしなければならないわけで、私に不信感を抱いている患者にはとてもできません。よって、長引くことが予想される治療の場合、不信感のある患者には治療を拒否せざるを得ません。


もしも私に治療を受けたい方がおられるのであれば、私が人の心を読む専門家であることをどうか知っておいてください。無駄なことはしたくないからです。


人の心を読み、人の痛みを感じることができるからこそ、リスクあるブロック注射を安全にできるということをどうか知っておいてください。ほとんどの医者にはない能力です。


治療実績は着実に上がっています

このサイトを立ち上げてたったの数年ですが、全国から難病症例が集まり、治療実績はここに掲載してあるものよりも何倍も多く経験しています。残念ながら、あまりにも治療が忙しく、精神が疲弊してしまうせいで、実績をまとめて公表するパワーが残っていません。病気の種類があまりにも多く、一つ一つ発表するためには論文を何十と書かなければならないからです。よって一般的な方々が求めるエビデンスをここに掲載することが、どうしても遅れがちになります。ただ、そうしている間にも優秀な人材が病気になり社会からドロップアウトしていきます。そうならないためには、自分の頭で考え、自分の意志で責任で私に治療を受けに来なければなりません。特にうつ病で退職となる方々がいかに多いことか・・・。そうした人々を根本治療できることを示しても、信用されていないこともわかっています。だから再度言います。自分の頭で信憑性を考え、私の元へ来院ください。もたもたしていたら会社をクビになります。


私の診療所は飽和しています

私が1日に治療できる患者の数の限界は40名程度です。現在、飽和しており、これ以上の患者の受け入れは困難な状況です。とにかく治すことで患者を来させなくし、新しい患者を受け入れられる余地を作っています。診療費も安い料金しかいただいておりません。税金対策のため、儲けを出すことを制限しています。


つまり、商売繁盛のために、患者を集客するためにこのような文章を書いているのではないということを理解していただきたいです。他の医師にかかっても治らない方の人生を、少しでも健全にするために、難治性の方に門戸を開いています。どうか、自分の頭で考えてください。最後に信じるのは自分自身です。あなたは自分を信じることができますか?


私の煩悩

私が出世に興味がないか?と言われれば、ノーと言えば嘘になります。マスコミにさわがれたいか? ノーです。私は自分の精神世界の中で十分な成功と出世に達しています。地位も名誉もありませんが、自分の中では確固たる地位も名誉も得ています。だから出世にはあまり興味がありません。必要とあれば学会を作り、弟子も作り、治療技術を伝えますが、それは多くの困った人に良い治療を受けさせてあげるためです。私だけでは1日に40人しか助けてあげられないからです。


お金が欲しいか? ノーではありませんがすでに十分です。お金で人を動かすことを美徳と感じていません。

ただし、毎日毎日理不尽さを感じています。私の技術が正当な価格として評価されていないことにです。お金が欲しいわけではありませんがプライドはかなり傷つきます。毎日毎日プライドを踏みにじられて生きています。これが私にはもっともつらく、乗り越えられない私の弱さです。


患者に利用されていると感じることもあります。患者の無意識下の真の顔が見えてしまうからです。患者のネガティブな感情に毎日悩んでいるのは私自身であり困難を抱えています。誰かが抱えなければならないジョーカーであるので私が抱えています。そしてジョーカーからしか真に人々を救うカードが生まれてこないでしょう。


あなた方が治療を受けようとしている人間は、このような医師です。あとは自分の頭で考えてください。私はこれほど莫大なコストをかけて信用性を示しているのですから。

私のことをナルシスト、天狗、妄想者・・・どのように思うのも自由です。ただし、私は不信感を持つ者には治療することができません。信用できないのはあなたが自分の頭で考えようとしていないからです。


家族を説得する

最後に、あなたが自分の頭で考え、私を信じることはできたとしても、家族に私を信じさせることは極めて難しいはずです。家族は国家が推進する西洋医学で「何でも治せる」と信じており、「西洋医学で治らないのは心の問題である」という西洋医学側の主張を信じているからです。つまり治らないのは「頭がおかしい」と判断され、それを治せるという私もまた「頭がおかしい」と思われるでしょう。その場合は私のサイトの文章をたくさんプリントアウトし、家族に読んでもらうことをお勧めします。Good luck!

リリカ・トラムセットの禁断症状に警告!

はじめに

リリカやトラムセットは他の消炎鎮痛薬とは作用機序が全く異なり、抹消に効くのではなく、脳や脊髄などの中枢に作用する薬剤です。よって、普通の鎮痛薬とは全く異なる「禁断症状」が出ます。しかし、禁断症状の詳細は医師でさえほとんど知らされてない状態です。そうとは知らず医師は痛みを抑えるために気軽にこれらの薬剤を処方し、患者も「今の痛みから逃げたい」一心で服薬を安易に開始し、それをやめようとした際に禁断症状が出現し日常生活が送れなくなる方が続出しています。

製薬会社は禁断症状を詳しく調査し、これを公示することを避けたいということは営利目的として理解できないわけではなく、処方する医師の側も罪悪感のため、敢えて自分の処方した薬剤の禁断症状調査をしようとしたくないと思われます。しかし、これらの薬剤は1「痛み止めとしてあまりにも広く安易に使用されている」2、「禁断症状が2か月近く続き、決して短くない」3、「製薬会社の言うように徐々に減らしても禁断症状の出現を抑えられない」4、「禁断症状が社会適応を奪うほど強い」状況では臭いものにふたをしている場合ではないでしょう。


具体的な禁断症状

58歳 男性の場合 トラムセット服薬12時間後に全身がだるくなり極めて強い疲労感に襲われる。リリカ服薬24時間後に思考能力低下、せん妄状態、視野半分の不明瞭、手の震え、呂律悪化が出現する。これらの症状は薬を再度服薬した瞬間に消失する。だるさは「耐え難い」レベルであり、自動車の運転は不可能と感じる。よって彼の仕事(運転)を続けるには、服薬を続けるしかなかった。


53歳 女性の場合 トラムセット服薬12時間後に強い疲労感のため体が動かなくなり歩行困難になる。また、しびれが強くなる(持病の増強)。リリカ服薬12時間後に集中力が切れてせん妄状態になる。記銘力低下が顕著になる。再度服薬すればこれらの症状は消失する。禁断症状は極めて強く、仕事を継続するためには薬を飲み続けるしかなかった。


これらの症状はいわゆる「副作用」ではなく「禁断症状」です。禁断症状を抑えるには再び薬を服用する以外に方法がありません。よって薬をやめようと思っても「やめると社会に適応できなくなり職を失う」ためにやめることができません。

両者ともに、同時併用の薬剤はなし。初期の頃はセレコックス、ムコスタの併用がありました。


禁断症状出現時期

58歳男性の場合、リリカ150mgを1日2回服薬するようになって半年後に禁断症状が出現。トラムセットは常用としておらず、痛みの強い時に最大で1日に2錠服薬していました。トラムセット服薬12時間後の疲労感の出現は、同様に半年経過後です。しかし、トラムセットを常用していないために、彼の場合はトラムセットの禁断症状は12時間で消失します(禁断症状が長くは続かない)。よって「トラムセットはいつでもやめることができる


53歳女性の場合、禁断症状の出現時期はリリカを増量して服薬するようになって半年を経過した頃からです。最初の1か月はリリカ75mgを1日2回、その後リリカ150mgを1日2回に増量。その約5か月後からトラムセット1錠を1日3回を併用するようになる。ですから禁断症状発現までの必要服薬期間は半年以上とあいあまいに述べておきます。どちらの薬がどのように影響しているかわかりにくいためです。彼女の場合は「トラムセットの禁断症状の方が肉体にとって非常に辛い」と述べています。その理由は、彼女は半年前からリリカを50mgを1日2回(これまでの3分の1量)に減らしていますが、その際の禁断症状は、トラムセットの禁断症状ほどつらくはなかったからだと言います。


詳しく他の患者を調査すれば、禁断症状発現までの期間と服薬量の関係を判明させることができますが、ここでは症例数が少ないのでわかりません。よっておおよそですが、禁断症状発現までの期間は暫定的に半年と推定しておきます。逆に言えば、半年以内に服薬を中止すれば、禁断症状は発現しにくいかもしれません。

また、両者ともにリリカを1日に300mg服薬を半年以上継続しています。よってリリカは1日に300mg以下であれば長期投与でも禁断症状が成立しにくいと言えるかもしれません。この時点で暫定的にリリカ300mg/日以上服薬している方は禁断症状出現のリスクが高いと述べておきます。トラムセットは1日に2錠から3錠が臨界点と推測します。


離脱までの困難な道のり

禁断症状の出現は逆に言うと薬物中毒(ジャンキー)状態と言えます。服薬を止めようと決心し薬断ちを行うと、12時間後に疲労感、せん妄・不安感・イライラなどが発症し、日常生活を行うことが困難な状態になります。よって薬断ちは簡単ではありません。

 

■58歳男性の薬断ち

禁断症状が出始めて数か月後、それを禁断症状とは認識できず、脳外科にかかり精密検査を受けるが「全く異常なし」と診断される。1年前からせん妄や手のふるえはリリカの禁断症状であると気づき、リリカ75mgを1日1回(眠前)に減量することを試みる。しかし、正午を過ぎたあたりからせん妄・手の震え・集中力低下・呂律悪化が現れる。この禁断症状に耐えながら薬を減らすことを決意。だが、禁断症状の出現は減量してから2か月間近く消失しなかった。つまり彼は禁断症状と2か月間闘ったことを意味する。現在リリカ75mg1日1回では禁断症状が出現しない状況(離脱)となった。

トラムセットの禁断症状(疲労感)は服薬する度にあったが、常用していなかったため12時間程度我慢すれば症状が消失する。よって薬を断つことは「いつでも可能」の状態だったため、問題にはならなかった。今もトラムセットを週に1回程度服薬しているが、禁断症状継続時間が12時間と短いためなんとか仕事に支障はないとのこと。

 

■55歳女性の薬断ち

彼女の場合、長期間トラムセットを1錠1日3回服薬していたため、トラムセットの薬断ちは困難だった。断つとだるさで体が動かなくなるため仕事を継続することができない。1日3錠を1日に2錠にまでは減らすことができたが、1錠にすると必ず禁断症状が出現した。薬剤師にこのこと相談し、製薬会社に問い合わせたところ「稀にだるくなることがありますが・・・」との回答で、まともに取り合ってもらえなかった。

よってまずはトラムセットの減量はあきらめ、リリカの減量を試みる。禁断症状はせん妄と眠気、集中力低下。半年前からリリカ300mg/日を100mg/日に減らし始める。この頃から私は彼女に上頚神経節を行い、この禁断症状を軽減させることに努めた。上頚神経節ブロックを行うと頭がクリアになり4~5日は楽でいられるため本ブロックを行いながら減量を成功させることができた。禁断症状が出なくなるまで1か月半を要した。

トラムセットの離脱は容易ではなかった。服薬をやめると「体が動かなくなる」ためである。当然社会人としての適応ができなくなる。そこで彼女はお正月休みを利用してトラムセット断ちを試みた。1日1錠服薬で禁断症状に耐えた。そのため、正月三が日は犬の散歩にも行けないほど疲労感が強かった。が、これに耐えた。こうした懸命の薬減量への努力を2か月行い、2016年の2月末、ようやく禁断症状が出ない状態になった。


禁断症状との闘いは長く続く

上記2名の禁断症状は「社会人として不適格」のレベルであり決して軽度ではありません。かつ、禁断症状を離脱させるには1.5か月~2か月の闘病生活が必要です。また、離脱時にはこれらの薬剤を服薬するにあたって、原因となった元病気の疼痛などの症状も増強します。よって「抜け出すのは簡単ではない」ことに留意してください。

抜け出すためには「せん妄、強い疲労感」などの症状に1~2か月間耐えなければなりませんので、現在の仕事を解雇されるリスクが高まります。社会人としては極めて厳しい状況に追い込まれることを覚悟しなければなりません。また、禁断症状との闘いを覚悟できない患者はこれらの薬剤に安易に手を出すことはおすすめできません。医師は、患者に「やがて来る禁断症状と1か月以上闘う意志」があるかないかの確認をしてから処方することをお勧めします。また、服薬するのであれば半年以内に限定的に使用することを強く勧めます。あなたが医師であるならば、半年以内に服薬を中止させる計画の元に処方計画を立てることを強く勧めます。


誠意のない注意書き

リリカの注意書きには「急激な投与中止により、不眠、悪心、頭痛、下痢、不安及び多汗症等の症状」が生じうるため、「少なくとも1週間以上かけて徐々に減量すること」と書かれています。しかし、上記の2名の禁断症状は「不眠・悪心・頭痛・下痢・不安・多汗」のいずれでもありません。「せん妄・集中力低下・手の震え・呂律悪化」などであり、製薬会社が正しく禁断症状を把握していないことを推測させます。また、1週間以上かけて徐々に減量すれば大丈夫であるとの誤解を受ける文章です。実際は徐々に減量しようとしても6週間から8週間、禁断症状に苦しみます。医師が減量の方法をアドバイスしても禁断症状を防ぐことができないと思われます。製薬会社は一刻も早く禁断症状の詳細を自ら調査することをお勧めします。


禁断症状を防ぐために精神薬を使う

禁断症状を防ぐために、抗うつ薬、抗不安薬などを用いれば、症状は軽くなるでしょう。しかし今度はそれらの精神科薬の禁断症状に悩まされることになりかねません。最近ではセロトニン・ノルアドレナリンを増強させる系の抗うつ薬が市場に大量に出回っていますが、実はこの薬剤の禁断症状も極めて強く、離脱することは意志が強い患者でもなかなか困難であることがわかっています。

精神科薬は通常ののみ薬と比べると禁断症状が強く、なかなか離脱できないことは、衆知ですので問題ありませんが、「痛みを止める」ことを目的とする鎮痛薬で禁断症状が強く出てしまうことは許容範囲を超えています。なぜならば、痛みを止める方法は、これらの鎮痛薬以外にも様々な方法があるからです。ちなみに、私の全患者(難治性疼痛患者)のうち、リリカ・トラムセットを服薬しているのは上記の2名のみであり、この2名も私が処方したものではなく他の医師が処方しています。つまり、リリカやトラムセット以外に痛みを抑える方法があることを証明しています。

「禁断症状」が出ることを知らされずに服薬を勧められることは避けなければなりません。患者本人がいずれ必ず訪れる(マレではなく、一定量を一定期間以上服薬すればほぼ確実に起こると思われる)禁断症状を知らされずに服薬させられれば、その責任(事故・解雇・年収減の責任)を医師や製薬会社が負わなければならなくリスクが高くなるという意味です。医師はインフォームドコンセントを徹底し、安易にこれらの薬剤を処方しないこと(または使用期間を限定すること)です。そして製薬会社はできるだけ早く、これらの薬剤の禁断症状についての徹底調査を行い、処方する医師や薬剤師らに情報を提供する必要がある思われます。


製薬会社の誇大宣伝に警鐘

リリカ・トラムセット共に売り上げを飛躍的に伸ばしている薬剤ですので、被害者も急増します。リリカは2013→2014年で32.8%増。よって、医師はこれらの薬剤を軽率に処方しないこと。量や期間を限定的に使用すること。処方前に禁断症状のことを患者に伝えておかなければ、禁断症状が強い場合に訴えられて敗訴することもあることをふまえ、インフォームドコンセントを徹底することをお勧めします(禁断症状で自動車死亡事故などが起これば社会問題になります)。ましてや運転手なのどの職業の方へのこれらの薬剤の処方には厳重な注意が必要です。

また、患者は「痛みが止まらないから」といって容易にこれらの薬に頼らないよう注意すべきです。とにかく、量や期間を限定的に使用することを心がけた方がよいでしょう。

製薬会社は自社の売り上げや株価が低下することをおそれ、禁断症状を「めったにおこらないこと」としたいことは企業努力として当然と思われます。しかし、売り上げが減ることを恐れず、正義を貫いて欲しいと思います。もうすでに多くの患者から問い合わせが来ているはずですから、できればそれらを誠意を持って公表したほうがよいと痛感します。

特にリリカはタレントをTV CMに起用し多くの広告費をかけて宣伝している薬剤です。製薬会社が自粛することを強く望みます。禁断症状の認識が一般的になれば、禁断症状中の患者に生じた民事・刑事事件が、その薬剤のせいで不起訴になる可能性もあり、そうした場合に医師・薬剤師・製薬会社の責任が問われる可能性があります。そうならないためにもインフォームドコンセントを行いましょう。


脳の誤作動

今や、テレビなどの健康番組で高視聴率を獲得しようとするがあまり、奇抜かつ極端な医学理論を吹聴する教授陣を出演させ、それをうのみにする国民が極めて増加しています。中でも痛みの原因を「脳の誤作動」とする意見に困っています。

教授をはじめ、名のある先生方は、自分が「治せない痛みを訴える患者」を目の前にすると、それは脳の誤作動(「ない痛み」を勝手に脳で作っている)と考えたい衝動に駆られます。なぜなら「治せない痛み」を訴える患者は、医師のプライドを著しく損なわせるからです。

私はそうした「治せない痛みを訴える患者」を全国から集めて治療をしていますが、その多くをブロック注射で改善させることができます。つまり、脳の誤作動ではないことを次々と証明しています。脳への直接治療以外で治る痛みは「脳の誤作動」ではありません。

ここで問題となるのは、脳の誤作動=精神異常、よって「治らない痛みには抗精神薬を使用する」という傾向に医療界全体がなっていることです。

リリカやトラムセットは中枢に効く薬ですから、「脳の誤作動」的な症状には第一選択薬となっています。しかし、そうした処方が不適切であることは「慢性疼痛患者に対するオピオイド使用に警告」をご覧ください。

確かに、精神的なストレスで痛みの増幅回路が強調されることはわかりますが、それを脳の誤作動と限定するのはあまりにもシンプルな考え方です。痛みの原点は脳ではなく、脊髄にあると予想される場合を私は多く経験していますが、現医学では痛みの原点を特定できる診断技術がないため、脳の誤作動と誤診されるケースが多いと思われます(詳しくは「二次ニューロン性の腰痛の発見」参照)。

さらに現在、サインバルタなどの精神薬が「慢性腰痛」などに適用が認められ、痛みを治すために精神科薬を乱用する時代になってしまいました。

痛みは脳が感じているから脳を叩け!というノリで医学界が動いています。このノリが痛みの原因を正しく治療することの妨げとなっていると感じます。現代は「痛み治療迷走の時代」です。


脳に効く薬は禁断症状が極めて怖い

リリカ・トラムセット共に中枢系神経に効く薬です。サインバルタは「性格を形成するホルモン」であるセロトニンとノルアドレナリンを強める薬です。これら脳や中枢系に効く薬剤には大なり小なり必ず禁断症状がつきまといます。薬が切れた時に「気が狂いそうになるほどのイライラ・不安・あせり・抑うつ」などが現れることもあります。気が狂いそうになる=救急車を呼ぶレベル、です。

10数年前、米国で「性格を穏やかにする薬」として爆発的に売れた「プロザック」という薬剤がありました。シナプスレベルでのセロトニンを増やす薬剤です。現在はこれに改良が加えられ、ノルアドレナリンも同時に増やすようにするなどの工夫がなされ、現在のサインバルタなどの薬剤になりました。そうした性格を変える薬剤が現在「慢性腰痛」に適用が認められる時代になってしまいました。

「痛みのためにイライラ」→「イライラが痛みを増強」というハウリングのサイクルを断つためにこれらの精神科薬は確かに疼痛治療に有効です。しかし、有効であることが「疼痛の原因が脳の誤作動である証拠」にはなりえません。

精神に効く薬剤には禁断症状があり、サインバルタに関しては自殺願望が問題視されています。また、体調が悪い時や、知らずに未知の拮抗薬などをのんでしまった場合に、救急車を呼びたくなるほど強い禁断症状が現れることがあります。そういった危険をかえりみることなく、痛み治療を目的として安易に精神系に効く薬を処方するようになった現代の医学事情を悲しく思います。医者を悩ます痛み=脳の誤作動、とする傲慢な思考がこういう結果を招いていると感じます。


精神薬は医師のプライド治療薬

私は中枢系に効くと言われる疼痛治療薬は、疼痛を治すのではなく、医師のプライドを治すための薬剤であると思っています(皮肉です)。

整形外科医、ペイン科医などは疼痛を治す専門家ですが、それでも「全く治らない」患者が少なくありません。本当に少なくありません。そうした「みじんも効かない」患者は名医たちの評判を落とす、名を汚す、プライドを汚す、医学理論をぶち壊す、存在になります。「治療が全く効かない」理由が、「患者の頭がおかしいからである」と断定できれば、医師のプライド、西洋医学の権威を保つことが可能です。よって彼らはSSRI、他の抗うつ剤などの精神に作用する薬剤を用いて痛みが消失することを極めて喜びます。「薬が効かないのは自分の治療が不適切なのではなく、患者が精神異常だからだ」と逃げることができるからです。彼らは抗うつ薬で疼痛が除去される患者を指差して「やっぱり心因性だ!」と確信を持つようです。私はそうやって彼らが喜んでいる姿を横目でずっと見てきました。

このような現状ですから、「痛みを強く訴える、消えてほしい忌まわしい患者たち」を目の前から追い払うために、これらの治療薬が安易に処方されるという実態を、患者自身が知っておかなければなりません。最近では痛みをブロック注射で治療する専門家であるペインクリニック科の医師でさえ、これらの薬剤に頼るようになってしまっています。彼らはブロックの効かない疼痛を訴える理由が「脳の誤作動」にあると本気で思い込んでおり、それを修正することはここ50年間は不可能だと思います。痛み治療の迷走の時代です。非常に残念です。

中枢に効く系の鎮痛薬は、患者の痛みを治すよりも、医師のプライドを治してくれます。


まとめ

全ての薬剤に副作用がありますが、副作用とは別に「長期間使用していると禁断症状が出現する薬剤」があります。中枢神経系に効く薬の多くは禁断症状を持ちます。禁断症状は製薬会社が無視しようとする傾向があるので一般にその事実は広がりにくいと言えます。また、処方する側の医師にとっても忌まわしい現症であるので「見て見ぬフリ」をしたくなります。よって患者の訴えを聞き流すことも多いと思われます。リリカやトラムセットなどの疼痛治療薬は禁断症状が長く続き、離脱することがかなり困難な薬剤ですのでどうしても服薬したい方はその用量や服薬期間を限定して使用することをお勧めします。製薬会社は禁断症状の実態調査に乗り出し、その結果を世間にも医師や薬剤師にも周知させ、対処法の講習会を行うなど正義を貫くことを切に望みます。

難治性疼痛治療の障害は患者自身

はじめに

私は難聴・耳鳴りをはじめ、三叉神経痛・パーキンソニズム・下痢・過活動性膀胱・潰瘍性大腸炎・筋委縮性側索硬化症様症状、その他あらゆる難治性の痛みなど、「他の医師が治せない症状」を専門に治療しています。その方々を治すにあたって患者自身がしっておかなければならないことを解説しておきます。


治療の最大の妨害は患者自身

私は再度言いますが「他の医師が治せない症状」を治す専門医です。どうしてそんなことを専門とできるのか?は治る患者はどんどん治してしまい、治らない患者だけが残るからであることは以前に述べました。

医学の治療ガイドラインは教授たちがしっかり制作し、それを厚生労働省の官僚たちが管理し、お金にものを言わせて全国の開業医たちをガイドラインに従わせるという方式を日本はとっています。

このため、医師の治療技術は全国どこでも誰でも同じレベルになっています。どこかの医師にかかれば「治らない病気が治る」ということがあってはならないことになっています。

私は「他の医師が治せない症状」を治してしまうわけですから、「あってはならないこと」を医師人生の中で貫いてきたことを意味します。

これはすなわち、大学・教授・学会・厚生労働省を敵に回しながら常に戦い続けたことを意味します。そのため職場もかなり転々としています。解雇されることを全く恐れず、「解雇されることは私の名誉である」と言い聞かせて仕事をしてきました。


私の治療技術はそうした強大な圧力に打ち勝つことから生まれているので、なかなか他の医師たちにマネしてもらうわけにはいきません。マネをすれば同じように職場を追われる覚悟をしなければならないからです。そして場合によっては官僚を敵に回し、資金源を打ち切られることもあるでしょう。その恐怖に打ち勝つことから治療技術が生まれています。ですから、このホームページ上に掲載されている内容から、大きな力に屈しないことが読み取れると思います。

さて、そうした我が身を顧みない捨て身の反社会性を持つことで、他の医師が持ちえない治療技術を獲得した私ですが、治療に関し、それよりもさらに強大な敵が待ち受けています。それは患者自身であることを説明しなければなりません。


患者のプライドが傷つきます

難病を治療するには、難病の原因の真実を厳しく追究しなければなりません。真実をです。例えば、アフリカの黒人女性20代後半の方は、見た目年齢が50歳くらいに見えますが、日本人女性は50歳代でもアフリカに行けば20代後半に見られます。その理由は遺伝子にあります。アフリカ人の遺伝子では皮膚の角化が起こりやすく外的刺激に強い(つまり皮膚寿命が長い)。しかし、見た目にはしわが多くなります。日本人はそれよりも角化が起こりにくく、皮膚がなめらかになります(皮膚寿命が短い)。その代りアフリカ人よりも外的刺激に弱いわけです。


このように遺伝子は見た目年齢などにも強く関わり、その土地土地に有利な状況を生み出します。逆に遺伝子がその土地に適応していない場合、不利なことが起こりやすいのです。遺伝子は難病の原因となっていることが多く、いわば難病になることは「生まれた時からほぼわかっている」ことがしばしばあります。つまり「他の人とは違う!」わけです。


患者の遺伝子が「他の人とは違う!」ことを受け入れさせるのは私の仕事ですが・・・そのためには患者のプライドを著しく傷つけなければなりません。なぜならば「他の人と同じように生活し、仕事をし、趣味をすること」を止めさせなければならないからです。その理由が「生まれつき、あなたの体が弱いから」と述べても患者は納得しないでしょう。それが事実であればあるほど、患者は私に怒りを覚えるはずです。患者の遺伝子の短所を見破れば見破るほど患者の逆鱗に触れ、そして私は患者から不信感を抱かれてしまいます。女性が「容姿が悪い」と言われることを毛嫌いするのと同じ理由で、遺伝子的な理由を述べて生活指導を行うことは、患者のプライドを著しく傷つけます。


医師にとってもっとも怖いのは患者

「虎穴入らずんば虎児を得ず」であり、リスクに飛び込まない限り難治性の症状を治すことができません。リスクとは治療により患者に後遺症などを残す危険性と考えがちですが、医師側から見ると少し違います。治療が成功しなかった場合に評判を落とされる、治療により患者が死にかけたときに正念場となる、後遺症を残した時に賠償しなければならない、治療により痛みが強くなった際にその責任をとらなければならない、場合によっては人生が破滅する・・・などのリスクです。


私はブロック注射を専門に行っていますが、難治性の患者を扱う際は、一般の患者たちよりもリスクが何百倍も高く、その何百倍ものリスクに挑戦する自分自身を「キ○ガイ」であるといつもそう思っています。

落ちたら命のない綱渡りに毎日挑戦し続ける自分を「何と愚か者か」と罵倒したくなるほどです。そして命の綱渡りですから、当然、注射の1本1本に自分の命を削るほど精神を遣います。

教授や学会や厚生労働省ににらまれても、人生は破滅しませんが、後遺症を残した患者に一生にらみ続けられれば、金銭的にも精神的にも身が破滅します。注射を1本打つたびに、人生がゆらぐほどの恐怖を覚えます。おそらくこの恐怖は患者には理解できません。患者は自分が遺伝子的にそれほどリスクの高い患者であることを認めていないからです。


患者は「自分がリスクが高い肉体」であることを完全に棚に上げ、そして「飛行機で何時間もかけてここまで来たのだから、治さなければただでは置かないぞ!」という態度で私に接してきます。

「ただでは置かない!」と包丁を突き付けてきたリスクの高い患者ばかりを毎日相手にし、その患者にリスクの高い治療を毎日行い続ける私は「キ○ガイ」にしか見えないと思います。

私の元にまで来院する患者は、すでに有名な大病院を何軒も回り、そして無効であった強者です。私を含めて医師に不信感を莫大にかかえ、少しの不具合も許さない構えです。そうした崖っぷちに私を追い込むのは患者であり、その患者自身が治療の最大の壁となってたちはだかります。


診断力を知りましょう

私は単に「注射が少しうまい」だけの医師です。その私がなぜ「他の医師が治せない症状」を治せるのか?というと、診断力が極めて高いからです。普通の医師は統計学で診断することを教えられます。例えば患者が腹痛を訴えた場合、確率が高い順に、1、便秘、2、胃腸炎、3、潰瘍、4虫垂炎・・・などと確率の高いものから診断名を想像していきます。しかし、私の場合は治療の医学という他の医師とは全く異なる診断方法を用います。 整腸剤で治らない、下剤でも治らない、潰瘍治療薬でも治らない、胃カメラで異常なし、CTで腫瘍なし、採血で異常なし・・・ならば自律神経系の異常で腹痛が起こっているのではないか?と治療が効く・効かないで病気を消去していき、確率が極めて低く、普通では推測しない診断名を想像していくという診断法を用います。その診断ガイドラインは私の頭の中に出来上がっており、他の医師が「決してマネできない」ものとなっています。


なぜマネが出来ないか?それは大学・教授・厚生労働省・病院経営者たちに逆らった想像力を膨らませなければ到達しない診断だからです。普通の医師にこれらの勢力に逆らって生きる精神力はありません。だからマネができません。


診断能力の一例

先日、両足の灼熱感としびれに10年間悩んでいる60代女性を治療しました。整形外科・脳神経外科・神経内科・精神科・婦人科・一般内科・ペインクリニック科などあらゆる科、あらゆる病院で10年間治療しましたが全く、少しも効果が出たことがない方です。特にペインクリニック科には3年間通院し続け、さまざまなブロック注射治療を行い、「一度も効いたことがない」とのことです。さらに精神科では薬漬けにされ、自分がわからなくなるほどに薬をのみ、最近ではそれでも症状が改善しないので「睡眠薬以外の薬剤を止めた」とのこと。

足の灼熱感が強いので自殺を考えるほどつらいそうです。そうした患者が私の外来でソファーに体をうずくまらせ「お願いです、治してください」と訴えてきます。

さて、遠路はるばる来院した患者に治療期限は4日間。この4日で10年間誰も治せなかった症状をどう治療するのか?が私に求められるわけです。他の医師には「脳の誤作動」と言われています。果たしてこの診断がただしいのでしょうか?


治療の医学の診断力

ペインクリニックで様々なブロック注射を受けても症状がまったく改善しなかったという事実をまず、「信じるか信じないか?」を考えなければなりません。私は基本的に私以外の医師を全く信じていません。どんな名医が行った治療でもそれがうまく成功しているとは限らないからです。坐骨神経に対する様々なブロックが「正しく行われていたかどうか?」を保証するものはありません。そこで私は初日、まずは腰部硬膜外ブロックを行います→無効でした。私は自分の腕を信じていますので、ブロックがミスであったとは考えられません。そこで同日、S1の神経根ブロックを追加します→無効。S1の神経根ブロックは不確定要素が多いので、無効であることを完全に信用できませんが、この結果から「坐骨神経は原因から削除する」という診断を下します。


しかしながら、神経の末梢で起こっていることも「もしかしてあるかもしれない」と考え、翌日、足関節内注射と、末梢の脛骨神経にもブロックします。足根管症候群も考慮してです。しかし、これらも一切効きません。3日目は最も脳に近い自律神経をブロックするため上頚神経節ブロックを行いますが、これも無効。そして胸髄に原因がある可能性も考えて胸部硬膜外ブロックを行いましたがこれも無効でした。この間にMRIで胸部・頚部を検査しましたが、異常なしでした。


4日間の期限のうち、ここまでで3日が経過し、患者は「症状が酷くなった」と訴えます。崖っぷちです。ここまでの私の診断では、「腰髄・胸髄には原因箇所がない」「もちろん末梢にも原因がない」「脳の誤作動でもない」(上頚神経節ブロックが全く無効なため)と考えます。そして残ったのは頸髄のみです。この消去法で頸髄に足の灼熱感の原因がありと診断します。ただし、原因があると仮定するならば、原因箇所付近にはほぼ必ず炎症や癒着があり、ブロック注射は極めてミスしやすく危険であることが想像されます。最終日まで頸髄にブロックをしなかったのはそのためです。そして頚部硬膜外ブロックをC6/7に行ったところ、症状が半減し、それが数日たっても改善したままであるとの報告を受けました。これにより、両足の灼熱感・しびれの原因は「おそらく頸髄にある」という診断にまでたどり着きました。当然ながら現医学レベルではこの病態は全く解明できません。


また、現保険制度ではこうした「治療の医学による診断」は認められていません。よってこれらは自費診療になります。

自費診療と言っても、私が医者生命を賭けてこれほどリスクの高い患者に治療するだけの料金はいただけません。おそらく、もらうべき治療費の1割程度しか請求していません。しかし、それでも患者にとっては保険が効かない分、大金だったことでしょう。患者は半分しか症状がとれていないことに不服だったのかはわかりませんが、敬意やお礼の言葉はほとんどなしです。遠路はるばるやってきたんだから当然だろうとでもいいたげです。命を賭けて行う治療さえ、これほど評価されないものです。評価さえされない治療に命を賭けるという愚かなことをやって初めて私のような診断能力が養われます。注射は少しうまいだけの医師ですが、診断能力は他の医師たちよりも桁違いに高いと思います。


桁違いの診断能力は常識外れ

足の灼熱感の治療のために首に極めてリスクの高いブロックをする医者が、どこにいるというのでしょうか?「足のしびれの原因が首」という発想は常識外れです。この常識外れを毎日繰り返すのが私の診療スタイルです。当然ながら常識外れを理解できる患者はいません。「常識がはずれている」と患者から見ても私はそう映ります。なぜなら、私の診断結果に同調する医師は日本にはいませんし、テレビなどのマスコミが吹聴している「診断名」はほとんど嘘ですが、患者はむしろ嘘の方を信じているからです。


私は徹底したブロック技術により、まず失敗しないブロックが出来ますから、「私のブロックで無効であれば、その診断名は間違っている」と判断します。しかし、こうした判断を患者に説明すると「傲慢な天狗医者だ」と私のことを見るようです。「私のブロックは間違いないから」その私のブロックで効かないなら他の病気を考える・・・「間違いない」という発想が「傲慢な天狗医者」であると患者が判断するようです。


私の診断力をバカにしたい先生方は日本中におられると思います。それは受けて立ちます。しかし、患者が私をバカにした場合、私がその患者に大胆な治療を行うことは医者生命が奪われるほど危険なものとなります。

考えてみてください。足がしびれているのに首にリスクの高い注射をするのです。もしもそれで患者が意識不明の重体にでもなった場合、私の医者生命は終わるでしょう。法廷で申し立てたところで、常識外れの診断ですから「過失致死」が認められず、場合によっては殺人罪で起訴される可能性もあるわけです。常識を外れることは医師にとって「法を犯す」ことと意味が類似しています。

そうした身の危険を顧みない治療を「自分を信頼していない患者」に行う私は、気が触れているとしかいいようがないと思います。


私がこれほどの自殺行為を繰り返していると、本当に自殺しなければならない破目になるかもしれません。そこで私はさすがに「私に敬意と信頼を払えない」患者にはリスクある治療をしない方向に進まざるを得ません。

私の診断能力は治療の医学ですから、治療をしない限り診断もつけることができません。だから敬意と信頼のない患者には診断することも不可能になるわけです。私が難病を治療する上で、最大の障壁が「患者の不信感」なのです。不信感は敬意がないことからすぐに見破ることができます。


信頼のない患者に長期の治療は不可能

一度では効果が出ない治療が多々あります。難聴・認知症・自律神経失調症など、脳神経に起因するものです。これらの症状には、脳の血流を上げるために上頚神経節ブロックを行いますが、血流増加の効果はせいぜい半日であり、1週間のほとんどを患者は「血流の悪い状態」で過ごしています。よって治すには繰り返しの治療が必要になります。

しかし、効果は「本人が自分をよく観察」しておかなければわかるものではありません。脳神経系の治療ではなおさらです。いきなり1度の治療で治ると言うようなおとぎばなしを信じている患者は「何度も繰り返し治療する」ことができるわけがありません。


治療を行うと、たまに「とても良く効いてしまう」ことがあり、瞼が垂れる、口が麻痺する、声がかすれる、首が持ち上がらないなどの症状が注射後1時間くらい続くことがあります。医師を信頼していない患者はこうした症状を「一生続く後遺症の可能性がある」と勝手に想像し、自ら治療を中断してしまいます。

さて、こうして治療拒否してきた患者にどう接すればよいのか?私は今でも悩んでいます。


治療に立ちはだかる患者

私は医師人生の中で、常に敵と戦ってきました。学会・教授・厚生労働省・病院経営者たちと。強い力には逆らう精神を常に身につけてきました。「いつ解雇されても構わない、私の邪魔する者は何人たりとも許さない」と自分に言い聞かせ、難病治療に携わってきました。そして患者が私の治療を受ける際に邪魔をする家族とも戦いました。


しかし、問題はもっと身近にあります。治療を邪魔する最大の敵は患者本人なのです。患者は弱者であり立ち向かう存在ではないと考えるかもしれません。しかし、現実はそうではありません。信頼も敬意もない患者は「何かを犠牲に何かを治療する」という考え方がありません。何かを治した時に少しの不具合が起こると、その不具合を徹底的に糾弾してきます。難治性の症状を治すには必ず何かの犠牲がつきまとうのですが、犠牲を払うことは絶対にいやであると考える患者が少なくありません。


すでに私は多くの犠牲を払い、今の治療技術を得ているわけですが、自分はリスクにも犠牲にも飛び込まないが症状だけは治して欲しいと患者は言ってきます。私はすでに患者が払う犠牲を最小限にとどめるための研究と修練を毎日行い、最低でも他の医師たちよりも犠牲が少ない治療を行えます。それさえも理解しない、敬意のない患者が私にとって最大の敵と言えるでしょう。

一般的に患者は弱者ですが、何かあったら許さないという態度で立ち向かってくる患者は弱者ではなく、私の医師人生でもっとも強者であり最大の敵です。学会や厚生労働省よりも鋭い牙で私の首元を襲い掛かってきます。


強い者には最後まで戦いを挑む

私は強い者に刃向う精神力を常に鍛えてきました。そして患者は基本的には弱いのですが、敬意も信頼もない患者はもっとも強いことがわかりました。私は強い患者には絶対に媚びを売りません。患者の身分も地位も関係ありません。私は患者に憎まれ・恨まれ・嫌われることにみじんも臆しません。


医師は先生と呼ばれます。それはたとえ患者が人生の先輩であっても、健康管理は私に長けたところがあるからです。健康管理を行うには甘えを取り去った厳しい忠告も時には必要であり、患者がいやがることでもアドバイスしなければならない場面が何度もあります。その場面で先生が生徒に媚びてどうするのでしょう。


一方で私は患者をおもいっきり甘やかします。私の力のみで治せる症状なら、患者に一切の生活指導を行いません。私におんぶにだっこの人生を歩ませて差し上げます。しかし、難治性の症状を改善するには、私だけの力ではどうにもならない場合があり、その場合は患者に嫌われようとも、徹底的な生活指導を行います。痛いことにもとびこんでいただきます。私は「患者に絶対に媚びない」ことを誓って生きています。理由は何度も言いますが、患者が最大の敵だからです。


最大の敵の面倒を見る理由

私の最大の敵は敬意も信頼もない患者です。しかし、信頼していない患者を説き伏せ、リスクある治療を受けさせることが私の毎日です。リスクの責任は私が負います。よって信頼のない患者にリスクある治療を行うことは、私にとって医師人生を賭けたものとなります。


毎日毎日敬意のない患者にリスクある治療を行うことで、私自身のリスク管理能力が極めて向上します。つまりリスクを起こさなくなります。この能力を他の敬意ある患者に使うために、敬意のない患者を全力で診療しています。これが真に「敵に立ち向かう」という意味です。


敬意のない患者に対し、診断が誤っていると、治せないばかりか、悪化させてしまうこともあります。よって診断さえも油断が出来ないわけですから、診断力もますます研ぎ澄まされていきます。そしてこの能力を後輩医師たちに伝え、日本の老いを微力ながらも救うつもりでいます。

敬意と信頼のない患者は私にとって最大の敵であり最大の教材です。これらの敵に立ち向かうことで多くの善意ある患者を救えます。そのおかげで毎日の精神疲労は極めて高く、長く続けられるかどうかわかりません。しかし、誰かがやらなければならないことだからやっています。


あなたはどちらの患者?

私の元には遠方から医師不信の患者ばかりが訪れます。敬意のない患者、ある患者、どちらでも構いません。しかし、一度の治療でなんとかしてほしいなどと甘えてくる患者は、どちらにしても治療は無理です。無理ならば遠路はるばる来院する必要はありません。


もともと、現在の難治性の症状には、必ず患者の遺伝的な要素が加わっています。生まれながらに劣ったものがあるわけですから、それを治すには何かの犠牲を伴います。そうした犠牲を払いたくないという勇気のない方は、その症状をひきずるしかありません。最後に厳しいことを言いますが、己を知らなければ病気は治せません。治らないのを医師のせいにしようとするのではなく、己のことを考えようとする姿勢が大切です。


私は今後、弟子を作り、全国各地で難病を治せる医師を増やしていくつもりです。遠路はるばる来院するのではなく、その時が来るのを待つことの方が現実的だと思います。しかし、その際も、医師の最大の敵は患者であることを真摯に受け止めておいてください。通常の医師は私のように精神力が強靭に鍛えられてはいないものですから。医師に牙を剥けば、難病への治療は行われないことを認識しておいてください。難病や高齢に治療を挑む医師には敬意が必要です。


私がこうした文章を書く背景には、敬意のない患者が全国から遠路やってくる機会が増えたからです。そこまで労力をかけて来院されるのですから、もう一歩前に進み、難病治療に立ち向かう医師への敬意と信頼を持ち、治療に賭けていただければと思います。そうでなければお金も労力も、私と出会ったことも全てが無駄になってしまいます。

日本の医療の難題1 医療税制と財政赤字

財政赤字は社会保障費による

医療費を含む社会保障費はH27年度には31兆円を超えました。新規国債発行額は37兆円ですから、日本の借金は社会保障費がかかりすぎるためであると言っても過言ではありません。日本はホームレスでさえ最高の医療が受けられる慈愛に満ちた共産主義医療体制です。おかげで天皇陛下も資産家もホームレスも、身分や裕福さによらず同じ治療なのが日本という国です。道徳的に極めてすばらしい国と言えるでしょう。しかしながら、労働者が減り、お金を稼ぐことのできない高齢者や生活保護者が増えると、とたんに日本は借金地獄に陥ります。お金を稼がない人に対しても平等に最高の医療をかける国だからです。医療費を削減できれば、間違いなく日本の赤字は解消されます。


そこで何十年も前から言われてきたのが、混合診療を認めることでした。ある一定ラインまでは保険が支払い、それ以上の治療は自由診療(自費)とすることでした。自由診療を推進すれば国の財政赤字は大幅に減ります。まずは「どれくらい減らすことができるのか?」について以下にシミュレーションします。最初に断っておきますが、このお話は年収5000万円以下の開業に限定して述べています。また、経費を70%未満に抑えている開業医のお話です。一般的にはこれらの条件に一致する開業医が過半数であると思われます。


自由診療が増えた時の国(公)側の収支

保険診療をメインで行っているAクリニックと自由診療を多く取り入れているBクリニックを例に、国(公)側の収支を考えます。


Aクリニックでは

  • 保険診療収入 4800万円
  • 自費診療収入 200万円
  • 実際にかかった経費3000万円

 

Bクリニックでは

  • 保険診療収入 2500万円
  • 自費診療収入 2500万円
  • 実際にかかった経費3000万円

保険収入の約2割が自己負担、8割が保険負担とします。単位:万円

保険報酬 税収 国(公)側の収支
Aクリニック -3440 +580 -2860
Bクリニック -2000 +732 -1268

 

自由診療が4%から50%に増えると国(公)側の支出は半分以下の44%になります。この数字は驚愕的です。全国的に自費診療を推進していけば医療費の国(公)側の支出が半分以下にすることも可能でしょう。財政赤字も解消できるでしょう。自由診療を推進するというだけのことで国がかかえる財政赤字の問題を解決できるわけですから、国としては自由診療を推進したいはずです。しかし、自由診療推進は事実上、阻止する方向に動いています。それには様々な理由がありますが、ここでは一般的に言われている建前の理由を語るのではなく、真の理由を考えていきます(日本医師会などが解説している建前の理由については後ほどのシリーズで解説します)。


自由診療にかかる重税

 

再び上記A,Bのクリニックで、自由診療費に税金がどのくらいかかっているかを見てみます(措置法26条が適用される5000万円以下の年収で計算します)。

  • A 保険4800(経費2880 税500 手取り1420) 自由200(経120 税20 手取り60)
  • B 保険2500(経費1500 税249 手取り751)自由2500(経費1500 666 手取り334)

 


単純な収支の比較

A 税金520 手取り1480

B 税金909 手取り1085

 

  • A,Bともに売り上げも、かかった経費も全く同じであっても、Bは自由診療をメインにしているため税金を389万円多く支払い、手取りで395万円も損になります。

売り上げも経費も同じなのに、Bクリニックではなぜこれほど多くの税金を払わなければならないかというと、Bでは自由診療の経費が実際には1500万円かかっているのに、措置法26条の計算式では経費がたったの740万円としか認められないからです。よって自費診療では「莫大な利益が出ている(利益が1760万円)」とみなされてしまい、年収が1800万円超とされ、所得税で40%もの重税がかけられてしまいました(Aクリニックでは33%)。だからこれほど手取り金額に差がついてしまいました。


売り上げに占める税金の割合比較

A(保険)売り上げ4800 経費2880 手取り1420 500

売り上げ 経費 手取り
A(保険)4800 2880 1420 500
A(自由)200 120 60 20
B(保険)2500 1500 751 249
B(自由)2500 1500 334 666

2016-02-22

 

上記のようにAクリニックでは見事なくらいに自由診療と保険診療の税率が同じになることがわかります。手取り年収:税金=3:1 になるように仕組まれているということです。つまり、国(厚生労働省)はAクリニックのような診療スタイルを予測して税制を施行していると言えます。

ところがBクリニックのように自由診療をメイン(約半分)に経営している場合、税金は極めて(法外な)税率を課せられていることがわかります。手取り年収:税金=1:2 となり、税金が収入の倍という重税です。こんな重税を平気で支払う開業医がいたとすれば、正気の沙汰ではありません。手取り金額の2倍の額を税金として支払っているのですから。自由診療をすればするほど著しく税金が高くなる仕組みがわかります。


自由診療で1万円の売り上げをあげると、1340円しか手元に残らず、8660円が経費と税金です。措置法26条は「自由診療にとって極めて重税を課す税法」であることがわかります。ここで問題になるのはサプリメントなどの物販です。定価1万円のサプリメントを原価6000円で仕入れたとします。良心的な医師は定価の1割5分引きで販売しました。すると、この商品一つを売る毎に150円の赤字が出てしまうところです。もしも7000円で仕入れ、8500円で得ると、なんと赤字が1150円になるのです。サポーターなどの物販も同じです。定価の8割で仕入れ、それを定価で売ると6.6%の赤字です。ご存知でしたか?


Bクリニックでは物販を自由診療で行うと、極めて理不尽なビジネスとなります。ですから、自由診療をメインで行っている診療所では、元値がかかる物販は、売れば売るほど赤字となります。おそらくこのことを、開業医たちは認識していないと思われます。自由診療重税がここまで酷いことをいったい開業医のどなたがご存知でしょうか? 多くの開業医は自由診療をメインにしていないのでこの事実を知らないだけなのです。措置法26条はそういう制度なのです。


この重税は開業医だけでなく患者の財布を直撃します。例えば自費診療として患者が1万円を支払った場合、税金として2660円を支払っています。消費税を計算に入れると30%以上の税金を患者側が負担していることになります。しかもクリニック側では1340円しか利益が上がっていません。もしもクリニック側が自由診療でも「保険診療と同等の利益」を得ようとするならば、自由診療費を保険診療の2倍以上にひきあげなければなりません。


現実問題として、自由診療では保険診療よりも手間をかけなければなりません。つまり必要経費は保険診療経費よりも高くつきます。よって診療費は2倍の設定でも割に合いません。結局、自由診療で保険診療と同額の利益を上げるためには保険診療費の3倍にしてようやく採算ベースに合ってきます。保険診療を3割としても、自由診療では30割であり、患者の支払う金額は10倍となるでしょう。患者に普段の10倍の診療費を支払わせ(高齢者では30倍にもなる)、医師が治療するとなると、「治せなければ患者に酷評される」ことが明らかです。よって自由診療で少しの利益を上げるためには、日本では「評判が落ちて倒産するリスク」を背負わなければなりません。一体、誰が、どこの開業医が酷評されるリスクを背負ってまで積極的に自由診療を行うでしょうか? いいえ行いません。つまり、日本では自由診療が税法上「してはいけないこと」となっているのと同じなのです。


措置法26条を適用しない場合

Bクリニックでは自由診療を多く行っているという理由で、実際には売り上げ・経費がAクリニックと同じであるのに、税制で極めて理不尽な重税をかけられています。そこで措置法を適用しない場合を考えましょう(経費を6割に抑えているのに、措置法26条を用いたほうが不利益になるという時点で、この税法は公正さがありません)。

措置法26条を適用しないとなると、開業医も一般企業と同様の税金を支払います。2000万円の収益に対して税金がかかりますので、所得税が520万円、地方税などが200万円で720万円の税金がかかり手取りが1280万円になります。これでもAクリニックの1420万円とくらべて140万円も手取り年収が減ります。つまり、自由診療をメインで行う=優遇税制を受けられないこと! を意味します。

 


経費節減するほど自由診療が重税になるしくみ

上記のA,Bクリニックのシミュレーションは、経費を6割として計算しています。しかし、クリニック開業6年目以降や15年目以降は減価償却が終了し、経費は人件費以外にほとんどかからなくなります。このタイミングで人件費節減を行えば、小さなクリニックでは経費が5割を切ることも可能になります。そうなると措置法26条の優遇税制がさらに有利に働くようになり、税金がほとんどかからなくなります。こうなると自由診療の重税がますます顕著化します。経費が少ないほど措置法26条で優遇されるわけですから、この状態で自由診療を行うことは「極めて高い税金」を納めることになります。つまり、開業6年目以降に自由診療を行うことは益々「重税がかかっている」ことになっています。


交通事故は20割の理由

交通事故などの第三者行為による病気の治療は全額自費です。一般の方々は知らないと思いますが、交通事故での治療費の請求額は保険診療の料金の20割=2倍です。なぜ2倍も請求されるのか? 疑問に思う方が多いでしょう。その理由は実は「自由診療重税」にあります。さきほどのシミュレーションでは、措置法26条を用いると、Bクリニックでは利益の66.7%が税金でした。例えば、自由診療での診療費1万円の内訳は、経費が6000円、収益が1300円、税金が2700円となります。これが保険診療で稼いだ1万円の場合、内訳は、経費が6000円、収益が2700円、税金が1300円になります。つまり、自由診療では収益が半分になります。これを防ぐために自由診療費を20割(2倍)にし、収益が保険診療と同じになるようにしているのです。自由診療は税金が多くかかっているので請求額が2倍になっているというからくりがあります。ただし、これは措置法26条適用の場合のシミュレーションであり、年商5000万円以上の病院、経費が70%に達しているクリニックではこの計算は意味がありません。


混合診療解禁後の日本

日本の国会では毎年のように「混合診療解禁」の議題が提出され、その法案が却下されるということが繰り返されています。誰がどのような政治的な圧力をかけ、法案を却下させているか?は後ほど述べるとして、心配しなくても、法律で混合診療を解禁にしたところで、日本では自由診療が増えません。その理由は、上記のように自由診療には法外な重税が課せられるからです。法外というのはまさに読んで字の如くであり、おそらく憲法違反なレベルの重税となっています(公正さに欠けています)。しかしその違法性が指摘されない理由は、措置法はそもそも開業医を優遇しているからです。たとえ措置法が自由診療に対しては違法な重税であっても、保険収入に対する税と合算すれば一般企業の税金とほぼ同等となること、「措置法を自由診療に対する「違法性の高い重税」と呼ぶならば、措置法を使わなければよい」、という選択枝を残すことで違法性を回避しているといえます。


しかし、実際は保険を使えば収入が増え、自由診療をすれば収入が減るという仕組みは自由診療に対する違法な抑圧であり、違憲であると私は考えています。

さて、国にとっては自由診療を認めたほうが、財政が助かるというのに、開業医にとっては自由診療をすればするほど重税がかかるという仕組みになっているので自由診療が広まることはまずないと言えます。

自由診療をすればするほど「余分に儲かる」と普通の方は思うかもしれませんが、自由診療は手間と時間がかかること、自由診療をすると保険診療に当てる時間が必ず減ってしまうことを考慮すると、今の税制では混合診療に魅力がありません。よって混合診療を解禁にしたところで自由診療は広まりません。


自由診療重税と税理士

自由診療をすれば重税となるかどうかは、開業医の実際にかかった必要経費の割合と保険診療収入の割合に依存しています。開業医は5年目以降、実際にかかる経費がかなり安くなります。減価償却が5年でほぼ終わるからです(建物の場合は15年償却)。この時期にリストラを行い、人件費を削減すると、措置法26条により極めて大きな利益を得ることができます。しかしながら、同時に自由診療を行うと、これに対する税金は想像を絶する重さとなり、措置法で得た利益を自由診療に対する税金が食いつぶしていく仕組みになっています。つまり、経費節減をすればするほど、自由診療収入が全体に占める割合が高くなればなるほど、税金が高くなります。


おそらく、このことを正しく理解している税理士は少なく、または知っていたとしても開業医に言わない税理士がほとんどであると思われます。そして「自由診療に対して重税が掛けられている」ことを税理士に相談すれば「私たちは全体の収支で税金を考えますから」と回答するでしょう。なぜなら、この違法性の高い重税に対して「答えがない」「答えられない」からです。理不尽極まりない税制であるのに、全体として見ればそれほど高い税金ではないからという理由で無視されます。

しかし、現実は違います。措置法26条を適用するとAクリニックでは手取り年収が1480万円で、Bクリニックでは1085万円です。たった1年で高級新車1台分の差が出るのです。これほどの差が出るというのに税理士の「私たちは全体の収支で税金を考えますから」「その場合は措置法を適用しません」という回答に納得するのはおかしいでしょう。開業医が税制に対しあまりにも無知なのでこのような理不尽がまかり通るのでしょう。


国の財政赤字解消の切り札

日本が社会保障費のふくらみによる財政赤字を解決するためには、自由診療を推進するための国家レベルでの行動を起こさなければなりません。しかし、「混合診療を認める」ことを行ったとしても、現在の税制では自由診療が広まらないことが明らかです。Bクリニックでは自由診療にかかる税金が26.6%であったことを思い出してください。1万円を儲けるために2万円の税金を支払っているわけですから。これがどれほどの重税かわかります。


そこで、今後、自由診療に対する税法を見直すことが必要になります。自由診療に対する必要経費を保険診療に対する経費率よりも高く設定すればよいのです。措置法26条を自由診療に対しても認めればよいのです。こうすることで国の税収入は少し減りますが、保険診療報酬支払い額が激減するため、国の財政は10兆円規模でプラスに傾けることができます。


「混合診療をさせてはいけない」とする共産主義的な意見があることはよく存じていますが、別に「混合診療を認める」必要はありません。現状の法律のままで構いません。措置法26条の枠を自由診療収益にまで拡大するだけで自由診療が広がります。自由診療は現在でも法律で禁止されていません。混合診療は禁止されていますが、その法律は変える必要がありません。税法だけ変えればよいだけのことです。たったそれだけのことで国の財政危機を乗り切れます。なんとスマートでしょう。


なぜ自由診療に優遇税制を敷けないのか?

自由診療に優遇税制を認めるだけで国の財政危機を立て直すことができるのですから、今から50年間だけ、そういう法律を制定すればよいでしょう。今から50年間が「超高齢化社会」に日本が苦しむ期間だからです。なぜそんな簡単なことを国会議員たちができないでいるのか? それには大きな政治的な力が働いているからです。社会保障制度を牛耳る大きな勢力です。次のシリーズではその大きな勢力を語る前に、保険診療が引き起こしている障害について考えることにしましょう。

日本医療の難題2 保険診療の弊害

はじめに

私は特に混合診療推進派ではなく「保険診療の良さも悪さも考えましょう、そして日本の財政を考え、社会保障費の膨らみすぎで将来的にデフォルト(債務放棄・徳政令)に向かわせないようにしましょう」という考えの元に意見を述べています。混合診療の長所・短所が述べられ、日本医師会では「混合診療に反対」の立場をとっていますが、その前に、現在行われている国民皆保険制度(保険診療)が実際にもたらしている弊害(短所)について考えてみましょう。国民の皆様は、医師も含めて混合診療の短所を述べる方は大勢おられますが、保険の短所について言及している方はほとんどおられないと思います(不思議ですね。その理由は後ほど述べます)。


日本の財政では保険制度に十分にお金を支払う能力がすでに欠如しているので、本来は治療をしなければならない患者に対し、「治療を行ってもお金の支払いを拒否する」ということが日本各地で起こっています。まずはその実態をしっかり認識し、すでに一部の科、一部の病気で保険制度が崩壊していることを国民が知るべきだと思います。ここでは整形外科・ペインクリニック科を例に挙げ、保険側で支払い拒否を行っている実態について述べて行きたいと思います。


保険診療の不具合例

 

  • メニューにない:関節内洗浄、手根管内注射、滑液包内注射は料金請求不可
  • 適用が認められていない:突発性難聴に星状神経節ブロックを行うなど
  • 料金が他の手技に含まれてしまう:透視下で注射、超音波下で注射、関節穿刺
  • 値段が高い手技は回数を限定される:症状詳記を書かないと支払い拒否など
  • 値段が不当に安い手技はほぼ無制限:関節内注射・腱鞘内注射は何箇所でも可
  • 治療間隔が1週間未満:前の治療との間隔が6日であれば月に2回しかしていなくても2回目は支払い拒否される
  • 1日に1箇所:病気が二つ重なっていても1日に2箇所すれば2箇所目は支払い拒否
  • 慢性期の支払い拒否:ブロックなどの比較的高価な手技は治療期間が長引くと支払い拒否される
  • 専門医以外の行う行為:内科医が硬膜外ブロックを行うと支払い拒否
  • 施設許可が下りていないもの:理学療法(クリニックが狭いと許可が下りない)
  • 儲けが高く、患者一人当たりの1ヶ月の平均医療費が高い:厚生局から指導が行われることが法律で定められている
  • 医師をあせらせ医療事故が増える:料金設定を年々引き下げて行くことにより、医師たちは経営を維持するために多数の患者を短時間で治療することを迫られる。これにより最も重要視しなければならない安全性が低下し実際に医療事故が多発している。
  • 不要な検査が増える:不当に安い診療費の穴埋め
  • 診断がついていない病気には支払い拒否

 

以下、それぞれどのような弊害が起こっているのかの具体例を挙げます。


1、メニューにない

例えば、化膿性膝関節炎では関節内の細菌数をできるだけ減らすために、関節内洗浄が必要です。関節内洗浄にはコツがいり、かつ時間がかかります。20ccの注射器で5回ほど洗浄するだけでも数十分かかります(中に滑膜のゴミがたまっているため針先に吸い付いて簡単に洗浄できないからです)。この作業には医師の人件費として1万円前後のコストがかかりますが、関節内洗浄のメニューがないので料金を請求できません。よって、どの施設でも関節内洗浄を行なわないのが一般的です。細菌感染による関節炎は放置すると軟骨や滑膜が破壊され、関節周囲も癒着が進み取り返しのつかない後遺症を残します。患者が激痛で苦しんでいても、抗生剤の点滴のみで放置しなければなりません。理由は保険のメニューに「関節内洗浄」がないからです。見るに見かねた医師が関節内洗浄を行う場合がありますが、それは必ず赤字となる「奉仕活動」でしかありません。


手根管症候群では手根管内にステロイド+局麻薬が非常に有効ですが、これもメニューにありません。五十肩にはどこの施設でも肩峰下滑液包に注射を行いますが、これもメニューにないため「関節内注射」を行ったことにして関節内注射の料金を請求しています。有効な治療であり、頻繁に行う治療であるにもかかわらず、メニューリストにない手技が多く、臨床医は手技料金を請求できずに非常に困っています。


2、適応が認められていない

有効であっても保険側がその有効性を認めないために適応がとれず治療ができないということがごまんとあります。基本的に保険側が支払いを認めるのは「医学的に有効と実証されたものだけ」という立場をとっています。それはもっともです。しかし有効であることは広く理解されていても、数字や画像で立証できない症状があります。


例えば、星状神経節ブロックは200以上の疾患や症状に有効性が認められていますが、保険側は頚肩腕症候群くらいにしか適応を認めていませんので、頚肩腕症候群以外の疾患にこのブロックを行うと支払いを拒否してきます。適応はその病気を担当する専門医(例えばアレルギー性鼻炎なら耳鼻科医)が適応を認めれば保険が認められるようになります。しかしペイン科の医師がアレルギー性鼻炎を治療するために星状神経節ブロックを行い、その治療が有効であっても、耳鼻科医の反発があるおかげで保険適応になりません。世の中にはこうした科間の論争のために保険適応が通らないものが多数あります。本気で治そうとする医師は論争を無視し、保険を無視して患者を治療しようとしますが、その際に保険というものが障害になるわけです。


また、経口薬は値段が安いので適応が認められていますが、注射薬は値段が高いので認めないという薬もあります。腰部脊柱管狭窄症でしばしば用いるパルクスやリプルなどの静脈注射薬です。保険適応が認められていない治療であるのに、患者がその治療を懇願した場合、たいていの開業医はカルテの改竄という「法を犯す処置」をやむを得ずとることが多いようです。例えば、アレルギー性鼻炎に星状神経節ブロックを行う際に「肩こりで治療を受けている」ことにし、傷病名を頚肩腕症候群という虚偽の病名を記載して保険側に請求します。パルクスやリプルも一昔前までは整形外科医が腰部脊柱管狭窄症の患者に「閉塞性動脈硬化症」と嘘の病名を書き、湯水のように使用していました。こういった虚偽報告に対し、保険側は「虚偽の病名の雰囲気があれば支払い拒否をする」という「雰囲気による支払い拒否措置」をとります。虚偽の事実ではなく、疑惑があれば支払いを拒否するという非常に横暴な措置です。


例えば、アレルギー性鼻炎に星状神経節ブロックをする医師は「頚肩腕症候群」という病名をつけて適応させようとするのですが、同時にアレルギー性鼻炎の治療薬であるセレスタミンを処方すると、保険側の審査員に「星状神経節ブロックを鼻炎治療に使っている」と勘ぐられ、そして虚偽の証拠もないままにあっさり支払い拒否をしてきます。


パルクスやリプルに関しては薬価が5000円以上もする薬剤で、仕入れ値も4500円くらいかかります。これをある日突然支払い拒否が行われると、数十万円から数百万円の損害になります。保険側のこうした大胆な(違法ともとれる)支払い拒否を食らった開業医は、その後二度とパルクスやリプルを使用しなくなります。つまり、保険側は開業医に「大きな痛手」を与えて適応外の使用に対して「お仕置き」をするわけです。ところが、この「お仕置き」は適応の通っている閉塞性動脈硬化症の患者に対する使用にまで影響を及ぼします。なぜなら「疑われれば罰される」わけですから、動脈硬化の証拠がなければこの薬剤を使用できないことになります。動脈硬化の検査機器を全ての開業医が設置しているわけではないので、設置していない開業医は本当の閉塞性動脈硬化症の患者にさえ使用をためらうようになります。これが本当の弊害です。


3、料金が他の手技に含まれてしまう

 

股関節や仙腸関節、椎間関節などは触って確認ができないので、ここに注射をするためにはX線で透視しながら行います(最近は超音波で透視します)。例えば股関節にX線透視を使って数十分かけて注射をしたとします。これには医者の人件費1万円と透視機器の使用料金4000円、造影剤3000円、などを合わせると、1万7千円くらいのコストがかかります。さて、この治療に保険側はいったいいくら支払ってくれるでしょうか? 答えは800円+αです。保険側は関節内に注射するという手技代として800円とそれにかかった薬剤の+αを支払いますが、それ以外の透視にかかった費用は800円の中に合算することにしています。 上記の1万7千円は実際にかかっている費用ですので保険側が800円少々しか支払わない場合、この治療で1万5千円以上の赤字となります。


つまり、実際には「透視を使って関節内注射をすること」に保険側は「お金を支払わない」ことを断言しています。これは「国にお金がないから透視による注射を認めない」と言っているようなもので、透視を使用することを禁じているのも同然で、ある意味、基本的人権の尊重を無視した違法性の強い支払い拒否といえます。国側が関節内注射を受ける国民の権利を剥奪しているからです。


臨床現場では股関節や仙腸関節、椎間関節の痛みで苦しんでいる患者は大勢存在しますが、それらの治療には鎮痛薬しか認められていません。つまり適切な治療で治るチャンスを国側に剥奪されていると言えます。これが日本国憲法違反の色彩が濃い「保険側の支払い拒否」の実態です。正当な治療を受ける権利まで剥奪しなければならないほどに保険制度は壊れています。関東○○病院を頂点とするペイン科の医師たちは「透視下に様々なブロック治療」を行うことで名をはせていますが、彼らはおそらく、現在の保険制度に怒り、悩み、苦悩していると思います。


4、値段が高い手技は回数を限定される

例えば頸・胸部硬膜外ブロックは手技料が1回¥15000と高く、これを毎週行うと、何の理由もなく支払い拒否される恐れがあります(全てを支払い拒否されるわけではなく4回分のうち2回を拒否されるなど)。また、このような高い手技の場合「なぜブロックが必要であったのか?」を示す症状詳記を添付しない場合、支払い拒否をされる可能性が高まります。開業医にとっては、1回分でも支払い拒否をされるとかなりの痛手となるので、毎月、強迫観念にかられながら症状詳記を書いて保険審査を通さなければなりません。そうした人件費・労力を強要し、精神的な従圧を与えることで「値段の高いブロックをさせないように医師に圧力をかける」ことが許されています。高いブロックだから支払いを拒否するという姿勢は医の理念に合いません。


5、値段が不当に安い手技はほぼ無制限

関節内注射や腱鞘内注射は不当に安い値段設定にされています。¥800と¥350です。患者を診察室にいれ、話を訊き、診察台に上らせ、ポジションをとり、消毒し、注射をし、止血をし、服を整え、退室の時間までを10分とすると…。医師は1時間に6人の患者に計8つの関節内注射をしたと仮定します。診療費として¥10720を得ますが、開業医では1時間に2万円以上を稼がなければ採算がとれません。つまり1万円以上の赤字になります。腱鞘内注射であればさらに採算が合いません。治療をすればするほど赤字となる料金設定は「不当に安い設定」と言ってよいでしょう。そしてこれらの手技は1日に何箇所行っても支払い拒否されません。それはそうでしょう。こういう安い治療を医師にさせて、患者に奉仕することを保険側が望んでいるからです。関節内注射や腱鞘内注射は、高い技術が必要だというのに、そうした医師の人件費に全く見合っていません。


当然ながらこうした「不当に安すぎる治療」を開業医は「できるだけ行いたくない」と感じるわけですから、治療に消極的になります。保険側の安すぎる値段設定は、医師の治療意欲を大きく損なわせます。どうしてこんなに不当に安い料金設定に、医師たちは怒って厚生労働省を訴えないのでしょうか?


また、実際にある話ですが、「新しい治療」を開発した医師が、5年以上かけて厚生労働省に働きかけ、新治療を保険適応としました。しかし、その料金設定を不当に安くされたために、その医師は怒り、そこから保険診療をやめ、自由診療でのみ新しい治療を行うことにしたという話です。長年労力をかけて保険適応を認めさせたのに、その値段設定が不当に安い場合「保険診療は認めません」と言われたことと同じ意味になります。新しい手技を開発した医師に対し、厚生労働省はその手技を表面上受け入れた振りをし、不当に安い値段設定で「使用不可」にさせてしまうことができるのです。


6、治療間隔が1週間未満

ほぼ毎週ブロック注射を行いながら痛みをコントロールして生活を続けている患者がいます。ブロックをやめると痛みが強くなり、いろんな仕事ができなくなるからです。しかし、次の週の診察日が祝日で休みでしたので患者は祝日の前の日に来院しました。ですが、前回から6日しか経っていないという理由で保険側はブロック注射の治療費の支払い拒否をしてきます。よって、病院側は6日目に来院したこの患者を門前払いしなければなりません。病院側は患者を説得し、祝日の後日(明後日)来院するように患者に言いました。患者はしぶしぶ帰宅し、明後日来院することにし、そしてブロックを受けました。しかし、その後に問題が発生します。来週の治療も1週間以上間隔を開けなければなりませんので1週間後に来院すると、「来院する曜日」がずれてしまうからです。この患者は普段仕事をしており、「違う曜日」には来院できません。したがって次回のブロックは約2週間後に延長し「いつもの曜日」に来院するように調整しなければなりません。つまり保険側が6日しか経っていないと支払いを拒否するという強硬姿勢を貫くせいで、この患者は2週間も治療間隔を伸ばされることになるわけです。この患者は理由あって毎週通院しているわけであり、それが2週間隔にされると、症状が間違いなく悪化します。悪化するおかげで治療がふりだしに戻され、結果的にこの患者は長期間通院することになり、結果的に国の財政を圧迫します。


7、1日に1箇所

坐骨神経痛と頚椎神経根症の二つ同時の症状出で生活が困難になるほど痛みがある人に対し、1日1箇所しかブロック治療ができません。患者には「どっちを先に治したいですか?」と質問し、どちらかの痛みはブロック拒否をしなければなりません。痛みの箇所が3~4箇所の人はさらに悲惨です。1日に1箇所しかブロックができませんので、1箇所の痛みが完治するまで他の箇所の痛みを放置しなければならないからです。もちろん、翌日に来院すれば2箇所目にブロック治療が可能です。しかし、都道府県によって審査基準が異なり、翌日のブロックを支払い拒否する都道府県があります。この理不尽な支払い拒否のため、多数箇所に激しい痛みがある患者は、一つの治療箇所が治るまで、他の箇所の治療をしてもらえません。社会人で仕事をしてれば、通院できる曜日は決まっているので、次の日に違う場所をブロックするなどできません。よって痛みを訴える場所の治療を、開業医側も永久に拒否することになります。この国の保険はなんと理不尽なのでしょう。


8、慢性期の支払い拒否

例えば、しびれです。腰椎椎間板ヘルニアでは坐骨神経痛が起こり、それらには硬膜外ブロック注射が有効であることが認められていますが、整形外科の教科書には「しびれにはブロックが無効である」ことが書かれています。真実は無効ではなく、繰り返し治療をすることで軽快していくのですが、「しびれの治療には硬膜外ブロックを認めない」という立場を保険側はしばしばとります。これを認めると「長く治療を重ねること」を認めることになり費用が膨らでしょう。しびれの治療には繰り返しのブロックが有効ですが、毎週のブロックが1ヶ月以上続くと、2ヶ月目以降、一部の支払いを拒否することがしばしばあります。しびれの治療は毎週連続で行うからこそ治療効果が出るのですが、2週間に1度ではなかなか治りません。このように慢性疾患で根気よく毎週の治療が必要な場合は、「毎週続けて治す」という方法が保険側で認められていませんので結局治せません。国民は保険側に「治せるチャンスを剥奪されている」ことに気づくべきです。


9、専門医以外の行う行為

現在、全ての科で専門医制度を制定し、専門医でなければ治療をしても保険側が支払いを拒否しようとする運動が高まりつつあります。例えば、内科医が腰痛で歩けない状態で困っている患者に「腰部硬膜外ブロック」を行って歩けるように治療してあげます。しかし、内科医はペインクリニック科の専門医ではないのでその診療費を保険側が支払わないという酷い制度です。これは言うなれば各科における「縄張り争いを利用した保険の不当支払い拒否の正当化」と言えます。


日本の医療は各科の教授を頂点に各科の学会に医師を強制的に入会させ、その学会で専門医の資格を与え、そして医師たちを従属させるという支配系図をとります。ところが専門医の資格があってもなくても、開業医は普通に経営ができてしまうので実際には専門医じゃないから儲からない、専門医だから経営に有利になるということがありません。よって専門医資格をちらつかせて医師たちを支配するという構図は、開業すると無視することが可能です。


教授たち、官僚たちにとって、学会という権威を無視できる構図は望ましくないため、専門医でなければ医師が経営できなくさせようという動きが最近になり活発化しています。教授と官僚はT大が派閥を効かせているため、一蓮托生であり、この勢力が手を組み「専門医以外が行う処置では保険側が支払い拒否をする」という方向に制度化しようとしています。保険側と教授たちの利害関係が完全に一致するからです。


私の勤務地であった東京都E区のN病院では実際に次のような事件が起こっていました。神経ブロックの上手な内科医が非常勤で勤務していて、その医師は痛みに悩む多くの患者にブロック注射で治療をしていました。しかし、N病院にはペインクリニック科の専門医がいません。よって保険請求した全てのブロック注射の代金を支払い拒否されたのです。内科医がブロックを行うことは不当行為でもありませんし、法律で禁止されているわけでもありません。しかし、N病院でペインを標榜していないという理由で支払いを拒否してきた保険側は本当に正当なのか?を人道的に考える必要があると思います。


ペイン科の開業医は全国に極めて少なく、地方では内科医や外科医がブロック注射をしなければならない状況が多々あります。そうした状況を考慮せず法律で禁止されているわけでもないブロック手技を支払い拒否とした保険側の横暴を放置しておいてよいのでしょうか? それよりもなぜ、このような横暴を医師たちが許すのか?に問題点があります。このことについては後ほどのシリーズで述べます。


今後、各科は専門医制を強化しようと考えています。そうなると「何でも診てくれる家庭医」が消えて行きます。孤島や僻地での医療は一人の医師が全ての科の手技をしなければなりません。しかしそれが保険ではできなくなる恐れがあります。孤島でなくとも、今までは目の前の家庭医で治療できた病気が、自動車で2時間かけて専門医のクリニックまで行かなければ治療してもらえないという状況になります。日本の医療制度はそうした慈悲のない共産主義医療の方向に進む可能性があります。


10、施設許可が下りていない治療

東京都心部は土地が高く、理学療法ができない開業医がほとんどです。というのも、理学療法の治療費を保険請求するためには「広い敷地がある」ことを条件とし、広い土地がない開業医では理学療法を行ったとしても保険側が支払いを拒否します。真実を言うと、理学療法士と4.5畳の広さもあれば、ほとんどの理学療法を行うことが可能です。しかし、理学療法の治療費は高価なので保険側としては「簡単には理学療法を受けさせない」ようにしなければなりません。ですから、理学療法室が広くないとお金を支払わないという制限を加えています。よって都心では理学療法がほぼ不可能です。土地代を払えるほどに稼ぐことが困難だからです。


理学療法を行う場合はほぼ「駅から離れた不便な場所」の病院でしか行えません。これもまた日本医師会の言う「万人に平等」の医療を行うための弊害です。万人が受けられるのではなく、駅から離れた病院にわざわざ通院できる患者だけが理学療法を受けられるのです。理学療法で例を挙げましたが、保険側はこのような施設基準をいろんな保険請求に細かく設けていて、施設にお金をかけないことには特殊な治療の保険請求ができない工夫をしています。


11、儲けが高く、患者一人当たりの1ヶ月の平均医療費が高い

多く稼いでいる開業医は、その収益の高い順に指導や査察が行われることが法律で決められました。開業医が儲けることは悪とみなすやり方です。確かに一理あります。医療を儲けの道具にすることを防ぐという立派な思想は美しいです。しかし、一人当たりの月額平均保険報酬が高いと指導が行われるというやり方は感心しません。なかなか治らない病気を治そうとする場合、一人当たりの治療費は必ず高くなるからです。薬だけ出しておけば治るような患者ばかりを診療しているクリニックでは問題になりませんが、私のように「治りにくい症状だけを専門に治そうとする」開業医にとっては「患者一人当たりの1ヶ月の平均医療費」が高くなるので指導や監査の対象とされやすいことは理不尽極まりないことです。


12、医師をあせらせ医療事故が増える

腰部硬膜外ブロックを例に挙げます。ペインクリニック科で腰部硬膜外ブロックを採算ベースに乗せるためには、1時間に3~4人以上にブロックを行わなければなりません。ところが、高齢者のブロックでは脊椎が極めて変形しているので、ブロックをしっかり成功させるためには30分以上かかり、失敗した場合に再度行うことを考えると1時間近くかかる場合もあります。これでは利益が出ませんので、通常は以下のようにしています。

  • A:ブロックが不成功でも成功したフリをして早々に切り上げる(なんちゃってブロック)
  • B:乱暴な手技で素早く刺して、安全性を度外視して速さを追及する
  • C:診察を行わず、話も聞かず、ブロックだけを寡黙に行う
  • D:高齢者にはブロックを行わない
  • これらは、実際に行われている話であり、料金設定を安くすることがどれほど医療に弊害があるかということを意味しています。

 


A、ブロックは的確な場所に入らなければ効果がありません。しかし、患者個人個人で入りにくさが様々で、時間をかけて何度もトライしなければ入らないことがしばしばあります。しかし、現在の保険制度の料金設定は、リトライできる値段ではありませんので、「もしかしたら的確に入っていない」と感じた場合でも、入ったフリでそのまま患者を帰してしまいます。いわゆる「なんちゃってブロック」が増えてしまいます。安い料金設定には短い時間しか割り振られていませんので、その時間内に手技を終わらせるためには、不成功のまま患者を帰すしかありません。


B、例えば、仙骨部硬膜外ブロックは手技的にはかなり難しいのですが、料金設定が腰部硬膜外ブロックの半分以下のため「数分で行わなければ採算が合わないブロック」となっています。そこで医師たちは局麻酔を行わず、機械的にズバズバ刺して素早くブロックを行おうとするため、「極めて痛いブロック」となっています。腰部硬膜外ブロックを同じ値段であれば、そこまで無理をしなくても、ゆっくり局所麻酔をしてから行えるものを、半分の料金なので「安全性を度外視されたブロック」にならざるを得ません。


C、ブロック注射を安全に行うには一人20分、どこにどんなブロックをすべきか?診察して治療を考えるのに10分かけるのが安全性を考えたブロックですが、この「10分の診察」を行うことができないほどにブロックの料金設定は低くなっています。ブロックを専門として中には患者を5人も10人もベッドに寝かせておき、医師が次々とベルトコンベア方式でブロックをしている開業医もいます。一つ間違えば医療事故が起こる危険な状態です。こうした医師の「あせり」、「外来が混んできたときの苛立ち」は、医療事故を起こす土台となっていますが、診療報酬が安すぎる設定なので、どうにも止まりません。料金を安く設定すれば、診療時間を短くするしかないというところを厚生労働省側は全く理解していないと思われます。


 

13 不要な検査が増える

診察料金が安すぎるため、患者と話ができません。基本的に再診料は720円ですが、1時間に24000円を稼ぐことを目標に置く開業医の場合、720円では2分以下しか患者と話ができません。診察室に入室し、杖を置いて、ジャケットを脱ぎ、ゆっくり腰掛け、患部を出すだけで2分かかります。その間、話を訊こうとすると患者は動作をやめますので、訊きだすには辛抱強く待たねばなりません。待っている間にタイムアップ。つまり再診料720円=患者と話をしてはいけない!ことを意味します。にもかかわらず、この再診料も支払うことを拒否しようとする保険側の意図があります。それは「少なくとも5分以上」患者を診察することを命じたこともあったからです。つまり、1時間に12人以上を診察するな!とういう命令に等しいわけです。そういう無茶な保険側の支払い拒否の体制では、不要な検査を多く入れ、赤字分を補填しなければ経営が成り立ちません。すなわち、医師が直接診療をしないでも料金が取れるシステムへと依存して行くことになるわけです。現在の保険体制が不要検査システムを推奨していると言えます。米国のペインクリニックではMRIを必須にしていることが問題視されています。日本のペインクリニックでは採血・採尿検査を必須にしている開業医も多数見られます。それはすなわち、手技料金や診察料金の設定があまりに安すぎることの裏返しです。


14 診断がついていないものは支払い拒否

基本的に保険側はグレーゾーンの病気は全て白と扱い、黒と診断されたものだけを治療対象とし、グレーゾーンに治療を行った場合は支払いを拒否するという立場をとっています。膠原病などは診断基準が毎年変化し、国ごとに診断基準が違うことがありますが、保険が「診断基準を満たさないものには治療費の支払いを渋る」傾向があるため、医師はグレーゾーンの病気に対して消極的になるという現状があります。


国民皆保険の理念と矛盾

上記に挙げた説明文は「もうすでに質のよい治療を平等に国民全員に」行うことができないレベルにまで医療の質が低下していることを述べたものです。効果があっても薬を使わせない、手技をさせないというあからさまな制限を加えていることがおわかりいただけたと思います。現在は「質の低い医療を平等に国民全員に」行っているのが現状です。


質が低いと言っても、世界の開発途上国と比較すれば極めて質が高いと言えます。しかしながら、今後約20年間、高齢者の人口は増え続けます。現在と同じ医療の質を維持するためには医療費をさらに上げて行くしかありません。それはできないことなので未来の20年間に置いて医療の質は低下していかざるを得ないのです。「全国民に平等に」を死守するためには質を落とさなければならないことは必須であり、未来の日本ではお金持ちさんも平等に質の低い治療しか受けられません。


平等に質の高い治療を!という理念は、理念として素晴らしいのですが、病気の重症度は決して平等ではありません。難病に指定されている病気にかかれば、それなりに質の高い医療を受けられるでしょう。しかし実際には難病に分類されない痛み・歩行困難・自律神経失調・虚弱などが存在し、それらの症状で重症な方々は「平等医療」のせいで人生を棒に振るほどに苦しい生活を強いられています。重症な方には平等な医療ではなく、濃厚な医療が必要です。重症度を考えずに平等の医療をした場合、重症な方にとっては、質の低い医療しか受けられない日本になってしまいます。平等治療は、重症な患者にとっては弊害となっていることを認識しておかなければなりません。


重症患者は保険では治せません

まず重症の定義からお話しなければなりません。厚生労働省が考えている重症は難病指定の疾患、障害者級のとれる疾患、悪性腫瘍、大きな手術を必要とする疾患などです。この定義では経口薬が効かない急性期の激痛、1箇所ではなく数箇所にわたる激痛、複数の症状が重なっているものなどは重症の定義から外れます。保険では重症と扱われない、実際には重症の患者が医者にかかった場合に「保険診療では治せない」ことになります。


急性期の激痛ではブロックを行ったとしても1日程度しか効かないことがしばしばあり、1週間に2~3回のブロックが必要なことがあります。毎日連続で治療すれば速やかに改善させることが可能であっても、現在の保険ではそのような治療が認められていないので、急性期激痛の重症患者は日本では治すのに長期間かかります。複数個所を治療する場合、保険では1日1箇所、週に1箇所なので「どれか一つの症状」を集中的に治し、他の症状は診療拒否しなければなりません。


薬が効かない激痛は重症ですし、何箇所にも症状がある人も重症です。しかし、厚生労働省はそうした真に重症な患者を重症と定義していません。問題はここにあるわけです。教授たちはいわゆる難病を治して実績を上げることに尽力していますから、難病の病名がつかない患者の激痛を治療したことがありませんし興味もないでしょう。まさにそうした教授の態度と保険制度が完全に一致していると言えます。庶民の重い症状の病気を治そうと必死になっている開業医が苦労することになります。


保険診療が禁じていること

基本的に保険制度(厚生労働省側)は一生に一度や二度しか行わない大手術や、まれな難病にはお金を支払い、腰痛・腹痛・しびれ・睡眠障害・不安神経症・老いから来る症状など誰もが何度も日常的に患う大衆の病気に対しては可能な限り支払いを拒否するという姿勢を貫いてきました。お金を払えないからです。保険制度が禁じていることは大衆病治療の質を高めることであると断言してよいでしょう。よって国民皆平等保険制度は大衆病治療の質を低下させることを目的としていると言っても過言ではありません。


真に重症な患者を治そうとする医師たち

保険医療は指定難病、障害者に該当する病気、悪性腫瘍などには高額で潤沢な診療報酬を提供し、支払い拒否をあまり行いません。つまり大病院や大学病院が専門に診療する病気には厚いといえます。しかし、開業医が主に関わる大衆病の重い症状には薄いと言えます。大衆病を治そうと必死に手を尽くす善良な医師は保険の支払い拒否に何度も遭遇します。その代表がペインクリニック科の医師です。彼らのところに集まる患者は、他の科の保険診療では治らなかった患者たちであり、当然ながら、ペインクリニック科の医師が他の科と同じように保険診療をするのであれば改善するはずがありません。ペイン科の医師は他の科で治らない重症な症状を治そうと努力する医師なので、保険制度の支払い拒否にもっとも頻繁に遭遇し、理不尽な思いをさせられるでしょう。


そうした医師たちに残された治療法は、自費診療による濃厚治療ですが、それも税制で不利になるように仕組まれているため、彼らは金銭面で八方ふさがりにされています。保険診療がすでに崩壊していることは、ペイン科の開業医であればひしひしと感じるでしょう。もちろん、ペイン科だけでなく、「真に重症な患者を治そう」と向上心を燃やす医師は全員が保険診療が崩壊していると感じています。しかし、ガイドラインに沿った典型的な治療しか行わない医師には、保険診療が崩壊していることに気づかないかもしれません。一転、自分が高齢になり、不定愁訴を訴えるようになれば、いやでも保険診療が症状改善に役立たないことを知ることになるでしょう。これほど理不尽な料金設定、支払い拒否をされても厚生労働省に逆らわず、医師たちが従順でいる理由は何なのでしょう? 次回に続きます。


自由診療重税に無頓着な病院

自由診療には重税が課せられており、一般的なクリニックが自由診療を多く行うと収入が減ってしまうことをシリーズ1で述べました。しかしながら、必要経費をふんだんに浪費し、実際にかかる経費を7割以上にしているところでは措置法26条を放棄しているので税による自由診療重税はありません。ですから税金対策として意図的に経費を浪費させている病院では自由診療重税に無頓着です。ただし、こうした病院は税務署から目を付けられる対象になるでしょう。


また、開業医でも保守的な医師はガイドラインどおりに治療することを好みますので、自由診療を行いたいとさえ思わないでしょう。そうした保守的な開業医にとって、「自由診療を行い患者をどんどん治して行く医者」が存在することは「許しがたい」でしょうから自由診療に大反対だと思います。


日本は「全国どの医師にかかっても同じ診療」をもっとうにしていますので、その中で「ここの病院では治せない症状が、あそこの病院では治せる」という差があると、「治せない病院」は評判が落ちてしまい経営が傾きます。よって保守的医師の団体である日本医師会は自由診療=自由競争、となるので自由診療には反対の立場をとるでしょう。つまり、保守派開業医は自由診療には全く興味がなく、革新的な開業医は自由診療に興味を持ち、実際にトライし、そして自由診療重税に頭をかかえます。


日本の医療は進歩しにくい(保険診療の最大の欠点)

自由診療が重税により、実際には自由診療を行うことを妨害されているという現状があります。つまり、診療の自由競争の機会が奪われ、「患者を治そうとする競争」をゼロにしているのが日本の保険診療です。つまり全ての開業医の治療レベルを均等にする(低いレベルに均等に抑える)共産主義医療です。自由競争がない場合、医療の進歩、質の低下は避けることができません。これが保険診療の最大の欠点です。

そして、低いレベル、安い料金設定では「目の前の患者の苦痛を除去できない」ことを悟り、理不尽ながらも自腹を切って、質の高い医療を施そうとする医師のみが苦悩します。腕のよい医師ほど理不尽な経営を強いられる日本の医療に落胆しています。

 

日本医療の難題3 混合診療のデメリットを深く考える

前回は保険診療がすでに崩壊しているありさまについて述べましたが、今回は混合診療、自由診療のデメリットを考えます。


混合診療のデメリット

  • 1、安全性や有効性が十分に確認できていない薬や治療法を利用する人が増える
  • 2、悪質な医療の増加。
  • 3、副作用や医療事故の増加 4、公的保険で取り扱えるまでの手続きが煩雑であることから、自由診療のままでよしとする薬や治療が増える
  • 5、医療格差が生じる 6、公的保険の財源不足を理由に、現在公的保険が使える治療も自由診療に見直されてしまうおそれがある 7、自由診療が増えることで、医療保険の「先進医療特約」等の保険料が値上がりし、長生きする人が増えれば生命保険の保険料全体が値上がりする。同時に介護費の負担も増える

臨床現場での自由診療の真のデメリットを詳しく考える

1、自由診療では安全性や有効性が不十分

自由診療では安全性が確保されていないことが問題になります。ところが実際は保険診療の安全性も確保されていません(引き合いに出すのはおかしいかもしれませんが)。大学病院や教育研修病院では手術やブロック注射などを技術が未熟な医師が行うことが常です。したがって実際は保険診療で数多くの医療事故が起こっています。自由診療の場合、確かに安全性がしっかり証明されていない手技や薬剤が用いられる機会が増えますが、未熟な医師がそれらに携わることはまずなく、経験年数も多く腕の立つ医師のみが自由診療を行います。なぜなら、自自由診療で医療事故が生じた場合、その責任を負うのは実行した医師だからです。自由診療を行う際には、医師は極めて慎重に安全性に対して神経を使うため、未熟な医師が保険診療を行って事故を起こす確率よりも、自由診療の方が低くなります。事故が増えるとは言うものの、自由診療の場合は担当医が命がけでその診療を行い、責任を持つわけですから、緊張感が桁違いなのです。


一方、保険診療の場合は医療事故の責任を国や組織が負っている形になっていますから油断が生じ、実際は医療事故がとても多いのです。また、現在でも、安全性の確保されていない新薬を用い、新しい器械を用い、新しい治療法を行うのは開業医ではなく、大学の教授クラスです。一般の開業医がそうした新薬に真っ先にとびつくことは考えられません。

開業医が保険で認められていない新治療を行って医療訴訟を起こされれば、人生が奈落に落ちてしまうからです。安全性が確保されていない治療薬・治療法を使用できるのは、大きな権力の傘に守られている場合です。自由診療が増えたところで一般開業医が無造作に新薬に手を出すとはとても考えられません。また、手を出す勇気ある医者がいたとしても、それは患者や家族が懇願した場合です。


もともと自由診療にかかりたいとする患者は、保険診療では治らないことを理解した患者です。それでも今の苦痛をどうにかしたいという一心で自由診療に賭けてみるわけで、むやみに自由診療が広がっていくことはありません。また、自由診療のほとんどは、実は安全性や有効性が確保されています。というのも、自由診療で実際に開業医が行うのは、治療回数を増やす場合に、2回目を自由診療で行う。注射の際にX線透視を使う場合に、透視料として自由診療費をいただく。ゆっくり時間をかけて安全に行うために、その分の手数料を多くいただくのを自由診療費で追加する・・・などだからです。全く新しい無謀な治療が自費診療なのではなく、既存の安全性の確保されている治療を少し時間をかけ、最新の診断機器を使ってていねいに行うこと、回数を増やすことなどが自費診療なのです。


2、悪質な医療の増加

自由診療が悪を生むという考え方もわからないでもありません。患者をそそのかして高額な自由診療に導く悪い医者が増える可能性があると言います。しかし、自由診療は実際にはそんなに甘いものではなく、はっきりとした効果を出すことが出来なければ、患者は来院しなくなり、金儲け主義の悪い医者は淘汰されます。それは鍼灸や整体と同じです。彼らは高額な治療費をとりますが、実際に保険診療よりも効果が高いからこそ営業していけるのです。確かに鍼灸や整体での医療事故も散見します。しかし、それでも彼らはきちんと責任をとり継続して経営しています。自由診療は明らかに保険診療よりも3~20倍も高額なので、患者を満足させずにお金をだまし取るような悪質な医者は淘汰され、経営が成り立ちません。よって悪徳医師が増えて行くとはとても思えません。自由診療は「明らかに保険診療よりも効果の高い結果を出せる医師」にしか実行することが不可能だと思います。また、安全面でも同様です。自由診療が解禁になったところで、誰にでもできるものでは決してありません。


3、副作用や医療事故の増加

副作用や医療事故は確かに必ず増えると思います。その理由は、自由診療は保険診療ではなかなか治らない重症な症状を持つ患者のみを対象として行われるからです。医師は保険診療の時よりも「この患者を治してあげなければならない」というプレッシャーを強く持つことが確実です。したがって、安全よりも効果を優先させる傾向になるため「濃度の高い薬剤」「薬剤の分量を増やす」「治療回数を増やす」などの懸命の努力をすると思われます。すると副作用や医療事故が増えることは必須なのです。普通では治らない無理難題の症状にトライするからこそ事故が増加すると考えます。普通に単純比較で事故が増えるとは思いません。


しかしながら今まで保険医療では決して治ることのなかった患者の症状が自由診療では治るという幸運な例が、医療事故で悪化した人の何十倍も何百倍も存在するようになります。治らないとされた難治性の症状も治せる可能性が広がります。そのメリットと差し引いて、「どちらが日本国民にとって有益か?」を考えるべきです。保険診療では1万人に1人でも悪化する人がいれば、その治療を禁止しますが、自由診療では100人中99人が幸福になるのなら、1人の悪化は目をつぶるということもあり得ます。しかし、その責任はそれを行った医師にあり、きちんと責任をとるのであれば法治国家として可であると私は思います。患者側もリスクを承知で自由診療を受けるのですから、そこには契約が成立しています。事故は増えるでしょうが、その責任を個人の医師と患者自らが負うのですから、無造作に事故が増えるとは思えません。


4、自由診療のままでよしとする薬や治療が増える

恐らくこれが自由診療の拡大時の最大のデメリットと思われます。自由診療として広まった治療が保険診療にとりこまれることはないと考えている方が大勢おられますが・・・これは自由診療を開発した医師によって変化します。大学の教授が考え出した治療であれば自由診療のままになっていることはまずないでしょう。なぜなら、教授は実績を築き広くその治療が普遍的であり自分が有名になることを望むからです。自分の開発した診療技術が自由診療のままでいるのは教授らのプライドが許しません。教授のプライドにかけて保険適応をとるでしょう。自由診療のままでよいとするのは、世に貢献するよりも、名を残すよりも、お金が欲しいと考える開業医です。


では少し考えてみてください。名もない開業医ごときが教授たちをしのいで優れた治療法を編み出したとして、その治療法がどれほど世の中に貢献できるでしょう? 恐らく、保険適応が通ったとしても貢献度の低い治療法である確率が圧倒的に高いでしょう。ならば、そのような治療が保険適応となる必要性はありません。また、開業医が考え付いた自由診療では、「もともとエビデンスが得られにくい」ということを忘れてはいけません。エビデンスが得られない治療は、開業医がどう努力しても保険適応にはなりません。唯一、開業医の開発した治療法が保険適応となる方法は、その治療法が一人の開業医だけにとどまらず、多くの開業医に広がり、有用性が自然と判明してきた場合に限られます。つまり、どの道、その治療法が広まるためには自由診療を介さない限り無理なわけですから、自由診療の広がりが保険適応を阻止するという考え方は理屈に合いません。


また、本当に有用な治療法であれば、国民が保険適応を求める声を発しますので、そうすれば官僚はすぐにでも動かざるを得なくなります。心配いりません。友の会の会員が全員で一致団結して署名をとれば、官僚は保険適応へと動かざるを得なくなります。それから…自由診療は新しい治療、新しい薬剤・・・と想像しているようですが、その想像は大半が誤りです。名もない開業医がいきなり新しい治療を試すというような大胆不敵な行動は、身の破滅を招くのでまずしません。そういうことをするのは常に大学の教授クラスです。大学ではすでに先進医療として混合診療が認められているので、それが自由診療の拡大というものではありません。


一般の開業医が行う自由診療とは、現在、保険で認めているブロック注射を、「週に1回のものを2回に増やす」「1日に1箇所と制限されていたものを1日に数か所にブロックする」「透視を用いて注射する」「保険診療では不当に安い値段設定の治療を正当な値段で治療する」「高い技術を高い値段で提供する」などです。加えて言わせてもらえば、「X線透視を用いて注射する」真に大衆に必要とされる手法は、将来的にも保険診療に組み込まれることは絶対にありません。現在だって絶対に認めようとしないのですから。よって開業医レベルには本項目は考えすぎの一つです。


5、医療格差問題

医療格差は現在の保険医療ですでに生じていることは前に述べました。高齢者、無職の人、生活保護者などは、1週間に何度も病院に通えるため、働いて収入を得ている人たちの何倍も質の高い医療を受けられることになっています。現在、保険側は1日に1か所のブロック治療という制限を設けているため、週に1回しか来院できない労働者は1種類のブロックしか受けられないのに対し、週に2回通院できる高齢者は、2か所に2種類のブロックを受けられるという逆医療格差が生じています。さらに、保険の制限は都道府県で異なるため、医療の地域格差が歴然として出ており、現在の医療ではすでに弱者逆優遇・地域格差(東京では受けられる治療が大阪では受けられないなど)の不平等医療が行われています。


自由診療を認めたとしても、これまでの医療を受けられなくなることはありません。それよりも、保険側が不当な支払い拒否をしているために生じている不平等問題を直視するべきです。平等をうたっている保険診療が、実は平然と不平等を生み出しているからです。そして医療が発展する方向へと進める自由診療を、妬み(自由診療ができる腕の立つ医師は教授や学会の権威者に必ず妬まれます)で阻止するべきではないと思います。自由診療が増えても今の医療水準が落ちるわけではないのですから。


6、現在公的保険が使える治療も自由診療に見直される恐れ

自由診療が広がった状態をシミュレーションすると、なんと医療費が現在の半分で済む可能性があります。つまり20兆円規模の国家予算を確保できる可能性があります。こうなれば日本は貧乏ではありません。だから逆です。公的保険治療を自由診療に見直す必要性が激減します。余った財源で先進医療をどんどん保険に取り入れる予算も生まれます。自由診療は、高齢者が蓄財したお金を動かし、経済を活性化させる力があります。高齢者は年金暮らしで貧乏とは限りません。自由診療にお金を支払えるくらいの余力を持っている高齢者は少なくありません。また、重要なことを見落としてはいけません。保険診療は官僚が医師を、医療界を支配するために存在しているということを(後のシリーズで述べます)。


日本の医療は共産主義医療であることを前に述べましたが、医師が官僚に従順でいるのは保険側が医師を完全に養い、逆らうと点数改正で倒産させられるほどの痛手を食らうことがあるからなのです。つまり医師は厚生労働省に首根っこをつかまれています。官僚は常にその力を医師に誇示し、医師は彼らにびくびくしています。そうした官僚の権力を彼らが手放したくはないでしょう。保険診療を減らし、自由診療に移行させていくことは、官僚が自らの権力を縮小させて行くことに等しいのです。


東大出身のエリートたちで作られた巨大な白い巨塔が、その権力を手放していくと・・・本当にそんなことがあり得ると思いますか? 官僚たちは医療が国家予算をどれほど食いつぶそうとも、その権力を逃さないために、国民皆民保険を守り続けてきました。国家の債務を縮小させるために厚生労働省の官僚たちが自らの権力を捨てて保険医療を自由診療へと移行させていくことなどあり得るでしょうか? 真相はその反対ではないでしょうか? 自由診療へと移りそうになってしまっては困るので、保険点数を引き上げ、先進医療を取り入れ、多くの開業医が保険を利用するように画策しようとするのが筋だと思います。そうしなければ白い巨塔が崩れるのですから官僚たちも必死で保険診療を利用する開業医の比率を確保しようとするはずです。自由診療が広がり、財源が豊かになれば、保険点数はプラス改正にし「保険を使う医師」を増やそうと官僚たちが画策するのが筋です。


7、自由診療が増えることで、医療保険の保険料が値上がる

保険料が上がるのは当たり前です。むしろ、日本ではお金があるのによい医療を買うことができないというあまりにも資産家をバカにした医療を行っています。お金があるのに、医療を買えない世界にしていることを正しいとする考え方に私は疑問を感じています。共産主義医療にもメリットがあることはわかりますが、経済は共産主義では発展していかないことは中国でさえ認めていることです。医療は経済ではないとして切り離す姿勢はとても格好がよいのですが、経済を医療で回して財源を確保しなければ、国が債務で倒産するレベルになっています。いつまで共産主義医療にしがみつくつもりでいるのでしょう。


日本は江戸時代から資産家をバカにすることが美学であるとしてきました。士農工商という身分制度も商人(資産家)をバカにするための制度です。武士道から生まれました。しかし、良い医療を受けたいのにそれを全く買えない状態にしていることにも罪悪感を持っていただかなければなりません。資産家の健康を守れない日本にはしたくありません。今のような全員平等で、資産家にさえ質の低い医療しか受けさせない体制には賛成しかねます。資産家も大衆病にかかり、資産家も腰痛・膝痛・神経痛・認知症などに悩みます。そしてこれらを治そうとしても、ホームレスと同じ治療しか受けられません。大衆病に関しては、全員が平等に低いレベルの治療しか受けられないようにされているからです。

 

 

日本医療の難題4 日本医療を立て直す具体策

不当に安い保険診療

「良い医療を平等に万民に」の理念はもうすでに数十年前から崩壊しています。保険点数を不当に引き下げることを続けた結果、医師が「不当に安い治療は放棄する」「料金設定が安すぎるので短時間で大量の患者に処置しようと無理をするために事故が頻繁に起こる」「薄利多売をしなければならないので患者の話を十分に聞く時間がない」「回数が制限されているので重症の患者でも追い返す」「意味がなくても検査を多く入れてマイナス分を埋め合わせする」ということが普通に起こっているからです。この結果、いくらへ段を引き下げても、全体の国の支出が低下することはかつて一度もありませんでした。


また、保険点数の不当引き下げによる医療事故件数はデータには出ません。なぜなら、注射が死ぬほど痛い、乱暴で出血した、全く効かない、話も聞かず同じ注射しかしない、などは事故件数に計上されないからです。患者を追い返すのもデータには出ません。有効な注射治療を行わず薬だけしか出さないというのもデータには出ません。よって良い医療ができなくなったのは保険点数の引き下げのせいであることは一般的には知られていません。


この質の悪い医療でしか「平等に万民に受けさせることができなくなっている」理由は治療を必要とする弱者、高齢者が増え、それに比例し国の負債が年々増えているからです。すでに「良い医療を平等に万民に」は崩壊し、「万民に均一に質の低い医療」を提供せざるを得なくなっています。この影響でお金持ちであっても質の低い医療しか受けられないのが今の日本です。原因は未曾有の超高齢化です。これ以上国家予算にしがみつくことはどのように保険点数を引き下げても無理です。無理なのですからお金のある方から治療費をいただいて国家の負債を縮小させていくしか方法は残されておりません。この人口の超高齢化は今後の数50年間のみの現象です。よってこの50年だけ医療制度を変えればよいでしょう。


しわよせは開業医に

大学病院では高度な医療が受けられ先進医療も別枠でうけることができます。資産家は教授と親しくなることで別枠の高価な治療を受けることができます。大学病院には保険の審査や制限が甘く、混合診療もある程度認められています。よって教授クラスでは保険診療の質が低下していることを認識することはほとんどありません。保険診療の質が低下しているのは、教授が診察しないような不定愁訴系の大衆病に対する治療です。つまり「開業医クラスが行う治療」の質が低下しています。人口比で8割の民の治療の質が低下しているといえるでしょう。教授が診察している2割以下の患者たちの医療の質は低下していません。


自由診療を増やさなければ国が倒産する

開業医が自由診療を積極的に行わなければ、この国の財政は近い将来破綻します。現体制のまま保険点数をどのように調整したところで医療費の抑制は無駄なのですから、なるべく早く自由診療推進の体制をとるべきです。ところが自由診療には必要経費が認められにくいという理不尽な重税制があるために自由診療を行えば行うほど利益が上がらないという仕組みになっています(詳しくはシリーズ1参)。現状では、自由診療は税制によって禁止されているのと同意となります。


逆に言うと、税制を変えるだけで自由診療が一挙に拡大します。高齢化社会が厳しくなるこの50年だけ「自由診療には8割の必要経費を認める」という特例条項を作るだけで、開業医は自由診療を好んで行うようになり、保険診療費が激減します。国が開業医から得られる税収は減りますが、国民に支払わなければならない保険料が激減するので国の利益は莫大になります。自由診療をすれば税金が安い!という餌をまきちらすだけで自由診療は格段に増えます。法律は税法を変えるだけなので国会での議決を通しやすいでしょう。


混合診療を認めず日本医療を立て直す方法

混合診療を行うことは毎年のように国会で議論され、医師会が反対し法律が改正されることがないということをくり返していますが、日本医療を改善するには混合診療を認める必要はありません。あくまで現在の医療体制のまま改善する方法があります。その方法は開業医の優遇税制を自由診療にも拡大するというとても簡単なものです。


自由診療を誰も否定していない

自由診療は現在も多くの病院でなされており、反対も否定もされておらず、また、リスクがあるから現在行われている自由診療を禁止しなければならないという意見も出ておりません。したがって現行のまま、医療系の法律を何も変えることなく自由診療に優遇税制を敷くことには医師ならば誰も反対しないでしょう。自由診療を拡大すれば日本の医療財政は極めて健全になり、景気も回復します。来る高齢化社会で財政難に悩む日本にとっては渡りに船です。


現在、自由診療には重税が課せられています(おそらく違法と言えるレベル)。それは自由診療の必要経費が「ほとんど認められない」からです。日本では保険診療の収入には優遇税制が認められているだけに、自由診療にかかっている人件費の多く保険診療側の経費として計算されます。もしも自由診療で得た利益の80%を必要経費と認めるという措置税法改正を行えば、開業医たちは保険診療よりも自由診療を行いたいという意識変革をするため、保険診療が減り、自由診療が増えます。


保険診療のデメリット

シリーズ2では保険診療のデメリットを申し上げました。ネットで検索してもわかるように保険診療のデメリットについて述べている論文をほとんど見かけません。つまり一般の方々や医療従事者の方々は保険診療にはデメリットがないとでも思っておられるか、水面下に言論統制されているようです。


そこでシリーズ2では、保険診療では保険側がどれほど不当な支払い拒否をしているかについて述べさせていただきました。保険診療はそれ自体が共産主義医療であり、官僚や教授が強い権力を握っていて(中央集権)、彼らの機嫌を損ねるとそのさじ加減で保険点数を改正され、経営がいきなり赤字転落することもあり得ます。それほど、官僚に医療制度の権力が集中していることを述べました。よって保険審査が不当であると感じていても誰も抗議でしない状態であると言えます。中央の権力が強すぎるからです。


この権力集中こそが大きなデメリットであり、臨床現場にいない彼らが教授と結託して不適切な料金設定をしている状況を生みます。そして改正結果に誰もがおとなしく従うのですから、日本の医療が共産主義体制であることがわかります。共産主義体制では苦痛に困った患者の姿を考えることもなく、ただただ数字で制限を行いますから必要な治療さえ受けられないというデメリットが生じます。


カルテ虚偽記載に甘い理由

おもしろいことに、保険診療では容赦ない支払い拒否が行われていますが、その支払い拒否を回避しつつ患者に治療する際に必須となるカルテの虚偽記載については、今のところ監査が極めて甘いと言えます。その理由は、保険の審査が不当に厳しいことを審査している側も認識しているからです。例えば、採血検査などは実際に病気にかかっている人にしか認めないという姿勢ですので、肝機能を調べたいのなら肝炎という虚偽の病名をつけなければなりません。つまり「病気になっている人にしか検査料金を払わない」というのが保険側の不当な制限であることを審査員も認識しています。よってカルテ虚偽記載については甘くせざるを得ません。もし、虚偽記載を罰すると、保険医全員が罰されることになります。ここがミソです。本気になれば厚生省は保険医全員の資格を剥奪することさえできます。保険医は全員がカルテの虚偽記載をかならず行っているからです。どんな開業医でさえ本気で監査されれば必ずボロが出ます。そのことを開業医側も知っています。保険側が不当な支払い拒否をしても誰も抗議しない理由がここにあります。全ての開業医が不当に制限された治療を回避して患者に施すために、カルテに虚偽記載をするという実態があるからです。虚偽を記載しない限り赤字に転落する状況に陥っているのです。特に検査で生計を立てている開業医は検査をする度に虚偽の病名をつけることになります。よって監査側ににらまれればいつでも廃業に追い込まれます。そうした脅迫観念により医療の共産主義が成り立っています。なぜ医師たち全員が官僚のいいなりになっているかのシステムが理解できます。


自由診療に優遇経費を認める新税法が敷かれると

自由診療に重税がかかる(自由診療に経費が認められにくい)ことで自由診療が拡張できないというのが開業医の苦悩ですが、自由診療にも7~8割の経費を領収証がなくても認めるという新たな税法が制定されるとどうなるでしょう。ほぼ間違いなく開業医の反乱が起こります。自由診療を行えば、経営が黒字になり、保険審査の支払い拒否にびくびく怯えなくても済み、かつ治療制限をしなくてすむからです。保険医は大学教授以外、誰もが保険側の審査に怯えていたわけですが、その呪縛から自由になります。なにせ、医師たちがもっとも嫌がることはカルテの虚偽記載であり、これが彼らの良心を咎めていました。自由診療に必要経費が認められるようになれば、カルテに虚偽を記載する必要なく、正々堂々と正義感を貫いて医者をやっていけるのです。虚偽記載を逆手に取られて脅される心配がなくなるのと同時に、そうやって脅しをかけて自分たちを管理下に置いていた厚生労働省への積年の恨みを晴らすことができます。


さて、混合診療を認めることができない真の理由は、これを認めて自由化させてしまうと、積年の恨みが爆発して医師を統制できなくなることにあると思われます。混合治療に反対の立場をとる日本医師会の真意は不明ですが、おもしろいことに、混合診療は禁止という法律を変えることなく、自由診療に優遇税制を敷くというだけで、彼らの白い巨塔を崩すことができるのです。国会議員の方はこのことを認識しておいてください。国のために尽くしたいのなら、優遇税制の改定をすることです。医師を優遇するのですから医師会が反対する理由はありません。医師を優遇する税制改正なので医師会は文句を言わせず、さらに国家財政が健全化するのですから誰が反対できるでしょう? そして国家予算の3分の1を占める医療財源を事実上支配している厚生労働省の官僚たちと、大学教授を頂点とする支配体制をぎゃふんと言わせることができるのですから、国会議員にとってこれほど血がたぎる快感はないと思います。


医師たちが教授に逆らわない理由

医師たちは大学病院に所属すると、教授を筆頭にピラミッド型の主従関係を強制させられます。その理由は大学職員の人事権が教授に与えられているからです。労働基準法は厚生労働省が定めている法律であり、会社の経営者は社員を無闇に解雇することが禁じられていますが、この法律は大学病院でのみ「治外法権」なのです。つまり、医療系大学の職員は教授の一存で常に解雇させられます。教授に絶対服従を強いられているわけで、これが日本医療界の主従関係を構築しています。


教授になるためには東大卒が条件であることが多く、東京大学医学部卒業生は野心さえ持てば教授職につくことがたやすいと言えるでしょう。医学部の白い巨塔の世界は東京大学が作り上げている支配の世界とも言え、また、厚生労働省の高官たちも東大卒で占められており、教授と高官の両者が東大卒という縁で手を組み、医師界の封建システムを構築していると言ってもよいでしょう。


大学病院は地域の病院とも提携しており、若い医師たちを教授の采配で、周囲の関連病院に派遣させることを行っています。つまり教授が周囲の病院に対しても人事権を行使することができます。教授が少しでも機嫌を損ねれば、派遣を中止することができるので周囲の関連病院もまた教授のご機嫌取りをしなければなりません。地方の病院は医師不足に常に悩んでおり、医師がいなくなれば経営が傾きます。よって地方の個人病院もまた教授に主従関係を強制されています。


これは芸能プロダクションと同じような仕組みといえます。芸能プロに逆らった俳優は、他のプロダクションに所属しても、テレビ番組には出られなくなります。それは「あいつを、テレビに出演させたら、うちの人気タレント全員をあなたのテレビ局には出させません」という圧力をかけることができるからです。教授は周囲の関連病院の人事権さえ握っていますから、教授に逆らって辞めた医師は、周囲の病院全てに「就職禁止令」を出すことができます。ですから、教授に逆らうことは「教授の息のかかっていない病院を自ら探さなければならない」ことになるため、なかなか逆らうことができません。医師の世界が白い巨塔と呼ばれる理由は、労働基準法で禁止されているはずの解雇権が教授に与えられているからなのです。


一昔前は「医師の派遣業」が認められていなかったため、教授に逆らって辞めた医師は、再就職先を探すことが非常に困難でした。よって教授の支配力も莫大だったわけですが、さすがに、時代の流れには逆らえず、厚生労働省も「医師の派遣業」を認めるしかありませんでした。医師派遣業解禁となった現在、教授の権力はかなり低下しました。つまり教授に逆らっても自分で再就職先を探せます。白い巨塔が少しずつ崩れてきています。


しかしながら、大学病院に所属している間は、どんな理不尽な命令にも絶対服従をさせられるのが医局員の勤めであることは今も変わりありません。こうした人事権の強権に長い期間服従している医師は、教授に飼いならされてしまい、犬のように動くようになってしまいます。ですから、ミスは隠蔽、汚れ仕事は医局員、データ改ざん、カルテ偽装などが普通に行われるのです。厚生省が労働省と一体化した理由は、まさに労働基準法が関連しているのではないかと勘ぐってしまいます。厚生省の行う医師支配制度が労働省によって崩される恐れがあったからです。逆に言うと、厚生省と労働省を一体化させてまで、医師の封建制度を死守したがっているのかもしれません。


教授が治せないものを開業医が治してはいけない

私は大学病院で治せない症状・疾患を治療することを専門としている医師です。しかし、教授たる者が「あなたの病気は治りません」と宣言した患者を一般開業医が治せてしまうと教授の面子は丸つぶれです。教授は医療の頂点であり、教授が治せないものを他の一版医師が治せることは「あってはならない」ことです。私はその「あってはならない面子をつぶす」ような治療を長年やってきました。学会からも、病院からも、大学からも政治的な圧力を受けない職場を転々として治療法を開発してきました。


自由診療を行っている医師は、実際には大学病院の教授が治せないものまで治せる技術があるからこそ、自費で治療費を患者からもらうことができるわけです。では、自由診療が拡大して行くとして、それが何を意味するか? 大学病院の教授が治せない病気を一般の開業医がどんどん治していき、教授を、医学界を、愚弄することを意味します。


普通では治らないから大学病院に行くというのに、一般開業医がそれらを治してしまえるチャンスが格段に増えて行くことを意味します。それは教授の権威を弱め、医学自体がまだまだ発展途上であることを露見します。そして教授を頂点とする医師の服従制度が崩れることを意味します。また、学会を頂点とする医師の支配力も弱まります。江戸時代の身分制度が明治時代に崩壊したようなものです。自由診療の拡大は、間違いなく、教授を頂点とする封建制度、つまり学会制度さえも破壊する威力があります。


自由診療が国政に与える影響力

H25年の厚生労働省の調査によると、全国の歯科を除いた医療施設は109068施設で、うち、「病院」は 8540施設7.8%、「一般診療所」は100528施設で92.2%です。措置法26条は収入が5000万円以下に適用されるので病院には適用されませんが、一般診療所(92.2%)の大部分に適用されると思われます。よって措置法26条がいかに日本の医療形態に重要な役割をしているかということがわかります。


税法を改正し、措置法26条に50年間の期間限定で自由診療にも適用すれば一気に自由診療が広まります。さらに自由診療を行った方が、保険診療を行うよりも税金が少なくて済むようにすれば保険診療の割合が激減するでしょう。上記のように一般診療所の数は92.2%ですので、自由診療の拡大は、措置法の条項を改正するのみで全国に広がり、国家財政に莫大な黒字をもたらします。自由診療では手に技術を持つ医師が圧倒的に有利となりますから医師たちは新しい技術の習得に奔走するようになるでしょう。


厚生労働省に対する開業医の不満が爆発する

現在、医師には労働基準法が適用されることがなく、不当解雇は教授の特権として認められています。8時間以上勤務に対しても法的な抑止力はゼロです。そして保険点数は厚生労働省によって安値で管理されていて、倒産する開業医も増えてきました。それでも医師たちが厚生労働省官僚たちに逆らわなかったのは、大学病院と学会と官僚を中心とした白い巨塔があり、これに逆らうと不利益を被る仕組み(恐怖)があったからです。


自由診療が優遇されると、厚生労働省の不当な押さえつけに逆らう開業医が激増します。なぜなら、保険側は「保険医資格の剥奪と保険請求の支払い」を盾にして開業医の反乱を防いでいたわけですが、自由診療が優遇されれば、保険医の資格を剥奪されても自由診療のみで自立して営業が可能になるからです。保険側が不当に安い保険点数を制定してきたら、それを無視して自由診療に切り替えればいいわけですから。誰も保険側(国側)に従わなくなります。これはすなわち、学会にも教授にも逆らう医師が増加することを意味し、白い巨塔の崩壊を意味します。


逆に言うと、学会に逆らわなければ自由診療はできません。そもそも自由診療は学会の定める治療方針で治らない患者を治すための診療だからです。学会の定める診療ガイドライン通りに治療するのであれば、自由診療にしたところで治りませんので患者が治療費を支払ってくれないでしょう。つまり、学会推奨の治療をする開業医は「自由診療ができない」医師です。


ほとんどの開業医は国が定める(学会が定める)治療では、患者の症状が改善されないことを認識しています。そして、そういう患者を治してあげようと立ち上がる医師たちは、当然ながら学会にも国にも大学にも逆らって反旗をひるがえすわけです。まさに、医師たちを管理する側(国や学会や教授)がもっとも恐れているのはこうした開業医の反乱なのです。彼らは医師の支配体制が崩壊することをもっとも恐れており、逆に言うと、医師の支配体制を維持するためだけに、巨額の保険料を国が支払い、そして財政赤字を作っているわけです。いったい何のために国がこれほどの財政赤字を抱えなければならないのか? 真意を知ってほしいところです。それは国のお金で医師を管理するためです。患者のお金で医師が動く場合、治療は患者本意になりますが、国のお金で医師が動く場合、医師は患者の意志よりも国の意志を尊重します。よって開業医は国側に逆らわなかったわけです。自由診療が優遇されると、そうした医師の支配体制が崩壊します。


大衆医療が発展する

一生に一度しかかからないような大病や難病は大きな病院や大学病院が受け持ちます。そしてかぜ、腹痛、下痢、自律神経失調、腰痛、筋肉痛、神経痛、腱鞘炎、耳鳴り、難聴、ふらつき、鼻炎、高血圧、糖尿病など、これまで「薬で抑えてきたが、治すことができなかった」大衆の病気に対する治療は一般診療上が中心であり、ここで自由診療で発達します。マッサージや整体なども診療所がどんどん取り入れるはずです。医師も鍼灸を学ぶ人が多くなるかもしれません。税制で有利になるのでどの科の開業医も不定愁訴を治せる治療法をこぞって身につけようとするでしょう。


大衆に対する自由診療が増えた分だけ保険診療が減るので、財政赤字は一挙に改善されるでしょう。自由診療で法外な値段を請求する医師が出現するかもしれないと思うかもしれませんが、そのような医師は自由競争の中では真っ先に淘汰されるので心配要りません。


労働基準法が医師には適用されない

大学病院の医局員は教授の一存でいつでも首にすることができ、失業保険もありません。さらに大学病院の関連病院にも就職させないといういやがらせも可能であり、大学教授のこうした人事権、特権は日本国憲法の定める基本的人権の尊重を超えています。また、医師には労働時間の制限はなく、48時間連続勤務をさせられ、体を壊しても訴える先がありません。医学界では労働基準法の治外法権が認められており、基本的人権の尊重は無視されます。こうした中で医局員は常に首を切られる恐怖政治におびえながら、教授の犬となります。


教授の強権におびえながらも、お金を蓄え、やっと開業したあかつきには、今度は保険制度に束縛されることになります。保険制度の料金改正により、倒産させられる恐怖におびえなければならないからです。医師は大学を離れても保険医という呪縛から逃れることができません。保険医の呪縛から逃れるためには自由診療を行うしかありませんが、自由診療では優遇税制が受けられないという呪縛が待ち受けていて、自由診療に切り替えることがなかなかできません。保険診療と自由診療の混合が認められれば、保険で足らない部分は患者に自費で請求できるため、保険制度がどう変化していこうと自由に対応できるようになります。つまり、混合診療が認められれば、保険側(厚生労働省側)からの不当な支払い拒否の呪縛から逃れることができます。


現在、開業医たちが、保険制度の不当な料金引き下げに誰も抗議しないか?というと、保険制度から逃れることができない税制になっているからなのです。保険診療は報酬が安いが、税制で優遇されている分で充当されていると考えてよいでしょう。この充当が、アメであり、安い報酬がムチとなっていて、アメがほしけりゃムチを黙って受けなさい、というのが今の日本の医療体制となっています。


学会がそこに一枚かんでいて、学会公認の専門医にならなければ、保険で支払い拒否にしようとする動きもあります。保険(厚生労働省)、大学、学会は三位一体となって医師を支配する封建制度を構築しています。この強権に逆らう医師はこれまで一人もいなかったわけです。この強権のおかげで、医師の基本的人権の尊重は無視され、労働基準法も適用されない治外法権的な世界を作っているのが日本の医学界です。


自由診療、混合診療が認められれば、厚生労働省のガイドライン通りに治療しない医師が大勢出現し、学会が定めるガイドラインは形骸化します。保険外治療が増えるということはガイドラインが万人に通用しないことを暴露されるようなものだからです。学会のガイドラインが形骸化することは大学教授が支配する白い巨塔の強権と、厚生労働省の権威が崩れることを意味します。つまり、教授や官僚が医師を犬のように取り扱うことができなくなるわけです。


一般の医師は教授の駒にすぎません。そうした駒から逃れる道が保険外診療であると言えます。混合診療がなぜこれほどかたくなに拒絶されているのか? その理由は「教授・官僚が医師を支配する体制が崩壊する」からであると推測します。私は常に教授・官僚の強権の及ばないところで密かに非常勤を続け、そして自分の診療スタイルを見つけ、自分の治療法を数々発見してまいりました。保険外診療が公式に認められれば、私のような医師がどんどん増えることを意味します。


逆に言えば、教授の強権の及ばない場所で切磋琢磨すると、いろんな病気を治せるようになることを意味しています。すなわち、医師を支配する封建制度が医師の個人個人の研究を阻止し、「教授しか新たな治療を創造できない世界」を作っていることを意味しています。一般の医師に新たな治療法を編み出されることは教授たちや学会は許しません。


自由診療が拡大すれば、封建制度が崩れます。崩さなければ、日本の財政難と超高齢化社会問題を解決できません。この封建制度を死守したがっているのは東大卒の勢力です。東大が日本の医療界を牛耳るシステムがこの国の医療財政を危機に陥れているといえます。もちろん、それが悪いとばかりは言えません。医師を支配することで医師の教育レベルを一定水準以上にたもつことができるでしょう。しかし、その一方で秀でた才能を開花させることを阻み、出る杭が打たれ、自由な治療が阻止され、大衆が困っています。みなさまの力で、どうかこの国を救ってあげてください。

日本医療の難題5 自由診療拡充でできること

措置法26条が改正されると

措置法26条が改正され、自由診療を行った場合に保険診療以上に税制で優遇されるという暫定的な法律が制定されれば、自由診療を行おうとする開業医の割合が必ず増えます。一般的には「医者がボロもうけ・・・」と悪意に考える方が多いと思われますが、自由診療は他のカイロプラクティックや鍼灸と同じであり、「法外な値段で診療すれば患者が来院しなくなる」ので商売の自由競争原理が働きます。医療事故でも法的に守られにくくなりますので、万一のときは全責任をとらなければならず、「猫も杓子も自由診療」というわけにはいきません。医学書に掲載されていない治療法を編み出せる技術を学ぼうとした医師にしかできることではないでしょう。よって無造作に自由診療が増えるわけではありませんので、その点はご安心ください。実際に自由診療が拡充した場合に、どのような治療が行えるのか?についてペインクリニック整形外科的に言及したいと思います。


高齢者のブロック注射が解禁

ペインクリニック科の医師は他の科の医師たちよりも硬膜外ブロックが得意ですが、それでも高齢者の変形した脊椎に確実にブロックをすることは極めて難しいと言えます。中年の患者であれば1分で終わる硬膜外ブロックが、後期高齢者では30分以上かけても入らない、2度トライしたが入らない・・・ということが普通にあります。したがって、現状では数分~十分かけてもなかなか入らないブロックの場合、ブロックが成功していないと感じても「はい、終わりました」と言ってそのまま帰宅させるか、変形の強い高齢者のブロックや、肥満患者のブロックをそもそも行わないかのどちらかになります。つまり、現在のようなブロックの値段設定では「高齢者や肥満者へのブロックは無理なことが多い」のです。


しかしながら、自由診療が拡充すれば、「時間料金制」で診療が可能になります。10分で成功すれば保険診療内でOK、30分かかるなら20分相当の追加料金をいただきます。こうすることで「高齢者や肥満者への難しいブロックを行おう」とする医師の数が増えます。これまでの保険診療では、保険診療の設定が安すぎるため、「高齢者へのブロックは赤字となるため避けなければならない」状態でしたが、自由診療が始まれば、ようやく赤字経営にならずにブロックが難しい人にも行うことが可能になります。このように安すぎる値段設定のために避けられていた治療の全てが解禁されると考えてよいでしょう。超音波透視下の治療も大幅に増え、安全性と確実性が格段に向上します。


治療スピードが格段に上昇する

急性期の激しい神経痛にはどんな治療も「焼け石に水」であり、症状が強いものは週に1回のブロックでは全く効果がありません。ブロックが1日しか効果がないのに、現在の保険制度では1週間待たなければ次のブロック注射を受けることができません。よって、せっかくブロックを行っても、次の週には痛みが完全に戻ってしまい、治療がふり出しに戻ることがありました。自由診療が解禁となれば、痛みが強ければ翌日に再度ブロックを行い、治療の蓄積効果を作ることができます。徹底的にブロックすれば、翌週には痛みを制御できるようになり、治療のスピードを格段に速めることができます。自由診療解禁で治療回数制限が解除されます。治療のスピードを速めることは、資産家やアスリートの方など世の中で活躍されている方であればあるほどその価値は高いものとなります。


複数の病気を同時に治療できる

バカバカしい話ですが、現在の保険診療では、1日に1箇所のブロックしか認められておりません。坐骨神経痛と頚椎神経根症の治療はその日に同時に行えません。通常は1週間開けなければ別の箇所の治療ができません。あまりに理不尽な決まりです。自由診療が解禁になれば、一つを保険で治療し、もう一つを自由診療で行い、その日のうちに2箇所の治療をします。社会人にとって勤務を休むことはたやすくないため、2ヶ所の治療はその日のうちに行うべきです。それが可能になります。


神経根ブロックを低価格で提供

私は透視や造影剤を用いずにブラインドで神経根ブロック注射ができます。しかし、ブラインドで行う神経根ブロックは保険側から支払いを拒否されています。その理由は「ブラインドでは確実性が少ないため、透視下に造影剤を用いて神経根を目で同定しなさい。そうしなければお金は払いませんよ。」といわれるからです。つまり、難易度を高くして、易々と高価な治療をさせないとういう方針です。私のようにブラインドで神経根ブロックを行う医師を出現させないための措置です。ブラインドで行えば、短時間で大勢を治療することができてしまい、保険請求額が膨らみます。よって私はブラインドで神経根ブロックを行っても、料金請求ができない状態でした。ブラインドのよさは、1度に何箇所でも神経根ブロックを行うことができるところです。左右両方にもできます。例えば自由診療解禁になれば、低価格で何箇所にもできる神経根ブロックを提供できます。


保険診療では、「神経根を造影剤で同定せよ」という必須条件があるため、神経根に針を刺し、そこへ造影剤を流すという神経根にとって害になる手技が必須です。この過程は患者にとって極めて痛い手技ですので、一度受けた患者は「二度とやるものか!」とお怒りになる方も大勢おられるほどです。さらに、神経を刺すという手洗い手技であるため、3回までが限度とされています。これに対し、ブラインドで行う神経根ブロックは神経に直接刺さず、近傍に薬液を浸潤させます。手技自体が痛くなく、造影剤の害もなく、安全で何度もできて効果が高くすばらしい手技です。自由診療が解禁になればブラインドの神経根ブロックが全国に拡大します。


痛い治療が痛くなくなる

ばね指の注射は手のひら側から行うと、あまりの激痛のためトラウマになるほどです。私はこれを痛くなくするために手の甲側からゆっくり時間をかけてていねいに注射します。しかしながら、ばね指の注射料金は保険では350円という「医師をバカにした理不尽な値段設定」になっています。手の甲から時間をかけてゆっくり丁寧に治療すれば10分近くかかります(料金的には4~5千円の設定が必要です)。それを350円にしているせいで一般的な開業医の間では「乱暴で数秒で行う激痛を伴う手技」にならざるを得ないのです。350円は立派に法外な値段設定です。おそらく国税局につつかれれば違法性がはっきりするレベルの安い値段設定です。


こうした法外に安い値段設定のものは一旦廃止し、自由診療で徴収すれば適切で安全な治療を行うことができます。保険側の料金設定が安すぎるために、ばね指の治療でトラウマになる患者が全国に何万人もいらっしゃることが不憫です。ばね指は料金が安いために起こる悲劇について述べましたが、一事が万事、全てのブロック注射で同様のことが言えます。ゆっくり丁寧に行えば痛くない手技なのに、速く行うことで危険で痛い、そして不確実な手技になってしまいます。 そういう意味で「時間をかけて痛くないブロック」を希望される患者には自由診療で別料金を加算し、安全・確実・痛くないブロックを時間をかけて行うことができるようになります。どんなに痛い注射も、別料金で特別細い針を用いて局所麻酔を先に行えばよいのですから。


顎・股から指まで様々な関節に注射可能

現在、保険制度では関節は800円均一と、法外に安い値段設定となっています。法外とは・・・前にも述べたように、医師の人件費を大幅に下回る値段設定という意味であり、これは国税局に追及されれば言い逃れができないレベルの安さです。5億円の豪邸を月額5万円で賃貸すれば、国税局から脱税とみなされますが、そのレベルで不当に安いという意味です。開業医が保険制度により、無理やり脱税の幇助をさせられているといえるほどです。国税局から訴えられるレベルに不当に安い厚生労働省の料金設定ですが、訴えられないようにするために厚生労働省は国税局とも一体化し、厚生労働国税省となるかもしれません(笑)。


股関節や椎間関節に関節内注射を行うには、X線(超音波)透視下に行わなければならず、どう考えても15000円以上かかる治療となります。しかし現在の保険制度ではそれを800円で行わなければならないわけですから、それは違法と呼べる安値設定ではないでしょうか?すなわち、難易度の高い関節内注射は「厚生労働省が認めていない」のと同じであり、このおかげで患者に治療が全くできません。保険側がお金を払えないから治療をするな!というのでしたら、我々は自費診療で治してあげるしか方法がありません。こうした「あり得ない治療」を「あり得る」に変えられるのは自由診療以外にありません。


難病を治せる

突発性難聴などは早期に適切なブロックを連日行えば、難聴の程度を低く抑えることができると思われます。しかしながら、連日の治療は保険が許可していません。難病を頻回のブロックで治すという考え方は、厚生労働省が認めるはずもなく、我々は治療に際し、どうしても治してあげたい患者には医師が自腹を切るなどのサービスを行い、完全なる慈悲として治療している現状があります。そうした自腹を切る医師は経営者から嫌われて解雇されることもしばしばあります。こうした理不尽を、自由診療が救ってくれます。そして難病を治療する機会が格段に増え、難病治療が一気に前進すると確信します。


安全性が格段に上がる

腱鞘内注射350円、関節内注射800円、関節穿刺0円、透視下治療0円などという理不尽かつ不当な値段設定は、短時間に大量に患者をさばく以外に経営を黒字にすることができません。そのため、こうした手技では「急いで行う」ことにより消毒にかける時間を短くし、殺菌効果が得られないうちに治療しなければなりません。つまり、料金設定の安さは感染のリスクを高めます。また、素早く注射をしなければならないという精神的プレッシャーは、神経や血管を傷つけてしまうリスクを高めます。さらに薬剤を素早く注射しようとするため、薬の圧力が組織を損傷し重篤な医療事故につながります。料金設定の安さは明らかにリスクを高めますが、自由診療でお金を掛けてゆっくり丁寧に行えば全てのリスクを低下させることができます。厚生労働省はこうした「料金引き下げによる事故の拡大」について軽視しすぎています。


手術件数が大幅に減る

各種注射手技に「お金をかけてもいいから、きっちり治してほしい」という患者が増えれば、腱鞘内注射や関節内注射の質が格段に向上し、余計な手術をしないで済みます。事実、私が担当した患者たちは、ばね指、手根管症候群、デケルバンなどの手術を必要とした者がこれまでたったの一人もいません。つまり、注射で治せるのです。しかし、その料金が350円では開業医は完全な赤字となりますので、これらの疾患を注射で治すことは歓迎されていません。すなわち手術へと駒を進めるのが整形外科医にとっては得策なのです。本当は手術などしなくてよい患者を、きちんとした料金設定であるならば、注射のみで治すことができます。


股関節内注射や膝関節内注射も同様であり、これらが開業医を黒字にさせる料金設定であるならば、開業医は「治すための注射」を進んで行うようになり、そして手術をしなくて済む患者が大勢出現します。この逆もしかりです。なぜ現在の関節内注射や腱鞘内注射が、違法なほどに安い料金設定なのか?の理由を勘ぐってください。安い=保険では禁止している、という事実上の制約です。頭ごなしに禁止はできないので、安い料金設定にすれば、事実上禁止に等しいでしょう。つまり、保険で注射を禁止=手術しか痛みを回避する方法なし・・・これは手術を専門とする整形外科医にとってどれほど都合のよいことでしょうか? 患者に手術を受けさせるために、これほど不当な料金設定にしているといわれてもやむなしです。


腱鞘内注射も関節内注射も、きちんと消毒して安全に行うには、問診も含めて一人15分はかかり、実際には5000~6000円の料金設定でなければ不当料金です。それをなんと!350円なのですから・・・不当かつ違法です。なぜ、保険側が違法な料金設定にしているのか?国民の皆様はよく考えていただきたいです。


余計な検査が大幅に減る

現在、保険側の不当に安い料金設定のおかげで、開業医たちは検査を多く入れることで手技の赤字を補填しています。嘘の病名をたくさんつけて、理由をつけて検査して黒字化経営をしています。こうした不要な検査は保険制度の崩壊を意味していますが、適正な料金で自由診療を行えば、不要な検査をたくさんいれなくても、正々堂々治療のみの料金で患者を診療しようとする医師が増えます。開業医とて良心の呵責があり、検査をたくさん入れることに心を傷めています。心を傷めることはストレスです。しかし経営のために検査を入れるのです。こうした無駄な検査が大幅に減るでしょう。


優秀な医師の診療費が高騰する

自由診療が拡充すれば、患者を速く治せる腕のいい医師の診療費が値上がりします。不当に値上がることはなく、自由競争原理として値が上がるでしょう。なぜならば、腕のよい医師は数回で完治させてしまうので、結局、腕の悪い医師が何十回と通院させて治療するのと比較すると、トータルの医療費が、腕の良い医師の方が安上がりになるからです。つまり、速く安全に治せる医師は診療費が高騰します。

当然ながら医師たちは「患者を可能な限り速くなおせる技術を身につけよう」と切磋琢磨するので、競争原理に基づき、医師の治療能力が大幅に上がっていきます。しかも、大衆病を治せる医師ほどビジネスで成功しますので、特殊な手術手技を身につけるより、多くの民が普通に困っている病気を治そうとするでしょう。これが高齢者の生活水準を上げるようになることはわかりきったことです。


越境通院が増える

近くの治せない医師にかかるより、診療費が高くても速く安全に治せる医師へと患者が移動し始めます。自由診療の治療費により医師の治せる速さを推測できるようになるからです。診療費が高い医師は技術が高いことがわかりますので、料金で医師の腕が一般人に広く見えるようになります。すると、電車や車で遠距離を移動しても「良い医師に治療してもらいたい」患者が増えるので越境通院者が増えます。


保険診療だけを行う=腕が悪い、ことを露見するようにもなります。よって、医師の間には「保険診療を行わないこと」がブランドになるようになるでしょう。しかし、保険診療は不当に安い値段設定ですので、万人受けはよいはずです。安さは人気でもあるので、保険診療がすたれることはないでしょう。


ただし、医師たちは保険診療しかできないこと=腕が悪い、と思われることに恥を感じるようになりますので、腕がないが勉強熱心な医師たちは保険診療への嫌悪感を増大させます。妬みです。保険診療は貧しい人が受けるというイメージも定着するはずです。そして保険診療だけを行う医師は、実際にお金持ちや著名人たちを診療することはほとんどなくなると思われます。こうなると教授といえども自由診療に強い憎悪を覚えるはずです。よって必ず抵抗に遭います。


それでも保険診療は手術を必要とする大きな病気ではしっかりと役割を果たしてくれますので、大勢に影響はありません。しかし、開業医たちは厚生労働省の官僚たちへの不満が増し、彼らの命令に従わない者が増えるでしょう。なぜ厚生労働省が自由診療を拡充させないかの真の理由はここにあると言えます。医療の発展を阻止し、国の財政を陥れようとも、自由診療反対を掲げるのは、医師が厚生労働省に造反する恐れがあるからです。

日本医療の難題6 共産主義医療の崩壊

貧民優遇の日本医療

日本の医療は諸外国と比べて極めて弱者優遇です。ホームレスは地方自治体が治療費の全額を負担し、生活保護者も全額負担。後期高齢者では保険側が9割を負担。小中学生も全額負担の地方自治体が多く、「お金を稼ぐことができない(職を持たない)人」を無料で治療するのが日本の特徴です。この点が世界がうらやむ日本の医療なのですが・・・万一TPPが推進すると、海外の貧しい人も日本に来れば高価な医療を受けられるようになるため、日本財政が窮地に追い込まれます。このことを理解している国民は皆無のようですが・・・


このような日本医療の慈愛に満ちた思想は世界でも評価されておりとてもすばらしいものです。しかしながら、職を持たない人たちは毎日でも通院が可能で、職を持つ人は通院する時間がないことより、実際は「職を持つ人」よりも「職を持たない人」を優遇する医療となっています。すでに日本の保険医療は崩壊しており、たとえば保険側はブロック注射については「1日に1箇所治療かつ週に1回までしか治療を認めない」という方針で運営しています。仮に3箇所に痛みを持つ患者の場合、週に3日通院すれば3箇所を治療可能ですが、週に1日しか来院でない場合、1箇所しか治療をしてもらえないことになります。職を持たない人は週に3日通院することができますが、職がある人は週に1日しか通院できません。このように職を持たない人は職を持つ人の3倍の治療を受けられます。保険側の理不尽な治療制限のために、「職がない人」の方が医療で何倍も優遇される「逆差別医療」が日本の医療の中心となっている現状です。しかも、生活保護など、保護を受けている方への医療費は保険側が全額負担しますので高額な医療を受けてもふところは全く痛みません。


よって開業医側は「生活保護者・障害者にこそ高額な医療を絶え間なく何度も行う」ということを行いたくなります。高額な医療を行えば行うほど患者に喜ばれ、自分も潤うからです。この現象は後期高齢者の1割負担でも同じです。1割しか負担しないので高額な治療をすればするほど患者に喜ばれます。医師側も儲かります。このように日本の共産主義医療は弱者逆差別が行われており、弱者の方が職のある社会人よりも高額な医療をふんだんに受けているという事実があります。そして保険側がこれを阻止するために、不当な料金設定や支払い拒否をすると、その負担は労働者側に回ります。被害を受けるのは常に優良な納税者たちです。これはまさに共産主義医療の弊害と言えます。


金持ちよりも生活保護者

このような共産主義医療体制の日本では資産家のお金持ちよりも、生活保護者や高齢者からの方が診療費を多く稼ぐことができます。「歓迎すべき患者」とは、資産家・有名人ではなく、弱者です。資産家はお金を多く払い、治療を優遇してもらえると考えるかもしれませんがそれはあり得ません。日本では自由診療に重税が課せられるため保険診療を行おうという強い指向があり、保険診療は全て安値均一なので資産家から多く医療費を頂戴することが不可能です。つまり、開業医にとって資産家は「特に病院に有益ではない存在」であり、しかしながら態度は大きく高圧的に接してくるため、医師側にとっては歓迎されない存在です。さらに、資産家は「1回の治療で治せ!」という無理難題を平気で言ってくることが多く、医療界で嫌われ者です。医師もそういう患者には接したくないので治療する機会を減らす傾向にあります。よって資産家は逆に冷遇される医療体制であると言えます。


日本は士農工商という身分制度を敷いていた国であり、商人=資産家、に対しては冷遇することが道徳的に正しいとされている国です。そうした資産家冷遇体制を医療界では推進しています。公的な病院では賄賂や贈答品を絶対に受け取りを拒否します。これが「資産家に便宜を図らないという態度」です。よって日本では資産家は健康面で大変苦労することになるわけです。


共産主義医療の現実

万民が質の高い医療を受けられるのが共産主義医療の利点ですが、それは国家に潤沢な財産がある時にしかできません。現在のように財政赤字が膨らんでいる時点で全国民に平均的な医療を受けさせるには「質の低い医療を均一化させる」しか方法がありません。すでに保険側は「治療は週に1回しか認めない」というような方針を全ての治療で推進しており、資産家が医師の前にどれほどお金を積もうとも、週に1回しか治療を受けさせない状況となっています。つまり、質の高い医療を拒否されるのが日本の共産主義医療です。その中でも回数制限がもっとも重くのしかかる診療拒否です。


共産主義医療の最大のメリットは前のシリーズで述べましたが、医師を厳重に管理できるところにあります。民主主義では治療技術が高い医師ほど民衆の支持を受け、強い権力を得るものですが、共産主義では治療技術が均一化されてしまうために「技術力の高い医師」は出る釘として叩かれてしまいます。すなわち、真の実力者が実力をつけたり、指導者になったりする機会が奪われ、そして官僚・学会・教授(東大・一流国立大卒)がトップに立って医師を指導できるわけです。


共産主義医療では「ことなかれ主義」となりますので、リスクのある治療は禁止していきます。これにより安全性が保たれるというメリットがあります。その反面、治らない病気に対して果敢に挑戦していくことがなくなります。果敢に挑戦した医療にかかる費用を、保険側は支払い拒否するからです。資産家が医師の目の前にお金を積んで「果敢に挑戦する診療をお願いします」と頭を下げたとしても、それを行う医師はいません。日本の医師は官僚・学会・教授に忠実だからです。


資産家は路頭に迷う

資産家は財産がいくらあっても、そのお金を医療に遣うことができません。莫大にお金をかけるのは、せいぜい贅沢な個室料金であり、大学で行う先進医療くらいなものです。先進医療は治療法が確立されていない難病には無力であり、さらに大衆医療にも無力です。よって資産家が治療法の確率されていない難病にかかったり、大衆病に苦しんだりしたときは大病院に入院して贅沢な個室に入っても、有効な治療を受けることができません。ホームレスが受ける治療と同じ治療しか受けることができません。


資産家は医療の世界もお金で何とかなると勘違いしている方が多くおられます。よって、テレビ・雑誌で有名な医師、大学病院の教授などにかかり、賄賂を渡せば何とかなると考えていますが、賄賂を渡したところで治療方針が変わるわけではなく、医師の顔色が変わるだけです。立派な個室に入っている場合、医師は低姿勢になりますが、治療の質が上がることは全くありません。何度も言うように、資産家もホームレスと同じ治療しか受けられません。それは保険側がお金を支払うのであって、資産家自信が支払っている診療費はほんの一部だからです。教授たちが資産家や有名人の患者を好む理由は、彼らの自尊心が満たされるからであり、収入が増えるからではありません。教授たちが資産家に与えることができるのは、ガイドラインでお決まりの治療であり、「権威のある教授にかかった」という安心感のみです。


また、教授たちはお金では動きません。正確に言うと、お金で動こうにも「ガイドライン上の治療しかしない」のが教授です。なぜなら、教授がガイドラインを作っているからです。むしろ教授は官僚側(保険側)であり、ガイドラインに従わない医師に圧力をかけ、自分の示す治療に従わせようとする存在です。そういう医師が自ら保険外治療を推奨するはずがありません。ですから、資産家が賄賂を渡しても、彼らは均一な治療しかしません。特に大衆病は「教授たちが触りもしない病気」ですから、資産家が大衆病にかかれば、お金をかけようとも打つ手がありません。皮肉なことに、資産家であっても有名人であっても、圧倒的に大衆病にかかる確率の方が高いと言えます。大衆病を患った場合、都会の大学病院に行けば治るというのは幻想です。ただし、手術が必要な病気の場合、「大病院指向」は正しいと言えます。それは、難しい手術はチームを組まなければ適切に治すことが難しいからです。しかし、そうした手術でさえ、国民は平等に手術を受ける機会があり、特に資産家を優遇するわけではありません。すばらしい医療の精神です。


共産主義医療を壊す

共産主義医療は「お金がない」ことで崩壊します。高齢者がこれほど増えてしまっているので医師たちにお金を払いきれません。そこで国側は二つの選択に迫られます。さらに「安値均一にする」か、「混合診療を認める」か?です。安値均一にすると医師たちがいずれ反乱し、保険が崩壊します。混合診療を認めても保険が崩壊します。前者は国家財政を傾け、後者は国家安泰にさせます。どちらを選んでも保険は崩壊します。


東大官僚が医師を忠犬のように支配する白い巨塔体制を維持するには、お金がかかりすぎるのです。人口的にはわずかな数である教授や高官ですが、そのわずかな人間が大勢の医師を完全支配するために、共産主義医療は存続させられています。高額な国家予算を浪費して・・・。保険医療は遅かれ早かれ崩壊しますが、高齢化社会はそれよりも早く進みます。その早さに医療を追いつかせなければ、国は債務放棄するしか方法がなくなります。


共産主義医療には、良い点がたくさんあることを理解していますが、私は国が債務放棄する心配に心を傷めています。私は、国民の方々に自分の意見を押し付けようとは思いません。ただただ現実を述べたのみです。各自がお考えになり、行動に移していただければよいと思っています。また、私がここに示した意見は一意見であり、医師全体の総意ではありません。

硬膜外ブロック後の遅発性脊髄麻酔に要注意

はじめに

硬膜外ブロック後、30分以上経過し、それまでは麻酔にかかったような兆候が全くなかったにもかかわらず、患者が動き出すといきなり脊髄麻酔がかかってしまって動けなくなり、不幸な場合には循環ショックにより意識消失となる例があります。これは単なる硬膜穿破の話ではなく、硬膜外ブロックが成功しているにもかかわらず、薬剤の拡散経路の癒着などの問題で起こる例であると推測しています。医師側の医療技術が介入できない不慮の脊髄麻酔なのでこういう事例があることを認知しておかなければなりません。遅発性脊髄麻酔の概念は現医学にはなく、急激な麻痺や意識消失が起こったとしてもそれは脊髄麻酔が原因とは推測されず、発作として無視されます。一刻も早く一般知識として遅発性脊髄麻酔があることを知っていただくためにここに提示させていただきます。


遅発性脊髄麻酔の3例

  • 80歳女性 腰部硬膜外ブロック(L3/4より0.5%キシロカイン5cc)後、20分ベッドレストとし、その後会計で10分椅子に腰掛けて待ち、歩行も普通にできていた。タクシーで自宅に帰る途中で下半身麻痺が出現。雨が降っていたがタクシーの運転手が玄関前に患者を抱きかかえておきざりにして行った。約1時間後には自力で歩けるようになった。遅発性脊髄麻酔は、硬膜外ブロック手技40分後に発生したと推測される。

 

  • 76歳女性 胸部硬膜外ブロック(T10/11より 0.5%キシロカイン5cc)後、20分ベッドレストとした。ブロック後20分の時点で麻痺はなく手足ともに動かすことができたので、独力でベッドの上に坐位となる。しかし、坐位になって数分後、服装を整えている最中に識消失30秒、その後意識を取り戻し嘔吐。自発呼吸あるが下肢は麻痺。姿勢を維持することもできないためベッド上で1.5時間仰臥位レスト。独歩帰宅した。

 

  • 66歳女性 腰部硬膜外ブロック(L3/4より0.5%キシロカイン5cc)後、会計を済ませベッドレストを行わずに帰宅。買い物を済ませバスに乗っている最中に下肢の脱力が出現(ブロック後約40分)。あわてて、バスを降りるがバス停にベンチがないため地べたに座る。その後30分経過後足が動くようになったため独歩帰宅。

 


0.5%キシロカインの効果のピーク

当院では0.5%キシロカインを5cc、硬膜外ブロックに使用しています。麻酔効果のピークは20~30分で、その後に徐々に薬剤が拡散して作用が薄れていきます(当院でのデータ)。

このピークタイムは薬剤の種類、濃度や量によって変わります。上記の3例は全例、ピークタイムでは正常に下肢が動いいました。しかしながらピークタイムを過ぎてから突然の麻痺が出現しています。通常ではピークタイムを過ぎるとキシロカインの麻酔作用が切れてきますが、3例はピークタイムの時点でそれぞれ麻痺は起こっていません。よってその後に突然に麻痺が起こるのは、何らかの理由があると考えます。


硬膜穿破との違い

注射針が硬膜を貫き、深く入った場合もその麻酔作用は20分後がピークとなります。ブロック後20分経過した時点で3例とも麻痺が起こらず、足を動かすことができていましたので硬膜穿破は否定的です。また、硬膜外ブロック時に硬膜にピンホールを開けてしまい、そこから徐々にキシロカインが脊髄内に移動したという推測もできます。ちなみに使用した針は25Gカテラン針であり、たとえ硬膜にピンホールを開けてしまっていたとしても、大きな穴ではありません。ですが、3例ともに、ピンホールからキシロカインが徐々に入っていったという効き方ではありません。遅発性にいきなり麻痺が出現しています。


キシロカインの髄内流入の3つのルート

硬膜外腔にとどまっていたキシロカインが脊髄内に流入する方法は3つ考えられます。

  • 1、硬膜にピンホールを開けてしまい、そこから流入
  • 2、硬膜に癒着などの異常があり、そこの脆弱部分に偶然亀裂が発生し流入
  • 3、中枢系リンパ管を介して脊髄内に流入

3の中枢系リンパ管は極最近になってその存在がわかってきました(「科学界に衝撃、医学界に激震、リンパ管組織発見」参)。このリンパ管をキシロカインが逆流して脊髄内に侵入することがあり得るのではないかと考えています。


硬膜外腔に癒着の存在

逆流経路は判明していても、遅発性にいきなり流入するということが起こるためにはキシロカインが嚢胞状にストックされていて(拡散せずに1箇所に溜まっていて)、それが突然髄内へと流入したと考えざるを得ません。

硬膜外腔内でキシロカインが拡散せずに嚢胞状にストックされるためには、硬膜外腔に癒着が存在していることが必要条件と考えます。そして何らかの動作で、ストックされていたキシロカインが上記の経路を伝って脊髄内に流入し、「突然の脊髄麻酔」という不慮の出来事を発生させると思われます。


技術的な介入は不可能

どれほど医師の硬膜外ブロックの技術が上達したとしても、上記のような症例を防ぐことは不可能です。硬膜外腔にキシロカインがストックされることは偶発的な出来事であり、技術で防ぐことができません。

患者が高齢であれば予期せぬ脊髄麻酔の副反応が現れます。もっとも危険なのは急激な血圧低下による循環不全です。遅発性の脊髄麻酔の場合、帰宅中に発生すると道端で倒れてしまうこともあるため、その際には適切な医療措置が受けられないため危険度はさらにアップします。そして、数多くブロックを行っていれば必ず起こることであると思われます。発生率はおそらく0.1%から0.5%の間であると推測し、誰が行ってもどんな施設で行っても発生率をゼロにすることは不可能と思われます。


遅発性脊髄麻酔の予防方法

予防することは不可能ですので、安全対策をとるとすれば二つあります。一つはブロック後、3時間以上ベッド上安静をとること。脊髄麻酔がかかると長くて数時間、下肢に力が入らなくなり、血圧が低下します。急激な血圧低下を防ぐにはベッド上安静を行い、薬剤を拡散させてしまうのが最善です。その安全性の確保には入院させてブロックを行うことが理想的です。

全国的に整形外科では「硬膜外ブロックは入院患者にしか行わない」とする施設がありますが、この方針は本症例のような事故を防ぐための理論として商業利用される可能性を秘めています。つまり、神経痛で歩行困難な患者を目の前にして「入院しなければ治療しない」と断り文句にし、入院させて硬膜外ブロックを行い、入院費を稼ごうとする医療法人に有利に働きます。


 

主に外来でブロックを行う開業医では3時間のベッド占有は経済的な不利益という負担をかけますので臨床現場では実施が難しいでしょう。ならば安全にブロックを行うためには1回の注射量を少なくすることが望ましいと言えます。万一脊髄麻酔になったとしてもショックが起こらないレベルの量にとどめることが安全策として優秀です。

0.5%キシロカインを2~3ccであれば万一の脊髄内ブロックとなったとしても大きな問題にはならないでしょう。つまり、高齢者や心疾患などがある患者に対しては、硬膜外ブロックなどを行う際には、できる限り少ない量でのブロックをこころがけるとよいでしょう。


ブロック後の副反応報告にはカウントされない

このような遅発性の脊髄ブロックはブロック後に時間差で発生するのでブロックによるものとは考えられず、心臓発作や低血糖発作、失神発作と誤認されます。よってブロックの副反応として臨床データに計上されることはありません。しかしながら実際は1%未満の発生率として普通に起こっているかもしれないことを念頭に置くべきです。高齢者のみならず、若い患者にも起こりえます。そして発生を防ぎようがありません。硬膜外ブロックを行う際には遅発性に脊髄麻酔がかかる可能性を認識しておきたいところです。

すでにこの事実が既知であるのでしたら、それは問題ありません。

人としてチャレンジ(突発性難聴撲滅へ)

人としてチャレンジ・・・これは突発性難聴に治療法があることを広く認識していただくためのキャンペーンです。以下をお読みになり、突発性難聴撲滅にご賛同いただけるならこの記事をシェアしていただきたいのです。


突発性難聴とは

突発性難聴は突然に原因不明な内耳性の感音性難聴が発症する疾患です。年間に3万5千人が発症する「決してマレではなく身近」な病気です。治療法はステロイド投与・高圧酸素・星状神経節ブロックなどがありますが、治癒率は3割とも言われ、多くは治療も虚しく難聴が完成してしまう「極めて悪質な」病気です。この病気が発症してしまうとできるだけ早期に適切な治療を受けなければ難聴になることを防げないと言われていますが、現医学では「適切な治療法」がほとんどなく、入院治療を受けたとしても7割は何らかの後遺症を残してしまうという現状があります。


難聴が完成してしまうか治癒するか?を決めるものは「治療開始が早いか遅いか?」であるかのように言われていますが、真実はそうではありません。難聴が高度であり、めまいをともなうものは予後が悪いと言われ、治療を早く開始したところで症状が完成することを防ぐことができません。逆に言うと、難聴が軽度でめまいをともなわない「軽い突発性難聴」では自然に治癒することも多々あります。


この事実から逆に考えると、上記のステロイド投与・高圧酸素・星状神経節ブロックなどの治療が、本当に有効なのか?も疑問です。重度の突発性難聴ではどの治療も無効で、軽度であれば自然に治癒することもしばしばあるからです。軽度の突発性難聴の場合、それが軽度だから治癒したのか、治療効果があって治癒したのかは誰にもわかりません。そして重度の突発性難聴では、治療を早期に行ったとしても難聴が完成することが初めからわかっています。ただし、発生の数時間以内に交感神経節ブロックを受け、血管拡張→血流増加をさせることができれば、重症の難聴でも改善させることができると考えています。このことについては後述します。


この事実は突発性難聴には現医学で有効な治療法がないことを露見しています。突発性難聴が重度であった場合、大学病院で入院治療したとしてもほぼ治らないことがわかっているというのに、本人はそれを知らされず、ただ入院治療に専念することを命じられているという理不尽かつ悲惨な状況なのです。


もしも、他に有力な治療法があったとしたら…

実を言うと、突発性難聴の治療としてステロイドや高圧酸素よりももっと有効な新治療があります。それは上頚神経節ブロックというものです(著者が開発した最先端医療技術です)。著者は約2年前から難聴の患者にこのブロックを行い治療データをとりました。そしてようやく治療効果が既存の難聴治療よりも高いと確信が持てるレベルとなったのでこのように公開しています。今は一刻も早く世界の人達に突発性難聴に有効な治療法があることを教えてあげなければならないと考えています。それは「人として」の義務であり、自分の医療技術を誇大広告するためではありません。一刻も早く、新治療を受けさせてあげなければ、患者の一生が台無しになります。難聴が完成してしまうと社会人としては極めて大きなハンディキャップを背負うからです。


しかしながら患者は入院する際に、病院の医師たちから「一刻も早く入院して治療を受けなければ、難聴になってしまう確率が上がります」と脅されています。そのため入院を振り切ってまで私の治療を受けようとする患者はほとんどいないという悲しい現実があります。しかし、真実は「重度の突発性難聴の場合」現医学では有効な治療法がなく、入院してもほとんど改善しません。一刻も早く上頚神経節ブロックを受けさせてあげなければなりません。


突発性難聴の治療例

  •  68歳女性。朝起きたら突然めまいが出現し、同時に右耳がふさがったように感じ音が右耳で全く聞こえなくなった。同日娘に連れられS病院に来院。脳のMRIで梗塞などの異常が認められませんでしたが、突発性難聴の診断で即時入院となりました。入院先ではお決まりの大量ステロイド療法が開始されましたが、それでも症状が全く良くならないことを心配した娘がインターネット検索を行い、私のサイトにたどり着き、上頚神経節ブロックという新治療があることを発見しました。しかし入院しているので私の治療を受けることができません。よって私は娘に「星状神経節ブロックを入院先で毎日行ってもらってください」と指示しました。星状神経節ブロックはステロイド療法よりはまだ治る確率が高い治療だからです(高いと言う明らかな証拠論文はありませんが)。S病院では娘の申し出を快諾し、ステロイド療法に加え、麻酔科医が毎日星状神経節ブロックを行ってくれました。しかしその甲斐なく、数日ブロックを行っても全く改善しませんでした。
  •  娘はついに彼女を入院先から外出させ私の診療所に連れ出すことを決意します。このことがばれると入院先の病院に保険診療上の迷惑がかかるので、隠密に自費診療で治療を受けることになります。患者は難聴よりもめまいが症状としては強く、まともに歩けない状態でした。上頚神経節ブロックを受けて数分後、右耳にかすかに音が聞こえ始めました。患者は初めて「治療効果があった」ことに大喜びし、通院治療をすることを決意します。しかし、そうそう何度も外出することは不可能なため、私は継続して入院先の病院で星状神経節ブロックを受けることをアドバイスしました。もうすでに難聴は完成しており、手遅れ感があったからです。「退院してから治療をしましょう」とアドバイスしました。しかも娘に自動車で送り迎えをさせ、自宅が遠方なので通院が大変です。週に1~2回の治療がやっとでした。結論から言うと、8回の治療で聴力をおよそ半分取り戻し、めまいは「ややふらつく」程度まで回復させ、それで治療を終了しました。根気よく通院すればもう少し改善できますが、通院の労力を考えるとある程度妥協が必要だからです。他にも現在治療中の症例があります。その方のブログはこちらです。

 

上頚神経節ブロックはローリスク・ハイリターン

上頚神経節ブロックの合併症や副作用は5年前から研究しています(こちら)。のべ数千人に行っていますが今のところ後遺症は1例もありません。


突発性難聴治療成績と現状

このHPをご覧の方から治療を希望されるかたが増え、現在10名以上の方がリアルタイムに突発性難聴後に上頚神経節ブロックを受けに通院されています。その実績を示し、今後の治療のあり方について述べます。

  • 難聴発症後2日以内に上頚神経節ブロックを受けた2名

数回の治療(上頚神経節)でほぼ難聴が完治しました。オーディオグラムは測定していませんが即座に治りました。2名とも軽症~中等症であり、重症ではありませんでした。重症ではないことと早期治療が重なれば、即効で治癒すると考えます。入院の必要もステロイド点滴の必要もありません。ただし、この2名は私が突発性難聴の治療を行っていることを知らずに偶然に私に発見された幸運の患者ですから早期治療が出来ました。普通はまず耳鼻科医に行くでしょうから、早期に突発性難聴の患者が私と出会う確率はゼロに近いでしょう。

  • 発症10日以内の他院入院患者で、改善傾向が少しあった2名

両者共に30代男性。入院治療中に私のHPを発見し、退院直後に私へアクセスしてこられました。上頚神経節ブロックを行った直後より音が劇的に大きく聞こえ始め、平均して30db程度かそれ以上の底上げができました。他院に入院中に若干でも音が聞こえる兆しがあった場合、上頚神経節ブロックを受ければ劇的に改善する可能性が高いと考えます。治療開始時期としてはやや遅いと思われますが、他院の治療で多少でも効果がある場合、その時点で上頚神経節ブロックを受ければ改善する可能性が高いと思われます。このように、発症から10日以上経過していても、その時点で多少の改善傾向がある患者の場合、上頚神経節ブロックを行えば劇的に改善するようです。この2名は初回の上頚神経節ブロックを行った2時間以内に、音が大きくはっきり聞こえるようになったという共通した特徴があります。

  • 他院の治療で全く改善しなかった5~6名の患者の場合

これらの患者は他院で様々な治療を(主にステロイド点滴)行い、1週間から2週間以上経過して全く改善しなかったパターンです。難聴が完成してから私のHPにアクセスされた方たちです。初回の上頚神経節ブロックを行った直後も音が聞こえるようになりません。数回の上頚神経節ブロックで、耳鳴りの低下や音割れ現症(自分の声が割れて大きく聞こえる)、閉塞感の解除などを数分程度、短時間経験するようになります。治療回数を重ねると10回程度で少し音が大きく聞こえるようになりますが、回復は10db程度が限界です。10回の治療後は「もしかしたら回復の可能性があるかもしれない」という「夢を追う」治療にならざるを得ず、あきらめない患者にのみ1~2週に1回のブロックを行っています。音がクリアにならないとしても、めまいや耳鳴りには効果が多少があるからです。「夢を追う」とは壊死してしまった聴神経細胞が再生される望みに賭けることを意味します。それでもたとえ10dbでも改善するのであれば治療を受ける価値があると思われます。

  • 全く改善しない2名

突発性難聴後数年以上を経過し、現在片方の耳がほとんど聞こえない状況の2名に「夢を追う」治療を週に1回の頻度で行っています。治療をして1年が経過しましたが、1名は全く変化なし。もう一命は若干音がクリアに聞こえるようになりました。上頚神経節ブロックを行っても、全く反応しないタイプの難聴があるのかもしれません。それでも、長年治療すれば治るかもしれないという可能性を見出すために、患者と私で治療を続けています。

  • 細胞が死んでからでは遅い

上頚神経節ブロックは、仮死状態の細胞を生き返らせる力は十分にあり、現存する治療の中で最高であると確信します。しかしながら、死んでしまった細胞を生き返らせることは無理であり、神経細胞が仮死状態のうちに治療を開始できるか?が回復の鍵であるようです。重症か、軽症か?は仮死、または壊死に陥る細胞の数に依存していると思われます。壊死(仮死)が広範囲であると、どんな治療も効きにくく、当然ながら上頚神経節ブロックも効きにくいでしょう。しかし、それでも、発症数時間以内であれば劇的に改善させることができる可能性が高いと思われます。軽症であればステロイド点滴でも改善の余地はあると思われ、ステロイド点滴が無意味であるとは思いません。しかし、ステロイド点滴のために入院し、上頚神経節ブロックを受けられないのだとすれば、それは問題です。細胞が死ぬ前に、可能な限り早く上頚神経節ブロックを受けていただきたいと切に望みます。仮死状態の細胞しか治せません。死んだ細胞が多ければ、上頚神経節ブロックを何百回行っても簡単には治らないでしょう。

  • 大学病院への信頼と上頚神経節ブロックへの不信

皆様は西洋医学に絶大なる信頼を置き、大学病院は最高の治療機関であることを信じて疑わないでしょう。ですが、突発性難聴はその西洋医学の最高峰の大学病院でさえ、治療法が確立されていないということを知りましょう。治療法が確立されていないのですから信用する以前の問題です。もともと突発性という病名は原因がわかっていないという意味ですので、治療法も確立されていないことが病名からわかります。ですから、突発性難聴に限っては大学病院を信じることは得策ではありません。さらに上頚神経節ブロックは私が開発したブロックであり、私は権威者ではないのでたやすく信じていいか?は判明しないことも存じております。しかし、敢えて言わせてもらえば、「大学病院に入院すれば手遅れになる!」ということです。これまでの実績から、種々の治療よりも上頚神経節ブロックの方が治療効果が高いことは明らかです。神経細胞が壊死する前に可能な限り早く上頚神経節ブロックを受けに来てほしいと願っています。できれば、耳鼻科に行く前に、このブログに遭遇し、私へアクセスしていただければと思います。耳が聞こえなくなることが人の一生においてどれだけ不幸なことか?をお考え下さい。


 

突発性難聴が治る条件

  1. 難聴のレベルが重症(ほとんど何も聞こえない)ではないこと
  2. めまいや耳鳴りなどが伴わない場合
  3. 発症数時間以内に上頚神経節ブロックを受ける(推測)
  4. 難聴が完成する前に上頚神経節ブロックを受ける(推測)、完成までの日数は、早ければ1日、緩慢であれば数週間

上記以外では上頚神経節ブロックを受けた場合でも改善はわずかであると思われます。

高齢者の感音性難聴の治療成績はよい

突発性難聴ではなく、高齢者が自然に悪化していく感音性難聴や耳鳴りの治療は、上頚神経節ブロックが極めて高い治療成績を発揮しています。ゆっくり進行していく難聴は改善させることができます。それほど上頚神経節ブロックが難聴治療に効果が高いという意味です。これは上頚神経節ブロックが他のどんな治療よりも難聴に効果が高いことを証明できる事実です。

再生医療に応用できる上頚神経節ブロック

上頚神経節ブロックは血管を拡張させ、血流を増加させるだけの治療です。数百年後には再生医療が普通にできるようになっていると思われますが、その際に最も重要なのは血流です。再生細胞を移植したところで、血流がなければ移植細胞が死ぬからです。もともと難聴は聴神経細胞への血流不足が主な原因と考えますから、細胞を移植しても、それだけでは改善できません。血流を確保しなければ意味がないのです。再生医療を研究する者たちは名誉ほしさに、自分の研究に没頭していますが、血流を増加させる技術を開発しない限り、再生医療の明日がありません。すなわち、再生医療は細胞培養で完結せず、血流増加の技術を持つ者と提携・協力しなければなりません。しかし、出世欲にかられた科学者は、お手柄を自分のものにしたいがために、他の者と提携したくはありません。よって血流増加の技術が加わることができません。上頚神経節ブロックというすばらしい技術があっても、それが再生医療と提携できないことを非常に残念に思います。人のための研究ではなく、皆、自分のために研究しているのです。難聴も、再生医療と上頚神経節ブロックなどが手をとりあえば、治せる病気となるのですが・・・

 

 


ジョブズの最後のメッセージ

「認められることや富は迫る死を目の前にして色あせていき、何も意味をなさなくなっている。今やっと理解したことがある。人生において十分にやっていけるだけの富を築き上げた後は、富とは関係のない他の事を追い求めた方がよい。もっと大切な何か他のこと。」

  •  富も名声も難病を前にしては何も意味がありません。高齢は最大の難病であり誰にも治すことができません。しかし上頚神経節ブロックは最後の尊厳と希望を与えてくれます。私にとって私の研究開発する医療技術はジョブズの言う「もっと大切な何か他のこと」です。私の治療は世界の多くの方の人生に一筋の光を与えることができるものであると信じています。

 

うつ・神経症など精神疾患を根本的に治療できる期待の新療法

はじめに

上頚神経節ブロックが純然たる心の病(精神疾患)を根本的に治すことができることに気づき始めたのは数年前。それは自律神経失調症を本ブロックで治療し、かなりの確率で根本的に治すことができることを臨床的に証明した時期である。自律神経は感情と共に作動し、恐怖を感じると脈拍・呼吸数・血圧・発汗を行わせ、安堵を得るとそれらを低下させる。精神疾患は少しの感情の起伏で自律神経が普通の人の何倍も過剰に反応する病態の一種と考えると、自律神経を治療できる上頚神経節ブロックで精神疾患を根本的に治すことができるはずと考えることは当然の成り行きであった。精神異常者がしばしば訴える、めまい、頭重感、脱力、吐き気、ふらつきなどの症状を私はすでに本ブロックで治療することができる。ならば精神疾患の患者を根本的に治せるのではないか?と考えた。しかしながら、実際に精神疾患の患者に本ブロックを行う機会がなかったため、治療理論は机上の空論であった。今年になりやっと2例目の精神疾患治療成功例を経験したので報告する。そして本格的な精神疾患の治療データを収集するためにここに公開し、治療希望者を募集することにした。本治療の成功例が一定数集まり、エビデンスが得られれば、本治療が普及し精神疾患に苦しむ世界じゅうの人を助けることができると推測する。


 

 症例 38歳男性

  • [主訴] 動悸、呼吸困難感、立ちくらみ、体が極めて重い、気力喪失、頭がモヤモヤ締め付けられるようにズーンと痛い、吐き気、顔や体が麻痺したような感覚異常、全身痛、微熱が常にある(37℃代)、体のふるえ、不眠、発汗過多、嫌いな人が接近してくるとこれらの症状が出現する
  • [現病歴・既往歴]小5の頃からI型糖尿病、バセドウ病(メルカゾール服薬中)。増殖性網膜症があり今年の1月より生活保護を受けるようになる。しかしその際に相談員であった役所のケースワーカーに強い精神的ストレスを受け、嫌悪感と共にうつ症状・不安神経症の症状が出現し始める。ケースワーカーと接すると頭が朦朧とし体が思う様に動かず、発汗、発熱、吐き気、体の震えなど多岐にわたる症状が出る。それ以来、人ごみや電車内にいると同様な症状が出現するため怖くて外出ができなくなった。また起床時に全身痛と全身のだるさが出現し、1時間以上腰掛けて痛みに耐えている状態となる。H27.5月に診療内科を受診し「うつ病」と診断されセパゾン、ベンザリンの処方を受けている。自殺願望もあった。H27.9.24著者の診療所で治療を受けている姉が彼を説得し来院させた。

 


  • 治療1回目 熱が36度代になったことに本人が驚く。また、最近では経験したことのない心地よい熟睡が数日続いたことに感激した。そんな日は365日のうち1日たりともなかったからだという。気分も軽くなり「燃え尽き症候群がとても軽くなった」という。彼の言う燃え尽き症候群とは全身だるく頭も体も痛く、顔がゆがむほどの苦痛であるが、体を動かすことができないため椅子に座ってただうつむいているしかない状態とのこと。起床時に毎朝1時間ほど生じる。彼はあしたのジョーの最終回と同じと表現する。「燃え尽き症候群」が軽くなるが消失はしていない。彼は上頚神経節ブロックの効果を奇蹟的と表現し、姉と共に非常に喜んだ。
  • 10/8 ブロック2回目 熟睡は数日できるが週の後半は不眠傾向となる。しかし、外出する気力が出現、不安感も軽くなり心が落ち着いてきたと感じるようになる。
  • 10/15 ブロック3回目 頭痛・吐き気・頭のもやもやも軽快したことを実感。
  • 10/22 ブロック4回目 燃え尽き症候群は半分になる。人との会話も平気になった。人の視線が怖くなくなった。人ごみに入ると息苦しくなったがこれも消失。しかし3日前に市役所のケースワーカーと会い、嫌悪感のために会ったとたんに眼が回り動悸がして吐いた。一時的に気分が以前のように極めて不快になったが一時的だった。
  • 11/12 ブロック6回目現在 睡眠は5~6日熟睡ができる 燃え尽きは半分以下になる 息苦しくなるのはほとんどない 外出ができるようになった 耳鳴りが消失した 食欲は出るようになった 車とバイクが好きだが まだ乗る気にはならない 目標としてはアルバイトができるレベルに回復したい。そのために通院する(通院には車で1.5時間かかる・姉が運転)。

もう一人の症例をご紹介します→こちら


精神疾患を根治させる治療法の衝撃度

上記の症例は自己催眠をかける療法でもなく、慣れさせる療法でもなく、カウンセリングでもなく、薬剤で抑える療法でもない。精神疾患を根本から治す根治療法である。もしも、この治療法の有効率が50%を超えてしまったら、精神医学界は騒然とする。なぜなら、過去の治療法の全てが本療法に比べて価値が低いことが証明されてしまい、精神医学を編み出した過去の大家の治療法が根底から見直さなければならなくなるからである。 根本的に治療が可能な精神病をもはや「心のやまい」ということができるのであろうか?という精神医学の定義自体を崩しかねない。


精神疾患を根治させる治療法があるかもしれないというだけで、それは社会を揺さぶる大きな問題となる。特にアメリカ合衆国ではカウンセリングが社会で認められるための半強制的な治療法として確立されており、犯罪者は精神薬をのむことを条件に釈放されるなど、社会全体に精神科医が密接につながっている。そこへ「根治させることのできる治療法」を投げ込むのであるから反発も激しいだろうと予想する。


さて、上頚神経節ブロック星状神経節ブロックよりもはるかに効果が強力である。よって、これまでは星状神経節ブロックで精神疾患が軽快することがあることは密かに言われていたが、今回ばかりは密かではいられない。おそらく有効率が本ブロックの場合、星状神経節ブロックよりも格段に上がるからである。それでももちろん、本ブロックが全ての精神疾患に有効であるとまでは言わない。しかし、もしも平均して50%以上の有効率があった場合、その衝撃は激しい。今後の治療成績の結果に注目してほしい。


上頚神経節ブロックで精神疾患が治る仕組み

著者は自律神経失調症の治療のために本ブロックを開始した。するとその効果はうつ・不安神経症・不眠症などに極めて効果があることがわかった。おそらく統合失調症やチックなどにも効果を発揮すると思うが、今のところ症例が集まっていない。


自律神経核は延髄に存在し、その延髄の血行を増加させると精神症状が軽快する理由は、おそらく、精神疾患の多くは自律神経核の動きと連動していると考える。それは当然であろう。交感神経も副交感神経も「感情と共に動く」神経である。感情の動きを自律神経核が読み取り、それを血圧や脈拍を変える信号へと変換し全身へ送る。その反応が過敏すぎるとわずかな感情の起伏で心臓が高鳴ったり、顔が真っ赤になったり、手足がしびれたりする。心はその変化を読み取りさらに警戒を強めて興奮する。興奮はさらに自律神経をかきまわし、症状がさらに強くなる。このハウリングが様々な身体症状を引き起こす。上頚神経節ブロックはこのようなハウリングを絶ち、身体症状を起こらなくさせることができる。


また、精神異常は「脳に器質的な異常がないもの」と定義されるが、小動脈の損傷や狭窄による微小な血行障害に起因した精神活動の障害は、「器質的な異常」であるにもかかわらず、MRIなどで異常を指摘することができない。指摘することができないものは現医学では「器質的異常がない」といわれ精神異常に分類されてしまう。真実は器質的な異常のある精神疾患は少なくない。それらは精神異常と分類すべきではない。そして100年後・千年後の将来、わずかな器質的な異常も指摘できるMRIが開発されると、ほとんどの精神疾患に器質的異常が指摘されるようになり、もはや純然たる精神疾患はほとんど存在しなくなっていると私は推測する。私は「理屈に合わない症状を心因性」と捨て置く現代医学の稚拙さに常に反発してきた医師である。よってこの手の「心因性の定義」に関しては弁が熱くならざるを得ない。お見苦しい点はおわびする。


 

脳の一部に血行障害が生じて精神異常をきたしている場合は、上頚神経節ブロックで脳の血流を増加させることで血管や神経の細胞が再生されて根本的に治療できる可能性が高い。それは器質的異常が証明することができない現代においても、根治治療だけは可能である。ならば上頚神経節ブロックで根治する精神疾患を、心の病と言ってよいのだろうかという疑問が生まれる。いや、疑問ではなく、言ってはいけない。


根治と再燃

上頚神経節ブロックでの精神異常を改善させることのできる期間は、経口薬と比べれば極めて長い。しかしながら、ブロック自体が遺伝的な細胞の特性(レセプターの数など)を変えるものではないので、「精神疾患が発病しやすい」という遺伝的な特徴までを変えることはできない。つまりブロックで一時的に治癒させることができても、環境が悪ければすぐに再燃するだろう。再燃の度にブロックを行わなければならないわけだからこれを根治とは呼べないという問題点がある。著者は現実的な患者の社会生活を考えると、ブロックによって症状が半分以下になりその効果が2週間以上続くのであれば十分に実用的(根治的)であると考える。


生活保護を受けている精神疾患者が精神科で薬を服用したら働けるようになった。という話をあまり聞いたことがない。つまり薬で精神疾患患者を社会に適応させることは不可能に近いと言っても過言ではない。そういう意味で経口薬治療は治療ではなく、患者を薬の檻の中に閉じ込めているだけであると思う。その点、本治療は脳の血流量を増やすだけの治療。それで根本的に症状が軽くなるのであれば本物の「治療法」である点に注目しなければならない。薬をのんでいても一人で電車に乗って外出することができなかった患者が、ブロック後に1人で外出が出来て人と話せるようになるのだからそれは「かなり効果のある治療」である。しかも上頚神経節ブロックはリスクの少ない治療であるから、メリットは非常に大きい。


また、本治療は経口薬による治療を否定しているものではなく、いつでも併用ができる。問題となるのは見出しの通り、根治と再燃と社会生活である。患者が家に閉じこもっているだけで済むのであれば、5割以下の症状が2週間以上続くとする治療目標はたやすく達成できる。しかし、社会に適応し復職するとなるとハードルはかなり高い。健常人でさえ職務はストレスのかたまりである。精神疾患者は間違いなくストレスに弱い。患者を社会人に戻すにはストレスに対する抵抗性を構築させなければならない。本ブロックはその「抵抗性構築」ができる世界で唯一の治療法であり経口薬とは次元が違うことを強く述べておく。しかし、それでも尚、治療のハードルは高いと推測できる。が、がんばるしかない。


社会適応とブロック

私は独特の「精神疾患観」を持っており、それは精神科学会の考え方とは全く異なる。私は精神疾患がストレス(インプット)→感情→自律神経(アウトプット)→ストレスの回路が自制できないレベルになることが多くの精神疾患の基本原理と考えている。この回路がハウリングを起こして暴走するのが精神疾患と考えている。個人個人でストレスの感じやすさ、感情の動きやすさ、自律神経の過敏さはそれぞれ異なり、遺伝的にそれらが鋭敏な人は精神疾患になりやすいと思われる。そして、この3つのどこかを制御できればハウリングが止まり、人は精神疾患を離脱できると考えている。しかし、患者を社会適応させる上でもっとも影響力が高いのは自律神経ではないかと近年私は考えるようになった。ブロックでかなり症状が改善することが理由である。


精神科ではストレスをカウンセリングで、感情を経口薬で制御しようとするが、自律神経を制御することがほぼ全くできない。これが精神科医が精神疾患患者を治すことができない最大の理由だと推測している。患者を社会適応させるためには自律神経の制御が必須であり、それができてはじめてカウンセリングや経口薬が本領を発揮する。つまり社会適応の鍵は自律神経にあると思われ、そういう意味で精神疾患は「心の病」と言ってよいのか?という根本的な疑問を湧き起こさせる。自律神経が失調してしまう器質的な理由があるわけで、それを治療すれば社会適応ができるようになるのなら、「心の病」ではなく、自律神経失調症の一つの症状として精神疾患が現れているという考え方になる。


私の行う上頚神経節ブロックは、何度も言うが「延髄・脳幹・脳の血流量を増加させる」だけのものである。それが著効するのであれば、原因が「神経系の血流障害」という器質的な異常があるわけで、それを「心の病」と言ってよいのかという問題である。この問題は精神科学会全体に一石を投じる形になるが、上頚神経節ブロックが精神疾患の治療として普及すれば、誰がどう理屈をこねようとも、真実が判明していくことになるだろう。これまでの精神医学では患者を社会復帰させることがほとんどできなかったわけだが、本治療で社会復帰ができるようになれば精神医学の常識は変わらざるを得ない。本治療は患者を社会復帰させる力があると推測する。ただし、社会復帰のハードルは極めて高い。簡単ではないが私は挑戦する。


 

国家の財政赤字解消に貢献する

上頚神経節ブロックは生活保護の3分の1にあたる精神疾患患者を根本的に治療し、社会復帰させるという純然たる目標をかかげた治療である。自殺者数も相当減らすことができると推測している。普及には国政レベルで支援が必要である。病初期に治療が可能であれば、精神疾患へと発展する患者を未然に防ぐことができる。著者のまじめなこの構想をあざけり笑うか真剣に考えるか? 国民の賛同にかかっている。治療に疑問や不信を感じる方は、まず実際に治療を受けるか、病気の人を連れてきて目の前で治療成果を確かめるかして、その効果を体感することをお勧めする。

高齢者ふらつき治療完成報告(症候性パーキンソ二ズム)

はじめに

動作が全体的に遅くなり転倒しやすくなることが70歳を超えると急に起こりやすくなることをご存知だろうか? 脳の活動低下が原因で起こる日常動作の不安定症状はこれまでの医学では「病気」とは扱われずただただ放置するしかなかった。中には手のふるえや小刻み歩行などを伴い「症候性パーキンソ二ズム」と診断がつく場合もあるが、大部分の高齢者は診断がつかないままただ「動作が遅くなる」だけの症状であることが多い。私の診療所では以前より「小刻み歩行」や「手のふるえ」が現れた患者に対し上頚神経節ブロックを行い、治療法がないとされる「症候性パーキンソ二ズム」の治療を行っていたが、この治療を行うと高齢者の運動能力が格段に上昇し、転倒しにくくなる、足が上がるようになる、全ての動作素早くなるというすばらしい効果があることがわった。本治療は先進国がかかえる超高齢化社会を真正面から救うことのできる非常に有用な方法なので一刻も早く世界中に広めるべきと感じる。


 

症例1 82歳 女性

3ヶ月前から歩行が小刻みとなり歩幅が確保できず歩きにくいという症状が出現。若干前傾姿勢となってきた。手の振るえ・固縮などはない。誰にも相談できず悩んでいたが思い切って私に相談してきた。即座に上頚神経節ブロック(1%キシロカイン2cc×左右)を行うと、その数分後から小刻み歩行が消失しすたすたと帰宅できた。さらに2週後、「小刻み歩行が再び現れ始めた」というので同ブロックを行う。それ以降全く小刻み歩行が起こらなくなった。

 

症例2 83歳 男性

2年前より手のふるえあり、会計時にお金を取り出すのが困難なレベル。普段もほとんどつねに手がふるえている。本患者は私が2年前から腰部脊柱管狭窄症に起因した坐骨神経痛をブロック治療していた患者だった。この半年で歩行が極めて遅くなったが、これは腰部脊柱管狭窄症によるものではなく脳由来であると判断。「手のふるえも治せますよ」と本人を説得し上頚神経節ブロックを週に1回の頻度で開始。数回の治療後歩行能力が上昇し家から診療所までの距離800mを独歩来院可能となった(それまではバスかタクシー)。手のふるえは会計時の手のふるえ方を観察。やはり数回のブロックで徐々にふるえがおこらなくなった。6回目のブロックで手のふるえはほとんど起こらなくなった。しかし、いまだに歩行時のぎこちなさまでは解消しきれていないため治療を継続中。

 

症例3 80歳女性

1年前より私の外来で腰部脊柱管狭窄症の治療のため隔週で腰部硬膜外ブロックを行っていた患者。半年前から転びやすくなり、1ヶ月に1回は最低でも転倒するようになる。診察日時も間違って来意することが目立ってきた。ここ1ヶ月は転倒することを恐れ、家にとじこもるようになる。本人からではなく、患者の友達から「転んでばかりいるのでどうにかなりませんか?」と相談されたため、本患者を説得し治療を開始することにした。

上頚神経節ブロックを行う初日、診察室に入室する際にきわめてぎこちない歩き方をしており、杖をついていたが転びそうだった。しかし、同ブロックを行った数分後、退室時にはすたすた杖をつかずに歩いて帰った。劇的な変化だった。その後5日間は買い物も散歩もすたすた歩けたと本人から報告を受けたが、6日目には再び足がもつれやすくなったと言う。そこで本ブロックを毎週行うことにした。ブロック後の数日は杖が不要になる。しかし数日から4~5日経過すると症状が再燃する。気温や気圧の変化で悪化もする。よって現在、週二回同ブロックを行い経過観察中である。

 

症例4 81歳男性

1年半前から腰痛・下肢痛で歩行能力が急激に低下した患者。1.5年前から私の外来にかかり、硬膜外・神経根ブロックなどを駆使しようやく歩行ができるというレベルにまで復帰させたが、「痛みが軽くなってきた」というのに「寝返りができない、一人でベッドから起き上がれない」などの不可解な症状があった。明らかな小刻み歩行はなかったが動作が極めて緩慢であり私は「症候性パーキンソ二ズム」ではないかと考え(今から10ヶ月前)上頚神経節ブロックを4回行った。すると歩行能力が上昇し診療時の入退室がスムーズになったのだが、本人は「ブロックしても特に改善したとは思えない」と発言し治療に乗り気ではなかったため中止した。中止後数ヶ月かけて極めて徐々に動作スピードが遅くなることが観察できた(ブロック後の寝返り動作・起き上がり動作で確認)。

そこで再び本人を説得し上頚神経節ブロックを隔週で受けることを命じた。ブロック再開1ヵ月後、寝返りや起き上がりが速やかに自力で行えるようになり、毎日スタスタ散歩ができるようになった。それはあまりにも劇的な変化であり、患者本人も「このブロックのおかげで動作が速くなった」と認識した。

 

症例5 72歳女性

症候性パーキンソ二ズムと診断を受けている72歳の女性。手のふるえと前かがみ姿勢、小刻み歩行があり、これを上頚神経節ブロックで改善させた例。「パーキンソン症のブロックの驚異の効果紹介」を参。

 

その他の症例

動作緩慢・歩行スピード低下・前傾姿勢・うなだれ首などの症状がある高齢者には積極的に上頚神経節ブロックを行い、全例で改善傾向を認めている。他に10数例あり、現在も治療中である。ここでは省略し、症例がまとまれば再び報告する。


 

症候性パーキンソ二ズムに本人は気づかない

手のふるえという明らかに目に見える症状がある場合、本人が自分の体の異変に気づくことはたやすいが、動作が緩慢になる、ころびやすい、ふらつく、という症状では「症候性パーキンソ二ズム」の存在に本人も医師もきづかないものである。今回の私のレポートではなぜ「症候性パーキンソン二ズム」の存在を証明できたかというと、上頚神経節ブロックの前後ではっきり歩き方や動作スピードが変化するからである。本ブロックは延髄・脳幹・大脳・小脳などへの栄養血管を拡張させてあげるだけの治療である。その治療前後で症状がこれほど劇的に変わるのだから、患者には「脳・脳幹・延髄の血行障害による動作異常」が存在していたことが判明する。しかし、動作異常は極めて緩慢に進行していくため「歳のせい」と放置するのが常であり、本人も脳の血管障害であると認識することはない。この劇的な効果のある上頚神経節ブロックは、なるべく早く治療法を世界に拡散させなければならないと感じるが、これまで「誰も治療法を考えてこなかった」領域の病気なので、簡単に広まるとは思えない。まずは本人が自覚する必要があり、そのためにはマスコミによる本症の治療例の通念の拡散が必要である。


 

整形外科医ショックを起こす

整形外科医はロコモティブシンドロームなどをさかんに研究し、高齢者の寝たきりを防ぐ医師としての第一人者になろうと必死であるが、本症例はそうした整形外科医をショックに陥れるほどに驚愕の事実となる。それは運動能力が劣化する理由の第1が、運動器にあるのではなく脳にあることを露見してしまったからである。

この事実は私にとっても衝撃であった。なにせ私は超高齢化社会を本気で救うために、運動器と脊髄の機能を回復させるためのあらゆるブロック術を研究してきた医師だからである。その私が、歩行が困難になる理由が末梢(末梢神経、筋、骨、関節)にあるよりも、中枢(脳・脳幹・延髄)に重点があることを知ってしまったからである。

私は腰部脊柱管狭窄症の患者に対し、積極的に硬膜外ブロックなどで治療し、手術することなく歩行能力を改善させることを主たる仕事としてきた。しかし、実際に治療してみると、腰部硬膜外ブロックを行うよりも、上頚神経節ブロックを行った方が、患者がスタスタ歩ける様を見て、極めて困惑した。今までやってきた研究努力が自らの手で水の泡にされた気分だった。

同様に整形外科医もリハビリテーション科もデイサービスも訪問リハビリステーションも、介護施設も・・・同様のショックを起こす。彼らの努力は無駄ではないが、高齢者の運動能力の役にはあまり立たないことを認めざるを得ないからだ。それほど本ブロックの効果は既存の治療法に比べると格段に症状を改善させる効果が著しい。


 

他人事?それとも自分事?

超高齢化社会が到来し、若者が介護に苦しむ時代となることがわかっている。そうした世情の中、80歳を越えても寝たきりにさせない社会を作るためには本ブロックを世界に拡散させなければならない。

しかし、「本人は気づかない」この手の病気では家族が率先して治療に通わせてあげる必要がある。家族の理解なしでは本治療法は広がらない。そのときに、高齢による動作の緩慢を他人事とするか自分事とするかが個人個人に問われるであろう。そしてこのような有用な治療法を広めるためには、私がいくら自画自賛した論文を述べ立てても無理である。国民全体が治療の普及を欲し、政治的に国に圧力をかけなければならない。一刻も早くそうした国民の力が結集することを望む。ちなみに、私は自分の手柄を誇示するためにこのような論文を書いているわけではない。本気で世界のこと、国のことを考えている。


 

上頚交感神経節ブロックの普及

このHP上では上頚神経節ブロックが延髄・脳幹・脳が由来する諸症状に極めて有効であることを示してきた。著者は6~7年前にこのブロックを編み出し、これまでのべ数千例に治療を行ってきたが目だった副作用はなかった(上頚神経節ブロックの作用・副作用参)。

しかし、私以外の者がこのブロックを行うとなると合併症に一抹の不安がある。普及をさせなければならないが、安全性についてさらに研究する必要がある。そして症候性パーキンソ二ズムの治療としてこのブロックが保険請求が認められるよう動く必要がある。

世界初、三叉神経痛の治療法確立

はじめに

原因がはっきりしない頭痛・項痛・顔面痛・鼻の奥の痛み・目の奥の痛み・耳の奥の痛みで悩んでいる患者は全国に多数います。それらの真の原因は現代医学のレベルでは特定することができないという状況にあります。脳腫瘍や三叉神経が血管ではっきり圧迫されているような状況が判明すれば手術的に治すという方法もありますが、ほとんどの痛みは画像でわかるほど単純ではありません。


また、三叉神経痛が延髄レベルでの中枢感作から発症しているという考え方が現医学にはないため「長く続く痛みは三叉神経痛ではない」「ジリジリした痛みは三叉神経痛ではない」というような言い方がなされ、原因が判明していないというのに「三叉神経痛とはこういうものだ」というような独断定的な診断基準が作られており、それにそぐわないものは「三叉神経痛ではない」とされ、有効な治療がなされていないという印象を受けます。


また群発性痛・特発性三叉神経痛・舌咽神経痛などと痛みの定義を分けることは、原因がクリアに判明せず・各々の治療法が分別して確立されていない現時点において意味をなすのか?疑問です。


ここでは病名を特定して治療法を議論するのではなく、首から上にある痛みのうち、腫瘍など明らかに原因が判明していないものについて「極めて有効に治療することができる上頚神経節ブロック及び頸部硬膜外ブロック」について論じます。タイトルには便宜上「三叉神経痛」という診断名を用いていますが、「原因がはっきりわからない痛み」の治療法について述べます。


三叉神経痛の定義に疑問

三叉神経痛は例えば以下のように言われます。「三叉神経痛の顔の痛みにはかなり特徴があります。痛みは非常に強いものですが、突発的な痛みです。一瞬の走るような痛みで、数秒のものがほとんどで、ながく続いてもせいぜい数十秒です。5分10分と続くような痛み、じりじりとした痛みなどは三叉神経痛ではないことがほとんどです。」Neuroinfo Japanホームページより。


これが不適切であるとする理由は例えば坐骨神経痛を考えてみましょう。坐骨神経痛には種々の痛みがあり、突発的に数秒間つづく針を刺すような痛みがあり、5分10分と続くじりじりとした痛みもあります。どちらも坐骨神経が障害されて起こる痛みであり、「じりじりした痛みは坐骨神経痛ではない」という言い方はしません。痛みの性質は神経の障害システムの違いにより様々であり、痛みの性質で三叉神経が関与しているかいないかを述べることは不適切です。


この不適切な言い方をゴリ押しするならば上記の三叉神経痛の定義は勝手に定義を作って分類し、定義に合わない症状は「不明、心因性」と捨て去ることになります。


正しくは三叉神経の関与している痛みの中には「数分のピリピリした痛み」もあれば、「数時間続くじりじりした痛み」もあるはずです。彼らが「三叉神経痛=ピリピリ」と独断的に分類しただけでありこの定義が「ピリピリした痛みにしか三叉神経痛の治療をしない」という結果を招いています。どうして三叉神経痛だけがそんなに特別な分類をしなくてはならないのでしょう? 坐骨神経痛にはそんな分類は一切なされていないというのに。


ゲスな推測をすると、おそらく、「三叉神経痛のうち中枢ではなく末梢が血管により圧迫されているタイプの神経痛は突発的で短時間ピリピリする」のでしょう。つまり、「手術的に治せるタイプの三叉神経痛=突発的」なのです。ジリジリした痛みは、三叉神経の中枢(二次・三次ニューロン性)の痛みであり、「外科的に治せないからこそ、それを三叉神経痛とは定義しない」という外科医に都合のよい定義作りをしていると勘ぐってしまいます。しかし、本当にそうならば、脳外科学会が言う三叉神経痛の定義は「末梢性三叉神経痛」と限定しなければなりません。


何度も言いますが「痛みに関してはまだまだ現医学では未解明であるということ」を素直に認めなければ医学は間違った方向に動いてしまいます。真実は「三叉神経が関与する痛には種々の痛み方がある」のです。真実がなぜ捻じ曲げられてしまうのか? それは、痛みについて現医学ではほとんど何もわかっていないからなのです。


三叉神経痛は複雑極まりない

三叉神経の末梢の守備範囲は以下のようです。

  • 1)前頭部、顔面、鼻腔および口腔の粘膜、歯、脳硬膜の痛覚・温度覚・触覚と歯、歯根膜、硬口蓋、顎関節、咀嚼筋の固有感覚の情報を伝える一般体性求心性線維。

 

  • 2)咀嚼筋(側頭筋、咬筋、外側翼突筋、内側翼突筋)、顎二腹筋の前腹部分、顎舌骨筋、鼓膜張筋・口蓋帆張筋への特殊内臓性遠心性線維。

上記のように三叉神経は顔の痛みだけでなく、歯や歯茎の痛み、顎関節の痛みをも作ります。咀嚼筋との連動した痛みも可能性としては十分にあり得ます。さらに舌や耳介の神経ともつながりを持ち、連動痛が起こると推測します。よって食べ物を口に入れると痛みを感じたり、噛むと痛い、嫌な音を聞くと顔面が痛くなるなども十分に起こり得ます。これらが三叉神経が関与した痛みが歯科疾患、眼科疾患、耳鼻科疾患と誤診されやすい理由です。

さらに三叉神経の中枢は三叉神経脊髄路となり、第1~3頚神経ともつながりを持ち、頚痛由来の頭痛、顔面痛、歯茎痛などがあることが推測されます。これが整形外科疾患と混同される原因になっています。


三叉神経脊髄路(中枢)に感作があれば、痛みの様式はこれらの神経との連動により無限の種類が起こり得るわけです。そうした中、「三叉神経痛の痛みは突発的で短時間にピリピリ」と限定することがどれほど実情にそぐわないかがわかるでしょう。そして脳外科学会では「突発的で短時間続くピリピリした三叉神経による痛み」しか三叉神経痛と認めない方針でいるわけですから、脳外科医には大部分の「真に三叉神経が関与している痛み」が治せないことになります。


三叉神経痛が星状神経節ブロックで治るという証拠がない?

脳外科学会ではこのように述べられています(こちら)。ですが、三叉神経痛=突発的なピリピリ、と限定しているのは彼らであり、真実は「三叉神経が関与している痛みは複雑極まりない」と思われます。真実から逆算した言い方をすると「三叉神経が関与した痛みの中でも突発的でピリピリした痛みは星状神経節ブロックでは治るという証拠がない」となります。それは正しいでしょう。おそらく、星状神経節ブロックは「中枢由来の三叉神経が関与した痛み」には極めて有効と推測しますが、末梢由来の三叉神経痛には効果が低いと言えるでしょう。脳外科学会では末梢由来の三叉神経に関した痛み=三叉神経痛、と定義しているので、それには星状神経節ブロックが効果ないといういい方であればそれは確かに正しいご意見です。しかし三叉神経痛の定義を適切なものにすればこのご意見は誤りになるでしょう。一刻も早く三叉神経痛の定義を適切なものに変えなければ、定義に沿わない痛みが大部分を占め、それらの痛みは「不明な頭痛」「心因性頭痛」と言われて捨て置かれ、研究が進まない医学のブラック時代が長く続くでしょう。


中枢由来の三叉神経痛は治療法がない?

さて、末梢由来の三叉神経痛、中枢由来の三叉神経痛という言い方は本来用いてはいけません。脳外科学会は末梢由来の三叉神経痛しか三叉神経痛と認めていないわけですから、彼らに言わせればそれ以外の三叉神経痛は三叉神経痛ではないのです。よって中枢由来の三叉神経痛は「得体の知れない痛み」と言うしか方法がなく、今のところ「得体の知れない痛み」は脳外科医には治せません。そして根治的な治療法がありません。


心配いりません。私が開発した治療法は敢えて言う「中枢性三叉神経痛の治療法」であり、本論文はそれらを根本的に治療できることを示したものです。よって世界初の中枢性三叉神経痛の治療法確立と言ってよいでしょう。「世界初」と述べたのは、「脳外科医たちが外科的に治せる神経痛のみを三叉神経痛」と名付けた脳外科学会への皮肉です。


本当は世界初ではなく、すでにペインクリニックの医師たちは星状神経節ブロックで中枢性の三叉神経が関与した痛みを実際に治しています。しかし、不幸なことに、せっかく治した実績があっても、それは「脳外科学会が言う三叉神経痛」ではないので実績にカウントされないという裏の事情があるわけです。よって中枢性三叉神経痛に悩む患者たちは、インターネットを用いてその治療法を探そうにも、絶対にヒットしないというからくりがあります。本当はすでに良心あるペインクリニック科の医師たちが脳外科医以上の実力と実績において密かに「三叉神経が関与した痛み」を治療しています。あくまで密かにです。そうした裏事情を知らない限り、真に三叉神経痛の根治療法を受けることができません。


中枢性三叉神経痛とは?

三叉神経の末梢は眼神経・上顎神経・下顎神経の3本の枝にわかれますが、これらの3つの枝がシナプスを介する前の中枢部のニューロンに生じた感作によって痛みが出ているものと定義します。感作については「感作性疼痛について理解を深める」をお読みください。

基本的には感作が起こっている場所には血行不良や自己免疫による炎症、物理的な張力、それらによる細胞適応(癒着や線維化)が存在すると思われ、血行不良を解除してあげることで局所の悪循環を絶ち、感作が改善されると考えます。感作が改善されると複雑な痛みが起こらなくなり症状が軽快します。


中枢性三叉神経痛に上頚神経節ブロックが極めて有効

私はこれまで他の脳外科で三叉神経痛と診断された者や、三叉神経痛とは診断されてはいないが得体の知れない治らない頭・顔・項・顎の痛みの患者を数々上頚神経節ブロックを用いて治療してきました。そして本ブロックが中枢性三叉神経痛に極めて有効であるという実績を作りました。


上頚神経節ブロックは星状神経節よりもさらに上位にある交感神経節であり、ここをブロックすると上位頸髄・延髄・脳幹・大脳の動脈が開大して血流量が数時間増えます。この数時間、感作部位の修復が進みます。そして血行不良部の悪循環が絶たれ感作部位の感作が解除されていくことで痛み症状が改善していくと推測します。動脈の開大効果は星状神経節ブロックよりもはるかに高く、ペインクリニックの医師たちが私の開発した上頚神経節ブロックを収得すれば、多くの中枢性三叉神経痛の患者を救うことができると思われます。


それでは以下にその治療実績を掲載します。実績を掲載する前に、これまで私は中枢性三叉神経痛と思われる患者を十数名治療しましたが(あまり多くはない)、半数は1度の治療で治癒したためカウントしていません(記録に残していない)。ここでは三叉神経痛で現在治療中の5例のみ紹介します。


症例1 70歳男性

3年前に首を寝違えたことより右の項、右の額、右の頬から顎にかけてズキズキとした激痛が走るようになる。近くの脳外科に行き「三叉神経痛」と診断されテグレトールを処方されるが飲むとふらつくだけで痛みは全く低下しない。神の手と言われ有名な脳外科医F先生を受診するも「手術で治る可能性は半々」と言われ手術を断念する。


治療経過

偶然にも私の外来にかかり上頚神経節ブロック(1%キシロカイン2㏄)を行うと2週間発作が起こらなくなり感激する。しかしブロック後2週間経過すると右の項から顎にかけてズキズキとうずくようになるため私の外来を隔週で受診することを続ける。患者は東北大震災の被災者であったが、福島県に帰郷。その後福島県から東京までの間で三叉神経痛を治療できる医者を探して脳外科とペインクリニック科をいろいろと探したが、治療を受けても痛みが全く軽快しなかった。主治医(脳外科医)には「東京に通うしかない」と説得され、それ以降私の上頚神経節ブロックを隔週で受けることにする。途中、3か月間のブランクがあったが、治療期間およそ2年で痛み発作が起こらなくなった。しかし、万一あの痛みが起こったら…という恐怖心から、症状のない現在も予防的に治療を続けている。


症例2 38歳男性

3か月前から右の項から後頭部・顎・こめかみにかけてズキズキした痛み、目の奥にしめつけられるような痛みがあり、コンサルティング業をやっていたが、仕事が継続できないほどの痛みとなった。ズキズキは数分では止まらず、数時間続く。しめつけられる痛みは持続性で長時間続き、楽になる時がほとんどない。脳外科、ペインクリニック科、針灸、整体など有名なあらゆる病院を何軒もドクターショッピングするが原因不明で治療法なしという状態。私の外来を受診。


治療経過

上頚神経節ブロックによりこめかみの痛みはやや軽快するが、右の項の痛みには全く効果がない。明らかに治療抵抗性であった。そこで上頚神経節ブロック+C3傍神経節ブロックを併用。すると1日は痛みが軽快するという状態になった。しかし全体的な痛みは軽快していくことはなかった。これを週に2回行うようにし、数日効果ありという状態になった。しかしリバウンドが起こりはじめ、翌日に痛みが増強することもあった。

困り果てた私は、頚部硬膜外ブロック(0.5%キシロカイン5cc)をトライ。するとこれまでにないほど痛みが完全消失したという。しかも痛みは5~6日消失する。それ以降、毎週頚部硬膜外ブロックを行い、8回目で症状が完治した。約半年の治療で完治に導いた。


症例3 67歳女性

右目から右額にかけての重い激痛。2年前から出現。耳鼻咽喉科の有名なK病院で副鼻腔炎が原因と診断され手術を受けるが全く軽快しない。担当医に抗議するが「もうやることはない」と拒絶される。


治療経過

私は、痛みの原因が中枢性三叉神経痛と判断、上頚神経節ブロックを行う。しかし1日しか効果がない日が3か月間続く。この影響で本人は「やはり副鼻腔炎から来る痛み」と思い込み、私の治療もあきらめようとした。私は疼痛のグラフを書くことを命じ、上頚神経節ブロックで痛みが緩和されることを気付かせた。すると本人はようやく私が言う「中枢性三叉神経痛の痛み」が原因だと理解し、以降上頚神経節ブロックを週に1~2回定期的に行うようになった。すると痛みの98%が解消。劇的に痛みが改善した。その後は再燃傾向があったがその度にブロックを行い(数週間に1回)、発作の起こる回数どんどん減って行った。現在ブロックを行わなくても再燃時に項を温めることで痛みが消失するようになり、治療をほぼ終了した。


症例4 72歳女性

5年前より左右の下顎の歯茎の痛みあり。歯科医には「それは歯から来ているのではない」と言われ治療をあきらめていた。私の外来を受診し、上頚神経節ブロックを1回行ったが全く効果なし。頚部硬膜外ブロックを勧めるが「治ることをあきらめ」たのか、拒否される。上頚神経節ブロックが全く効果がなかった1例だった。


症例5 33歳男性

半年前から額からこめかみにかけて発作性のズキズキした痛みが起こるようになる。脳外科医にかかり三叉神経痛と診断されるが全く痛みはとれない。私の外来を受診し上頚神経節ブロックを行う。すると発作回数が3分の1に減り、発作時の痛みも2分の1となる。再燃傾向があるため隔週でブロックに通院中。現在も軽快傾向にあるが、再燃傾向もあるため治療をやめられない状態。


 

症例6 67歳女性

10歳ころより両側のこめかみにキーンとした頭痛が数分起こることが1日に数回あった。頭痛薬で様子を見ていた。症状はそのころからかわらず、67歳の現在も同様な症状がある。脳外科にも受診するが異常なしと言われ頭痛薬をもらうだけであった。H27.915.私の外来を受診。上頚神経節ブロック(1%キシロカイン2cc×両側)を隔週で4回行う。すると頭痛発作は2日に1回と劇的に減少、痛みの強さも半減した。ブロックをした当日は極めて深い熟睡ができる。


三叉神経痛には上頚神経節ブロックが極めて有効

上記のように三叉神経痛には上頚神経節ブロックが極めて有効であることが判明しました。ただし、上記の5症例は脳外科学会で三叉神経痛と認められるのは2例のみです。私の推測では症例4以外は中枢性三叉神経痛であると考えます。その理由は、「上頚神経節ブロックは末梢への直接のブロックではない」ことによります。中枢の三叉神経経路において感作があり、本部ロックでその感作が改善されたからこそこれほど劇的な症状改善となったと思われます。


脳外科学会が言うように末梢性の三叉神経痛には上頚神経節ブロック(交感神経節ブロック)には効果が低いと思われますが、5例中4例は著効しています。よって4例は中枢性三叉神経痛と判断します。しかし、1例は全く効果がなく、もしかすると症例4は末梢性三叉神経痛なのかもしれません。


上頚神経節ブロックはすべてに効果があるわけではありませんが、極めて効果が高いことが判明しました。また、私は古典的片頭痛の持病があり、本疾患に上頚神経節ブロックが極めて有効であることも自分の体で証明しています。つまり、本ブロックは原因不明の首から上の痛みに極めて有効であるといえます。


それらを三叉神経痛と言うか言わないかは私には興味がありません。治らない頭痛が治せることをこの記事を通して認識くださればそれで構いません。脳外科医が手術を用いて治せる頭痛のみを三叉神経痛と定義するのであれば、その限定した疾患だけは脳外科医に治療をおまかせします。しかし、三叉神経痛が少しでも疑わしければ、上頚神経節ブロックをまず受けてみるべきでしょう。手術は侵襲的、ならば、まずは上頚神経節ブロックを受けることをお勧めです。本治療法が広まれば、救われる人が大勢います。なにせ三叉神経が関与した痛みは一度味わうと恐怖で生きていられなくなるほど極めて辛い痛みだからです。


三叉神経痛に対する頚部硬膜外ブロックの効果

臨床的に三叉神経の関与した痛みに対し、上頚神経節ブロックと頚部硬膜外ブロックの効果を比較すると、頚部硬膜外ブロックの方が治療力が強いようです。それは患者の症状改善度から見てとれます。症例2がまさにその証拠となりますが、ここに掲載した症例以外でも同様の結果が導かれています。

 しかしながら、頚部硬膜外ブロックは「外来で行う手技」としては極めてリスクのある手技ですので、そのリスクを患者にムンテラした後に「頸部硬膜外ブロックを受けます」と言う患者は皆無に近いと言えます。もし、「ブロックを受ける」と言う患者がいたとすればそれはリスクの説明が不十分であることの証拠でしょう。私の外来の場合、患者たちは「私のブロック技術の高さを私の他のブロックを受けることで確信し、信頼関係が築かれた後に」ようやく患者が「そのブロックを受けてみたい」と言うようになります。信頼関係が築かれるには最低でも数か月必要です。そのくらい頸部硬膜外ブロックによる頭痛の治療は現実にそぐわないものです。不慣れな医師が見よう見まねでできる手技ではありません。


頭痛は脳外科医には治せない

残念ながら頭痛を手術で治すという発想は今世紀のみでしょう。来世紀の医学では「頭痛を外科的に治す」ということが残酷な過去の笑い話になっているはずです。異本的にほとんどの頭痛は外科的には治りません。しかし、その中で、末梢性の三叉神経痛、腫瘍や血腫・出血などによる頭痛のみが外科的に治療できる頭痛ということになります。臨床現場で起こる大部分の頭痛は「手術を必要としない」頭痛ですので、脳外科医にそれらを治すことは不可能です。私の言う「治す」とは根本的に原因箇所を改善させることを言うのであって、頭痛薬でごまかすことを言うのではありません。


真実を言えば、今のところ根本的に頭痛を治す方法は上頚神経節ブロックがもっとも安全かつ有効と思われます。しかし、本ブロックを流通させるためには様々な障害があるでしょう。まず、先に世界で広がらなければ、日本人医師たちは「認めない」でしょう。また、他の医師たちが安全に上頚神経節ブロックができるか?もわかりません。


さらに難治性の頭痛には頸部硬膜外ブロックが極めて有効であるという確信がありますが、これを広く世間一般的に立証することは「頸部硬膜外ブロックのリスク」を考えるとなかなか難しいでしょう。

ただ、これを読む「死ぬほど頭痛に苦しむ人々」に、「ブロックで治せないこともない」ことを知って頂ければ、一筋の光明として役立つと思います。

神経ブロック後の疼痛増悪に厳重注意(SJS体質)

はじめに

神経ブロックは主に痛みを遮断する目的でおこなわれます。しかしマレに神経ブロックで痛み・しびれ・まひなどが増強してしまう例があります。それはリバウンドとは違い、後遺症をも引き起こす可能性がある忌まわしき疾患です。症状はブロック後数十分で発現し、それが数日から数か月に渡って治らず、運悪く後遺症となる場合もあります。おそらく注射薬剤に患者の免疫が即時に過剰に反応し局所に急性の炎症を起こしてしまうことが原因だと思われますが、こうした病態はこれまでの臨床医学では全く認識されていませんでした。


普通なら即時の急性炎症は薬剤が拡散するにつれて鎮静化に向かいますが、神経根ブロックでは炎症が神経根に起こり、さらに椎間孔が変形して狭小化している場合、その狭いトンネルの中で起った炎症性の浮腫は神経根の血行不良を招き、炎症が遷延すると思われます。よって痛みが後遺症として残ったり、麻痺が長期間残ったりすると推測しています。


ブロックを行う医師は注射した薬剤が引き金となって後遺症を残すほどの炎症が起こることなど、想像もしませんのでブロック直後に痛みが増強した患者を見ても「あり得ないこと」「心因性のもの」と受け取るものです。しかし、神経ブロック後に疼痛やしびれが増強したとなると医療訴訟に発展する可能性が高く、いちはやく原因を究明しブロックを行う医師たちに注意を喚起しなければなりません。そのためにはこうした稀な症例に新たな病名をつけ、広く知らしめる必要があります。ここでは仮に「薬剤過敏性神経炎」と名付けておきます。


症例1 22歳F

2年前より、頭痛、頸部痛、両上肢帯痛、背部痛に悩まされ整形外科や鍼灸などを受診するが全く改善しない。線維筋痛症と診断されていたがうつ病で心療内科にも通院していた。親にすすめられて私の外来を受診する。左右の第7頚神経根に対して傍神経根ブロック(1%キシロカイン2㏄)を行う(傍神経根ブロックとは直接神経根を刺すことなく、神経根の近傍に薬剤を注入する侵襲性が極めて少ないブロック)。ブロック後数十分で激しい痛みを訴え激怒。その後両親に話しを伺うと「薬剤に過敏性のあるデリケートな体質」であることをきく。その後の経過は不明。


症例2 50歳F

普段から頚痛や後頭部痛があったが、昨日より激しい左頸部痛・左後頭部痛が起こり、首が回らないという状態で私の外来を受診。左第7頚神経根に対して傍神経根ブロック(1%キシロカイン2㏄)を行う。直後からC7エリアに痺れが出現し痛みが治まった。しかし数時間後、麻酔の効果が切れると痛みがC7エリア全体に広がった。痛みは軽快しないまま1週間経過し、後頭部の痛みが徐々に強くなったため私の外来を受診。今度は後頭部の痛みを治療目的で左C3に傍神経根ブロックを行う。しかし痛みは軽快せず、50分後には痛みが倍化し、左耳の奥に痛みが出現した。さらに首が動かせなくなる。その後は頭痛薬を用い入浴などで痛みを20%まで軽快させた。しかし、左耳の奥の痛み(注射によって新たに加わった痛み)はやや残存している。


この症例は別件で坐骨神経痛の治療として腰部硬膜外ブロック(0.5%キシロカイン5cc)を行ったがその際は何事もなかった。話をきくと、鼻炎の薬で強い頭痛が起こった経験、ビタミンEで吐き気や嘔吐が出現した経験、引っ越した後に顔や首に皮膚炎が出現した経験など、過敏体質があることをきく。


ブロック後に痛みが増強した病態生理

注射に用いた薬剤はいずれも1%キシロカイン2㏄のみです。薬剤は神経根付近に注入しますが、直接神経根を刺しません。上記の例はいずれもブロック後に神経根炎が増悪したと思われます。つまりキシロカインという薬剤が神経根の炎症を増幅させたと考えます。注射して数十分から数時間はキシロカインの局所麻酔作用で痛みが軽快しますが、キシロカインの効果が切れると同時に痛みが増悪しました。痛みが増悪した理由として注入した薬剤が局所に炎症反応を引き起こし、神経根の炎症をさらに悪化させたことによると推測しました。2例とも蕁麻疹などの出現はなく、局所的な即時アレルギーが原因と思われました。このような「ブロック注射直後に痛みが増加した」 例は自験例では2例のみであり非常にマレと思われます。2例には薬剤に対する過敏性があり、因果関係があると思われます。


薬剤アレルギーの存在をブロック前に知ることは困難

発症の可能性が事前にわかっていれば、このような疼痛増強を防ぐことができるでしょう。しかしそれはかなり難しいでしょう。症例2では別件で硬膜外ブロックを行っていますが、その際はキシロカインを用いても悪しき反応は全く認められませんでした。反応が認められなかった理由として硬膜外ブロックの際の薬剤の濃度が半分だった、硬膜外スペースという神経根にダイレクトには届かない場所だったためかもしれません。また、薬剤アレルギーとはいうもの、それが浸透圧によるアレルギーなのか? pHによるものか? 特定の塩基に反応したものか? などが不明です。浸透圧やpHによるものだったとしたら、パッチテストなどで陽性になることはありません。また、特定の薬剤によるアレルギーであったとしても、そのアレルギーは濃度や量に依存しているのかいないのか? で性質がかわります。濃度や量が少なければ反応しないタイプであったとすれば、少量使用では症状が出ないでしょう。アレルギー反応は現医学ではほとんど解明されていない段階ですから、既知の知識で考察したり診断したりすると、それらは誤診を生みます。よって症状が起こるかどうかをブロック施行前に把握することはかなり困難でしょう。


薬剤過敏性神経炎と患者の体質

薬剤を注入した部分に強い炎症が起こるという病態は「誰にでも起こる」わけでは決してありません。患者の根底には薬剤に過敏に反応する免疫体質があるはずです(多くは先天的)。しかしながらこの異常免疫体質は現代医学では病名がつくことはありません。SLEやリウマチなどの膠原病患者の一部にこのような免疫異常の方が含まれると思われますが、逆に本体質をもつ方が膠原病の診断をつけられることはほとんどないと思われます。


本症は薬剤による即時アレルギーでありながらIgEが関与しないタイプと思われ、現医学では全く解明されていない免疫反応と言ってよいでしょう。例えばインフルエンザの注射後に注射した部分がパンパンに腫れる方がいますが、そういう人が本疾患の特異体質を潜在的に持っていると思われます。


本症はスティーブン・ジョンソン症候群と同じカテゴリー

薬剤過敏性神経炎はおそらくスティーブン・ジョンソン症候群(以下SJS)とほぼ同じ病態と推測します。神経ブロックではキシロカインなどの局所麻酔薬が引き金となりますが、おそらく全ての薬剤の局所注射が原因となりうると思われます。SJSはその免疫学的な仕組みが全く解明されていませんので使用薬剤の量や濃度に依存するのか? 皮内テストは予防に有効なのか? など全く不明です。


SJSの診断基準

 1) 概念

発熱を伴う口唇、眼結膜、外陰部などの皮膚粘膜移行部における重症の粘膜疹および皮膚の紅斑で、 しばしば 水疱、表皮剥離などの表皮の壊死性障害を認める. 原因の多くは、医薬品である。

2) 主要所見(必須)

① 皮膚粘膜移行部の重篤な粘膜病変(出血性あるいは充血性)がみられること。

② しばしば認められるびらんもしくは水疱は、体表面積の10%未満であること。

③ 発熱。

3) 副所見

④ 疹は非典型的ターゲット状多形紅斑。

⑤ 眼症状は眼表面上皮欠損と偽膜形成のどちらか、あるいは両方を伴う両眼性の急性角結膜炎。

⑥ 病理組織学的に、表皮の壊死性変化を認める。


SJSは皮膚症状・眼症状・呼吸器症状・消化器症状などがありますが、皮膚症状は診断基準の必須項目ですので、皮膚症状が極めて軽い場合はSJSが見逃されてしまいます。SJSの病態生理が解明されていれば、皮膚症状がなかったとしても、「皮膚症状のないSJS」と診断がつけることができますが、現医学水準ではそれができません。よってSJSの診断基準は臨床的には意味がなく、今のところ患者を救済するための制度適用ラインでしかありません。


万一SJSの呼吸器症状や消化器症状がメインのタイプが発症した場合「原因不明の咳」「原因不明の下痢」などと言われるだけです。そして上記の2例も一種のSJSであると推測します。キシロカインが速やかに分解されるために皮膚症状が出る前の状態で終息するSJSであると推測します。この考え方が正しいかどうかは現時点では判明しませんが、このように考えて行くことで免疫学は発展すると思います。


物理刺激によるSJS

またニコルスキー現症のように皮膚をひっかくという物理的刺激が免疫反応の引き金となるパターンもあることから、体内のアレルギーは薬剤だけに反応するのではなく、薬剤の圧力、浸透圧やph、温度などの物理刺激が引き金となるパターンがあると考えます(既知の免疫学では考察できていない)。


浸透圧や薬剤の水圧、phによる刺激で炎症が起こるという反応は、健全な人でも普通に見られることですからこれを病的と定義することはできません。しかし、炎症反応の強さは個々によって異なるわけですから、炎症反応が強く出るタイプの人をSJS体質と定義してもいいでしょう。ですが、SJS体質とノーマル体質の線引きは不可能です。


なぜなら、症状が出るか出ないか?は炎症反応の強さに依存しているわけではなく、肉体のコンディションに依存することが多いからです。たとえば、頸椎の変形が強く、椎間孔が極めて狭窄しているというコンディションの人は、神経根にわずかな炎症が起こっただけで神経根の阻血→運動麻痺という症状が出てしまいます。この場合、SJS体質が症状を起こしたのではなく、椎間孔狭窄というコンディションがもっとも大きな原因となっているからです。


逆に言えばSJS体質の人でさえ、健康コンディションが良い時は何も起こらないのです。ただし、SJS体質の人は明らかに健常人よりは症状が出る確率が高くなります。ここでは薬剤の物理刺激で発症するタイプのSJS体質がある可能性を頭に入れておきます。私は臨床的に神経根ブロックで実際に麻痺が出現した例を経験しており、「神経脆弱状態での神経損傷について」が大変参考になると思います。


SJS体質と歯科医の局所麻酔

歯科医では歯の麻酔でのトラブルが日常茶飯事ですが、歯科医はそうしたトラブルに巻き込まれないためにも以下の文を読んでいただきたいと思います。侵襲的ではない歯の治療で表面麻酔薬を使った際に、顔が著しく変形するほどに歯茎や頬が腫れる方がマレにいます。これらはまさにSJS体質が原因となっていると思われます。おそらく表面麻酔薬に対するSJSです。しかし誰もその存在を知らないために臨床現場でかなりのトラブルをひきおこしていると推測されます。


つまり局所麻酔薬に対する過敏なアレルギー反応なのですが、それが現在認識されているⅠからⅣのどのタイプにも属さない未解明のアレルギー反応であるため、説明がつけられない状態です。局所におこるSJSではアナフィラキシーも起こりませんし、Ⅰ型アレルギーのように蕁麻疹も出ません。よって患者は歯科医の技術が下手であるために顔が腫れあがったと誤解するでしょう。実際の原因は本人のSJS体質にあるわけです。その誤解を解くための論文さえ世界には存在しません。唯一本論文が誤解を解くカギになりますのでどうかご利用、そして研究の材料にしてください。


SJSと帯状疱疹後遺症

SJSが帯状疱疹ウイルスや肝炎ウイルスなどの感染がきっかけで発症するタイプであった場合、患者は悲劇的な運命をたどるでしょう。ウイルスはほぼ一生体内から消えてなくならないからです。恐らくSJSは量依存であり(量に依存しないタイプのものあるかもしれません)、炎症反応とアレルゲンの量が二次関数の関係にあると推測します。なぜなら、ウイルスが増殖すればそれだけで炎症反応が1次関数的に上昇しますが、そこにSJSの過剰免疫反応が加わるわけですから、炎症反応が二次関数的になると思われます。


さて、帯状疱疹ウイルスが原因で生じるSJSの場合、ウイルスは増殖していないにもかかわらずアレルギー反応により局所に炎症が起こり続ける可能性があります。局所のごく小さな炎症ですからCRPは陽性になりません。Bリンパ球でさえ局所の炎症では異常増加しません。よって検査データでは正常なのに局所に炎症が起こり続けることがあると推測します。これが神経根に起これば、非常に不快な痛みが半永久的に起こり続けるでしょう。アロディニアの原因にもなります。炎症は当然ながら浮腫を発生させますから、椎間孔が狭小化している患者では神経根の浮腫により神経根の栄養血管が浮腫の圧力で扁平化し、阻血状態に陥ります。これが神経麻痺の原因になると考えます。


帯状疱疹後遺症による神経痛はSJSの一種である可能性を私は唱えます。そして不幸にも椎間孔の狭窄があると炎症性浮腫に陥った神経根は阻血により運動神経が損傷し麻痺も出現すると考えます。さらに、帯状疱疹ウイルスにアレルギー反応を持つ患者が、局所麻酔薬にもアレルギー反応を示す場合、疼痛治療を行うことで助長することが起こり得るでしょう。


帯状疱疹後神経痛の治療では局所麻酔薬を用いてさかんに疼痛除去を行うことが普通です。痛みが耐え難いものだからです。疼痛を除去するために神経根を目指して局所麻酔剤を入れるのですが、その薬剤がさらに炎症を引き起こすかもしれません。私は実際に、帯状疱疹による神経痛を除去する目的で傍神経根ブロックを1%キシロカインを用いて行ったところ、麻痺が出現した症例を経験しました。その経験が本論文を書くきっかけとなりました。


SJS体質と腱断裂

薬剤注入がきっかけで起こるアレルギー反応から細胞壊死が起こることはマレではありますが存在するでしょう。ばね指など腱鞘炎の治療にしばしばステロイドを用いますが、用いるステロイドによっては局所にSJSが起こり得ると思われます。人間だけでなく動物でも同じで、動物実験でステロイドを腱に注射し、腱を壊死させることを立証している学者もいます。


SJS体質の患者ではステロイドに限らず、種々の薬剤注射で局所に炎症が起こる可能性があり、注意が必要です。まさか医者も患者もSJS体質が腱断裂の原因になっているとは誰も想像しないでしょうから「ステロイドで腱が切れる」という極論が世に回ってしまっていると推測します。ステロイドは体内から分泌されているものですから、ステロイドで腱が壊死するという言い回しは極論であることに気づいてほしいと思います。


もしも、真にSJS体質がある場合、おそらくステロイド注射後に注射部位が腫れて熱を持つという現象が起こるでしょう。腱断裂を注意するにはそうした現象に留意する必要があると思われます。腫れと熱が発症するようなら、それ以上使用しなければ腱断裂にまで発展することはまずないでしょう。


SJS体質の不運と皮肉

今のところSJSを治療する有力な方法はステロイド投薬です。しかし、合成的に作ったステロイドは異物であるためアレルギー反応を起こし、投薬したステロイドでさらなるSJSが起こることを想定しなければなりません。もともとSJS体質の人はどんな薬剤を用いてもアレルギー反応を起こす可能性が高いのですから、ステロイドを投薬してもSJSが起こる確率は普通の人より高いと言えます。SJSの治療薬でSJSを起こすとは何たる皮肉でしょう。


最後に

この論文を読む人は世界で一体何人でしょう。何人の医師がこれを読んでSJSに注意を促すでしょう? 本論文は全て推論であり根拠や証拠に非常に乏しいものです。信じる価値はが高くても、信用度は低いものです。もちろん免疫学が進展し、SJSのアレルギー反応様式が解明されれば、証拠が出せるでしょう。しかし、免疫学は現医学においてもっとも後退している分野です。解明までには数百年を要するのではないでしょうか? しかし、医者にとっても患者にとっても不幸な医療事故を起こさないために、こうして推論のまま文章にしました。真実を見つめる医師によって広まればいいのですが・・・。

 

 

 

耳鳴り治療法完成報告(上頚神経節ブロック)

耳鳴り治療の現状

耳鳴り治療は現医学(西洋医学)においては1、補聴器で音を紛らわす、2、慣れさせる、3、ステロイドパルス療法などがあります。1と2は治療ではない姑息的手段。3においては副作用が強すぎる上に治癒率が高くないため、推奨されない治療となっており、現実的には西洋医学では世界的に耳鳴りの「治療法がない」状態です。

一方、東洋医学ではその隙間を突くように鍼灸、マッサージなどで西洋医学では治せない耳鳴りを治す種々の工夫がなされ、治癒実績を作っているようです。それらの実績は不確実ですが、西洋医学では耳鳴り治療は無力に近いため、実際の効果は東洋医学に分があります。よって針灸、マッサージなどでは法外な料金設定にしても経営が成り立っています。そういう状況を作っているのは西洋医学の耳鳴り治療の無力さであり、一刻も早く西洋医学としての耳鳴り治療を完成させる必要がありました。

ようやく私は西洋医学として、上頚神経節ブロックという確実性の高い治療法を完成させることができましたので報告します。本治療法が世間に普及すれば12万人と言われる耳鳴り患者たちをより確実に救うことができるでしょう。


現在患者様のご厚意により上頚神経節ブロックの体験ブログを書いていただいております。参考にしてみてください。


突発性難聴の1例→こちらをクリック


例耳鳴りの1例→こちらをクリック

 


上頚神経節ブロックの耳鳴り治療機序

耳鳴りの原因は「脳の中で回路のように出来た悪循環」などと言われていますが、その原因解明は現代医学においてまだ未解明です。恐らく原因は一つではなく、内耳神経(聴神経)によるものや脳の聴覚野に原因があるもの、その両方など、複雑な病因が絡み合っていると思われます。

根本的な治療としては不具合を起こしている神経細胞への栄養血管を拡張させて血流増加を計り、神経の修復・再生を促すことです。本ブロックは最頭位にある交感神経節をブロックすることで内耳神経や脳(聴覚野)への血流を増加させ、自然治癒能力を高め、異常を改善させる方法であり、姑息的な治療法ではなく根治療法です。


上頚神経節ブロックとは

体にある交感神経節の中で最上位(最頭側)の神経節です。ここを表面麻酔剤でブロックさせることで延髄・脳幹・脳への動脈を開大させ、血流量を上げる治療法です(詳しい手技・副作用は「上頚神経節ブロックの概要」「上頚神経節ブロック手技」を参照ください。本ブロックには副反応や合併症が多少あります。それらは生命にかかわる重篤なものはないものの治療に際しては注意が必要です。その注意点は「上頚神経節ブロックの作用・副作用」に掲載してあります。


上頚神経節ブロックによる耳鳴り治療成績

H27.4~H27.10の半年間で私の診療所で行った耳鳴り治療者数は7名。うち1名は耳鳴りがほとんど治癒せず中止。他6名は満足がいけるほどに著しく改善しており、治療成功率は85.7%でした。以下にその7名の治療経過を報告します。


症例1 79F 2週間前から両耳に高い耳鳴り音が出現。静かなところで気にかかる。1日に数回、1回1分間程度起こる。H27.7.18.に上頚神経節ブロック(以下ブロック)を行い、それ以来耳鳴りはほぼ起こらなくなった。H27.10.17.耳鳴りが再燃したため再度ブロック。耳鳴りが鳴り止む。


症例2 77F 10年前から左>右耳鳴りあり。H27.8.20.ブロック行う。直後から耳鳴りは低下したが数日後に再燃。それ以降毎週1回ブロックを行い7回目で右耳なりはほとんど聞こえなくなる。しかし左耳鳴りが少し残る。今後は左耳鳴りが治るまで治療を継続する予定。


症例3 78F 10ヶ月前より耳鳴り出現。H27.4.14ブロックを行うとその直後から耳鳴りが完全に消失。翌日には少し聞こえるようになるが半分以下になる。1週後には耳鳴りがアップする。週1回治療の6回目にはブロック後耳鳴りがアップした。7回目もブロック後数日耳鳴りアップ。しかしその後は半分以下となり効果が持続。治療の副作用と思われる不整脈(動悸)が出現したためブロックを中止した。中止後は動悸が起こらなくなる。


症例4 50F 30代より右耳鳴り・難聴・めまいがある。耳鳴り治療専門の鍼灸を数軒まわり、難聴治療でもあらゆる治療法を試すが全く改善しない。H27.4.11よりブロック開始。2回目で耳鳴り音の音程が変化する。が、ブロック後に耳閉感が出現する。しかしめまいは1日軽快した。2週に1度のブロックを10回行いオージオグラムで高音域が5dB改善。耳鳴りは少し軽快したのみ。これで一旦治療を終了。


症例5 85M 3年前より 左>右耳鳴り めまい 左耳難聴あり。H27.7.9.よりブロック開始。1回目ブロック後から右耳鳴りはかなり小さくなる。が左耳鳴りは軽快しない。10回目で右耳鳴りはほとんど消失。めまいも8割改善。左耳の聞こえがよくなる。左耳鳴りは少ししか軽快しない。現在治療中。


症例6 55F 20年前から左耳鳴り、めまいあり。H27.6.25.に1回目のブロック、その後1週間完全に耳鳴り消失。2回目ブロック後から耳鳴りはほぼ消失し、月に1回起こる程度となり終了。めまいも月に1回となった。


症例7 74F 半年前より左耳鳴りが出現。徐々に音量がアップしてきた。ブロックをH27.6.2.より開始。4回目で耳鳴りが少し小さくなったのを自覚。8回目で耳鳴りがかなり小さくなり、そのまま持続。よって治療終了。


耳鳴り治療が奏効しない例

私は開業以前に耳鳴り治療が無効だった例を3例経験しました。数十例治療し、数十例の耳鳴りを軽快させた中の無効3例ですから、やはり無効率は10~15%と思われます。ここでは無効例を以下に挙げます。


症例1 56F 10年以上前から「セミが24時間大合唱」という両耳鳴り。週に1回の上頚神経節ブロックで「午前中は耳鳴りがほとんど聞こえない」というレベルにまで軽快させた(ほぼ毎週の治療を1.5年間行った)。しかし、ある日突然、上肢下肢の脱力が出現し、ホットフラッシュ、頭痛、吐き気、めまい、動悸、視力低下(かすみ目)などが起こる。その日を境に耳鳴りが増悪。それ以来、上頚神経節ブロックを何度行っても一切耳鳴りが静まらなくなった。


症例2 41F 4年前から三叉神経痛、自律神経失調症、上下肢の脱力の出現と共に耳鳴り出現。起床時と入浴時に耳鳴りが強くなるという症状を繰り返す。上頚神経節ブロック後に一時的に数時間だが耳鳴りがかなり軽快する。しかし入浴した際に耳鳴りが上昇するということを繰り返し、全体的な耳鳴り低下効果は得られなかった。週に数回の上頚神経節ブロックを数年間継続した例。


症例3 54M 左耳難聴+耳鳴り、頭重感 数年前から耳鳴り。耳鳴り治療で有名なあらゆる病院、鍼灸などをめぐったが一切軽快せず。週1回の上頚神経節ブロックを行うと、その時一瞬耳鳴りが鳴りやむことがあったが結果的に全く無効。それでも上頚神経節ブロックで頭重感が軽快するという恩恵があったため約1年間継続したが、結局全く軽快しないまま治療を中止。


ブロック無効の耳鳴りの特徴

ブロックが効果を発揮しにくい耳鳴りがあることを治療前から認識しておくことは重要です。データが少ないので研究の余地がありますが、現時点で治り難い耳鳴りの特徴をあげておきます(推測)。

  1. 耳鳴りの音量に変化がない
  2. 入浴などで耳鳴りが増大する
  3. ブロック直後に耳鳴りの音量低下がない
  4. これにあてはまる場合、耳鳴り治療が奏効しない可能性が高くなると推測します。あくまで可能性なので実施してみないと判明しませんが、治療前にこのことは医師も患者も認識しておく必要がありそうです。

耳鳴りの作用機序は一つではない

上記3例の「耳鳴り治療無効例」を考察しますと、上頚神経節ブロックで脳幹の血流量を上昇させても「効果が全く出ない耳鳴り」「効果が一時的にしか出ない耳鳴り」「ある日突然効果がなくなる耳鳴り」など、無効例にも異なるパターンがあることがわかります。このような「耳鳴り治療無効例」は私の経験上10~15%に認められました。症例2では入浴という「一般的には血流が上昇する行動」で耳鳴りが上昇しており、この耳鳴りは他の「上頚神経節ブロックで軽快した耳鳴り」とは作用機序が異なると思われます。

作用機序が異なる耳鳴りが存在することは、私のように実際に耳鳴りを軽快させることのできる治療を行って初めて理解できることです。よって耳鳴りを根治させることが不可能な現西洋医学レベルでは、耳鳴りに「異なる作用機序のものがある」ことは知られていないことが露見します。世界の耳鼻咽喉科医師がこのことを認め、真摯に耳鳴り研究に励んでくださることを期待しています。


耳鳴り治療の実用性

私は上頚神経節ブロックで耳鳴りを根本治療できることをここ数年間で証明してきました。ただし、耳鳴りは主観的なものなので客観的に数量化できないので、そんなものは証明にならないと否定していただいても構いません。患者にとって重要なことは症状の軽快であり、患者は数量化に興味などあるはずがありません。私は患者を救うために治療を開発しており、証明して名を上げるために開発しているわけではありません。


さて、上頚神経節ブロックは私が開発し安全性を研究し実用化させましたが、現在、上頚神経節ブロックができる医師はおらず、一般的には「星状神経節ブロック」が耳鳴りは効果があると言われています。ただし、それは頑固な肩こりなどで星状神経節ブロック治療を受けていた患者が「偶然にも耳鳴りが軽快した」場合です。つまり「耳鳴りを治す」という目的で星状神経節ブロックを受けに通院する患者はほとんどいません。その理由は星状神経節ブロックのリスクや恐怖が「耳鳴りが治るかもしれない」という期待値を上回るからです。


私は上頚神経節ブロックという「治る期待値が高い」治療を開発し、それは本ブロックで起こる合併症などのリスクを低くすることができた上で、ようやくこの治療に実用性を与えることができました。つまり星状神経節ブロックではなしえなかった耳鳴り治療を、上頚神経節ブロックの開発で成しえるようになったと言えます。

一方、東洋医学の針灸。マッサージなどは治療の確実性は星状神経節ブロックよりも劣ると思われますが、リスクが極めて少ないため実用性が高かった。それゆえ現在も法外な値段設定で東洋医学で耳鳴り治療が行われているという事実があります。


上頚神経節ブロックが世界に広がれば、耳鳴り治療は西洋医学で「普通に治せる疾患」となります。しかし、そこには問題があります。私は上頚神経節ブロックを安全に行える技術を確立させましたが、他の医師が私の技術を模倣した時に安全にできるかどうか?が問われるからです。しかし、そういうデメリットはあるとしても、上頚神経節ブロックは現存する耳鳴り治療の中でもっとも根治率の高い治療法ですから、耳鼻科医たちは勇気を持って模倣していっていただきたいと願っています。


ただし、耳鳴り治療として上頚神経節ブロックが世に広まるためには次のような難題をクリアしなければなりません。万一、ブロックミスで患者に後遺症を残した場合、その責任を負うリスクと、治療で得られる報酬のバランスにおいて、報酬の方が上にならなければこの治療法は医師の間に普及しないという現実問題です。厚生労働省がこの治療法を認めたとしても、上頚神経節ブロックが安い値段設定にされてしまえば、本ブロックは日本には普及しません。よってどんなに優れた治療法であっても厚生労働省の値段設定次第で治療法が日本に広まらないでしょう。リスクは医師が修行することで減らすことはできますが、リスクをへらして修行しても、報酬が少なくて赤字経営になってしまうようでは、誰が耳鳴り治療を行うというのでしょう。


そうなると耳鳴り治療は西洋医学という「報酬を重視する医学」では発展しないという運命にあります。残された方法として上頚神経節ブロックを自費治療とし、高額な料金設定とすることです。高額とはいうものの、現存する東洋医学の料金設定と同じくらいにすれば無理がないと思います。1回のブロック治療で1万円前後が適正かもしれません。このようなお金の問題とリスクの問題をクリアできて初めて治療法が日本に広まります。


まあ、私は報酬を無視して治療をしてきましたのでこのように耳鳴り治療を完成させることができました。ただし、上述したように、「上頚神経節ブロックでは治せない耳鳴り」があることは確かです。治せない耳鳴りが治せるようになるためには、まず上頚神経節ブロックが普及し、その研究を発展させていくことでしょう。そうなるにはまだ数百年はかかるかもしれません。


他の医師たちが本治療を実用化させるにはもう少し時間がかかりそうですが、興味のある耳鼻科医は私の元へ研修に来られることをおすすめします。まあ、耳鼻咽喉科はそのような研究をしなくても、常に外来は混雑し経済的に潤っているでしょう。よって、私の元へ耳鳴り治療を学びに来る必要性はあまりないかもしれません。さらに耳鳴りや難聴、めまい治療を耳鼻咽喉科医ではない私のところに学びに来ることは、極めて屈辱的と思われます。その屈辱を乗り越えられる先生方がおられることを願います。

 

 

 

 

 

原因不明の胃部不快・便秘の治療法(胸部硬膜外ブロック)

原因不明の胃部不快の治療法

はじめに

胃カメラをはじめどんな検査を行っても異常が出ない胃部(胃腸)不快感というものが実は日常茶飯事に存在する。患者は未発見の癌があるのではないかと不安になり、消化器科の医師を何軒もめぐることになり、数多くの検査を受けるが、それでも異常はみつからない。そして胃薬を継続的に処方されるのみで経過観察になるという患者が全国に多数存在すると思われる。そうした患者の病因は脊髄(自律神経)にあると推測の下、当診療所では胸部硬膜外ブロックという「極めて特殊な治療」を行っている。するとあまりにも劇的に症状が軽快しその後再発もしない。よって消化器の不調には脊髄由来の病態があると確信する。しかし現医学にはそうした病態に診断名がない状態であるため治療も診断もできない状況にある。そして高齢者の原因不明の食欲不振の原因に脊髄由来のものが多々あると確信する。高齢者の食欲不振の治療法として胸部硬膜外ブロックが普及すれば、経腸栄養などの処置を回避できる可能性が高く、超高齢者医療に大きく貢献できる。この状況を消化器科の医師たちにすこしでも早く知っていただくために本論文を公表するに至る。


症例1 74F

数年前より心窩部痛と胃部不快があり「胃がチクチクする」とのこと。近医で胃カメラを行うも毎回異常なしと言われ、胃酸を抑える内服薬をもらっていた。しかし胃のチクチクは治らない。そこで今回胃の不快な痛みの治療を目的として胸椎3/4の高さより胸部硬膜外ブロック(0.5%キシロカイン5cc)を行う。


治療結果

数年間継続した胃のチクチクが一度の胸部硬膜外ブロック(0.5%キシロカイン5cc)で軽快(完治)した。


症例2 49M

3年前より心窩部のコリのようなものが出現。吐き気が頻繁に起こるようになる。消化器内科医を数箇所周り、胃カメラや超音波、MRIなどを行うが検査では全く異常なし。当院では原因不明の両上下肢脱力の治療目的に(胃部不快を治すことが目的ではなかった)T3/4より胸部硬膜外ブロックを行う。


治療結果

2度の胸部硬膜外ブロックで心窩部のコリがほぼ消失した。


症例3 76F

10年前から頑固な便秘症あり、2週間前より便通が数回しかなく、胃のむかむかで食欲不振となる。近医で胃カメラを行うが「異常なし」と言われH2ブロッカーを処方されるが全く効果がなかった。同時に背部痛があったため、胃のむかむかと背部痛の同時治療目的でT3/4より胸部硬膜外ブロック(0.5%キシロカイン5cc)を行う。


治療結果

ブロックの翌日10年間一度も経験したことがなかった下痢が起こった。そして胃部不快は消失し食欲が戻った。その後、便秘は起こりにくくなった。


考察1:自律神経由来の内臓不調

これまでの医学理論にないシステムとして「自律神経(交感・副交感神経)の不調により消化器の動きが反応鈍化、または過活動となる病態」があると推測する。それはすでに私が過活動性膀胱の患者を仙骨部硬膜外ブロックで多数治癒させてきた実績から逆算し、当然推測可能なことだった。過活動性膀胱の場合、尿意異常の原因はS2,3,4にあると思われ、実際に仙骨部硬膜外ブロックを行うと症状の多くは軽快した。同様に下痢症状が強く外出ができないと悩んでいた87歳の女性の場合、仙骨部硬膜外ブロックで下痢が起こりにくくなるようにすることができた(過敏性腸症のブログ参)。


こうした直腸膀胱の不調治療の実績から考察すると、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、腎臓、膵臓、脾臓、卵巣、子宮など、内臓の機能不全もまた、交感神経や迷走神経由来のものが必ず存在すると推定していた。自律神経由来の内臓の機能不全が全体の何割を占めるのかは全く未知数であるが、少なくとも様々な検査で「異常なし」とされていながら症状が継続する場合はこの自律神経異常が原因なのではないかと推測しても不自然ではない。ただし、直腸・膀胱以外の内臓に分布する迷走神経は脊髄を通らない。そこで、脊髄由来の内臓の不調は交感神経に原因があることを私は予想していた。よって胸髄への治療アプローチは、これまで治せなかった臓器疾患を治すことができる可能性を秘めいている。


考察2:胸部硬膜外ブロックの消化器への効果

胸部のT3/4にブロックをする理由は、この付近で胸椎が後彎となっており、テンションが高い脊髄の場合、この付近で脊柱管の前壁と硬膜の後壁から強い圧力(サンドイッチ)を受けると思われ、胸髄の血行障害が存在すると推測されるからである。脊髄が胸部の脊柱管前壁と硬膜によって圧迫を受ける場合、交感神経だけが障害を受けることはむしろ不自然であり、運動神経や知覚神経も障害されてもおかしくない。それを示唆するかの如く、症例1では両下肢の灼熱感があり、症例2では上肢と下肢の脱力があり、症例3では腰痛と臀部痛が強く、両足底にしびれがあり、全例で胃部不快以外に腰・下肢に何らかの異常を併発していた。交感神経に異常を来すほどの圧迫原因が胸椎にあるとすれば、当然ながらその下位にある神経にも異常を来しても何の不思議もない。しかも、おもしろいことに、彼らの腰・下肢症状には腰部硬膜外ブロックがほとんど無効であった。つまり、腰・下肢の不具合の原因が腰にはなく、胸椎レベルにあると考えられることが大変興味深い(この現象は「2次ニューロン性腰痛」のブログで述べている)。


胸椎の後弯カーブで脊髄が硬膜によって圧迫される仕組みはすでに「脊髄・脊椎不適合症候群」のところで述べているのでそちらを参照してほしい。この仕組みは硬膜が下方に強く引っ張られることで生じる圧迫なので、ヘルニアや脊柱管狭窄などの所見がない。あるのは胸髄の前後径の狭小化である。よってMRIで検査したところで、一見異常は全くないように見える。だからMRI検査でも異常なしと言われてしまい、原因は心因性とされてしまう傾向にある。だが実際には上部消化管を支配する交感神経の不調によって症状が出ていると考えるに至る。


考察3:なぜ胸部硬膜外ブロックで治る?

私は原因不明の上部消化管の不調を胸部硬膜外ブロックで治すことはできるが、「なぜ治るのか?」はわからない。それは現医学では解明されていない。交感神経・副交感神経の単純な役割でさえはっきり判明していない。

例えば、医学書的には交感神経優位であると腸の動きは停滞し、副交感神経が強く働くと腸が動き便通がよくなると言われているが、人は極度の緊張状態で「交感神経が極限に興奮する」状態となると、腸の動きが活発化して下痢をし、脱糞する。尿も漏らす。そうした「私たち人間に普通に起こる現象」でさえ、現医学では説明をつけられない状態である。よって、私ごときに胃部不快や強烈な便秘が「胸部硬膜外ブロックでなぜ治るのか?」が説明できるはずがない。


よって治る理由は推測となるが、「硬膜外ブロックは注射した周囲の高さから出る交感神経の枝をブロックし、注射した一帯の高さの平滑筋を緩め、胸髄の血流を促すことであろう。この現象が血行不良で不調となった胸髄の交感神経の経路を改善させ、治療効果が出る」のではないかと考える。


症例3では10年前からの頑固な便秘が、ブロック後は下痢となった理由が全く分からない。この患者は10年間、一度も下痢した経験がなかった。しかし、ブロック後にトイレに何度も行くほどの強烈な下痢となった。こうした治療は言うなれば奇蹟に近いものであり理由などわかるはずがない。


ただし、「奇蹟」と言ってしまうと誰も信じなくなるので、同様な症例を全国から集め、奇蹟と言わせないだけの治療実績を今後提示すればよいだろう。現時点でこのようなあいまいな論文を書く理由は症例を集めるためである。症例数が集まれば、他の医師たちも「原因究明に動き出さざるを得なくなる。動き出せば医学が進歩する。


終わりに

自律神経由来、脊髄由来の内臓不調があることを広く世間に知らしめなければならない。治療法はほぼ確立しているのだから。よって早急に脊髄由来の内臓不調の診断基準を作っていかなければならない。診断名も定めなければならない。しかし、それを私のような野良医者がやってしまうと反感を持つ医師たちが受け入れなくなる。よってどこかの教授先生にこうした症状の研究を引き継いでもらえると幸いである。私はそれまで、治療実績を重ね「証拠」を今のうちに固めていきたいと思っている。


ただし、証拠づくりを一般の医師たちが行うことは難しい。理由は胸部硬膜外ブロックはリスクがあり、しかも胃腸の不調にブロックを行うことは保険が認めていない。患者が担当医をよほど信頼していなければ、胃が痛いのに「背骨に注射」をさせてくれないだろう。「胸椎に硬膜外ブロックをしましたが効果がありませんでした」という結果となれば患者は納得しない。だからブロックミスすることは許されない状況にある。そうしたプレッシャーに耐えながら行う治療なので普通の医師には不可能と思われる。


また、こうしたブロックが出来るのはペインクリニック科の少ない医師たちのみだが、まず、胃腸の不具合を理由にペインクリニックにかかろうとする患者はいない。だから患者が集まらないのである。つまりこのようなアクロバティックな治療は私のような特殊な医師にしか治療実績を積むことが難しい。だから、もうしばらく私の動向を見守っていただきたい。おそらく数年以内にまとまった資料を提出できるだろう。

 

うなだれ(首が上がらない)症候群

はじめに

突然首が上がらなくなる病態があることは知られているが、その原因はおろか、病名さえついていない。症候性パーキンソン病やジストニアの一種であるという考え方もある。しかし、少なくとも私は「首を保持できずうなだれてしまう」という患者をこれまで4名以上診察し、治癒させた経験を持つ。病名もなく無視されるだけの病態だが、私は上頚交感神経節ブロックで改善させることを知る。治療実績から逆に考察し、首がうなだれる病態を考察すること、頚髄~延髄の血行不良に起因した頚部脊柱起立筋の運動障害と考える。こうした病態を「うなだれ症候群」と名づけここに報告する。


症例1 63歳男性

数十年前から肩こりがひどく、近医のリハビリでマッサージ治療などを受けていた。H25年夏「強くもんでくれ」と頼んだときに「首にグキっと電気が走った」その後数日かけて徐々に首が上がらなくなってしまった。他の整形外科医を受診するも「治療法がない」と言われメチコバールなどを処方される。1ヶ月経過して私の外来を受診。


治療経過

上頚交感神経節ブロック(1%キシロカイン2cc×2左右)を行ったところその場で首が持ち上がるようになる。翌週と翌々週に同様の治療を行い、完全に首を保持できるようになったため治療を終了とした。


症例2 32歳女性

SLEと診断されステロイドなどで治療されていた。ふだんからふらつきがあり、H27年8月風呂場で転倒しT4,5,6に高度な変形を伴う圧迫骨折を受傷。その2週間後より首が持ち上がらなくなる。背骨の痛みがあまりにも強かったが、他医でブロックを拒否されたため、ブロック目的で私の外来を受診。


治療経過

じょう上頚交感神経節ブロック(1%キシロカイン2cc×2左右)を行ったところその場で首が持ち上がるようになる。翌週と翌々週に同様の治療を行い徐々にではあるが首の保持ができるようになってきた。しかし、T4,5,6の圧迫骨折に起因した半身麻痺が出現したため緊急入院を指示し、現在入院加療中。治療の継続は不可能となった。


うなだれ症候群の定義

頚椎の伸筋群の筋力低下により頭を保持できずにうなだれてしまう病態。頚椎の伸筋群だけに筋力低下が起こり、他の全身の筋肉は正常。ミオパチーや重症筋無力症などが否定され、検査データに異常をきたさない。上頚交感神経節ブロックが著効することから上位脊柱起立筋の運動神経の血行障害に由来した麻痺性の疾患であると思われる。

上記2例の場合、「外傷のきっかけ」があるがこれは必須とは思えない。なぜなら高齢者ではうなだれ症候群の症例を散見するからである。症例としては挙げなかったが、他の2例は高齢者で明らかなきっかけがなかった。しかし、上頚交感神経節ブロックですみやかに軽快した。症例数が少なかったのでこれまでレポートしてこなかったが、意外とうなだれ症候群の患者が少なくないと感じたので今回の報告とした。


本症例では頚部の脊柱起立筋の麻痺により、首がうなだれてしまい、頚髄が強後彎となることでさらに頚髄が尾側に引っ張られ、その張力で上位頚髄の血行不良を生じさせ→さらに起立筋が麻痺、という悪循環を起こすことが「なかなか治らない原因」であると思われる。上頚交感神経節ブロックにより血流増加を図るとその場で首が持ち上がるようになることがその証拠になると思われる。

現時点で上頚交感神経節ブロックはおそらく私にしかできないと思われ、本疾患の治療には私を訪ねるしか方法がない。今後、ブロックに興味のある他の医師に上頚交感神経節ブロックを伝えていこうと思っている。


うなだれ症候群を放置すると

うなだれ(頚椎が過屈曲)のまま長期間を経過すると頚髄が過伸張となる状態に長期間曝露することになる。頚髄の過屈曲は陸棲せきつい動物にとって極めて不利であり、脊髄だけではなく延髄や脳幹の血行障害をきたす。私は通常時に脊髄が伸張されて脊髄の血行動態が悪化する病態を脊髄・脊椎不適合症候群と名づけ研究しているが、うなだれ症候群では後天的な脊髄・脊椎不適合症候群を発症せしめる。


脊髄・延髄・脳幹が過伸張されると、これらの血行不良がきっかけとなり神経細胞に炎症が生じ、様々な脳神経症状が現れる。場合によっては運動ニューロンが障害されALSのような症状を発生させ得ると推測する。

脳神経の異常は視力低下・難聴・めまい・ふらつき・呼吸困難・三叉神経痛・嚥下困難・自律神経失調などを発症させ、生きていくのが極めて困難な状態に余儀なくされる。よって可能な限り早期に上頚交感神経節ブロックを行うことが望ましい。


うなだれ症候群に装具は効果なし

うなだれ症候群を防止するためにポリネックなどの装具が望ましいと考えるが、ほとんどが「呼吸が苦しくて装着不可」となる。頭の重みをポリネックで支えると、顎・のど・鎖骨付近に強い圧力がかかりすぎるからである。褥創もできてしまい長時間の装着は難しい。装具の多くは固定を目的としており、支持するには適さない。ハローベストなどが真の適応装具となるが、病名もついていない病態であるので保険適応がなく、万一不具合が生じれば医師の責任を問われるため、現実問題としてハローベストを処方する医師は存在しない。


 

ジストニアの根本治療に上頚神経節ブロックが極めて有力

うなだれ首に上頚神経節ブロックが極めて有効であることは保証する。これがジストニアの一種であるならば、ジストニアは根治療法が見つかったことになる。著者はまだジストニア患者の治療に携わったことはないが、おそらくジストニアは上頚神経節ブロックでかなり改善できると期待している。


終わりに

世界中の医師の誰もまともにこの病態を考察した者はいない。病名もなく治療法もなかったが、実際は上頚交感神経節ブロックが著効することが判明した。原因究明は今後の課題であるが、まずはこのような病態があることを知っていただきたかった。治せない病態には病名もつけず、そのまま放置するのが医学会の通例であることもおわかりいただけたと思う。

注射が効かない膝痛の正体(骨壊死)

はじめに

膝関節に痛みが発生する理由は現医学でも全てが解明されていない。XPでは軟骨が完全に磨耗して消滅し、極度に変形している膝であっても痛みが全くない症例をしばしばみかける。また軟骨は正常で関節もほとんど変形していないのに痛みのために歩けない人もいる。こうした事例は「膝の痛みのシステムが判明していない」ことの確かな証拠となる。そして関節内注射が全く無効な例をしばしばみかける。注射無効例で変形の強い膝は手術を勧められ、変形が少ない膝は痛みが強くても手術をしない方針とされ、患者たちは整形外科医に振り回されている状況がある。このような医療の不適切さを正すため、「痛みの原因」について正しく研究し、症状に合った治療をすることが急務であった。本論文では注射無効の膝痛の正体にせまり、その治療法を示す。


症例 64歳女性

10ヶ月前に歩きすぎたことを発端に強い右膝痛が発症。歩行時、階段昇降時に強い痛みを感じる。近くの整形外科を受診しヒアルロン酸の注射・理学療法・消炎鎮痛剤などで治療を受けるが全く効果なし。そのため膝で有名な整形外科を数軒回り治療を受けるがそれでも痛みは軽快しない。さらに整体・鍼灸と保険の効かない治療を受けるが無効。パートの仕事も辞職し、最近では買い物にも出かけられない状態となり、困り果てて当院をH27年5月に受診。


単純XP

H001

両膝ともに変形はほとんどなく、関節の狭小化も認められない。よって、これまでかかった整形外科では異常なしとされてきた。ただし、よく見ると右膝内側上関節面に半円状のくぼみ白のラインがある。


治療経過

2週連続で膝関節内に1%キシロカイン+ケナコルト2.5mgを注射するが全く効果がないという。そこでMRIを行ったところ、大腿骨下端(内顆)全体に広範囲な骨壊死を認めた。その時点から右下肢免荷(松葉杖歩行)を命じ、同時に膝関節内注射を同様に1%キシロカイン+ケナコルト2.5mgを行った。すると膝の痛みは完全に消失した(免荷の状態で)。

免荷1ヶ月後荷重を許可したが、その際、膝の痛みは完治していた。以降歩行時に痛みがない状態となったため治療を終了した。以下に治療前と後のMRIを示す。


治療前後の衝撃的MRI 全て右膝

H002

上段左T1強調では内果が広範囲に黒くなっており、水分強調(右図)では白くなっており、広範囲な骨壊死と判断できる。

下段は約1.5ヶ月後のMRI。T1で黒く映っていた部分が白くなり、水分強調で白くなっていた部分が黒くなっており、壊死した骨髄が再生されたことを示す。内側関節面に半円形に抜けていた(白い部分)箇所もかなり縮小した。つまり、月のクレーターのようになっていた骨壊死箇所さえも、改善していることがわかる。極めて劇的な変化である。


本症例の問題点

数箇所の整形外科を回ったが、そのどこの整形外科でも「骨壊死」とは言われていなかった。骨壊死の痛みは骨梁が崩れていく痛みであり「骨折の痛み」である。おそらく骨膜が感じている痛みであり、微小な髄内骨折が起こって体重を支えきれなくなり、骨皮質にもひびが入るための痛みと考えられる。それでも歩き続ければ内果は変形し、O脚となる。一度O脚になればますます内側に体重がかかるので変形を阻止することができずに悪化が加速する。こうした仕組みによる痛みだったために膝関節内注射が全く効果を示さなかったと思われる。そして1ヶ月免荷という命令で見事に症状が全快した。問題はそれを指摘できる整形外科医がいないことである。本患者は「膝が痛いのなら歩きなさい、リハビリしなさい」という医者によって悪化へと向かう典型である。整形外科医がそうした患者が日常茶飯事に存在することを知らず、安易に膝関節全置換術などの手術へと誘導する仕組みが現医療界に出来上がってしまっていることが問題であると思われる。適切な指示を出せば手術などしなくてもほぼ全快する。


膝骨壊死が日常茶飯事に存在する証拠

この症例以降、私は「膝関節内注射(ケナコルト入りのキシロカイン)で痛みの改善が数日以内」という患者3名全員にMRIを指示したところその全員(100%)に広範囲の骨壊死巣を認めた。以下にMRIを示す。

H003

H004


考察

膝関節内注射が無効だった他の4名にもMRIを行ったところ全員が骨壊死を伴っていた。ここでは「膝関節内注射が無効」「全員が骨壊死」という二つのキーワードについて考察する。「膝関節内注射が無効」というのは「ケナコルト入りのキシロカイン」に限定されることに留意していただきたい。なぜなら、ヒアルロン酸注射が無効な患者はあまりにも大勢存在するからである。すでに私はヒアルロン酸注射が無効である症例をケナコルト入りキシロカインで軽快させることができることをこれまでの臨床研究で証明してきた。おそらく、滑膜由来の膝の痛みはケナコルトに著しく反応し、痛みが激減すると思われる。滑膜の炎症はヒアルロン酸ではなかなか軽快し得ないと推測する。その証拠としてヒアルロン酸の注射では膝関節水腫がほぼ軽減しないことが挙げられる。滑膜が炎症を起こすことで滑液が多く生産され、かつ吸収が追いつかないことで滑液が増える。よって水腫が引かないこと=滑膜炎には効果がないことを意味している。


そして実際にケナコルト入りキシロカイン注射が無効であった4名は全員が「骨壊死」が存在した。臨床的にはたった4名であるが全員であることに注目しなければならない。この相関から得られる推論は「ケナコルト注射が無効=骨壊死の可能性が極めて高い」となる。

さて、骨壊死に対する治療として現医学でもっとも正しい治療法は免荷しかない! 大腿骨頭無腐性壊死の治療は今も昔も変わらず「免荷しかない」のである。それ以上もそれ以下もない。いきなり人工骨頭にするという手はない。にもかかわらず、現整形外科学では免荷治療もしないうちから注射無効の膝痛には手術(関節置換術)を勧めるというシステムとなっている。ケナコルト注射が無効な膝患者に対して免荷を1ヶ月行えば半永久的に痛みが起こりにくい膝へと治癒すると思われる。その理由は文頭でも述べたが、膝の変形が末期の患者でも痛みを伴わない症例が大勢存在するからである。これらの患者は骨梁が安定した状態を保つことができているために骨壊死が起こりにくくなり、そのために半永久的に痛みが起こらないと思われる。つまり、本考察は変形した状態が痛みの原因とするこれまでの理論を覆し、「壊死こそが痛みの主原因」とする新たな考え方となる。


この考え方が世界に広まれば、ヒアルロン酸注射が効果がないこと、人工膝関節置換術が不適切であることを整形外科医が認めなければならない。そうなるととりわけ人工膝関節手術のめっかであるアメリカ合衆国の整形外科医が大反論することが予想される。人工膝の機器を作っているメーカーも倒産に追いやられる。そしてメーカーと医師の癒着もなくなってしまい、整形外科医の利益が損なわれる。それほど本論文が広まることは世界の高齢者医療への影響力が強い事実となっている(だからおそらく広まらない)。

注射が効かない膝痛の患者には松葉杖、または車椅子、または入院して免荷、が本当の治療法となる。MRIを見る限り、免荷治療の効果は絶大であり手術する前にまず免荷を試みるべきであることは医の倫理にかけて正しい。それを整形外科医たちが認めれば世界の先進国の高齢者の医療費は格段に減らすことができ、さらに膝痛の患者も激減する。しかし、整形外科医の仕事は激減し、面子がつぶれる。


さらに、肥満→膝痛→歩いてやせなさい という治療法が間違いであることが判明する。特に内科医は肥満患者・糖尿病患者に歩行を勧めることが一般的である。しかし、歩行は荷重させることなので膝関節の骨壊死を必ず悪化させ、変形を加速させる。そして整形外科医が繁盛するという絵図となる。膝痛を歩いて治すということが間違いであることを認めることは内科医にとっても痛い事実となる。しかし、実際は骨壊死・骨折である。歩いて治すことが間違いであることは小学生にでもわかる。

ただし、問題はケナコルトを使用できる資格のある医師がいないことである。関節内へのステロイド注射は慎重であるべきで、かつ、副作用の研究も相当行い、かつ患者の全身管理も行わなければならない。それだけの大変な作業ができる医師はほとんどいない。よって「注射が無効な膝」かどうかを知ることがそもそも不可能となる。これでは免荷治療をする以前の問題である。


注射が効かない膝痛の種類

「膝痛」には少なくとも3種類存在することはこれまでの私の研究で証明してきた。1.滑膜・軟骨・半月板など軟部組織由来の痛み、2.坐骨神経・大腿神経由来の神経痛により増幅された膝痛、3.骨壊死・骨折による痛み、である。さらにカウザルギー、アロディニアなどさらに中枢の神経系統の異常によってもたらされる痛みも存在する。この中で2と3は膝関節内注射が極めて効きにくい。

ここで問題がある。2と3は治療法が全く異なるところである。2は神経ブロック、3は免荷が治療法となる。2と3はしばしば合併する。よって1ヶ月免荷させたところで2がメインであった際に痛みが改善しないということが起こりうる。


神経ブロックは膝痛の患者に整形外科医はまず絶対に行わない。よって2を認識する方法が整形外科医には存在しない。ならば整形外科医が「注射が無効の膝痛患者」に1ヶ月入院を指示して免荷とさせても、痛みが改善しない患者が現れ、患者と整形外科医がトラブルになる可能性がある。なぜならば入院して免荷と指示すれば、筋力も体力も弱るため、「膝の痛みが改善しなかった」場合に患者にマイナスの悪影響を与えてしまうからだ。そうした厄介ごとに巻き込まれるのは御免なので整形外科医は軽々しく免荷を指示できないという現実がある。

私が免荷を指示できる理由は、神経痛をとりのぞくブロックを自在に行うことができ、かつ、膝注射が絶対に失敗しない実績を持ち、かつ、ケナコルトを安全に使用できる知識があるからであり、そうした治療においても痛みが軽快しない患者だからこそ、自信を持って骨壊死の治療のために免荷1ヶ月という患者にとって拷問のような命令を下すことができるのである。また、「注射無効」の定義を決めておかなければ本治療自体が形骸化する。


骨壊死はMRIで確定診断可能

MRIを用いれば膝の骨壊死の程度がたやすくわかる。そして1ヶ月免荷後に壊死部が治癒しているMRIを患者に見せれば免荷がどれほど効果の高い治療なのかを視覚的に理解していただくことが可能である。よって、注射が無効な膝痛患者と外来で遭遇した場合、真っ先にMRI検査を行うことを勧める。そして壊死している証拠をつきつければ、患者はおそらく免荷治療に応じる。


免荷指導に応じない患者の対処法

私の経験上、70歳以上の高齢者で松葉杖をつくことができる患者はごくわずかである。よって免荷がどうしてもできないという患者にはロフストランド杖を処方している。ロフストランドでは免荷にはならないが、普通の杖をつくよりは壊死が治る効果が期待できる。両膝が痛い方には2本のロフストランドという方法がある。「免荷1ヶ月では脚力が落ちて歩けなくなる」という世間に広まっている嘘を信じきっている方には対処法がない。社会的に仕事を休めないので免荷ができないというのであれば、これも対処法がない。対処法がない場合、ほとんどの場合、近い将来人工膝関節の手術へと追い詰められる。手術となれば強制的に1ヶ月は仕事を休まざるを得ない。結局そのように袋小路に追い込んで逃げられない状況にしてしまわなければ自制できない患者を治すことができない。これが免荷治療の限界である。


変形が高度でも膝の痛みが少ない例

次の写真は82歳、女性。変形は末期だが痛みは少なく2週間に1度のキシロカインの関節内注射で十分に日常生活が行えている例。

上段が9ヶ月前、下段が現在。変形がほとんど進んでいないことを示す。

H005

MRI撮影はしていないが、おそらく骨壊死がほとんど起こっていない例であると思われる。つまり、骨壊死が現在進行形で存在していなければ、「手術しなければならないほどの痛み」は来ない、そして変形もほとんど進まないと考える。

また、私の研究では軟骨ではなく骨が変形する際に痛みが強く出る傾向にあることが判明している「膝の痛みと関節破壊の関係について」を参。結論から言えば「軟骨が磨り減っていくことは膝の痛みと直接の関係はなく、軟骨の弾力性の低下によって骨に衝撃が強くなって骨が破壊されていく時に痛みが起こる」となる。骨破壊は免荷により治癒するので「膝が痛い」ことが手術の必要性を意味していない。ただし、以下のような理由で手術が必要となる。


骨壊死を放置しているとO脚となる

H006

この図は骨壊死が進行してO脚になっている様子を示す(右膝XP)。赤のラインは現在の関節面の水平線。そして黄のラインは過去の予想水平線。骨壊死を放置しておけばこの図のように下腿骨の内側関節面が崩落し傾いてしまうことを示す。崩落が現在進行形のときは痛みが出現するが、この患者は現在、崩落が止まっており、ほとんど痛みを訴えていない(2週間に1度の関節内注射で痛みが制御できている)。しかしながら、このようにO脚変形すると膝関節の内側に集中して体重がかかるようになるため、再び内側の関節面の骨壊死が起こりやすくなる。O脚がこれ以上進めば下腿骨内側の崩落を制御できなくなる。制御するためには日常生活で膝に荷重をかける機会を減らしていただくしか方法がない。機会を減らしたくないという活発な方には手術が必要になる。


この患者が日常生活で荷重の機会を減らしていく予定があるのなら、当然ながら手術は一生必要ない。よって、基本的に手術をするしないの決定権は患者にあり、整形外科医が「この膝は末期ですから手術しなければならない」と半強制的に手術命令を出すことは人権を踏みにじることになり不適切である。しかし、実際はほとんどの医師が半強制的に膝手術の命令を患者に出している現状がある。医療費を減らしていかなければならない日本においては、この現状を変えることが望ましい。


ケナコルトが骨壊死に与える影響

実際にはMRIで中等度の骨壊死が認められる患者にケナコルト入りキシロカインの関節内注射を行うと、ほとんどの患者で膝の痛みは激減する。もちろん、ヒアルロン酸の注射では全く無効である。壊死があり、現在進行形で骨破壊が起こっている患者にケナコルトを使用するとなぜ痛みが制御されるのかの理由はなぞにつつまれている。なぞではあるがケナコルトが軟骨・滑膜の炎症を抑え、浮腫を軽減させ、骨内の血行動態を回復させることは明らかであろう。浮腫の軽減が軟骨のクッション性を安定化させ、骨への衝撃を緩和することに役立っていると考える。


さて、一昔前の医学理論に「ステロイドは血栓を作り骨壊死を起こす」というものがあり、これを信じている医師がほとんどである。血栓はステロイドが糖代謝や脂質代謝に影響を及ぼし、血液粘稠度を高くして起こすという病態であるから、局所に投与されて局所に血栓を起こすという考え方自体が誤りであることを熟知している医師は少ない。また、ステロイドによって大腿骨頭無腐性壊死を起こしやすいことは有名であるが、これは大量投与によりきたす疾患であり、私が使用するような2.5mg程度の話ではない。

現代医学はそうしたステロイドの副作用の実態を知らない医師がステロイドによる骨破壊を吹聴している時代なので、「ケナコルトが骨壊死改善に劇的な効果がある」ということは世に広まりにくいことを私は悟っている。

悟っているということは本治療が簡単には世に広まらないことを悟っているわけであるが、それでは超高齢化社会に経済が追いつかなくなる。困ったものだが真実が広がるまで待たなければならない。よって、本論文の主旨である免荷治療はいまのところ「私にしか行えない膝治療」ということになりそうである。一刻も早く世に広まることを望む。


変形性股関節症も骨壊死が原因

膝関節と同様に股関節や足関節も骨壊死が原因で変形をきたすと思われる(その実態は知られていない)。よってこれらの疾患には手術ではなく、痛みが強い時に免荷することで変形の進行・痛みをとめることができると思われる。そして一度完全に骨壊死が改善した後は強い衝撃を意図的に加えない限り半永久的に軽快状態が続くと推測する。すなわち、手術を要しない。変形性股関節症も膝と同様、末期の変形状態であるにもかかわらずほとんど痛みがない症例を見かける。その理由は骨壊死が起こっていないからであると推定する。

免荷治療で人工股関節や人工膝関節置換術を防ぐことができ、かつ変形も止めることができるだろう。MRIを撮影すれば骨壊死の状況が判明するので診断に苦労することはない。しかし、関節症にMRI検査をすることが一般的ではないため、骨壊死の発見は通常不可能である。しかし、世界の整形外科医たちが骨壊死と免荷治療に目を向けはじめれば、不要な手術件数が激減するだろう。しかし期待はしていない。整形外科医が手術を減らす方向に動くとは思えないからだ。


全ての関節症は骨壊死が基本病態

指関節も顎関節も、椎間関節も、変形の基本は骨壊死と骨梁の破壊と骨皮質の微小なヒビであると思われる。その小さなヒビが蓄積されて変形が起こると推測する。荷重関節以外の関節はむしろ免荷は意味がなく、関節の動かし方の工夫が重要と思われる。そうした指導を行うことができれば、症状が進行する前に変形を抑えることができるだろう。また、骨破壊にケナコルトが劇的な効果を発揮することから、全ての関節症にはケナコルトが極めて有効であると推測される。そして現に私の診療所では次々と「他の医者では治らない関節症の痛み」を治すことができている。生活指導が行き渡れば、無駄な医療費を大幅に削減が可能。よって超高齢化社会を支えることができる。しかし、その影響で医療業界全体が経済的にダウンする。よって生活指導で関節症を治療しようと本腰を挙げる医師・その他の医療従事者は皆無に等しいと思われる。国は動かないので、患者一人ひとりが意識改革をしていくしかないと思われる。

また、話はふりだしに戻るが、ケナコルト(ステロイド)の使用には医者側に多大な精神的な負担をかけるので、それを現在の極めて安い報酬で行う医師はなかなかいないだろう。やはり最後にはお金の問題に回帰し、そして他の医師たちにこれらを期待することは難しいことを知るのである。

また、これだけ衝撃的な事実を証拠写真をつきつけて発表したところで、マスコミから取材依頼さえ来ないことで、マスコミと医療経営者が内部で癒着していることがおぼろげにわかる。いまや健康雑誌のスポンサーは病院だからである。私は世を変えようとまでは思っていない。よって真実は患者が各自学ばなければならない。国民から沸き起こる集団の意志には、マスコミさえも逆らえないのだから。

便意頻回!過活動性直腸(過敏性腸症IBS)のブロック治療報告

はじめに

便は出ませんが便意だけが続くという便意異常症が存在することはほとんど知られていない。私はすでに、尿意が頻回に起こる尿意異常症が仙骨部硬膜外ブロックで完治することを報告しているが、今回は同様に、便意の異常が同ブロックで治すことができることを報告する。


便意異常症の症例は、おそらく全国に多数の潜在患者がいると思われる(当院では治療例が2例)。が、原因も不明であるため、精神異常という診断をつけられ、身体具現性障害の一部であると決めつけられ根本治療が放棄されている現状がある。また慢性の下痢症も原因が脊椎由来のものが多数あると思われる。つまり過敏性腸症はブロックで治る可能性があるということである。そうした便意異常の患者の方々に「ブロックで治す方法」があることをここに報告したいと思う。


症例 60歳女性

2年前、仕事を辞めてから便意が四六時中起こるようになった。我慢していたがいつまでたっても治らないのでH25.11.近医の内科を受診。大腸内視鏡検査を受けるが異常なしと言われた。それでも便意が続くので別の病院を受診し注腸検査受けるが異常なしと言われる。しかし便意は続くため有名な某肛門科を受診。直腸瘤の疑いがあると言われるが、結局異常なし。それでも便意は続き、りきんでも便は出ない。さらに某大腸肛門科を受診し排便機能検査や大腸内視鏡を行ったが異常なしだった。あきらめようとしたが、最後にセカンドオピニオンのため胃腸科病院を受診。そこでも異常なしと言われ、「精神ストレスから来るヒステリーではないか」と言われ、抗うつ剤、緩下剤、漢方薬などを処方されたがその後も便意は24時間続く状態だった。2年間便意をがまんした後、このことを友人に話したところ私の診療所を紹介され来院。


現症

立位・座位で便意をもよおす。しかしトイレに行っても便は出ない。

臥位になると便意は落ち着くため、日中は何度も横になり、便意に耐えていた。


治療

仙骨部硬膜外ブロック 0.5%キシロカイン10ccを週1回×3回行う。その結果便意は半分以下となり、十分にがまんできる程度となった。その後2週間経過しても便意が強くなることはなかった。「本人は現状で満足」というのでこの3回の治療で終了とした。


結果考察

2年間、どんな治療法も治療薬も全く効果がなかった便意以上が3回の仙骨部硬膜外ブロックで半分以上改善し、その状態が継続している。したがってこれらの便意異常は神経因性であることが推定される。


便意をもよおす神経支配

直腸と膀胱の求心性神経支配は上部は下腹(交感)神経T11,12、下部はS2,3,4の副交感神経内を走行する。よってこれらの求心線維に何らかの異常(中枢感作)などがあると便意異常が発生すると推測する。ただし、これらの求心線維の神経細胞体の所在位置は正確には把握できないが下部はL2より頭側、上部はT11,12より頭側にあると思われる。脊椎が原因でこれらの求心線維が障害を受けていると仮定すると、T9付近からS4までのどこかで求心線維のニューロンまたは神経細胞体がストレスを受けていると思われる。しかし、どこでストレスを受けているかの正確な位置は特定することは難しい。


わかっていることは、仙骨部硬膜外ブロックで便意が半分以下になったという事実であり、そこから逆算すれば下位腰椎から仙椎の高さで障害を受けている可能性が高い。また、下腹神経も関与しているとすると、下部胸椎で障害を受けている可能性もある。下部胸椎に硬膜外ブロックを行い、効果の違いを比較研究すれば、実際に障害を受けている高さが判明するかもしれない。


便意異常の治療上の問題点

本症例では患者が5か所の有名な胃腸科・肛門科を受診し、屈辱的な排便機能検査まで行われたにもかかわらず、「全てで異常なし」と言われブロック注射を受けることを一切勧められなかったことが問題である。これらより、一般的には便意異常が脊椎由来であるという発想がないことがわかる。医師がそうした発想を持たないのだから、患者は脊椎にブロックを受けることなど全く思いつくはずがない。


今回は街で私が「難病を何でも治せる」という噂があったために、その噂を聞いて「もしかしたら治るかもしれない」という期待で来院して治療が偶然に成功した。そうした偶然に頼っていたのでは便意異常の患者は救われないだろう。だからいち早く、「便意異常が硬膜外ブロックで改善する可能性がある」ことを世間に認知してもらわなければならない。そのために本論文をブログに掲載した。もう一例を紹介する。


症例 82歳女性

10年前から夜間頻尿(5~6回トイレに起きる)を訴えていた女性を過活動性膀胱の診断で仙骨部硬膜外ブロック(0.5%キシロカイン10cc)を2~3週に1回の割合で5回行った。本治療で夜中にトイレに起きるのが1回となりその状態を維持している。私が何気なくこの患者に「ブロックで便意も治療できる」ことを話ししたらこの女性が以下のようなことを告白した。


「先生、実は私も朝起きると大便がしたくなり、その状態が午前中いっぱい続くんです。そしてトイレにかけこむと下痢なんです。10年前からそんな状態なので旅行にも行けないんです。」と症状を訴えた。「でも先生、この治療(仙骨部硬膜外ブロック)をしてから午前中にお腹がしぶらなくなりました。先週は1週間のうち1日だけ下痢しましたけど、あとは大丈夫でした。」とブロックが下痢(午前中の便意)にも効果があったことを話してくれた。大便のことは恥ずかしくて相談することができなかったらしい。


おそらく、恥ずかしくて医師にも相談できない例が非常に多いと思われる。この症例は便意だけではなく、そこに下痢も伴っていたわけだが、この症例も神経(脊椎)由来の便意異常であると私は断定した。

おそらく、下痢が神経由来であると考える消化器内科(外科)医はほとんどいないと思われる。そして不適切な検査や治療がなされる。もちろん根治はしないだろう。便意異常が脊椎由来の可能性があることを医師たちが広く認識するまでにあと何十年かかるだろう。そして、認識したとしても、患者が脊椎にブロック注射を受けてくれるかどうかの問題がある。


患者にも便意・尿意異常が脊椎由来であるという知識がないため、治療法があることを説明しても、おそらく信じない。また、仙骨硬膜外ブロックは、上手に行わなければ極めて痛い注射となり、患者にトラウマを作ってしまう。便意・尿意というデリケートな問題だけに、痛いブロック注射では患者が治療を拒否する。また、100%の確率で治る保証がないわけだから、なおさら痛いブロックでは誰も治療を受けにこないだろう。


こうしたデリケートな治療で硬膜外ブロックを行う場合、医師は最低でも「痛くないブロック、リスクを回避できる腕」が必要であり、それに該当する技術を持つ医師は全国にそう多くはない。前途多難である。そして潜在的な便意異常患者は想像以上に多い気がする。

神経ブロックで様々な病気が治る理由

はじめに

神経ブロックとは表面麻酔剤を用いて神経の電気信号の伝達を阻害するものです。決して痛みを止めるためではなく、痛みを含めた知覚・運動覚などの全ての信号を中断させるものです。神経破壊薬を用いれば、その中断は半永久的となり、ボツリヌス毒素を用いれば数か月から半年になり、キシロカインを用いれば数時間の中断となります。さて、ここで疑問なのは、たとえ数時間の中断であっても、治療効果が半永久的な場合も少なくなく、それで病気が完治することがしばしばあることです。この理由は、神経の伝達を一時的に止めることにより「悪循環を絶つ」ためであると考えられていますが、その詳細は現医学でも解明されていません。そこで、「悪循環を絶つ」とは何を意味するのか? 推論してみます。


実は細胞の一つ一つは他人

まず、そもそも人間のような多細胞生物は「なぜ細胞同士が協力し合うのか?」というところから考えなければなりません。遺伝子DNAが全く同じである双子の兄弟が他人であるのと同じく、体の中の細胞の一つ一つは個人個人であり他人です。その他人が他人のために生きるということの意味を考えなければなりません。

これらの理由は、アリが女王アリのために働くことなどの例をあげ、進化生物学でさかんに研究されている分野です。個々の遺伝子DNAが「本当に他人のために生きる」ということがありうるのか?という問答は昔から世界でなされていました。


個々のDNAが他人のために生きるのではなく「自分のDNAをもっとも増やすように動いているだけ」であることが言われており、それをわかりやすく言い表した書物にリチャード・ドーキンスの「利己的な遺伝子」があります。これはベストセラーになった本ですが、極めて乱雑に要約すると、「遺伝子の中にもさらに小さな遺伝子の集団があり、その集団の一つ一つが自分を最大限に増やすことを目的として生きているという理論があります。つまり、遺伝子DNAは全てが利己的であり、他人のために生きるということはないということになります。


ここでは進化生物学的に人間の細胞たちも「他人のために生きるのではない」ことを前提に生きていると仮定します。すると、人間は一見「脳が全ての細胞を支配している」と考えていますが、その考えは間違いであり、脳は全ての細胞の司令塔ではありますが、「司令塔である脳は個々の細胞に必ず利己的に支配されているはずである」という定義が設定されます。つまり、個々の細胞は常に「自分の細胞のDNAを増やすことを目的として「個々に脳に利己的な命令」を出しているはず」と考えられるわけです。


痛みは脳を支配する命令

痛み・悲しみ・苦しみ・飢餓感・欲望・快感・喜びなどは全て脳を支配する命令であることがわかるでしょうか? 私たちは快感があるからこそセックスを行い、そして子孫を増やします。苦痛があるからこそそこから逃亡して命の危険から身を守ることができます。私たちは自分の意志で生きていると勘違いしていますが、実は遺伝子の命令に背くことはほとんどできません。脳は意志を持っていますが、同時に個々の細胞の命令に逆らえない状態になっています。意志はできる限り長く寿命を延ばそうとし、子孫を増やそうとします。


こう断言すると「ではなぜ自殺するのか?」「子供を産めない老後も生きるのか?」「子供を産まない女性がいるのか?」などの疑問が次々と沸き起こります。それらの全てに対してリチャード・ドーキンスの「利己的な遺伝子」では進化生物学的な観点からの答えを出していますので興味がある方はご一読ください。ここでは述べません。


さて、進化生物学的な言い方をすると「個々の細胞は自分のDNAを最大限に残そうとして脳を支配している」のですが、その中でもっとも強力な支配が「痛み」なのです。「痛み」にだけはどんなに精神が強い人であっても耐えることができないようにDNAに仕組まれています。そして個々の細胞が「自分に不都合なことを行えば脳に対してペナルティを与える」ための手段(権限)を持っていると考えます。その最大のペナルティが「痛み」です。だからコンクリートの壁を拳でなぐると痛いわけです。


リチャード・ドーキンス流に言えば、「痛み信号は個々の細胞の命令の集大成であり、痛みは常々利己的になりがちである」となることでしょう。つまり、痛み命令は時に利己的に暴走することがあり、司令塔である脳を苦しめ、逆に生命維持に不利に働く場合があるという意味です。利己的であるがゆえに全体的なことはどうでもよいのです。


また、人間という種族で大きな観点で見ると、遺伝子DNAは種という全体でDNAが増えればいいわけで、個人の命が殺されようとおかまいなしに、種が増える方向に動くようにインプットされていると考えます。つまり、人間という集団が増えるためには、個の命は無視され、戦争をしてでも種全体が生き残るように画策するという意味です。全体のDNAを増やすために、個の意志が抹殺されてしまうのもDNAに仕組まれているということになります。まさに神の領域の話しです。


「個の意志は全体の意志(司令塔)に抹殺されることもあれば、個の命令の暴走により司令塔が抹殺されることもある」ということが最も重要です。

これを痛みにおきかえると、「脳の意志により個々の細胞が殺されることもあれば、個々の細胞が痛み信号を脳に送り、脳が機能できなくなって人間自体が死においやられることもある」となります。


個々の細胞は利己的に殺し合っている

人間の細胞のうち、「役に立たなくなった細胞」は寿命が来る前に抹殺されます。そのシステムが自己免疫のシステムです。自己免疫は少しでも傷がついた細胞には「まだ生きられる状態であっても」食い殺すために集まって集団で殺しにかかり、跡形もなく食い尽くします。もちろん、殺される側も黙っているわけでなく、最大の抵抗をします。それが痛みや炎症と考えます。医学的には炎症は自己免疫が起こしていることになっていますが、進化生物学的にはむしろその反対も考えられます。「炎症や浮腫を起こして血管を閉じ、自己免疫が自分たちのところにやってこられなくする」という意味も必ずあるはずだと考えるのが進化生物学的な考え方になります。


現医学は体に起こっている事件を「すべて生き続けることに有利になるように理論構築する」ことで成り立っています。しかし、進化生物学的には体に起こっている事件は「すべて個々の細胞と司令塔とのかけひきで起っている」と考えます。つまり個々の細胞の起こす炎症が、時には脳を打ち負かし、人を死にいたらしめることもあるという推論を私は打ち立てます。医学者は進化生物学に対して無知であるがゆえに、体に起こる現象を「体によいことばかり起こる」と考えてしまい、そして理屈が合わなくなり行き詰ります。そうではなく、利己的な痛み命令は時に脳を殺すと考えるのが真実であると私は考えています。


炎症痛みとそれを抑えるステロイド

体の中には炎症を起こす物質(サイトカインなど)と、炎症を抑える物質(ステロイド)の両者が常に戦い合っていることをご存知でしょうか? 細胞が傷ついた局所では自己免疫と傷ついた細胞との殺し合いの戦争が起こっており、それを抑えるために副腎からステロイドが分泌されます。ステロイドは自己免疫と傷ついた細胞の両者の活動を抑えてしまいます。よって戦争は静まりますが、傷ついた細胞の瓦礫が残ったままとなり、いつまでも傷ついた細胞が掃除されません。よってステロイドには体にとってメリットもデメリットもあります。ステロイドが多く分泌されると戦争(炎症・痛み)は静まりますが、傷ついた細胞の山が残り、そこには血管が入り込めないために新しい細胞が分裂できない状態となり機能しなくなります。一方、戦争を放置しておけば両者の闘いはエスカレートし、熱と痛みが莫大となり、脳が苦しみ動けなくなり、人間自体が苦しむことになります。ですが、傷ついた局所の掃除は進みます。つまり、炎症痛みとステロイドはどちらが優勢でもデメリットが高くなり、ちょうど釣り合ったところで最大の効果が発せられるようになっていると考えます。しかし、適量のバランスはいろんな条件がかさなると崩れます。たとえば高齢による変形、糖尿、高血圧、気温、気圧などの変化でバランスが崩れます。そのときに人体内の戦争のバランスが崩れ、人間の生命維持に不利になることがしばしば起こります。それを適正な戦争バランスにすることが本来の医学のあるべき姿です。


医学の適正バランス論

炎症は悪、消炎は善という考え方が医学にありますが、それが間違っていることに医学者たちが気づくのはあと何百年後でしょう。重要なのは両者のバランスであり、どちらかを勝たせすぎると人間本体にデメリットが多くなります。現医学は炎症と消炎のバランスを保持させることが、もっとも急速に病気を回復に向かわせるという考え方が欠落しています。


過去50年、医学はステロイドという強力な消炎剤を生産できるようになり、それを乱用しました。そのおかげで世界じゅうの人々がステロイドの薬害に苦しみ、そして現在は「ステロイド封印」の時代となりました。こうした極端な事例は医学者たちが「バランスを保つことがもっとも病気を回復させる」ということを知らないために起こっていると私は考えています。私はステロイドについて、臨床的にかなり研究を積んでいますが、「もっとも重要なことはバランスである」ことを突き止めています。しかし、そのバランスは成人病(糖尿・高脂血症など)でたやすく崩れることも発見しました。つまり、個人によってバランスを保つ位置が異なります。だから一言でバランスを保つといっても、それは「誰々にはこの量」というマニュアルがありません。個人個人で適正量が異なるのでそれを考えてステロイドを使用しなければなりません。そういうことはあまりにも煩雑で難しいので普通の医者にはステロイドを使ってほしくない、という極論になってしまうわけです。そして極論が先行しているおかげで、現在は「ステロイド封印の時代」となっています。


神経ブロックは自己免疫に有利

さて、ここではじめて神経ブロックがなぜ病気を早期に回復させることができるのかという理論に移すことができます。細胞が傷つくと、そこには自己免疫と傷ついた細胞との戦争が起こります。それは仮定ではなく、実際に殺し合っています。両者が利己的に殺し合いを行うため、その産物として痛みや炎症の信号が発せられます。痛み信号は同時に血管を収縮させ、自己免疫細胞が局所に到達できにくくさせます。自己免疫細胞は血管透過性を高めて、何としてでも戦地に入り込もうとします。細胞が傷ついた局所ではこうした戦争が行われ、両者の闘いはほぼ互角です。


さて、こうした局所の戦地に神経ブロックを行うと、痛み信号は中断され、そして血管は拡張し、血液が流れ始め自己免疫細胞側が有利になります。つまり、傷ついた細胞が殺され、食い尽くされる方に情勢が傾きます。さらに、副腎からステロイドが分泌され、自己免疫が起こした「血管透過性を上げて浮腫をおこさせてしまう」という「行き過ぎた行い」を制することができます。つまり、自己免疫側が有利な状態のまま、戦争を和平にもちこむことができます。よって私は神経ブロックは自己免疫側を勝たせるための手段だと考えています。


ただし、ブロックにはデメリットもあります。血管を拡張させるので出血が起こりやすくなること、痛みを感じなくさせるために本人が局所を安静にしなくなることです。出血のリスクは止血で低下させ、安静にしないリスクは本人に生活指導を行うことでそれぞれデメリットを減らすことができます。よってこれらを適切に行うことでブロックが病気を早期に治すことができます。これが私の打ち立てた進化生物学的な観点からの神経ブロック治癒理論です。神経ブロックと共に、局所に少量のステロイドを用いると、効果が絶大になる理由もおわかりいただけたと思います。ステロイドで血管透過性の亢進を抑えてあげなければ、局所が浮腫となり、血管が入り込めなくなって修復が遅れるからです。


ただし、問題は、医師の生活指導に患者が従わなかった場合です。痛みを取り除いてしまったがために局所安静を保ちません。そして悪化させます。この場合、責任は患者にあるのですが、現場ではほぼ必ず「あんたのブロック注射で症状が悪化した」と患者に訴えられます。こうした残念な患者の訴えがあるおかげで、医者はブロックすることを毛嫌いします。よって多くの整形外科医は気前よくブロック注射をしません。ペインクリニックでも日常茶飯事に訴訟事件が起こっています。


神経ブロックをするのなら、患者への生活指導を強化しなければなりませんが、安静を保ちなさいと強く言うことは患者と医師との人間関係が悪化します。よって開業医の先生方は収益が減ってしまうのであまり強く患者に生活指導をしません。よって事故が起こります。だからブロックをしない。という悪循環があります。とても悲しいことです。


痛みを伝える神経自体が壊れたら…

最後に軽く要点をつまんで解説します。痛みを伝える神経自体が損傷してしまうと人間はいったいどうなるのか?という話です。神経細胞は人体の中で「最重要組織」となっています。寿命ももっとも長いと言えます。細胞は自分が傷ついたことを痛み信号を送ることで脳に伝えますが、痛み信号を伝える神経細胞が傷ついた場合、どうやってそれを脳に伝えるのでしょう? しかも神経細胞は最重要細胞ですから、傷ついてもらっては困るわけです。だからこそ、神経細胞が傷ついてしまったら、脳に送るペナルティ信号が極めて強烈になることが予想されます。神経細胞の死は生物の生命維持にかかわるからです。


しかし、ペナルティ信号を送る細胞自体が傷ついているので信号が送れません。さあどうしますか?

これがわたし流の中枢感作の理論です。それは、周囲の神経細胞と結託し、温覚、冷覚、触覚、位置覚、振動覚など、あらゆる電気信号を痛覚信号に変換させて脳に送るということをやらかすのです。そのペナルティ信号は絶大であり、痛みに脳が耐えきれなくなります。


なんでもかんでも痛覚になってしまうわけですから、気圧や気温の変化が痛みに変わります。しかも、困ったことに、神経細胞が傷ついている場所は痛みが発生している場所と全く無関係です。よって医者が必死になって「痛い場所」を治療しようとしても、「何をやっても全く無効」となります。首をかしげた医者は最後に「精神異常でしょう」という結論を下します。


中枢感作部位をブロックする

神経細胞の損傷がどこで起こっているかを推測することは極めて困難なことです。なにせ痛みを訴えている場所は「損傷部位とは無関係」だからです。さらに、最悪なことに、神経が傷つくと、その神経の末端にまで炎症を起こすことができるところです。つまり、ぶつけてもいない場所に腫れと痛みを起こすことさえできるわけです。神経損傷はかくも複雑難解です。しかも神経は縦に長いので損傷部位を特定することがほぼできません。


さて、そのような現状の中、私は「二次ニューロン性の腰痛」を発見し、神経が損傷しているであろう場所を治療することに成功しています。例えば、足の裏の痛みの原因が肩甲骨付近の胸椎へのブロックで改善させることを成功させています。現医学の疼痛学の発想を超えた治療です。


それですべてがわかったわけではありません。正確に言うと、その部位にブロックすることでなぜ改善するのか?はわかりません。そしてわかる必要もありません。なぜなら、現代の稚拙な医学で、その理由がわかるほど時代が進んでいないからです。どこまで考察しても推測の域を脱しません。私のような臨床医からすれば、理由はどうあれ治すことに最善を尽くすのみです。お祈りをすれば治るのならそれもありです。


しかしながら私の治療論は進化生物学的な理論からの発想です。間違っていようと正しかろうと、どちらにしても現医学では証明できません。わからないことばかりですが、これが私の神経ブロック理論です。マネしていただく必要もなく、感銘していただく必要もありません。個々がそれぞれ趣味で考えてみてください。

2次ニューロン性腰痛症の発見

はじめに

私は「どんな治療薬、どんな神経ブロックを用いても治らない腰痛(疼痛)患者」を真剣に治療することを開始してまだ1年半しか経過していない。あらゆる麻酔科・ペインクリニック科の医師たちの高度なブロック注射に「全く反応しない痛み」を持つ患者たちは、全員が心療内科に送られていた。ここでいう「全く反応しない」とは、100%効果を発揮するであろう神経根ブロックを行ってさえも、全く痛みが変化しないという状況を意味する。つまり、神経を引き抜いたとしても「痛みが変わらない」ことを意味するわけで、そうした患者たちは身体具現性障害、うつ、などの病名をつけられ心療内科に自動的に送られることになる。その影響で本人も自分が精神的におかしいと思い込むようになる。


彼らは脳外科・麻酔科・精神科・内科…とあらゆる科をたらいまわしにされた挙句、最終的に精神科におさまり、大量の経口薬を処方される。私はそうした「現医学が見放した」腰痛患者たちを、「どこかに器質的な痛みの原因がある」と考え、本気で治療しようとして1年半が経過したわけである。


最初はてさぐりで行っていたブロック治療だが、奇蹟は起こった。なんと、あり得ないことに、胸部硬膜外ブロック(T3レベル)で腰痛、足底痛、しびれ、違和感が改善されるのである。つまり末梢神経が関与していない痛みやしびれ、不快感があることが推測されたのだ。


胸椎レベルには腰痛を起こす知覚神経(脊髄視床路)の軸索しか存在せず、神経細胞体は存在しない。よって知覚神経の2次または3次ニューロンの軸索が損傷されることによる幻の痛みがあることを発見したといってもよいだろう。腰痛や足の裏の痛みの原因が、腰よりもはるか上部の胸椎レベルにその原因があることなど、誰が想像するだろう。腰痛や足裏の痛みやしびれを訴える患者に対し、T3付近にブロックをする医師がどこにいるだろう。


しかし、私は脊髄視床路が損傷を受けて幻の(末梢神経が一切関与しない)疼痛を作り出すシステムがあることを臨床的に断定した。推定ではない。断定である。私の断定が医学的に通用するとは思わないが、「治らない疼痛」に悩む多くの患者たちの一筋の光となることを祈り、ここに記載する。他人任せではあるが、誰かが大学で真剣に研究すれば、この病態がすぐに解き明かされると思われる。そのきっかけになればと思っている。本文は「難治性腰痛症BICBの新治療概念」の続編である。


さて、そんなことは「あなたが言わなくてもアメリカの線維筋痛症学会でとっくに研究されている」と言うのであればそう言っていただいてかまわない。重要なことは治せるかどうか?である。治せるのならその理論はとっくに世界の常識となっている。


二次ニューロン性の腰痛の3例

私は3例のほぼ全く同じ症状を持つ患者を経験した。

  1. MRIなどで痛みやしびれに一致する所見がない。
  2. 神経根ブロックや硬膜外ブロックなどのあらゆるブロック注射で全く改善しない
  3. だるく不快な腰痛があり足底に痛みとシビレがあることが多い
  4. 腰ではなく胸部の硬膜外ブロックでのみ症状が改善する

※上に挙げた例はMRIで明らかな異常がない患者を対象としたので3例と少数になったが、MRIで多少の異常がある、腰部硬膜外ブロックが少しは効果があるというような例を合わせると、この1年半で同様な症例を10例以上経験している。


末梢神経が全く関与しない幻痛

本幻痛は幻肢痛とは異なる。足を切断したにもかかわらず、足の痛みを感じるという幻肢痛があるが、これは神経根がひきぬかれているわけではないので、神経根が炎症を起こせば、幻肢痛が出現するのは当然。これは神経根という末梢神経が関与している痛みである。よって幻肢痛は神経根ブロックで完全に消失させることができる。しかし、私が述べる二次ニューロン性の疼痛はシステムが全く異なる。脊髄視床路の主に旧脊髄視床路の軸索が損傷を受け、その損傷部位とは全く異なる遠方に幻の痛みを作りだすシステムである。末梢神経が関与しないわけであるから、胸腰椎移行部から末梢の神経をどれほど的確にブロックしたとしてもその痛みは全く消えない。


的確な神経根ブロックを行っても、全く痛みが軽くならない様子を見て、ブロックを行った医師は「原因は脳にある」と誤診することが確定する。末梢に原因がないのだから原因は中枢にあると考えるのは医師として当然である。しかし、それをいきなり「脳」のせいにするのは科学者ではない。脳と末梢の中間には脊髄視床路(2次・または3次ニューロン)が存在することを全く考えていないからである。


緩やかな脊髄損傷性腰痛

私は長年の研究の末、脊髄・脊椎不適合症候群の概念を確立させた(終糸症候群や平山病と概念が似ている)。その延長上に今回の二次ニューロン性腰痛の存在がある。つまり脊髄が尾側に引っ張られることによる張力と、胸椎の後弯カーブで後方の硬膜に圧挫されることによる物理的なストレスで胸髄のT3~4付近のニューロンが障害されて炎症を起こすことが原因であると考えられる。つまり緩やかな脊髄損傷である。


脊髄の損傷は走行距離が長いニューロンから障害されていくと推測する。つまり足裏や仙骨周囲に至る神経の二次ニューロンほど損傷されやすいと考える。さらに物理的に前索よりも側索や後索が選択的に損傷されやすいと思われる。それは胸椎の後弯から見て、前索はインコース、側索・後索はアウトコースを走行するからである。脊髄損傷であるならば、下肢の脱力や腱反射亢進も起こるはずだと思われるだろうが、まさに私の外来に来る患者はそうした症状も伴っている者が実際に多い(他医には原因は身体具現性障害と言われている)。そして、原因不明の四肢脱力の本格的な治療を行っている国内唯一の施設が私の診療所である。私の元に来院する原因不明の腰痛患者たちは、実際に腰痛以外にも脱力、心窩部痛、下痢、食欲不振、冷えなど様々な症状を訴える。それはまさに脊髄損傷が由来しているように思える。


脊髄視床路損傷について

脊髄視床路は外側(新)と内側(旧)があり、内側はC線維の痛みを伝えると言われる。患者の多くは鋭い痛みよりも鈍い痛みを訴えるが、基本的に幻の痛みであるのでどちらもあり得る。ただし、痛みが鋭いから外側、痛みが鈍いから内側と単純に考えてはいけない。基本的に脊髄視床路が損傷すれば、電気信号が伝わらないわけであるから、損傷=痛みというあまりにも単純すぎる思考をしてはいけない。信号が伝わらない場合は、別の神経を使って痛みを作りだすわけであって、その場合、痛みは鋭い・鈍い、どちらもありうると考える。その細かなシステムについては、未だに解明されていないが、「全てわかっているような顔をする神経生理学者」が、今後、システムを解明してくれることだろう(私は彼らを信じていない。なぜなら彼らは私のような臨床医を信じていないからである)。


脊髄視床路損傷のブロック治療

私は既に脊髄視床路だけではなく、錐体路障害についてもブロック治療を行っている。ALS様の脱力を来す患者に対し、ブロックを行うことで筋力を回復させてきた。同様に脊髄視床路についてもブロックで軽快させることができると信じ、「あらゆるブロックを行っても軽快しない腰痛患者」に対し、果敢に胸部硬膜外ブロックを行い、そして痛みを軽快させてきた。そう言っても学者たちは私の功績を信じないことは知っている。ある神経生理学者には「先生がハンサムだったらそれだけで痛みは治りますからね」と言われ、バカにされた経験があるくらいである。ここまで臨床医がバカ扱いされているわけだから、医学は進歩しない。


ではなぜ硬膜外ブロックで治るのだろう? その理由はストレス部位の血行が回復するからだろうと推測する。硬膜外ブロックにより脊髄動脈とその末梢が拡張し、血流が増加して阻血部分が回復するのだと考えている。よって、実際には硬膜外ブロックよりも胸部交感神経節ブロックのほうが効果が高い可能性もある。しかし、脊髄動脈の流入は個人個人で異なるため硬膜外ブロックの方が確実である。


二次ニューロン性上肢帯痛症

当然ながら、二次ニューロンの損傷による上肢の痛み、しびれが存在する。学会はそれを認めなければならないが、おそらく無理であろう。頸髄の場合、C1~2付近の緩やかな脊髄損傷で発症する。これもまた私の提唱する脊髄・脊椎不適合症候群の一つの派生形である。


二次ニューロン性の上肢帯痛・しびれはあらゆるブロックが効かないはずである。神経根ブロックを行ってさえも全く効果がないであろうから、患者は必ず心因性と断定される。もし、そうした患者にMRIで多少の椎間板の膨隆があれば不幸を招く。頸椎椎間板ヘルニアが原因の痛みやしびれ、と誤診されて手術され、治らないどころか悪化することになるからである。


腰痛・下肢痛に二次ニューロン性の痛みが存在するのなら、上肢痛・しびれにも二次ニューロン性のものが必ず存在する。その存在を認識せずに外科医たちが手術をしている現状は恐ろしい。基本的に二次ニューロン性の上肢痛は「上頚神経節ブロック」が最適であると思われる。しかし、その普及には難がある。私のような臨床医がこうした病態を提言しても、誰も耳を傾けないからである。


二次ニューロン性と感じたらまず治療を受けてみる

二次ニューロンは痛みの発生場所から相当離れている。よって、「足の裏が痛い」と主張する患者の背中に胸部硬膜外ブロックを行うことは、まるでキ○ガイじみている。よって、患者も私を信じないし、患者の家族はなおさら私を信じない。よって治療法を提示できたとしてもそれを受け入れないことが予想される(実際にそういう患者が存在した。患者の兄が整形外科医だったのでなおさら)。だが、まず、受けて見ないことにはわからない。もしも、これまでどんなブロックを行っても全く無効という症状があるのなら、一度は受けてみた方がよいだろう。


二次ニューロン性疼痛は少なくない

実際に、現在、身体具現性障害と診断され、精神科に入退院を繰り返す患者の中に、二次ニューロン性の疼痛患者が相当数存在すると思われる。彼らはあまりの苦痛のために、意識が薄れるほどの経口薬を要求する。それを与えられるのは精神科のみだからである。これらの患者にブロック注射を行うことは、医学界の蜂の巣をつつくことになる。それは、医師たちが今まで大誤診をし続けてきたことを認めることになるからである。世界の医師たちの権威を失墜させるだけの蜂の巣である。よって蜂の巣は誰もつつかない、つつけない。私も敢えて蜂の巣をつつこうと思っていない。だからひっそり、こうしてブログに書き留めるに終わっている。私は二次ニューロン性の痛みがあることを断定したが、他の世界の医師たちがこれを受け入れるにはまだあと50年はかかりそうである。


胸部硬膜外ブロックの治療効果

これまでどんなブロックを行っても軽快しなかった症状が、本ブロックで初めて軽快したという実感があるが、これが半永久的な治療へと実を結ぶかは今後の症例を検討していくしかない。胸髄に破損と炎症が起こっていたとして、本ブロックがその部位の組織再生にどの程度効果を発揮するのかは未知数である。脊髄脊椎不適合という物理的な障害をブロックでは取り除くことができないため、一次的に血液の循環を改善しても、すぐに血行不良に陥ると思われる。どの頻度でブロックを行えば、軽快するのかは、症例ごとの重症度にもよる。今後の研究成果を待つしかない。ただ、二次(上位)ニューロン性の痛みや運動障害(麻痺)に対する治療を行っている施設は、日本ではおそらく私のところ以外にはないと思われる。よって、これに該当すると思われる症状がある方は、ぜひ一度私のところに来院していただきたい。

 

ケナコルト(ステロイド)のリスクと効果

はじめに

ケナコルトをはじめとするデポメドロール、リンデロン懸濁液などの固形粉末ステロイドは炎症抑制の持続効果が極めて強く、絶大な効果を発揮することは知られています。しかし一方で副作用(腱断裂、関節破壊など)が懸念され、たやすく使用することのできない使い勝手が難しい薬剤です。その適切な使い方が普及していないために「一線を超えてしまう」ことがしばしば起こり、医療過誤となることも多いようです。ここでは、ケナコルトの適切な使用方法を研究している私が、使ってよい、使ってはいけない、の境界線について述べて行きたいと思います。ケナコルトを基準に話を進めますが、ケナコルト以外のステロイド、そして生物学的製剤などの免疫抑制剤なども同様です。


ステロイドの悪しき作用

最近用いられるようになったレミケードなどの強力な免疫抑制系の薬剤は「肺線維症」の副作用が警戒されます。肺の間質の細胞が膠原繊維に置き換わっていくために肺が固くなり呼吸機能が衰える疾患です。

免疫を抑制すると、死んだ細胞を処理する(免疫)作業が停滞しますので、細胞の死骸が蓄積されていきます。細胞の死骸は処理不可能なためゴミとしてその場に捨て置かれるしかありません。その際に死骸に細胞適応が生じて膠原繊維などになります。よって細胞が大量に急激に壊死する状態に免疫抑制剤を使うと、膠原繊維が体内に蓄積し、これが不可逆な血行阻害の要素となり周囲の壊死を進めるでしょう。

ステロイドが悪者扱いされるのは、このような壊死細胞のゴミ化を助長し、血行阻害がさらに進み、結果的に組織破壊がささらに進む恐れがあるからだと言えます。


ケナコルト(ステロイド)の善と悪の境界

ケナコルト(ステロイド)は適量を使用すれば、ほとんどが絶大なる効果を発揮して「善」となります。しかし、使い方をわきまえなければ「悪」に転じます。その境界がどこにあるかを知っておかなければなりません。

  1. ケナコルト(ステロイド)の善 浮腫軽減→局所の血行増進→死んだ細胞の処理が進む→組織が修復される
  2. ケナコルト(ステロイド)の悪 免疫抑制→死んだ細胞の処理が停滞→死細胞が細胞適応を起こし膠原線維などに置き換わる→無血管野ができる→慢性の機能不全→組織破壊が進展

この二つの善と悪がどちらに転じるかでケナコルト(ステロイド)の影響が変わると考えてよいでしょう。その境界は死んだ細胞の「処理が進むか停滞するか?」にかかっていることがお分かりいただけると思います。ケナコルト(ステロイド)が死細胞の処理にどう影響するか?が全てであり、ここを見極めない限り「ケナコルト(ステロイド)を使用する資格なし」となります。ステロイド使用資格は、運動器から、膠原病、耳鼻科、眼科、婦人科などすべての領域で同様であり、すべての科の医師がこの「ステロイドの善悪」について勉強しておかなければなりません。


ケナコルトの異物作用

ケナコルトは固形であり、その存在自体が組織内では異物となり周囲組織を傷つける存在であり、アレルゲンとなりうる物質であり、そして血行を阻害しかねない存在です(固形だからです)。よって、注入量が多いとそれだけで組織破壊を進めてしまいます。しかも、ケナコルトは解けて吸収されるのに数週間かかりますから、それらの悪しき作用も数週間持続すると考えます。よって第一に、ケナコルトは「可能な限り少量使用」としなければなりません。しかし、少量過ぎると効き目がなくなります。ですから、まずは「効果を発揮する最少量」を研究しなければなりません。最少量の研究結果はこのHP上にも記載しています。が、大雑把に言うと「1回量が数ミリグラム」です。これほどわずかな量で効果が出る理由はDDS(ドラッグデリバリーシステム)です。拡散せずに局所に留まり続けるからです。1箇所に1度に10mg以上となるようでは「多すぎ」ですのでご注意ください。ケナコルト1瓶は40mgまたは50mgですから、これらがいかに多すぎる量なのかがわかります。異物作用で局所に炎症が起こり、皮下にくぼみが出来てしまう例があります。たかが腱鞘内注射でさえ、ケナコルトの量が多いと異物反応が起こり後遺症を残すことを考えておかなければなりません。


患者の日常生活に分かれ目がある

ケナコルトやレミケードなど免疫を抑制する系の薬剤は「悪として働くか? 善として働くか?」は患者にも医師にとっても大変興味のあることですが、この境目は実は患者の日常生活にあるのです。その意味を以下に示します。

免疫抑制系の薬剤は基本的に「組織破壊が極めて激しい部位には使用してはいけない」という原則があります。この原則は知られているようで知られておらず、例えば能書きには「動揺関節には禁忌」と書かれています。動揺関節かそうでないかを判断できる医師はこの世にはいないに等しく、判断基準もなきに等しく、これを正しく理解すると「組織破壊が極めて激しい部位には使用してはいけない」と私は解釈します。

また、「感染箇所には禁忌」と書かれていますが、感染も物理的な破壊も、細胞にとっては破壊という異味では同じです。両者の違いは、感染の場合、細胞の破壊スピードが菌によってことなることと、物理的な破壊よりも感染の場合は二次関数的に破壊が広がる点です。

何が言いたいかと申しますと、緩やかな感染であれば「組織破壊が極めて激しい部位」の定義にはあてはまらないので使ってよいということです。


逆に、一見、動揺関節ではない関節でも、急速に炎症が進む場合は「組織破壊が極めて激しい部位となる」ことです。

組織破壊が極めて激しい部位では細胞がたくさん死にます。死んだ細胞(体内のゴミ)を食して回収する免疫系統をステロイドが抑制してしまい、組織の中に死んだ細胞の山を築いてしまいます。よって組織破壊の激しい部位では、「破壊をやめさせる」ことが治療の第一選択にしなければなりません。この第一選択をしていない状態でステロイド(ケナコルトなど)を使用すると次のようなことが起こります。


組織破壊が激しい部位ではプロスタグランジンなどの疼痛物質が盛んに作られますが、ステロイドはそれを抑制し「痛みを軽くさせて」しまいます。痛みを軽くさせることが患者の行動範囲を広げてしまい、結局組織破壊行為を推し進めてしまうことになります。

ケナコルトを使用すると、その消炎鎮痛作用も極めて強力かつ長期間持続します。よって患者が自ら行う組織破壊行為に歯止めが効かなくなり、結果、ケナコルトが「悪として働く」側に回ります。「痛くないことが害になる」ことの意味を知らなければ、ステロイドを使用するべきではありません。


ケナコルトが善になるか悪になるかの境界は、組織破壊のスピードに極めて依存していると私は考えており、その考えの元にケナコルトを使用した際は患者の日常生活指導を徹底するのです。急激な細胞破壊が起きている場所かそうでないかの見極めが、すべてのステロイド使用者に必要であり、その見極めはきわめて難しく、医学書にも書いておらず、よって見極めができないうちは気軽にステロイドを使用するべきではないと考えます。私はそれらを見極めるために、自らステロイドを研究してきました、では、実際の「善と悪の境界線」見極め方について述べます。


ケナコルト使用ガイドライン

私は、関節も靭帯も滑液包も腱鞘内も、全てケナコルトの使用量は一律にしています。1回1箇所1週毎にケナコルト2.5mgです。この週1回のケナコルト2.5mg投与を痛みが軽快するまで毎週行います。痛みが軽快した時点で隔週~月1回と投与間隔を開けて行きます。多くの患者は1回のケナコルト注射で痛みのほとんどが消失しますので、毎週連続投与になる患者はマレです。連続投与となる患者は自ら高度の破壊行為を行っていることが推定されます。


毎週ケナコルト投与しているにもかかわらず、痛みがとれない患者の場合、自ら行っている組織破壊行為が過剰と判断します。つまり、痛みを組織破壊の基準としています。ケナコルトは非常に強力に炎症を抑えますのでこれを4~8回連続投与で痛みがとれていないことは「極めて異常な破壊を行っている証拠」とします。このとき、ケナコルトが強力に痛みを抑制しているせいで患者が破壊行為を無理なく行えています。


この時、初めて、患者に対して「すべての行動を制限するように」命じます。そしてケナコルトの使用を中止し、わざと痛みを感じさせ、いかに自分の行っている日常生活が関節を破壊させているかを体験させます。この4~8回連続投与が一つの境界線であり、さらにケナコルトを続行すると、おそらく関節破壊は急激に進行します。つまりこの時点がケナコルト(ステロイド)が「悪」に変貌するポイントです。このポイントを無視してケナコルトを使用する世界の整形外科医たちが、患者に後遺症を残すのです。そしてケナコルト(ステロイド)が使用禁止とされてしまいます。


もし、この時点で患者が行動制限を守り、ステロイド抜きの注射で痛みを軽快させた場合、私は再びケナコルトの使用を考えます。それはケナコルト使用が「善」となるエリアに患者が戻ったからです。このような「善か悪かの境界線」は流動的です。疾患によっても異なります。そこで疾患ごとに境界線を研究していかなければなりません。


疾患ごとのケナコルト使用の境界線

アキレス腱治療の境界線:痛みが1ヶ月以内に再燃する時点が境界線、これを半年(6回)以上繰り返すとその後1年以内にアキレス腱断裂となる可能性が極めて高い。1ヶ月以内の再燃を数回以上繰り返す場合、ケナコルトが断裂までの期間を短縮させてしまう。


腱鞘炎治療の境界線:ばね指、ドゥケルバン、各伸筋・屈筋腱炎、腱鞘炎を1週間毎に再燃させることを6回以上繰り返すと断裂の可能性が高まる。ただし、リウマチやその他の膠原病体質があり、腱鞘炎を起こしやすい例ではケナコルトを使用しない状態でも断裂する。また、1週間以内に再燃することを4回以上繰り返す場合は要注意。


肩関節周囲炎:これまで肩関節周囲炎の腱板炎に肩峰下滑液包内へのケナコルト使用の例では毎週使用(1回に2.5mg)でも私の場合は腱板断裂を経験したことがない。腱板は断裂の可能性が低いと思われるが、易損性は高まると推測される。易損性が高まると転倒して肩を打撲した際に断裂の可能性が高まるので、一応、ケナコルトの毎週使用には3か月を限度とすることが望ましい。


変形性膝関節症:1回1関節にケナコルト2.5mgを毎週連続投与で4~8回が境界線。つまり治療を開始して1~2か月で痛みがほとんど軽快していない場合はケナコルトの使用を中止する。日常生活で厳重に安静を保つことを指導し、指導を無視するようなら一切の治療を中止することを辞さない強硬姿勢を患者に示さなければならない。その時点でヒアルロン酸注射に変更し、痛みが強くならない程度に運動量に自制をかけることを患者に約束させる。患者が約束を守り、痛みを軽快させた場合はケナコルトを隔週投与から開始する。


以上が整形外科領域のケナコルト使用ガイドラインです。しかし、実際はステロイドの使用ガイドラインが全ての科に必要であり、それを作成していない現医療体制ではステロイドの使用が「悪」に変わる例を防止することが難しい状態です。以下に、各科で検討していただきたいステロイドの境界線の例を示します。


ステロイドの境界線

ここではステロイドが体の組織にとって「悪」に変わるポイント(境界線)についていくつかの例を挙げて考察します。「悪」に変わるポイント=「ステロイド使用禁忌」を意味しますが、この「禁忌」と変わる点がどこにあるかを認識することは現医学界ではなされておらず、そのため、今も尚、ステロイド(レミケードなども含む)投与が病状を悪化させ、致死的な状態になる事故が水面下にたくさんあると思われます。これからの医学の進歩のためにステロイドをはじめとする免疫抑制系のターニングポイントを研究していく必要があると思われます。私は「組織破壊が極めて激しい場合」にステロイド使用を禁忌とすべきであるという原則を提唱し、おそらく世界で初めて、各科においてそのポイントを研究するガイドラインが必要であることを述べます。


内科系

末期癌

癌が組織の破壊を急激に進展させた場合、ステロイドの使用は悪液質をさらに悪化させると思われます。末期癌では悪液質を改善させるためにステロイド使用が望ましいとされますが、組織破壊が大量となり、悪液質が極めて進行するとステロイド使用で患者の容態が急激に悪化することがあると思われます。このターニングポイントはホスピスを担当する医師の研究で解明されていくでしょう。そして、末期がん患者のステロイドターニングポイントの研究は、ステロイドのターニングポイントは医師たちが想像しているよりも深い場所にあることを教えてくれるでしょう。

 

膠原病

膠原病とその周辺病(潰瘍性大腸炎など)ではステロイドだけではなく、免疫抑制剤の全てのターニングポイントを研究する必要があります。致死的なのは間質性肺炎(肺線維症)です。免疫抑制剤が肺線維症を増加させるポイントがターニングポイントであり、XPを用いて経過を観察するのではなく、その前に手を打つためのガイドラインが必要です。CPRやサイトカインなどを指標として、ターニングポイントの値を知る研究をすることが急務と思われます。

 

腎臓

ネフローゼ、IgA腎症など ステロイドを日常的に治療薬としている科では「組織破壊が急激な場合にステロイドが逆に組織を破壊する要因になる」ことを認識している医師はほとんどいないと思われます。ステロイド治療しても症状が改善されない場合はターニングポイントの可能性があり、ステロイド使用禁忌となる場合があることを研究していかなければなりません。

 

感染症

感染症の場合、ステロイドが禁忌と世界中の医師たちが考えていますが、この誤りをいち早く正さなければなりません。つまり、感染症の場合、ターニングポイントがゼロ地点にあると思われていることが極めて愚かな誤りなのです。

感染症の場合、たとえば、風邪をひいたとき、ステロイドの投与は劇的に症状を改善させ、完治までの期間を何倍にも短縮できます。つまり、感染症にもステロイドのターニングポイントが存在し、そのポイントよりも手前であれば、ステロイド治療は極めて優れた治療法となります。感染症にステロイド禁忌という愚かな定義を一刻も早くなくし、感染症でのターニングポイントを正しく研究する方向に医学が進むことを切に望みます。

肺結核でさえも、ステロイドが特効薬になることを認識しなければ医学は発達しません。なぜなら、たとえ愚かな医師たちが「結核にステロイドは禁忌」と叫んだところで、体内の副腎皮質では結核がアクティブな時はさかんにステロイドが生産されて分泌されているのですから。


耳鼻科系

突発性難聴では耳鼻科では大量のステロイド投与が常識化しています。しかし、ステロイドで治療しても大半は改善しません。ステロイドしか治療方法がないので原因が不明にもかかわらずステロイド投与している現実を直視しましょう。おそらく内耳神経核に関わる神経細胞の何らかの損傷(血行障害、長時間の悪姿勢による物理的な張力ストレスなど)で難聴が生じると思われます。しかし、神経細胞の損傷が急激である場合、ステロイドが神経組織の破壊をさらに進行させる可能性があると思われます。そうしたターニングポイントを研究せずに、ステロイドの大量投与が行われ、さらに改善率が高くない現状では、悪化したとしてもその原因がステロイドの投与にあると思われないところが問題です。

 

眼科系

視野狭窄や視神経炎、原田病などでは、進行を止めるために大量のステロイドを長期間投与することもしばしばあります。失明すると大変なので医師たちは「どんなリスクを侵してでも」ステロイドを大量に投与しようとします。しかし、そうして投与してもよくならなかった症例の中には、ステロイドの大量投与が原因で悪化したものがあることを真摯に認めて研究しなければなりません。ステロイド投与が失明を進展させるポイントが必ずあります。そのポイントを見極める研究をするには「眼科医たちに自分の首を自分で絞める」覚悟がいるでしょう。


ステロイドの真実

私はステロイドが悪に働くか善に働くかの境界が「組織の破壊量(スピード)」にあるとする新しい理論を提言しました。この提言を受け入れるには、医師たちが今まで「そうとは知らずにステロイドを大量に投与してきた罪を認める」作業となるため、極めて困難であると思われます。逆に、感染症では一律、全てにおいてステロイド禁忌という間違った理論が医学界に蔓延しており、「ステロイドを投与すれば助かったはずの人が肺炎でお亡くなりになる」というパターンが全世界に相当な数として実在すると思われます。感染症にステロイドを使用して人の命を救った英断ある内科医もいると思われますが、そうした内科医は必ず異端児扱いされます。整形外科領域では、私はステロイドの使用ガイドラインを真剣に制作することに取り組みましたが、やはり私は異端児です。

さて、ステロイドは使い方により善にも悪にもなり、そのターニングポイントを研究するという重要課題をこれまで先送りにしてきた医学界の罪を問わなければなりません。ステロイド大量投与の罪が問われていた時代は数十年前に終わりましたが、現在、医師たちにはそうしたステロイド使用のトラウマが残り、ステロイドのターニングポイントを研究するということ自体を禁止している状態が続いています。一刻も早く、この状態を医学界全体が抜け出すことを願っています。


追記:レミケードなどの生物学的製剤が各種開発され、免疫抑制系の薬剤が急激に進歩しました。当然ながらこれほど強力に免疫系を抑制できる薬剤は、ステロイド以上にターニングポイントを考えなければなりません。しかし、その研究は全くなされておらず、その被害者は増えて行くでしょう。残念ながら、現在は投与前に副作用を検討するのではなく、投与後に副作用が検討されている時代です。一刻も早くこのような状態を抜け出さなければなりません。

科学界に衝撃、医学界に激震、リンパ管組織発見

2015年、バージニア大学医学部で「中枢系リンパ管」という全く新しい組織が人間の体内に存在することが発見されました。まずはその詳細を転載します(GIGAMENより)。


新しい発見

医学・科学は目覚しい進歩をとげ、人々は人間の体について隅々まで研究・調査し、もう知らないことなどないと思われていた。だが2015年、米バージニア大学医学部の研究チームは、まったく新しい人間の体内組織を発見したと発表し、医学・科学界に非常に大きな衝撃を与えている。

新しい循環器、中枢系リンパ管

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実際に見たり触れたりすることはできないが、「中枢系リンパ管」と名づけられたこの新しい循環器は、脳から余分・不要なリンパ液を廃液する役目を担っており、神経疾患や免疫性をより良く知る上で重要な組織だ。米バージニア大学医学部の研究チームを率いるAntoine Louveau氏が、繊細な細胞を傷つけることなくマウスの髄膜(脳を覆う軟膜)をスライドにのせる方法を考案したが、その方法を用いて研究を行っていたところ、同研究チームが中枢系リンパ管を発見した。研究チームは驚いた。なんと人間の脳検体からも同じリンパ管が発見されたのだ。ユニコーンに偶然出くわすことに値するほどの大発見。


これまで、リンパ系組織は脳内には存在しないものとされてきており、今回の大発見は科学界では万に一つもない想定外の大発見であった。この組織自体がこれまでに発見されていなかったことはもちろん、その存在は教本上では「ありえないこと」として取り上げられていたのだ。では、この中枢系リンパ管がこれまで見落とされてきた理由とは?ずばり、中枢系リンパ管は深層部に存在するからである。


脳の内部および外部血管から血液を廃液する硬膜静脈洞内に中枢系リンパ管がある。また、主要血管付近にあるため、それら血管の影に潜んでいたというわけだ。医学・科学界における偉大な発見だということに変わりはないが、さらなる研究と調査が必要だと同研究チームは述べている。ただ、多くの人々を悩ませてきた多発性硬化症や、アルツハイマー病、そして自閉症などといった難解な疾患の数々を理解し学んでいく上で今回の発見=中枢系リンパ管の存在が大きな役割を果たしてくれるのは確かだ。


高齢化が進みアルツハイマー病を患う患者数が増え、また人々が自閉症についての理解を深め早い段階で認識することができるようになってきたことから自閉症患者数も増加しており、患者の家族らはこれらの病気にどのように向き合っていけば良いのか日々悩んでいることだろう。患者のためにも、患者の家族のためにも、今回の歴史を揺るがす大発見が今後またさらなる発見へとつながることを期待したい。

参照元;mental_floss


 

脊髄や末梢神経は未知

この偉大な発見は医学書を大幅に塗り替えるほどの影響力がありますが、世界の医学部の教授たちは自分たちの学説がいろいろと塗り替えられるほどの影響力があることに気づいていないか知らぬ顔をしているようです。なぜならそのことに気づいているのなら、日本の医学界にも激震が走っているはずなのに、皆平静だからです。まるで他人事のようです。この発見では、脳のリンパ系が発見されたのみであり、脊髄や末梢神経のリンパ系は未知のままです。しかし、10年以内にはそれらも判明するでしょう。リンパ系の発見が既知の医学学説に対して大きな影響力がないと思っているのでしょう。しかしそれは違います。


リンパ系は動脈と同列

末梢の細胞をミクロレベルで観察すると動脈から血漿成分が血管外に流れ出て、その液体が酸素や二酸化炭素の受け渡しを行い、ブドウ糖などのエネルギー源の受け渡しを行います。それらの液体がリンパ液となって排水されて静脈に戻るということで生体内の細胞は生き続けることができます。もしもリンパ系が詰まって、狭窄してうっ滞すれば、液体は停滞し、細胞は酸欠に陥り機能しなくなります。そういう意味でリンパ系は細胞の命の源であり、動脈と同列の重要な組織です。


中枢神経系にリンパ系が発見されたということは、脊髄や末梢神経にもリンパ系が発見されるのはもはや秒読み段階でしょう。これまで原因不明とされていた神経疾患が、リンパ系の炎症によるうっ滞が原因で神経細胞が壊死していく原理などが解明される可能性があります。そして既知の理論が間違っている可能性も暴露されていくきっかけとなるでしょう。


ブロック注射の副作用の怖さ

神経系にリンパ管が存在することがわかれば、神経ブロックの怖さ・副作用の怖さが現実味を帯びます。それは神経リンパ管に薬剤が入り、逆流して脊髄液内に薬剤が拡散する恐れです。恐らく、10年以内に髄液の排水経路として新たに中枢リンパ系が発見されるでしょう。その中枢リンパ系にブロックの薬剤が注入されれば、末梢から脊髄内へ薬剤が入り「脊髄麻酔」となってしまうでしょう。これが医療事故につながりやすいことは明白であり、中枢系リンパの発見は、「神経ブロックが危険な治療」であることを暴露することになりそうです。危険なのはブロック自体ではなく、気軽に行うブロックで脊髄麻酔がかかってしまうことを世界中の医師の誰一人として認識していないことが危険なのです。


造影剤で死に至ることを考える

整形外科ではおおよそ4年に1度、脊髄にウログラフィンなどの造影剤を入れてしまい、業務上過失致死となる事件が発生します。ウログラフィンには「脊髄禁」と表示されていますが、薬剤を吸うのは看護師であることが多く、医師も確認せず使用して事故が起こる場合があります。血管造影に用いられるイオパミロンも脊髄禁ですが、血管を造影しようとし、誤って中枢系リンパ管に造影剤を注入してしまうことが考えられます。その場合、造影剤は脊髄に流れてしまい医療事故となります。恐らく、そうして死に至った患者は世界中に少なくないでしょう。しかし、これまでの医学では中枢系リンパなど知られていなかったわけですから、脊髄に流入して痙攣をおこして死亡したとしても、その原因は単なる「アナフィラキシーショック」として扱われていたと思われます。血管造影で死に至った患者の中には、こうしたケースがあったはずであり、この推定的事実を考えると、本当はこのニュースがもっと大騒ぎにならなければならないほどの衝撃的な発見のはずです。なぜなら、血管造影は日常茶飯事に大病院で毎日行われているからです。


星状神経節ブロックで呼吸停止

私の知り合いの整形外科医から聞いた実話です。彼の家系は医者一家で、叔父が麻酔科医で星状神経節ブロックを得意としていました。彼の母は肩こりがひどく、叔父の麻酔科医が星状神経節ブロックをして差し上げました。すると、意識不明、自発呼吸停止のDOAとなり、すぐさま気管支切開をして呼吸を確保して命をとりとめたそうです。現医学では星状神経節ブロックで意識不明・呼吸停止となることを誰も想定していないと思われます。もしかするとその原因は中枢系リンパではないかと推測します。リンパ管に麻酔剤が流入し、脳幹の神経組織を麻痺させたのでしょう。こうした推測は中枢系リンパの発見があってこそできることであり、今までは「原因不明」とされていました。星状神経節ブロック後に意識消失する例はリンパ管を通して髄液内に薬剤が逆流した可能性を考えます。リンパ管に針が刺さることは確率的にはかなり低いので無視される可能性が高いですが、そうしたリスクの可能性を知らないことの方がリスキーです。無知ほど怖いものはありません。


ブロックでは不可解な副反応がしばしば起こる

私の経験上、ほぼ20人に1人に必ず起こる「仙骨部硬膜外ブロック時に耳が遠くなる」という現象があります。もちろん、現医学ではその理由はわかりません。仙骨裂孔付近の硬膜には静脈叢があり、それを指すと薬剤が静脈内に流入する可能性があります。しかし、明らかに静脈を指していないにもかかわらず、上記の現症は起こります。その理由はおそらくリンパ系への流入で麻酔剤(キシロカイン)が全身に回ったためと思われます。


また、私は腰部硬膜外ブロック後1時間の時間差で麻痺が起こることも経験しました。通常、硬膜外ブロックでは1時間程度で表面麻酔剤の効果が切れてきますが、本ケースでは1時間後に突然麻痺が出現して立てなくなりました。1時間後に脊髄麻酔がかかってしまったことは私の中では「摩訶不思議な事件」として心に残りましたが、その理由は硬膜外に注入した薬剤がうまく拡散せず、何らかの動作をきっかけに中枢系リンパに流入したと推測します。その他にも硬膜外ブロック後、時間差で麻痺が起こることを多数経験しており、これまでは謎でしたが、リンパ系の発見でつじつまが合うような気がします。


ブロックで半身不随になる事件

当HPへの投稿で、神経破壊薬を用いた腰部交感神経節ブロック後に半身不随の後遺症が残ったという事件があったことを知りました。施術者は「原因不明」の一点張りだったそうです。しかし、リンパ系が発見されれば、その理由はリンパ管経由で脊髄に神経破壊薬が流入したと推測します。神経破壊薬で脊髄損傷となったと思われます。それはめったに起こらない極めて悲惨な事故ですが、事故に遭った方の口惜しさを考えるとこういう事件を二度とおこしてはならないと思います。リンパ系が発見された現在、この類の事件がリンパ管を経由して起こるのだとすれば、うかつにボツリヌス毒素や神経破壊薬を用いてブロックをしてはいけないことになります。世界で行われている破壊的なブロックは、極めてリスキーなこととして扱われるべきであるかもしれません。リンパ系の発見はそれほど医学界に衝撃を与えるべきことです。


リンパ系から脊髄への逆流→事故を防ぐ

では、どうすれば麻酔薬がリンパ系から脊髄に流入して脊髄麻酔となってしまうことを防ぐことができるでしょうか? はっきり言いますが防ぐことができません。現在、治療後にふらつきやめまい、意識もうろうなどの現症が起こっている中に、リンパ系から脊髄に逆流したのが原因と思われるケースがおそらくかなりの件数あるでしょう。注入薬の全量が流入するわけではないと思われますが、一部が入ったという可能性を考えると、ブロックした人の2~3割にそういう現象が起こっている可能性も考えます。すると、流入を防ぐことは不可能なので、流入しても大丈夫なように安全性を高めた手技にすることが望まれます。そのための心がけをのべます。


ブロックの安全確立のために

  1. 頚部のブロックはトリガーポイント注射であっても慎重に行う
  2. 頚部へのブロックは可能な限り少量にする。具体的には1箇所2cc以下。
  3. 頚部へのブロックは高濃度の薬剤は使わない
  4. 可能な限りゆっくり(5分以上かけて)注入し、患者を観察する
  5. 可能な限り注入圧を低くする(逆流しにくくなる)

 

これらを守らなければ事故にしばしば遭遇するでしょう。よってブロックをする医師は安全確立を義務化する必要があります。しかし、中枢リンパ系が発見されてまだ間もないことから、こうした面倒な作業は麻酔科では敬遠されると思われ、世界各地でブロック事故はまだまだ起こるでしょう。


現実的に安全なブロックは難しい

ブロック手技には高度な技術が必要で、かつ時間がかかります。その上で上記のような安全ガイドラインを守るとなれば、現在の設定されている手技料では採算が合わなくなります。倍の時間をかけて行うことを義務付けるには、手技料金を倍にしなければ採算がとれないということを意味します。医療費で困窮する世界の国々が、そうしたことに賛同するとは思えませんから、上記の安全ガイドラインは無視される運命にあります。

無視されたとしても、事故の件数はどの道以前と同じであり、急上昇することはありません。ただただ、「急いで行うブロック注射は極めてリスキー」であることが判明しただけです。

中枢リンパ系の発見で、私は今後、さらに安全性に気を配りながら手技を行いますが、私と同じような考え方をしてくれる医師が、世間にどれほどいるのか?が疑問です。なにせ、リンパ系の発見がテレビニュースにもなっていないくらいですから。誰か、親切な方が、この意見を広めてくださることを願うのみです。

 

 

 

 

原因不明の「声が出ない(かすれ)病」の治療法

はじめに

声帯の炎症や腫瘍などが原因ではない「声のかすれ」「声が出にくい」症状があります。迷走神経の枝である反回神経が麻痺し声帯がきちんと閉じないことが原因と推測されますが、なぜ反回神経が麻痺を起こすのかが不明な例が少なくありません。これらは「突発性反回神経麻痺」といわれ「心因性」「ストレスから来るもの」という間違った診断がなされることが多いようです。自然に治ることもありますが、数年から数十年治らない場合もあります。私はこのような原因不明の声のかすれに対し上頚交感神経節ブロックを用い軽快させることができます。ここでは治療成功例を挙げ、声のかすれの病態を考察したいと思います。


症例1 62歳 男性

主訴:両上肢の激痛、両上下肢の脱力、左手の筋萎縮、嚥下困難、声のかすれ

 現病歴

1年半前から両上肢の痛みと両上下肢の脱力が出現、リリカ、トラムセットなど大量に服薬しても全く無効。「仰臥位になると腕がひきちぎられそうになる」ことからソファーで座りながら眠るということを1年以上続けている。半年前から声がハスキーになり、1週間前から唾を飲み込みにくい、冷たい水がのどを通らない、声がかすれてほとんど出ないという症状が出現したため上頚交感神経節ブロックで治療を開始した。

治療

1%キシロカインを上頚交感神経節に2cc×2(両側)を注射。これを1週間に3回行った。初回以降唾が飲み込めるようになり、3回目で声が出るようになった。


症例2 49歳 女性

主訴:上下肢の脱力、左半身しびれ、首肩背の強い痛み、そして数年前から声がかすれて出にくい

 現病歴

25年前に原因不明の体調不良に襲われ、それ以来首肩背腰の痛み(特に首肩が酷くこっている)、頭の締め付け、慢性疲労、無気力、動悸、立ちくらみ、これらが毎日ある。時々呼吸が浅く苦しくなる。これまで整形外科にかかっても何の効果もなく東洋西洋医学等、良くなると言われるありとあらゆる治療を試すが無効。首の牽引、ウォーターベッドのマッサージ、低周波の電気治療、ボツリヌス注射、整体、針灸などすべてが無効のため現在は心療内科処方の薬を服用。数年前から声がかすれ、しゃべると疲れて声が出なくなるという症状が出現した。どうせ医者には治せないだろうと思い、医師には診察を受けていない。

治療

1%キシロカインを上頚交感神経節に注射。その数分後にはしっかり声が出るようになった(完全ではない)。さらに胸部硬膜外ブロックを行い、上下肢の脱力が回復傾向となる。嗄声はまだ完治していないが、今後治療を重ねる予定。


症例3 73歳 女性

主訴:むせる、のみこみにくい、かすれ声

 現病歴

数年前から声がかすれるようになり、1年3か月前より液体を飲み込む際にむせやすくなった。体調が悪い時は時々食べ物をのみこみにくいという症状がある。今回1ヶ月前よりむせやすい状態が悪化してきたため私に相談。私は上頚交感神経節ブロックをすることを提案した。

 治療

上頚交感神経節ブロックを1度行うことで「むせやすさ」の症状は完全に消失した。かすれ声は「多少声が出しやすくなった」と述べるが一度の治療では少ししか改善していない。


かすれ声の病態生理

上頚交感神経節ブロックは人の交感神経節の中で最も頭側に位置する神経節です。内頸動脈をはじめ椎骨動脈、脳底動脈など脳・脳幹・延髄を栄養する動脈の平滑筋の支配神経である交感神経を麻痺させることにより、栄養動脈を拡張させて血流量を上げることができます。最も頭側の交感神経節であるからして、血管拡張作用は星状神経節ブロックよりも効力が高いであろうことが予想されます。私が上頚交感神経節ブロックを行うことでかすれ声を改善させることができる結果から逆に考察しますと、そもそも突発性のかすれ声の原因は脳幹(特に迷走神経核)の血流障害にあると思われました。ではなぜそもそも脳幹の血流障害が起こるのか?の原因は、私がこのHPで再三再四述べている「脊髄・脊椎不適合症候群」にあると思われます。すなわち、姿勢により脊柱管の全長が長くなり、脊髄の全長がその変化に追い付かず全長以上に引っ張られことにより強く緊張することが原因であると考えます。その結果、脊髄に続く延髄と脳幹が下方に引っ張られ、横断面積が縮小し、動脈の横断面積も縮小して血流障害が起こると推測します。


突発性反回神経麻痺の治療

突発性とはいうものの、上頚交換神経節ブロックで改善するのであるから、もはや突発性というネーミングは正しくないでしょう。突然に発生したかすれ声に上頚交感神経節ブロックが効果的なのですからもはやこの疾患は難治性の原因不明の疾患ではでしょう。脳幹の血流障害に起因していると思われます。


かすれ声治療の今後

声帯に異常のないかすれ声の治療には上頚交感神経節ブロックが第一選択であるべきと思われます。もちろん、このブロックでも治癒しない例が今後現れるかもしれませんが、今のところ私の症例では完治とまではいかないが「やや、効果あり」も含めれば100%効果があります。ブロックの回数と回復までの期間は迷走神経の損傷(虚血性の壊死)の度合いに依存すると思われ、慢性的に長期間経過している症状には、治療を繰り返さなければ効果が得られにくいと予測されます。また、根気よく治療を繰り返せば大抵のかすれ声を治せると考えます。かすれ声の治療は、まだ始めたばかりなので治療成績がまとまれば再び報告します。ひとまず、治療例を増やすために(患者を募集するために)時期尚早でするがこのような未熟な形で掲載させていただきました。


上頚交感神経節ブロックの安全性について

本ブロックは私が開発したブロックです。詳細は「上頚交感神経節ブロック」の項目に記載してあります。安全性に関しては「私が行う場合」に限ってですが後遺症を残すような事例は、開始6年以上経過していますが0です。出血による血腫、感染、刺入部の痛みなども0です。神経損傷もありません。長期(1年以上)毎週の治療でも合併症はありません。


注射後にめまい、むせる、顔面神経の一時的な麻痺、嗄声は時に見られることがありますが数十分以内に回復します。注射後動悸が約1時間続いたという経験が1例ありました。よって心疾患がある場合は注意したほうがよいかもしれません。注射翌日にリバウンドとみられる後頭部痛の例が三叉神経痛の患者にあるなど、多少の副反応が見られましたがどれも大きな症状ではありません。抗血小板、抗凝固系の薬を服用している場合は脳出血などに留意しなければならないと思われますが、出血例は0です。ブロック後の体調不良も0です。私はほぼ毎週、自分の首に上頚交感神経節ブロックを行い、安全性の確認を続けています。


本ブロックでは既製品では最も細い27G針を用い、そして組織を損傷させないように極めてゆっくり安全性を確認しながら針を進め、そして液体の抵抗のないところで圧をかけずに注射しています。よって注射の痛みはほとんどなく、注射後の違和感も出血もほとんどありません。自分の首に注射しながら安全性を日々研究していますので。


星状神経節ブロックと上頚交感神経節ブロックの違い

星状神経節ブロックも上頚交感神経節ブロックも頸部交感神経節ブロックという意味で同じようなものです。しかし上頚神経節ブロックは通常の星状神経節ブロックとは異なり、両サイドに行います。両サイドに行ったことで呼吸困難が起こったなどの事例は0です。星状神経節ブロック後のようなのど周辺の違和感なども起こりません。星状神経節ブロックでは胸部の血流も上昇させますが、上頚交感神経節ブロックでは頭・頸部のみの血流を増加させます。そのため、血流が胸部に盗まれることがない分、頭部の血流増加の効果が高いと思われます。さらに、星状神経節ブロックは左右のどちらかの血流増加を行いますが、上頚交感神経節ブロックでは両側の血流増加が期待できる分、星状神経節ブロックよりも効果が高いと思われます。


今後、かすれ声、声が出ないなどの症状がある方は、ここに投稿していただきますと幸いです。症例が集まれば、本治療法はゆるぎないものとなるのですから。

頭部を切断して別人の体に移植する頭移植手術(脊髄性筋委縮症)


 

はじめに

脊髄性筋委縮症(SMA)は私が主にブロック治療をしているALS様疾患とは病態生理が異なり、その病気の主体が脊髄の前角細胞にあるとされていますがALS同様運動ニューロンの障害が原因です。そして第5染色体に病因遺伝子を持つ劣性遺伝病であり(遺伝子以上がない場合もある)、およそ先天病です。SMAでは遺伝的に神経細胞のアポトーシスを抑制する能力が低いことが考えられています。しかし、基本的に「どんな組織も血流が多ければ修復されやすい(アポトーシスが起こりにくい)という原則が適用されると思いますので、私は脊髄性筋萎縮症でさえ、ブロックにより前脊椎動脈の血流量を増加させてあげれば、前角細胞の壊死することを食い止めることが可能であり、場合によっては進行を停止、または改善させることができると考えています。その矢先に「頭を移植する」というニュースが世界で話題となったので医の倫理や、今後の運動ニューロン障害系の疾患の将来の展望について触れることにしました。


頭の移植ニュースの詳細

頭を切り離して別人の体にくっつけるという頭移植手術プロジェクト、コードネーム「HEAVEN/GEMINI」を現実のものとしようとしているのは、イタリア・トリノにあるアドバンストニューロモデュレーショングループの研究者セルジオ・カナベーロ博士。セルジオ博士は、2013年に発表した研究論文の中で頭移植手術についての概要と実現可能性を説明していました。(出典:コモンポストhttp://commonpost.info/?p=70998)


この頭部移植手術を受けるのは、ロシア人男性ヴァレリー・スピリドノフ氏(30歳)。第5染色体に病因遺伝子を持つ劣性遺伝性疾患である神経原性の筋萎縮症「ウェルドニッヒ・ホフマン病」を患っているスピリドノフ氏は、1歳のころに診断を受けてから全身の筋肉が動かなくなりました。さらに筋肉が骨格を補助しないため、成長とともに骨格が大きく歪んでしまいました。


スピリドノフ氏は、体をほとんど制御することはできず、介護がなければ生活することはできません。通常、ウェルドニッヒ・ホフマン病の患者は20歳まで生きることができず、スピリドノフ氏は常に死と隣り合わせの状態です。そのためスピリドノフ氏は、今後も生き続けるために頭部移植のチャンスに賭けたいといいます。

スピリドノフ氏は、セルジオ博士の頭部移植手術に関する記事を読み、2年前にトリノ大学を経由してセルジオ博士に連絡をしたとのこと。その後は電子メールを介して情報交換を行い、手術の計画を立ててきました。


「怖いかだって?もちろん」と語るスピリドノフ氏。「でも怖いだけじゃなくても興味深いものでもある。私には多くの選択肢がないことを分かってください。私がこの頭部移植手術のチャンスを逃せば、今後の私の運命は悲惨なものとなるでしょう。私の病状は刻一刻と悪化しているんです」と述べました。


セルジオ博士によると、1970年代にアカゲザルを用いた動物実験で世界初の頭移植は成功しているといいます。しかし当時の技術力では、背骨を脊髄を上手くつなぐことができず完全に成功したとは言えませんでした。そしてアカゲザルは、8日間を生き延びたものの合併症によって死んでしまいました。


ところが現代においては、体を低体温状態にする技術を用いて頭を切断して体に血管を縫合する時間を確保し、「シーラント」と呼ばれる特殊な膜融合物質を用いることで、脊髄をつなぎ合わせて頭と体を合体させることができると説明しています。


手術中、体の頭は”眠った状態”となり、頭は12℃~15℃という低温保存されます。また、首の切断にはメスを使います。手術の手順は、まず体と頭が低酸素状態で生存できるように、45分間かけて体温を18℃にまで下げて患者を低体温にします。次に、頭の提供者と体の提供者の首を同時に切断します。このとき、血管などの首の組織を丁寧に切り離し、最後に最小限の損傷となるように慎重に脊髄を切り離します。頭部と体が完全に分離されれば、異なる頭部と体を結合。この際、脊髄には組織の修復を助ける「シーラント」と呼ばれる膜融合物質のポリエチレングリコールが塗られます。そして最後に、接合部分の血管と皮膚と縫合します。


患者は脊髄が繋がるのにかかる3週間~4週間の期間、絶対に体が動かないように固定され、昏睡状態を保ち続けます。この期間、脊髄の接合を促すため電気刺激が与えられ、頭と体の拒絶反応を防ぐために薬物が投与されます。セルジオ博士によると、治療後、患者はリハビリをすることで言葉を話し、1年以内に歩行することができるようになるといいます。


この手術を行えば、体が全く動かせない筋ジストロフィー患者などが自由な体を手に入れられることはもちろん、遺伝子疾患者、ガン患者、治療法が見つかっていない疾患を患う患者など、臓器移植で助からないような容態でも体の交換によって健康を取り戻すことができます。また体を提供するドナーは、脳死状態となっている患者を用いるといいます。セルジオ博士によると、この処置には100人以上の医者が関わり、全ての処置に36時間を超える大手術になるとのこと。治療費は、850万ポンド(約12億5000万円)を要するといいます。


セルジオ博士は、このプロジェクトを実現するためにアメリカ・メリーランド州で行われた神経学と整形外科の学会で計画を発表し、賛同者を募集しました。もちろん、多くの医者から非難の声が上がり、技術的にも倫理的にも大きな論争を巻き起こしました。多くの非難を集めるセルジオ博士ですが「非難する専門家たちは35年間にわたって身体麻痺の治療に失敗し続けてきた」「彼らこそ”危険な科学者”だと確信している」としており、批判の声に全く動じてはいません。


頭部移植だというアイデアだけ聞くと、突拍子もなく非倫理的な手術だと考えてしまいますが、具体的にスピリドノフ氏の状況を知れば頭部移植に否定的な人でも一理あることを認めざるを得ませんね。頭部移植という野心的プロジェクトを「心臓移植や腎臓移植と同じで倫理的なもの」「300通りの失敗を超えて301通り目の挑戦で宇宙空間に飛び出した世界初の宇宙飛行士と同じ」と語るセルジオ博士。単なる移植手術というだけではなく、人間というものの存在の根底とこれからの人間の在り方を見極めるうえでも、今後も頭部移植手術には注目です。


治療は成功している、見ていないだけ

セルジオ博士は「非難する専門家たちは35年間にわたって身体麻痺の治療に失敗し続けてきた」「彼らこそ”危険な科学者”だと確信している」」と述べていますが、私は少なくとも四肢脱力(身体麻痺)の患者たちと関わり、ブロックを行って麻痺を改善させることが出来ています(詳しくは「ALS様症例の1年間の治療成績」をご覧ください)。私に言わせれば「身体麻痺の治療に失敗し続けてきた」という発言は「井の中の蛙」であり、成功者がいたとしても信じないのはセルジオ氏の方でしょうと言いたくなります。自分が12億5000万円もかけて手術をしようと考えている時に、ブロック一つで身体麻痺が治る可能性があることを他の医師が忠告したところで、聞く耳を持つはずがありません。しかし、自分が同じ病気にかかったとしたら、「ブロックで改善する可能性」「ブロックで延命できる可能性」を知ったらどうでしょう?


新たなからだに脳を攻撃される

現代医学はまだまだ発展していません。脳神経細胞が再生することも最近になって言われ始めているくらいです。それほど私たち人間はまだまだ無知です。脊髄性筋委縮症は遺伝子が関与していると言われていますが、明らかな遺伝子異常がない場合もあります。遺伝子異常があったとして、アポトーシス抑制がうまく作動しないとして…それでなぜ「前角細胞だけが壊死していくのか?」も説明できていません。そのくらい無知だということです。無知であるということを知れば、脊髄性筋委縮症3型(軽症型)に第5染色体異常がどの程度関与し、何が原因で軽症となるのか?さえもわかっていないことを認めるべきでしょう。


それほど「何もわかっていない」状況であれば「頭部移植をすれば、前角細胞のアポトーシスの問題が解決する」という思考があまりにも浅はかでしょう。確かに、頭を移植すれば下肢を動かす神経の前角細胞は全て他人の細胞となるので下肢機能はアポトーシスを起こさないでしょう。しかし、例えば首の切断をC5/6で行えば、前角細胞のおよそC1からC7は本人のものとなりますから上肢のアポトーシスは抑制できません。上肢筋を支配する前角細胞のアポトーシスを防ぐには延髄付近で切断しなければならず、それでは脊髄を接合する縫い代が足らなくなるでしょう。


また、拒絶反応を抑えるために免疫抑制剤を投与し続けなければなりませんが、その場合、宿主は肉体の方で、脳が異物とみなされます。その理由は造血する骨髄のほとんどが身体側にあるからです。つまり、生体肝移植などとは明らかに拒絶反応の現れ方は異なり、免疫によって攻撃されるのは、「脳である」という歴然とした事実が立ちはだかります。免疫抑制剤は肝臓や腎臓など、体の一部を移植した際に、大量に投与されますが、その標的は「たかが腎臓、たかが肝臓」です。しかし、頭の移植では、全身の血液が「脳」を攻撃するわけですから、想像を絶する地獄のような苦しみを味わう可能性があります。この手術が成功するかしないかにかかわらず、術後の患者の苦しみは地獄となる可能性を予想します。


急激なアポトーシスの進行

遺伝子に異常があるのであれば、神経細胞のアポトーシスは普通の人よりも過敏であることが予想されます。脊髄性筋委縮症は「前角細胞に特有」とされていますが、アポトーシスになりやすい状況は、前角細胞だけにとどまらず、上位ニューロンも普通の人と比べればアポトーシスをおこしやすいと考えてよいでしょう。そういう体質を持つ患者に、身体を移植すると、血液が頭部の神経細胞を攻撃しやすくなるので、アポトーシスに拍車がかかる可能性があります。つまり、手術が成功したとしても、新たな上位ニューロンのアポトーシスが起こる可能性が高まると考えます。セルジオ博士は頭を移植して自分が歴史に名を残すことしか考えていないでしょう。だから、患者の病的な体質に関しては全く気にも留めていないと思われます。


患者を選出する際に「移植を承諾してくれる患者であれば誰でもよい」わけであって、患者の病的な体質は全く考慮にいれていないと思われます。なぜなら、この患者がわずかに1週間生き延びただけでも、歴史に名を残せるわけであり、この患者が免疫に「脳細胞が攻撃される」ことや「攻撃された際に他の一般の人よりも神経細胞が死滅しやすい」ことなど想像していないと思います。人として幸せを感じて生き延びることなどどうでもよいことであり、ただ単にセルジオ博士にとっては「頭と体を接続して数週間生き延びた」だけでいいわけです。


患者はアカゲザルではない

セルジオ博士はアカゲザルで頭を移植し、1週間生存させたことで一躍有名になったわけですが、アカゲザルは健康な頭と健康な身体の接合です。しかし、脊髄性筋委縮症の患者の場合、健康な身体と遺伝的に不健全な脳(神経細胞)との接合であり、移植された後に脳が障害を起こしやすいということを計算に入れてないと思います。


ナチスドイツを彷彿させる

戦争中は医学が発達すると言われます。捕虜を用いて様々な人体実験が可能だからです。倫理的に許されない手術や実験が平気で行われ、そのおかげでこれまで不明だったブラックボックスが解明されて医学が大きく進歩すると言われます。私たちは「治すために治療」するのであれば、倫理的に問題はないと思われます。しかし、今回の手術は「実験するための手術」と言われても否定できません。それはステップを踏んでいないからです。


「どの血管とどの血管を吻合させるべきか?」「手術の手順の優先順位はどれがベストか?」「人工心肺などを用いるタイミングやどことどこを人工心肺につなげるか?」「低体温でどこまで耐えられるか?」などなど、一つ一つの安全性確認があまりにもない状況で手術をするわけですから、それは治療ではなく「実験」なのです。さらに、患者は遺伝子異常のために、普通の人よりも脳細胞が死にやすいはずです。そうしたことをセルジオ博士は考えておられないでしょう。まさに、彼は実験したくてうずうずしており、その昂揚感でいっぱいで、「患者の幸せ」など考えている様子はないのではないでしょうか。


自殺願望と実験願望

医師は患者が承諾しなければ治療することができません。余命があまりない、からだが動かない、治すための選択肢がないという状況では一か八かのかけを考えるでしょう。しかし患者がこの手術を受けることは、今の医学レベルでは「自殺願望」とみなされ、セルジオ博士にとっては治療ではなく「実験願望」とみなされます。互いに「命を軽んじていること」という意味で共通しています。人の痛みがわかる医師に、このような手術はできません。


治療と呼ぶにはステップを踏まなければなりません。最低限、安全性に関するステップを踏むのが治療なのです。手術自体を非難しているのではなく、現医学水準では安全を確保することが不可能という時代にこの手術をすることに無謀さを感じます。


今ではアメリカ合衆国がアポロで月に着陸したことは、国家戦略的な嘘であったことは衆知のようですが…。もしも本当にあの時代にアポロで月に向かったら、どうなっていたでしょう? まずは月に向かう前に放射能汚染された宇宙帯を通らなければならず、飛行士は大量に被曝しておそらく死亡したでしょう。また、月の引力は地球の6分の1ですが、それでも、月に着陸してしまうと、月の引力からは脱出できない(脱出するほどの燃料を積むことができない)ので地球に帰ることは不可能だったでしょう。それ以前に、着陸の衝撃を耐えるだけの逆噴射できる燃料もなかったでしょう。つまりあのころの科学は月に行けるほどの水準ではなかったのです。


今回の頭の移植手術も同様です。100年後には行えるようになっているかもしれませんが、今はまだ医学の水準が頭の移植手術ができるほどに発展していません。


身体麻痺はブロックで

私はいまだ進行する前の軽症の段階での身体麻痺に対し、ブロック治療でそれなりの成果を挙げています。しかしながら、進行しきって筋電図や髄液検査、MRIなどで異常を認めて確定診断がつくところまでに達した患者の身体麻痺を治せるかどうかはわかりません。できるなら、身体麻痺は進行する前に早期加療を目指すべきだと思います。そして早期加療としてブロックが有効であることを世界に知らせて行かなければならないと痛感しました。

医学で米国より先に進む方法

はじめに

第二次世界大戦前、医学の最先端を行く国はドイツであった。その最先端技術を取り入れるために世界はドイツ語を学んだ。だから医学用語にはいまだにドイツ語が残っており、例えば酸度をあらわすphは「ペーハー」と呼ぶ。第二次世界大戦後、アメリカ合衆国が医学の最先端を行くようになったため医学用語には英語が用いられるようになった。米国の最先端医療技術が日本で実用化されるまでには種々の理由があって10年はかかる。つまり日本は米国より10年以上遅れた医療を展開することになる。しかし、米国には致命的な理由があってどう逆立ちしても日本よりも先に越せない分野がある。つまり日本が米国より医療技術で先に行ける方法がある。ここではその方法について述べる。


日本の医学はT大官僚制

日本の医学制度を牛耳るのはT大であることは衆知だろう。どこの医大も学長はT大卒が多く、学長ではない普通の教授もT大卒の割合が多い。その理由はT大が官僚とのつながりが強いためT大卒の教授ほうが行政を動かす(資金繰りや法制の網の目を抜ける)ことに都合がよいからである。T大の縦のつながり、横のつながりは想像以上に日本に強く根付いており、日本の医療制度を動かすためにはT大卒の教授をトップにしておくほうが都合がよい。そして最大の都市である東京都、公的な病院を牛耳るのもT大である。よって医学部の教授になるためには実績よりもT大卒であることが優先されやすいという実情がある。東京近郊の私立医大もT大卒の教授が多いので教授の選出投票ではT大卒の方が勝ちやすい。まさに「教授を目指すのであればT大」という図式が日本では出来上がっている。日本の医学界で出世したいのであればT大医学部に入学が必要条件であり、入学するためには幼少の頃から勤勉である必要がある。言い換えると医学界での出世はすでに幼少期に決定すると言える。


医学官僚制は資本主義からかけ離れる

日本の保険法制では、資本主義の自由原理が働きにくい。日本では保険制度は共産主義が貫かれており、生活保護受給者でさえ日本で最高の権威のある病院で最高の技術を用いた極めて高価な手術をほぼ無料で受けることができる。大企業の大金持ちと生活保護の患者が全く同じ医療」を受けるのが日本という国の習慣である。これは弱者優先とも言える共産制度であり、生活保護者・高齢者。児童の方がお金を稼ぐ労働者たちよりも手厚い医療を受けることになる。その理由は彼らが「何曜日でも病院に通うことができる」からである。そしてお金は保険がほぼ全額支払うので病院側としては「もっとも金払いのいいお客様」になるからである。医療費が高額になってもそのほぼ全額を保険側が負担するので患者は「お金の浪費感が皆無」となるため、「高額な医療を受ければ受けるほど得」という原理が患者と病院側双方に働くようになる。生活保護者・高齢者・児童は病院と蜜月の関係にある。よって日本ではお金持ちよりもお金を全く生み出せない患者の方が手厚い医療を受けられる状態となっている。これは極めて資本主義からかけ離れており、極めて善意の共産主義(弱者にこそ最高のお金を掛ける)となっており、そこには競争原理が働きにくい状況が発生している。


競争原理とは「よい医療を行うと病院側の利益が上がる」という原理を意味する。資本主義では「素早く完治させることのできる優れた医療技術ほど高価」であることが当然である。しかし共産主義では「治さない治療で延々と通院させる医療技術ほど高価」となる。しかも、混合治療が許されていない現在、金持ちがいくらお金を積んだところで「同じ医療」しか受けることができない。お金を積んで贅沢が許されているのは日本の法制では「差額ベッド代」のみであり、「豪華なホテル級個室で医療が受けられる」というだけのことになっている。肝心な医療技術となるとどんなお金持ちであっても身分が高くても「生活保護受給者」と変わりない内容になる。


「日本という国に生まれたことを感謝しなさい」と私はよく「後期高齢者」に説教している。なぜなら、高額な医療を受けることに「もうしわけない感」さえ持っていない患者が多いからである。自分のふところが痛まないからと言って、湯水のごとく高額な医療を受けようとする彼らの態度に怒りを感じてしまうことがある。


ここに挙げた例はほんの一例にすぎない。日本の医療制度は弱者を利用して国からお金を吸い上げるシステムとなっていると言われても反論ができない。事実、弱者ほど病院にとっては「おいしい患者」となる。その制度を作っているのは官僚でありT大卒者たちである。なぜそうした共産主義の医療制度を彼らが作り上げたのか? その理由をここでは追求しないが、共産主義はそのシステムを牛耳る者が民衆を完全支配できる。支配者側だけが特権を得られるのが共産主義国家の特徴である。こうした特権システムと密接につながりがあると思われる。つまりT大卒が民衆を「健康、つまり命を媒体として」支配でき、官僚(支配者側)が特権階級者となれることを意味する。資本主義ではお金を媒体に競争原理が働くため「安定は崩れ競争が激化」する。そうなるとT大を頂点とした支配体制が崩れてしまう。その辺が関係あるのではないかと私は推測する。


保険制度は治さないほど儲かる

共産主義医療体制の短所として、「患者を治さない、弱者を囲う」ことが医療従事者に最大の利益をもたらすというものがある。それが日本の医療制である。日本の医療制度を悪いとは言っていない。そのおかげでどんなに貧しい人でも最高水準の医療が受けられる。それはそれは慈悲深い国であり神様仏様の国と言っていい。しかし、高齢者の病気はほぼ治らないので、まさに高齢者を手厚く接待することで病院は国からお金をいくらでも頂戴できてしまう。しかも高齢者は職がないので毎日でも病院に通うことができる。まさに高齢者は病院に富をもたらす。超高齢化社会の日本では、弱者である後期高齢者の人口割合があまりにも増えた為、後期高齢者を利用して国からお金を引き出す商売が生まれてしまったのである。官僚たちもそこまで予期できなかった。


さて、単純に考えてほしい。あなたが開業医の立場であったとして…来院した高齢者を初診で1回の治療で完治させてしまったとする。これでは経営が成り立たない。「治さないで何日も通院させる」ことが儲ける方法である。この経済原理が働いているうちは「即効で完治させる治療法を開発しよう」という意志が生まれない。つまり、現在の保険制度では「開業医から新しい治療法が開発される」という状況にならない。これが日本に世界最先端の医療技術が生まれない理由となっている。競争原理が働かないからである。一方アメリカでは国家の保険制度がとっくの昔に破綻しており、代わって民間の保険会社が医療費を支払うシステムになっている。つまり「よい医療を行えば、儲けが増える」という資本主義になっている。お金をかければかけるほど最先端の技術、そして最高の技術を持った医師に即刻診てもらえる。そして最高の治療技術を持った医師は大金を稼ぐことができる。よって医師は「患者を早く治す最先端技術」を身に着けようと切磋琢磨する。だから米国の医療技術は世界の頂点を走ることにつながる。


高い技術が全く評価されない日本

日本の医師は自分の治療技術をどれほど極めても「給料は一緒」という不遇が待ち構えている。そしてさらに、「どれほど高い治療技術を身に着けても出世は不可能」という不遇も待ち構えている。この二つの不遇を医師の立場で言い換えると「高い技術と知恵を身に着けるほど自分の技術の単価が安くなる」→「高い技術と知恵を身に着けるほどプライドが傷つく」ことになる。よって日本の医師が真に高い治療技術を身に着けようと思えば「早期にプライドを捨て去る」という精神修行が必要になる。つまり自己犠牲である。日本人医師の技術力は自己犠牲なしでは高まらないという宿命を帯びている。まさにサムライ日本である。私はサムライの医師たちを知っている。自己犠牲の極地に立つ医師たちを知っている。そしてほとんどのサムライ医師はT大卒ではない。T大卒の医師に「早期にプライドを捨て去る」ということは不可能だからであろう。よって最高の治療技術を持つ医師はほぼ必ずT大卒以外となると思われる。陛下の心臓手術を行った医師のことが記憶に新しい。この法則が正しいかどうかは、実際に世間を見渡せばわかることである。もちろん、T大卒の医師は優秀であることは認識している。しかし、官僚体質が邪魔してしまいサムライが育ちにくいのではないかと分析する。


官僚制度が医師の成長を妨害

私はおそらく注射技術では日本でトップクラスであることを自覚している。それは他の有名な医師たちの治療で治らなかった患者たちを注射1本で次々と改善させていくことで実感しているだけであり、コンクールに出て優勝したからではない。あしからず。さて、トップクラスに昇るのは「それほど苦労がなかった」ことも実感している。私がこのHPに書き溜めた論文の数々は、最近8年間で作成したものである。たった8年で誰の手も借りずにトップクラスに昇ることができるわけだから「それほど苦労がなかった」と言える。スポーツ・芸能界や芸術界と比較すると、極めて少ない労力でここまで来ることができた。


最初に断っておくが自慢話をしているわけではない。私は日本という国で自分の医療技術の自慢をしても「一切得にならない」ことを熟知している。自慢ではなく、事実、自己犠牲を承知で治療技術を研究した結果、あまりにもあっけなくトップにたどりついてしまうことに対して、違和感を抱いた。


なぜなら、医学界は頭脳労働の頂点を極め、勉強に研究に精を出しつくした者たちの集まりであり、それほど頭脳競争が激しい場所で、こんなに簡単にトップに行くのは「何かおかしいのでは?」と感じた。その疑問が今解けたのである。「官僚制度が医師の成長を妨害している」ことに明解に気づいた。


日本の医療は共産制となっている(これは開業して初めて気づいた)。医療技術の全てが保険請求手技の中から選ぶしかないという状況なので、「この病気にはこの治療を何回まで」と決められている。つまり病名が決まれば治療法も回数も決められていて、全国どんな医師が治療しても、その治療法は一律「同じもの」となる。医師が教授であれ日本医師会の会長であれ、一般開業医であれ、「病名と治療法」が明確に決められていて「保険制度が決めている医療行為以外のことを行えば厳罰に処す」という構えになっている。だから新しい医療技術を開発する余地がなく、どんな名医であったとしても決められた治療しかできない国となっている。共産制なので医療技術が均一化されており、「出る杭は打たれる」ことになっている。「出過ぎた杭は厳罰に処す」体制でもある。


つまり医師たちは自分の技能を磨くことを国の法律で禁じられているに等しいわけである。もちろん、保険制度に逆らい、全て自費で行うと言うのであれば医師は法律の枠の外に出られて自由である。しかし、自費診療では患者が来なくなるのでまさに「自殺行為、自己犠牲」の極みである。私の言いたいことがわかっただろうか。私が「自己犠牲を武器」に医療技術を磨いてきたが、それほど苦労なくトップに立てた理由が、他の医師たちは「成長を止められている」からだった。それに今やっと気づくことができた(何と気づくのが遅い!)。


日本は教授天国

日本の保険制度は共産主義であることは前述した。共産主義は民衆、特に貧困層にアメを与えて支持を得て、支配者階級が絶対的支配権を得るために存在することは今では常識となっている。言い換えればT大卒が絶対的支配権を得るために保険医療制度が共産主義のまま維持されていることは有利と考えていいだろう。


さて、医学部の教授はその絶対的支配権の象徴である。一般の企業では絶対に許されていない「医局員を自由にクビにできる権力」「博士号をニンジンにして自分の利益になる研究だけをさせていく権力」の絶対的権力が与えられ、それは労働基準法の法外に置かれている。よって医局員は全員がイエスマンとなる。医師というエリートたちを自分の奴隷のように扱ってよい権限は、男のロマンであろう。おそらく県知事になるよりも快感が大きいのではないだろうか。


そして教授にのみ「新しい治療法開発」の権限が与えられていると言っていい。大学内は治外法権。つまり保険制度が厳格には適用されない。倫理に反しない限りほぼ何をやっても許される場所である。正確には保険制度が適用されていないわけではなく、保険の監査が甘くなるように仕組まれている。大学は保険の監査から逃れられる聖地(安全地帯)である。よっていくらでもごまかせるという意味である。だから新しい治療法を研究し、医局員の力を借りて論文を立派なものに仕上げることができ、それを有名雑誌に発表して名誉を上げて行くことができる。


そして、日本での最大の恩恵は…他の医師たちが去勢されているということ。教授以外の医師たちは自分の意志で保険外の治療を行うことは非常に困難な状況である。だから新しい治療法を開発することはなかなか難しい。大学でのみ新しい治療法が開発される。よって教授は少ない労力(競争力)で日本トップの権威と業績を得ることが出来てしまうという仕組みがある。T大卒であればそうした特権へのレールが敷かれている。そして保険制度を牛耳るのもT大卒である。まさにT大が他の医師の成長を妨害し、T大卒の医師が教授になりやすい母体を作っていると言えるかもしれない。それを強固にしているのが保険の共産主義制度と言えるだろう。


何もそれが悪いと言っているわけではない。そのおかげで日本は慈悲深い国となっていることは素晴らしい美徳である。だがそれは日本に潤沢な国家予算があることで初めて可能なことであることを認めなければならない。日本は莫大な赤字を抱えている状況であり、このままでは保険制度によって国が食われて倒れてしまう。よって保険の共産主義は終焉に近づいていると思われる。


混合診療は妨害される

国は混合診療解禁に向けて動き出している。が、それが阻止される理由は明白である。T大を頂点とした医療の支配体制が崩れるからであろう。混合診療が解禁になれば、お金を持った者がよい医療に高額な治療費を支払うようになる。そうなれば医療技術の高い医師が有利になり、T大卒の医師が有利な世界が消滅する。医師であれば誰もが医療技術の向上を目指して治療法を競って開発する時代となってしまう。治療法開発はこれまで教授の専売特許であったのに、それが民営化されるに等しい。T大卒であれば教授になれた時代が終わる。医療の自由競争が始まる。官僚の解体である。当然ながら混合診療の法案は妨害される。しかしその妨害も財政赤字には勝てないかもしれない。


サムライ医師にしかできないこと

保険制度が根強く息づいている現在において自己犠牲を武器に医療技術を磨くことは「真のサムライ」にしかできない。そう、天皇陛下の心臓手術をされた天野先生のようなお方がサムライであると思う。サムライ医師が全国の各地に少数だが存在することも知っている。彼らは自分の命を削って腕を磨き普通の医師にはできないような高度な技術で患者を治療する。だが、彼らはその「あり得ない程優秀な技術」を持っているにもかかわらず、あまりにも不遇な人生を歩んでいる。命をすり減らしているのに給料は普通の医師と一緒。そして権威も何もない。まさに不遇であるが、彼らは不遇を武器にしている。


こうした不遇を武器に自己犠牲で技術を磨いていくことは米国の医師たちの精神では無理である。米国の医師たちは資本主義に毒されており、不遇。不経済を極めてストレスに感じる国民性を持っている。技術があれば認められる世界に生きていると、技術を磨いても全く評価されないことに耐えることができない。よって日本のサムライ医師は米国の医師には逆立ちしてもできないようなことができる。サムライスピリッツがないと治療できないものがある。その分野では日本が米国を抜いて世界の頂点に立てる。その一つのヒントが信頼である。


日本のサムライ医師は神である

お金儲けを考えず、相手の身分も関係なく、ただ目の前の患者を全身全霊で治療する医師の姿は患者の心を打つ。そこには米国の医師と患者にはあり得ないような信頼関係が生まれる。サムライ医師は自分のことを神とは絶対に思わない(プライドを捨て去っているから)が、逆にその姿勢が「神」である。一方米国ではお金を媒体として医師の治療が存在する。つまりビジネスである。どんなに優れた医師でも「神」ではなく商売人に落ちてしまう。そして医療ミスを起こせば即刻訴訟される。米国医師はお金に関してハイリスクハイリターンである。


ところが日本ではサムライ医師は患者との心の信頼関係を築くことができる。そのため患者は理屈抜きでお金抜きで意志を信頼し、自分の体を実験体として差し出す傾向がある。


例えば「私は認知症をブロック注射で軽くさせる技術を持っていますが、やってみますか?」と患者に問いかけたとする。米国なら「ブロック注射が認知症に効果があるわけないでしょう。エビデンスはあるのですか?」と返答されるところを、日本では「先生が治療して下さるならぜひお願いします」となりやすい。これが信頼関係である。私はそうした信頼関係から、様々な治療法をあみだすことになる。認知症・脳梗塞治療から耳鳴り・ALSの治療まで…難治性のものを軽快させることができるようになったきっかけは信頼関係である。信頼関係がなければそもそも新しい治療を患者は受けてくれない。


米国の医療技術は日本の10年先を走っているが、おそらく私の医療技術は米国の10年先を走っている。それは自己犠牲からしか生まれない治療法があるからである。米国の医師に自己犠牲は難しい。


米国線維筋痛症学会は斬新な発想を次々と提唱し、痛みの原理を解明しようと頑張っているが、私はすでに「解明ではなく治療」に駒を進めている。彼らが治せない線維筋痛症の症状も、一歩進んで治しにかかっている。一歩先に治療の駒を進められるのは患者との信頼があるからである。私も「自分を信頼してくれる患者を責任を持って治療しよう」とするのできちんと研究せざるを得ない。だから米国にはないような調査・研究を米国にさきがけて行える。サムライ国家日本ならではの最先端医療技術が、おそらく全国各地のサムライ医師の元にあると信じている。ただし、それらの技術は共産主義の保険制度、それを支える学会の圧力で表には出ない仕組みになっている。私はそうしたサムライ技術をなんとかして抽出し、発表していきたいと思っている。


サムライ医師が出世できる時代

サムライが不遇である時代をどうにかして打開しなければと思っている。自己犠牲はさすがに悲惨である。寿命も短縮する。それを可能にするのが混合診療解禁であると思われる。そして若い医師たちはたった今からサムライを目指して修行してほしいと願っている。サムライが世界に出る時代を作り、日本が医療界で世界のトップに立つ世の中を見てみたい。私が生きているうちにかなうかどうかはわからないが、サムライ医師にはそのくらいのパワーが秘められていると信じている。

捻挫後に長引く腫れへの対処法(自己免疫性関節炎)

外傷後自己免疫性関節炎(新しい病気の概念)

 はじめに

手や足・指などを捻挫した後に腫れや痛みが数ヶ月経過しても引かないということが経験上、全捻挫受傷者の約1割前後に存在すると思われます。加えて捻挫した箇所の周囲にまで腫れが拡大し、腱鞘炎やコンパートメント症候群様のしびれなども出現することがあります。症状が軽快しないどころか、炎症が広がっていく1割前後の捻挫患者では、意外にも見た目には軽度から中等度の腫れや出血の捻挫であり、重症に見えないという特徴があります。よって担当医には「たいしたことがない」と思われ、患者は不安を募らせて他の病院にセカンドオピニオンを訊きにまわるようになり、医者不信になるようです。このような外傷後の炎症の拡大にはおそらく患者の自己免疫に問題があると思われます。つまり自己免疫に過敏性のある例に発症しやすいと推測します。全く新しい概念です。しかしながらリウマチやSLEなどの検査では陽性となることがほとんどなく、採血データでは診断がつきません。そこでこれらの病態を外傷後自己免疫性関節炎と名付けその仕組みを推測し、治療法について述べたいと思います。


外傷後自己免疫性関節炎の概念

捻挫や打撲などの外傷後、外傷部位を中心として関節炎、腱鞘炎、滑膜炎、などを起こし数ヶ月以上腫れや痛みが引かない状態。かつ痛風結節が否定的で明らかな原因がない場合本疾患を考えます。CRP陽性や補体価が上昇することもありますが膠原病に特有な抗体は陰性のことが多い。自己免疫の過敏性の原因として金属アレルギー、シックハウス症候群、病巣感染などの後天的な要素も考えられますが、多くは先天的な自己抗体の過剰反応に起因していると思われます。


診断基準

  • ・捻挫後6週間以上経過しているのに腫れや痛みが全く治まらない
  • ・外傷の箇所の周囲や対側にまで不可解な炎症(滑膜炎など)が広がる
  • ・関節腫脹がある
  • ・コンパートメント症候群を合併することがある
  • ・「透き通るような白い皮膚」の外観がある(自己免疫過敏性により皮膚のターンオーバーが早くなっているため)。
  • ・朝のこわばりの経験がある
  • ・腱鞘炎の既往がある
  • ・痛風や感染症が除外できる
  • ・腫れや出血などの見た目による重症度が軽度から中等度

病態生理

過敏な自己抗体(膠原病体質)があり、外傷をきっかけに自己抗体が活性化され、局所の滑膜・腱鞘などに強い炎症を引き起こすと思われます。過敏な自己抗体は先天的なものと後天的なものがあると思われます。先天的なものを私は膠原病体質と呼びますが、現在の医学水準ではその体質を診断できるツールがありませんので「膠原病」とは診断不可能です。世の中にはこのように「自己免疫の過敏性を持ちながら各種膠原病とは診断されない」膠原病体質の人が膠原病の診断がついた人の何十倍もおられると思われますが、現医学水準ではそれを病気として診断できないことが悔やまれます。異常はあっても診断がつかない過敏な自己抗体を持つ人がたくさん存在することを広く認識していく必要があると思います。おそらく補体価などがわずかに上昇していると思われます。


自己抗体が過敏であると細胞のターンオーバーが全体的に速くなります。そのため目に見える皮膚細胞は「透き通るような白い皮膚」であることが多いでしょう(ターンオーバーが早ければ若い細胞の割合が増えるからです)。よって自己抗体過敏体質の人は肌の見た目年齢が若く、青白い皮膚をしている傾向があります。この特徴により、見た目である程度わかります。


後天的には金属アレルギーやシックハウス症候群、病巣感染など、アレルゲンが原因で自己抗体が過敏になっている場合を考慮します。過敏な自己抗体が捻挫をきっかけに損傷した細胞に過剰な貪食活動を開始すると同様な病態になると思われます。後天的な自己抗体異常ですが、実際の診察室で捻挫後に痛みと腫れが遷延している患者を診て、アレルゲンが原因だと推測する整形外科医は世界を探しても皆無と思われますので、本疾患は決して見つからない(診断されない)と思われ、自己抗体の過敏性を証明することは現医学水準では不可能でしょう。ですが、実際には少なくないと思われます。


自己抗体が過敏であると損傷した組織周囲に過度の炎症反応が起こり、その炎症が関節、または関節周囲に波及します。症状は腱鞘炎、滑膜炎、関節炎、コンパートメント症候群などを複合します。そしてこれらの炎症が摩擦を上昇させ、炎症が引きにくい状態となって慢性化します。また、痛みは交感神経を興奮させ、血管を収縮させるために阻血状態となりやすく、筋・腱・骨組織が萎縮します(必発ではありません)。


外傷後自己免疫性関節炎の治療法

関節内ステロイド注射(ケナコルトなど)が著効し、一度の注射で腫れが速やかに劇的に消退します。基本的には腫れと痛みの強い箇所+関節内注射を行います。ステロイドの軟膏も有効でしょう。本症と診断されない場合でも、捻挫の痛みが遷延する場合、ステロイドの関節内注射は早期回復に極めて有効ですから捻挫後4週経過しても痛みと腫れが引かない場合、8週間待ってから注射治療する必要はなく、4週経過の時点で関節内注射などを行えばよいでしょう。鑑別すべきは感染症、痛風などですが、感染症の場合は熱感と発赤が強く出ますので、それがないようならステロイドを用いてもよいでしょう。


外傷後自己免疫性関節炎の問題点

捻挫などの外傷後に関節周囲が腫れていたとしてもそれを自己免疫の過敏反応であると診断する医師は皆無です。よって本症の発見は常に後手に回ると言えます。つまり腫れている理由がわからないまま長期間放置され、痛み反射が交感神経を刺激して血行不良を起こし、筋萎縮・骨萎縮などをきたします。早期にステロイド(ケナコルト2.5mg~5mgなど)を関節内・腱鞘内注射すれば萎縮せずに済んだものを、放置させて萎縮させることになるのが通常でしょう。そうした被害者を一刻も早くなくしていくことを目的として、本疾患の存在をここに発表しました。そして本症は日常難病を多く診察している私の勘から発見した病態ですから社会的な信憑性が低いことが問題点です。これを読んだ医師たちの投稿を寄せ集めることで科学的な証明となりますので、医師・患者様の投稿をお待ちしております。


捻挫後長期腫脹・疼痛の方々へ

捻挫などの外傷にステロイドを用いて早期に治療するという考え方が現医学にありません。しかし、痛みと腫れが強いままで放置すると関節周囲の組織が萎縮し、回復が大幅に遅れます。よってステロイドを使用できる医師を探し出すことが早期治療の条件となります。本症と類似の病状をお持ちの方はぜひ私にご一報をいただけると幸いです。私に治療させてください。ご連絡お待ちしています。

スポーツ外傷救済のステロイド治療

はじめに

スポーツは心・技・体を極めることで一流となることができますが、健康力が最終的に選手生命を握ります。故障との戦いです。そこでプロスポーツ選手の多くは整形外科医と関わり合いを持つことになります。しかし現医学は病気を治すことで発展した学問ですから「普通に生活する分には問題がなく、激しく体を動かす時のみに症状が出る」というものを治すのには適しません。最近では選手がそのことに気づき、整形外科医のアドバイスから離れ、西洋医学以外の治療法を選ぶようになってきています。ここではさらに西洋医学から外れ、西洋医学ではタブーとも言われるステロイド療法を紹介します。ステロイドは「諸刃の剣」的な治療法であり、効果は高いのですが副作用も強く、そのさじ加減が難しいため使い勝手が悪い薬です。しかし、効果のみを発現させ副作用を厳密に管理して抑制していけば、スポーツ選手にとって救世主になります。


スポーツ病理を考える

スポーツなどにより肉体を損傷させる時、組織は摩擦・圧力・牽引力などの物理的な力によって破壊されます。破壊された部分では小さな出血が起こり、炎症メディエーターが分泌されて組織が浮腫を起こします。この浮腫のおかげで周辺組織の圧が高まり出血が止まるという良いことが起こります。しかしながら浮腫のおかげで炎症メディエーターが局所に滞在するということが起こり、痛みがなかなか引かなくなります。


さて、怪我をしてもはじめはそれほど痛みが強くありませんので、我慢をしながら動かすことができます。しかし浮腫を起こした付近は内圧が高くなっていますので少しの動きで強い摩擦が起こります。この摩擦がさらに組織を損傷させ、痛みがさらに強くなり、無理をしていると結果的に動けなくなるところに行きつきます。よって基本的に「動かして治す」という方法は現医学にはありません。動かした方が治ることもありますが、それは後で述べます。


関節の痛みの仕組み

関節内はかなりデリケートな作りになっており、わずかな凸凹でも関節が崩壊していくきっかけとなります。これはおおげさな話ではありません。例えば、自転車のサドルに小粒の石ころを一粒置き、その上にお尻を乗せて運転してみるとその意味がわかります。たかが小さな粒ですが、臀部や坐骨に粒が食い込み、5分として運転を続けられません。もしもそれを我慢して1時間ほど運転すれば、臀部は出血し、当分の間自転車に乗ることができなくなるでしょう。


ここでイイタイコトは、スポーツによる組織の小さな傷は、サドルの上に置いた小さな粒と同じ意味であり、この粒は医学的には「問題にならない」程度のものですが、スポーツ選手には致命傷になるということです。関節内ではわずかな傷がわずかな隆起を生み、それが原因で1点に強い圧力がかかるようになるでしょう。筋や腱でのわずかな傷は1点に強い摩擦を生むでしょう。これが基本的なスポーツ外傷の病理と推測します。軟骨、滑膜、半月板、線維軟骨などが損傷し、そこにわずかな起伏ができれば軟骨と骨の一部に強い圧力がかかるようになります。この圧力が強い痛みの原因となると考えます。したがってスポーツ外傷の治療は「いかに早急に圧力や摩擦をとりのぞくことができるか」に集約されます。筋肉を鍛える前に、小さな粒を除去しなければなりません。


微小な傷が大きな凹凸となる原理

先ほど述べた「サドルの上の粒」では医学的には画像にも何も映らないレベルでしょう。粒の大きさが1ミリ程度であれば、痛みをこらえて自転車を運転し続けることができます。しかし、人の体内では1ミリのままでは終わりません。粒が成長します。それは粒が周囲を傷つけるせいで粒の周囲に出血や炎症性の浮腫、不良な肉芽を作るからです。粒の周囲が腫れると、少しの振動でも少しの摩擦でも強い摩擦力・強い圧力が生じるようになります。こうして雪だるま式に炎症範囲が広がり、微小な傷が組織全体の大きな傷となっていきます。大きな傷はさらにその近隣組織との摩擦を高めますので近隣組織にも炎症を引き起こします。それでも試合中は運動をやめることなどできません。


スポーツ外傷の治療原則

1:早く治すことが最大の目的

整形外科医の多くが理解していないのがこの原則です。選手がスポーツをやめ、長期間かければ誰でもほぼ自然治癒します。手術の必要もありません。時間をかけて治すのなら医学は不要です。つまり、スポーツ医学は早く治すことを目的としています。しかし西洋医学では「早く治す方法」は研究されていません。だからスポーツ選手は西洋医学離れをします。外傷の基本は安静(Rest)、冷却 (Ice)、圧迫(Compression)、拳上(Elevation)ですが、この考え方では早く治すことは不可能です。

2:最優先は腫れを引かせる

外傷は痛みを伴います。そして除痛することが治療の原則のように考えがちです。しかし、最終戦は腫れ・浮腫をひかせることです。痛みは結果であり、全ての原因は腫れにあるからです。スポーツ外傷を治すには全力で腫れを引かせる治療をすることです。後で述べますが、腫れを引かせるための体内の物質は副腎皮質ホルモン(ステロイド)です。よってステロイドを用いた治療が最速でスポーツ選手を治せる手段となります。しかし、ステロイドは副作用が多く使い方が難しいので、その治療法研究に蓋をしてしまっているのが現西洋医学です。蓋をしてはいけません。しっかり研究すべきです。

3:痛みに逆らってはいけない

痛みを除去することに必死になることは極めて愚かなことです。痛みこそが「早く治すための指針」であり、痛みが来ないように運動することが極めて重要だからです。痛みは健康のためのコーチであり先生です。逆らうことは最も愚かであると肝に銘ずるべきです。逆らうのではなく痛みが来ないように動くのです。そういう意味で治療としての「安静」はあまり意味がありません。痛みが来ないのであれば安静にしている必要がないからです。痛みが来ないのなら動かしもよいですし、むしろ動かすことで血行が良くなり早く治ります。痛みは嫌うものではなく、ありがたい治療指針です。

4:痛みの種類を区別すること

痛みが局所の炎症で起こっている場合と、神経系が損傷して痛みが誇張されている場合を区別しなければなりません。整形外科医にはほとんどそれができません。もちろん選手本人もわかりません。画像にも検査にも出ません。痛みが神経系から来ている場合、その痛みは誇張されており、局所を安静にしても意味がほとんどありません。もちろん手術しても治りません。選手や医師が誤解してしまうケースが非常に多いと言えます。肘・膝・肩などの痛みが、脊椎が悪いために誇張されている場合、治すのは肘・膝・肩ではなく脊椎なのですから。神経由来の痛みの場合、局所の皮膚の色や張りに健常側の皮膚とは異なる様子がうかがえます。温度も低下します。そこには交感神経の異常が加わっています。こうした複雑な痛みを区別して治療しない限り、早期に治癒することは不可能です。

5:あせりとリスクは表裏一体

整形外科医は外科医ですからしばしば手術治療を勧めます。最も早く結果と答えが出せるからです。しかし、手術などの侵襲的な治療はリスクに飛び込んでいることになることを自覚しておくべきでしょう。原則1で「早く治すことが最も重要」と述べましたが、あせって治療すると悪化するリスクも考えておかなければならいません。筋トレをして治すという方法がありますが、これもあせり心のあらわれであることを自覚しておいてください。やってはいけないというわけではありませんが、早く結果が出るものはそれなりにリスクがつきものです。そこから目をそらさないでください。


 スポーツ外傷のステロイド治療理論

 

ステロイドと自己免疫のバランス論

ここで重要なことは「ステロイドは怖いものではなく、体から生産されている必要不可欠なホルモン」であるということです。外傷部分では自己免疫の活動が活発過ぎる傾向があり、この「過ぎる」部分をステロイドで抑えてあげると傷がスムーズに治ります。しかし、無闇にステロイドを使用すると正常な免疫活動(壊れた細胞を食する活動)までもが抑えられてしまい組織内に線維化などのゴミがたまるようになり機能が低下します。このバランスを考えたステロイド投与は、治療経験のない医師には難しく、よって「ステロイドは怖い」という誤った概念を作るに至っています。


人の体内では常に外傷が起こっています。物理的に化学的に寿命的に外傷が起こっています。自己免疫は外傷によって壊れた細胞を殺して排除します。排除する際に炎症メディエーターを出現させ、その周囲に浮腫や疼痛過敏を作り出します。排除する量が少なければ私たちはそれを感じることはありませんが、排除量が多い場合は腫れや痛みを感じます。そしてステロイドは副腎で生産され、これらの自己免疫の活動を抑制します。もしもステロイドが副腎で生産されなくなったら、自己免疫は体中で暴走し、様々な炎症と痛みをあちこちに起こします。もちろん組織も不必要に殺されてしまいます。外傷の際には一挙に細胞が壊れますので自己免疫の活動が非常に活発になり過剰な腫れや痛みを出します。当然ながら外傷の際は副腎でステロイドが多量に生産され、過剰な腫れや痛みを抑制にかかります。このように人の体は自己免疫とステロイドのバランスで成り立っています。


出血と血流増加のバランス

スポーツに限らず外傷ではその外傷部分に浮腫が必ず起こります。浮腫は出血を止めるために役立っています。外傷に引き続き浮腫が起こる理由はそもそも止血にあると思われます。しかし、止血は「諸刃の剣」です。血が止まる=血流が激しく減少 を意味し、壊れた組織の修復ができなくなるからです。外傷時のRICE(安静(Rest)、冷却 (Ice)、圧迫(Compression)、拳上(Elevation))はまさに出血を防止するための方法であり、血が止まってからも行えば、それは傷の治療にマイナスになるという新たな考え方が必要です。つまり血が止まっているのにRICEを行うことは傷ついた組織にマイナスにしかならないということです。組織内の出血が止まるまでの間のみRICEをすればよいわけで、出血が止まるまでの時間を考慮することがスポーツ外傷に必要です。外傷後、何時間で内出血がとまるか?です。止血までの時間は傷の大きさ、安静度、気温などで変化しますが「腫れが止まった」時点で止血完了と考えます。腫れが止まった後にRICEをすることは、組織の修復を妨害するでしょう。ここからは血流を増加させる方向に治療することが望ましいわけですが、これまで「腫れには冷やす」と教科書で教わっているだけに、血流増加のために患部を温めるのには勇気がいります。しかし、スポーツ選手をいち早く回復させていくためには、迷信にとらわれず、腫れが止まった直後からすみやかに血流増加に治療方針を転換させる機転が必要です。


腫れを除去することが最優先

さて、ここで一般的に流布している理論の間違いを正さなければなりません。「筋肉を鍛えれば外傷は早く治る」という誤認です。傷を早く治すものは常に血流であり、筋肉の増強ではありません。増強させようとして筋肉を動かすことで局所の血流が増えることで傷が早く治ると考えられます。しかし、傷のある部分を痛みをがまんして動かすことは、出血と腫れを増やすリスクが高く、血流が増えるというメリットがあるとしても、マイナス部分が大きく、そんな賭けに一流選手の生命を賭けさせることには反対です。スポーツトレーナーはリスクとメリットのボーダーラインを認識しているのかもしれません。しかしその認識が誤っていれば選手は故障します。「動かして治す」は「動かすことで損傷させる」ことと「動かすことで血流が増加して修復が進む」のバランスが問題になります。このバランスがマイナスに傾くことは「やってはいけない」こととなります。ステロイドにより腫れを引かせる場合は組織の損傷のリスクがほぼ0で血流改善のみの効果を得られます。これほど優れた腫れ改善治療法は他にありません。


外傷が治ったかどうかを調べるには、どんな計器もテストも無用です。腫れ具合を見ればわかります。具体的には皮膚のしわ。左右を見比べ、皮膚のしわが左右同じであれば腫れが引いています。わずかな腫れも皮膚のしわを比べることで誰にでも判別がつきます。そしてスポーツ選手が故障している箇所の皮膚のしわを観察すれば、必ず腫れていることがわかります。この腫れを除去しない限り血流改善が計れません。腱がきれていても、関節が破けていても、軟骨に凹凸ができていても、それらを修復できるのは常に血流のみです。整形外科ではそれらを物理的に手術的に修復しようとしますが、手術をするしないにかかわらず、最終的に修復するのは血流です。外傷を早く治すためには、血流の増加を最終戦の治療目標に置かなければなりません。


腫れを引かせると「動かして治す療法」がプラスに傾く

先ほど述べましたが、腫れがひどいうちに「動かして治す療法」を行うと、血流増加よりも組織損傷のマイナスの方が大きくなりますからさらに悪化させます。しかしながらステロイド治療により腫れを引かすことができると「動かして治す療法」がメリットの極めて大きい治療法に変化します。腫れが引くので動かした時の組織の摩擦がぐんと減るからです。よって、動かすことで血流増加のメリットが際立つようになります。実はこれがステロイド治療の最大の長所です。動かすことで治りを早めることができるのであれば、スポーツをしながら外傷を治すことができます。したがってスポーツトレーナーがついているプロスポーツ選手はいち早くステロイド治療を行って腫れを引かせるべきであり、試合を休むことなく治すことができます。こうした魔法が使えるのはステロイド治療のみです。


骨・関節の変形を防がなければならない

オスグッド病・ゴルフ肘・テニス肘・ジャンパー膝・野球肘などでは骨や関節が変形していきます。変形は力学的な弱さを招くのでプロスポーツ選手、またはプロをめざす選手にとっては致命傷となります。この変形を防ぐためにはスポーツ整形外科では「安静しかない」と述べております。しかし、安静期間は数か月に及びますから、それはスポーツをやめることに等しいものです。そして骨変形が止まっても、スポーツを再開すると再び変形が始まり…再び休養…を繰り返し、結局スポーツをあきらめることになります。変形を抑止しながらスポーツを続けるにはどうすればよいでしょう。それを考える前に「なぜ変形するのか?」について考察しなければなりません。そこには骨の破壊と形成のバランスが存在します。変形を起こす場合、そこには必ず破壊と形成の過程があります。破壊を進めるのは力学的な圧力とすぐに思いつきますが、実はもっと重要なものがあります。それは血流です。血流が少なくなることが破骨細胞を活性化させると思われます。それが証拠に交感神経の反射で血流不全に陥った骨は破骨細胞が活性化し、骨梁が破壊されていき、X線写真で観察すると骨がスカスカになるからです。破骨細胞を活性化させる原因として血流低下が重要であるなら、血流を増加させることは骨破壊を防ぐことにつながるでしょう。


次に歓迎されない骨形成を抑制しなければなりません。骨が形成される仕組みの詳細は未だ不明ですが、骨や骨膜がストレスを受けると骨形成が促進されますからなるべく「望まないベクトルのストレスを与えないこと」が重要になるでしょう。骨は折れた場所のインコースに多く増生され、アウトコースでは骨吸収が進みデモデリングされることがわかっています。インコースでは物理的な圧力が高まる他、顕微鏡的な出血や局所の炎症も起こり、局所的な血行不良も存在しています。すなわちこの「局所的な血行不良」が望まない骨形成のきっかけとなっていると私は推測しています。ステロイド治療により局所の血行不良を改善させることが出来れば、これらの望まない骨破壊と望まない余計な骨形成を抑止できると考えます。膝・肘などは望まない骨形成の多発地点であり、そうした箇所に早期にステロイド注射を適切に投与すれば関節や骨の変形を抑止できると考えています。


血流増加と免疫抑制のバランス

しかしながら、これもバランスなのです。外傷部分の組織は浮腫により必ず血行不良が起こっています。血行不良もまた新陳代謝を妨害する最大の原因となります。ステロイドにより浮腫を軽減させると、血行不良が改善されて新陳代謝が活発になります。ステロイドによる新陳代謝停滞よりもステロイドによる血行改善による新陳代謝増加作用が上回れば、結論としてステロイドを使う方が組織修復が早くなります。つまり、自己免疫を過剰に抑制せず、浮腫をそこそこ軽減できるバランスの取れたステロイド量を使うことが得策なのです。その量を研究しないからスポーツ整形外科医がステロイドを上手に使えないでいます。私はステロイドを長年研究し、バランスの取れたステロイド使用量のガイドラインを独自に編み出しています。


追記: 水虫が酷くなるとそこから感染を引き起こし蜂窩織炎になって足がぱんぱんになることは多くの医師たちが知っているでしょう。これを白癬二次感染と呼びます。この治療にステロイドを使うか使わないか?で議論を読んでいますが、賢明な皮膚科医はステロイドを用います。その理由は、ぱんぱんになったむくみを除去することが血流改善を促し、結果的にその血流で細菌を退治できるからです。抗生剤の効果も抜群に上がります。一方、白癬にはステロイド使用は「禁忌」とされていることも多くの医師が知っています。ステロイドが免疫を低下させるため、白癬が増殖するという理論です。しかし、臨床現場では後者が正しくない場合が多く、ステロイドで軽快する例が大多数を占めることを現場の皮膚科医は良く知っています。ステロイドで浮腫を軽快させる方が、放置しておくよりも圧倒的に治療効果が高いのです。白癬にステロイド禁忌と言われているため、白癬二次感染にステロイドを用いることは勇気がいります。ですが、大多数の臨床結果としてステロイドを用いた方が圧倒的にすみやかに治ります。


ステロイドによる浮腫改善→血流増加→免疫力増強→新陳代謝を促進、とステロイドによる免疫抑制→死滅細胞の排除の遅れ→新陳代謝阻害、のどちらが勝つのか?について、多くの医師は後者が勝つと信じています。しかし、その根拠のない確信は間違いであることが次のような例から推測されます。


ステロイドの浮腫軽減作用は自己免疫活動を抑制する作用を意味します。免疫は傷ついた組織・細胞を食し新しい細胞に置き換える、つまり新陳代謝の役割を担います。ステロイドはこの新陳代謝を抑制しますので壊れた組織・細胞がその場に多く滞在することになります。壊れた細胞は関節内ではムチンなどに変化(細胞適応)し、邪魔にならないように画策します。しかしそれでも壊れる細胞が増え続け、それを処理できない状態が積み重なると、局所は細胞のゴミ(死骸)であふれかえることになります。


これが新陳代謝を妨害しますから、組織強度が低下し、靭帯損傷・筋断裂・骨軟骨破壊につながるでしょう。ステロイドの最大の効果であり最大の弱点がこの「自己免疫抑制・新陳代謝妨害」にあります。ステロイドを用いると「腱などが断裂する」と言われる理由はこの新陳代謝妨害が深く関わっていると思われます。整形外科医が外傷にステロイドを使用することを極めて嫌がる理由がこの新陳代謝妨害です。そして過剰にステロイドを怖がっているためスポーツ選手の外傷におもいきって使わない傾向があります。ステロイドに対して知識を正しく持たない者はステロイドを怖がる…これは悪いことではなく、良いことだと思います。


DDS(ドラッグデリバリーシステム)理論

通常、多くの整形外科医はDDSを重視しませんので、水溶性ステロイドも固形ステロイドも効果に大差ないと思っていると推測します。しかし、実際は同じステロイドなのに効果は月とスッポンと言えるでしょう。これまでステロイドが腫れに極めて有効であることを述べましたが、それには最大の問題があります。障害を起こしている部分にだけステロイドがある状態にし、全身にはステロイドが拡散しないという離れ技をしなければならないところです。局所の腫れを引かせながら、全身には影響しないステロイド…という条件を満たすには、水溶性のステロイドは不適切です。水溶性ではステロイドが数時間以内に拡散してしまいます。そこで、固形のステロイドの局所注射という方法がとられます。固形ステロイドは局所にとどまり、最高で約3週間、局所に留まった固形体から微量のステロイドが溶け出し、24時間絶えず局所のステロイド濃度を高めます。よって一度注射をするだけで2~3週間連続で治療し続けるのと同じ意味になります。よってDDSの観点からすると固形ステロイドは外傷の治療において「これ以上の効果を示す薬は他にはない!」と断言できるほど秀逸な薬剤となります。


固形(懸濁)ステロイドが引き起こした事件

約5年前、ケナコルトの注射後に関節が腫れて痛みが出るという報告が世界各地から上がりました。実際、私の患者でも10人に1人の割合で関節腫脹と疼痛が起こり、1時期生産中止なりました。明らかな原因をメーカーは発表することなく生産が再開されましたが、それ以降、関節腫脹が発生する件数は千人に1人以下となりました(私の経験上の数値)。ただし、関節腫脹は数日以内に治まり、それ以降は関節の動きが調子よくなることを確認していますので、後遺症は残らないようです。


おそらく原因は固形粒子の大きさの不揃いと推測し、大きな粒子が関節面を傷つけるためではないでしょうか。最近ではめったに関節腫脹を起こす方はいませんが、スポーツマンの関節内に注射する場合は、一応万一に備え、関節腫脹が数日間起こり得る可能性があることを考えておきます。これが固形ステロイドの弱点(短所)です。しかし、5年前のケナコルト事件も、今では忘れている医師が多くなりました。よってケナコルト注射後に関節が腫れても、原因をケナコルトのせいであるとピンとくる医師が少ないと思われます。


 

使用量をわきまえる

ステロイドは体内から分泌されるホルモンであり、「悪者扱い」してはいけません。悪いのは過去の医師たちが「使用量を研究もせずに濫用したために」副作用が出てしまったことであり、使用量をわきまえれば安全であるという認識です。再度申し上げますが、ステロイドは体内で分泌されているものですから副作用うんぬん以前に、人体に必要不可欠な物質であるということを忘れないでいただきたいのです。


ケナコルトの副作用欄には毎年数個の使用注意の病名が新たに追記されていきますが、それらは使用量をわきまえない医師たちが作り出した悪しき記録であることを念頭におかなければなりません。ただし、適切な使用量を研究した論文は世界にほとんどありません。強いて言えば私の論文くらいでしょう(このHPに掲載しています)。よって適切な量がどの程度の量なのか?が他の医師たちに認識されていません。よって、適切な量を研究していない医師にはスポーツマンにケナコルトを使用する資格がないと思われます。よってケナコルトを使用できる医師がほとんどいないという現状です。それでよいと思います。


ちなみに私は1関節の1回量を2.5mgとしています。これは1バイアルの20分の1という少量です。ただし、この使用量でも毎週注射すると副腎機能が低下する場合があり、1回使用量だけを管理すればよいという単純なものではありません。


スポーツマンの関節にケナコルトを使用する短所

  1. ドーピング検査

ケナコルトは副腎皮質ホルモンであり、量にもよりますが、その効果が数週間は続きます。したがって薬物検査の2か月前には使用を中止すべきです。薬物検査がない大会、レベルであれば問題はありません。また、使用の際にはチームドクターに申請書を提出しなければなりません。治療のためとはいえ、チームドクターは使用を許可しないと思われますのでドーピング検査以前の問題となるでしょう。しかし、選手生命がかかっている場合、そうした一般常識に従っていては復帰が難しくなります。ご自身の決断が必要な場合があるでしょう。

ドーピングホットラインによると以下のように回答しています。

「医療記録(カルテ、様式任意)を必ず保存して下さい。 医療機関における糖質コルチコイドの局所注射(局所使用)は禁止されていませんので、TUEは不要です。 競技会のドーピング検査の結果、糖質コルチコイドが検出された場合には、 (1) JADAが、アスリートに使用状況を問い合わせる (2) アスリートは、上記の医療記録をJADAに提出し、局所使用であることを証明する (3) JADAが、検出結果がその医療記録と矛盾しないか確認し、局所注射使用かどうかを判断する (4) JADAが局所注射使用であると確認した場合、アスリートは違反なしと判断される 上記(2)において必要となりますので、アスリートは、病院での医療行為を受けた際には、必ず医療記録を残しておきましょう。」

つまりケナコルトの使用は申告すれば問題ないようです。

 

2、ケナコルトを注射しても痛みが続く場合

ケナコルトは強力に関節内や腱鞘内の腫れを引かせますので摩擦が小さくなり、激しい運動にも関節や靭帯が耐えうるようになります。摩擦が小さくなれば損傷して死んでゆく細胞数も減りますから、死滅細胞を食する免疫系細胞がケナコルトにより抑制されても問題は起こりません。ところが、ケナコルトを注射しても痛みが持続する場合、摩擦が十分に除去しきれていないことを意味しますから、損傷して死滅する細胞が減っていきません。この状況ではケナコルトは悪化のサイクルを回します。すなわち、免疫を抑制する作用のせいで、死滅細胞を食する免疫系がしっかり働いてくれないので、関節内や腱鞘内には死滅細胞のゴミがたまっていきます。そしてこのゴミがさらに細胞内の新陳代謝を妨害するので関節や靭帯は崩壊する方に向かいます。


ケナコルト使用量を知らない医師はこの改善と改悪のボーダーラインを知らないため、治療が改悪の方に傾いていてもケナコルトの使用をやめないために関節壊死や腱断裂にまで至らしめてしまいます。ボーダーラインは「痛み」にヒントがあります。痛みはケナコルト使用量と使用頻度との関係で変化しますから、ボーダーラインを認識するにはそれなりの研究と経験が必要になります(私のHPの中にそのヒントが隠されています。というよりも、隠していませんが…)。

 

3、関節内腫脹

前述したように、ケナコルトの粒子が関節面を傷つけることがごくまれにあります。その際は約24時間、関節を動かさずに待機していれば腫脹が消退し問題ありません。最近は生産者の管理が行き届いているせいか、関節腫脹が起こることがほとんどありません。私の場合2年間で1例のみです。腱鞘内注射では問題がありません。

 

4、社会的問題

ケナコルトを正しく使用できる医師はおそらく皆無に近いのでアスリートが軽率にケナコルト注射を受けにスポーツ整形外科医に通院することをあまりお勧めしません。ましてや、ドーピングの問題もあり、プロスポーツ選手であれば、チームドクターもいるでしょうから、そういう医師に相談すれば必ず否定されます。スポーツドクターのプライドにかけて反対するでしょうから治療の際には自己責任で担当医に内緒にしなければならないでしょう。それは道義的に難しいことかもしれません。ただし、「手術をしなければならないほど悪化」しているのであれば、ケナコルト治療は手術と比較すれば何十倍も安全ですから、軽率に「早く復帰したいから」といって手術を選択されないことです。手術の前にはまず注射を選択すべきでしょう。いきなり手術を勧める方が社会問題だと感じます。


捻挫・肉離れ・骨折の腫れを瞬時に治すステロイド療法

これまでステロイドの注射治療を紹介しましたが、実は注射よりも安全で普通の消炎鎮痛剤の何倍も腫れを軽減させることのできる治療法があります。その方法はステロイド軟こうを捻挫や肉離れを起こしたところに塗るというただそれだけのことです。肉離れや捻挫は、程度にもよりますが、およそ3週間は腫れや痛みが消退しません。しかしながらステロイド軟こうを塗れば、その多くが数日で驚くほど腫れと痛みが消退します。腫れが引くと血行が促進し、修復速度が急激に増しますから、治るまでの期間が大幅に短縮されます。患者たちには「魔法の治療」と呼ばれています(笑)。


経皮的に吸収されるステロイドの副作用は、飲み薬や注射に比べて少なく、ほとんど問題になりません。よって私は腱鞘炎や捻挫、肉離れ、へバーデン結節などにもステロイド軟こうを処方します。1日数回局所にぬるだけで済みます。外傷にステロイド軟こうを処方するのは恐らく私くらいなものですから、ステロイドが外傷にどれほど驚くべき威力で効果を発するか?を知る方はいらっしゃらないと思います。経皮吸収される量は短期間であれば問題視されない量ですので、学童にも使用可能です。使用すれば短期間で腫れが引きますので、ずっと使用する必要もありません。アスリートであれば、秘術として知っておいても損がないかと思われます。


ステロイドで腱が切れやすくなるという情報

この情報はこのHPでも紹介しています。特にケナコルトは腱断裂の危険ありという情報が能書きに記されています。その情報をどこまでしっかり認識するかしないかで、考え方が変わります。私はそうした情報を嘘だと述べているわけではなく、情報がうわべだけの浅い理論なのでもう少し深く病態生理を考察した方がよいと述べるのみです。心配の方は「ステロイドの薬効・薬害」のところをお読みください。ここでは深く述べません。


アスリートがこのHPにたどり着くか?

アスリートがプロとして生きて行くには、必ず通らなければならないのが故障の壁です。全ての選手が自分の身体能力のMaxをかけて技能を競い合うのでわずかな油断で肉体が大きく損傷します。それはナイフの上を歩いているに等しく、集中力を欠いたら即転落です。そうした中、故障した場合、「早く復帰したい」というあせりにおいて、選手はもっとも身近なチームドクターに相談します。チームドクターは「早い・安い・うまい」ですから。よって、選手生命がまだしっかりしているうちは、自ら身の危険を感じて「名医を探そう」とはしないでしょう。そんな暇があるわけありません。よって私のHPにたどり着くこともないでしょう。


ところが、実際にアスリート生命が絶たれ、限界を超えてしまった人はようやく「自らの力で名医を探そう」とHPの検索を開始するでしょう。しかし、その際は手遅れである可能性も高いでしょう。破壊されつくした運動器で私のところに来られても、私は魔法使いではありません。軽症のうちに私のところにやって来られれば、最高のパフォーマンスを出せるのですが…それはおそらく難しいでしょう(社会的に)。


私は注射専門の整形外科医ですが、やはり関節内注射や腱鞘内注射の技術は普通の整形外科医よりもかなり高いと言えるでしょう。注射の技術はケナコルトを使用するかしないか以前の問題です。狙った場所に薬を正確に届け、かつ周囲の組織を損傷させない技術です。この技術が高くなければ、よい効果を発揮しません。よってケナコルトを使う使わない以前に、注射でアスリートを治せる技術は医師によって大差がつきます。

驚愕の星状神経節ブロックの効能・効果


 

<はじめに>

星状神経節ブロックがどんな病気に効果があるのか?は案外、医師にも世間の人々にも知られていません。さらに安全性についても不明であり、「得体のしれないブロック」であることに薄気味悪さを覚えるものです。この薄気味悪さは副作用やリスクをしっかり公示しないことにあると思われ、ペインクリニック科の医師でさえ、リスクや副作用についてしっかり認識していると思えず、その結果、本ブロックの信頼性(信用)が極めて低迷していると思われます。そうした悪しき状況、誤解を解かなければ、ブロック治療に未来がないでしょう。ここでは星状神経節ブロックがなぜ一般に普及しないか?について、その原因を探りつつ、本ブロックのリスクについて語ろうと思います。まずは、節操がないほど数多くの効能効果をご覧ください。

星状神経節ブロック療法の適応

(「ペインクリニック診断・治療ガイド」第2版より)

全身 風邪とその予防、自律神経失調症、本能性高・低血圧症、甲状腺機能低亢進・低下症、拒食症、過食症、起立性調節障害、乗り物酔い、立ちくらみ、パニック障害、不眠症、過眠症、脳卒中後痛、脳卒中後片麻痺、関節リウマチ、術後合併症、多発性硬化症、ベーチェット病、シェーグレン症候群、重症筋無力症、痛風、伝染性単核球症、慢性疲労症候群、反射性交感神経性萎縮症、カウザルギー、幻肢痛、断端痛、癌、糖尿病、冷え性、肥満症、低体温症、再生不良性貧血、骨粗鬆症、吃逆、化学物質過敏症
皮膚科 全身多汗症、掌蹠多汗症、乏汗症、ざ瘡、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、全身性白癬症、足白癬、爪白癬、皮膚掻痒症、脂漏性皮膚炎、掌蹠膿胞症、帯状疱疹、単純疱疹、天疱疹、ケロイド、脱毛症、凍傷、爪甲剥離症、爪甲軟化症、爪甲縦裂症、爪囲炎、腋臭症、進行性指掌角化症、あかぎれ
頭部 片頭痛、緊張型頭痛、頚性頭痛、群発頭痛、側頭動脈炎、脳血管攣縮、脳血栓、脳梗塞
眼科 網膜血管閉塞症、網膜色素変性症、中心性網膜症、ぶどう膜炎、類嚢胞黄班浮腫、角膜ヘルペス、角膜潰瘍、緑内障、アレルギー性結膜炎、瞳孔緊張症、飛蚊症、眼精疲労、ドライアイ、VDT症候群、屈折異常
耳鼻科 アレルギー性鼻炎、血管運動性鼻炎、鼻茸症、慢性副鼻腔炎、急性副鼻腔炎、術後性上顎嚢胞、突発性難聴、浸出性中耳炎、メニエール病、良性発作性頭位眩暈、鼻閉、扁桃炎、耳鳴、咽喉頭異常感症、嗅覚障害、いびき、睡眠時無呼吸症候群
口腔 抜糸後痛、舌痛症、口内炎、舌炎、歯肉炎、口唇炎、歯ぎしり、口内乾燥症
頚肩上肢 上肢血行障害(レイノー病、レイノー症候群、急性動脈閉塞症、バージャー病)、肩手症候群、頚肩腕症候群、椎間板ヘルニア、外傷性頚部症候群、胸郭出口症候群、肩関節周囲炎、乳房切断後症候群、テニス肘、腱鞘炎、頚椎炎、ガングリオン、腕神経ニューロパチー(外傷性、術後)、関節炎、肩こり、ヘベルデン結節痛
循環器 心筋梗塞、狭心症、洞性頻脈、神経循環無力症
呼吸器 慢性気管支炎、肺栓塞、肺水腫、肺気腫、過換気症候群、気管支喘息、自然気胸
消化器 過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎、胃炎、肝炎、クローン病、消化性潰瘍、逆流性食道炎、胆道ジスキネジー、便秘、下痢、腹部緊満症、ダンピング症候群、痔核、裂肛
産婦人科 月経異常、月経前緊張症、月経困難症、子宮内膜症、更年期障害、子宮摘出後自律神経失調症、尿失禁、膀胱炎、女性不妊、妊娠悪阻、膣痙
泌尿器科 神経性頻尿、インポテンス、尿失禁、夜尿症、腎盂腎炎、ネフローゼ症候群、IgA腎症、嚢胞腎、遊走腎、前立腺肥大症、前立腺症、男性不妊
腰下肢 腰下肢痛、膝関節痛、肢端紅痛症、肢端紫藍症、鶏眼、下肢静脈瘤、こむら返り、バージャー病、閉塞性動脈硬化症

ご覧のように、ほぼ全ての科、全ての疾患に「効果がある」と書かれています。中には重症筋無力症などの超ド級の難病も含まれており、この効能・効果が真実であるならば、世の中から難病が消えてしまいます。これが真実なら難病をわずらった多くの患者がペインクリニック科に殺到し、そして世界中の他科の医師たちも必死になって星状神経節ブロックを学び、習い、研究することでしょう。しかし、そうした現象は世界に起こっていませんし、星状神経節ブロック自体が世に広まっていません。それはなぜでしょう?


星状神経節ブロックの効能・効果

街行く人に「星状神経節ブロックの効果を知っていますか?」尋ねても、恐らく100%に近い方々が上に挙げた効能・効果を答えられないでしょう。百歩譲って、医師免許を持つ先生方に同じ質問を投げかけたとしても、恐らく100%に近い先生方が10項目以上を言うことができないでしょう。さらに千歩譲って、星状神経節ブロックを毎日行っているペインクリニックの医師に尋ねても、50項目以上を言える医師はまずいないでしょう。さらに1万歩譲って、重症筋無力症・シェーグレン・伝染性単核球症・爪白癬などを治療する目的でペインクリニックに通院している患者は皆無に近いでしょう。そうであるならば、このガイドラインは「西洋医学を愚弄しているのか!」ということになってしまいます。そしてこのガイドラインを自分の病院の治療効果を宣伝するために、ホームページなどに掲載している病院などがあれば、それは歓迎できません。


保険適応のない星状神経節ブロック

例えば、水虫を治療するために「星状神経節ブロック」を行っても、そういう治療は国が認めていませんので保険が使えません。星状神経節ブロックは水虫に保険適応がないからです。上に挙げた効能・効果のほとんどが保険適応になっておらず、科学的に効能・効果が証明されていません。再度申し上げますが、効能・効果が証明されているのであれば、他科の医師も必死になって星状神経節ブロックを身に着けようとします。しかし、そうした傾向は見られません。


他科の医師がペイン科を紹介しない理由

上記の効能・効果が保証されているのであれば、他科の医師はペイン科に紹介状を書き、「星状神経節ブロックをよろしくお願いします」と申し出るでしょう。眼科医は眼精疲労の患者をペイン科に紹介し、神経内科の医師は重症筋無力症の患者をペイン科に紹介し、脳外科は脳梗塞患者をペイン科に紹介し、循環器の医師は心筋梗塞の患者を紹介し…ということが日本に限らず世界中のどこの国においても行われていません。その理由を考えなければなりません。


一つは他の科の医師がペイン科の医師の論文を「信用するに値しない」と考えていることが浮き彫りになります。一つは患者を紹介することが患者にとって幸せではないと考えていると思われます。では何が「幸せでない」ことなのか?それはブロックのリスクです。のど元の奥深くに針を刺し、注射をすることのリスクが高すぎるため、実用性がないと判断されているということです。十二指腸潰瘍の治療で胃切することを軽はずみに勧めないのと同じ原理です。ブロックの効果が数字ではじき出されていないこと、リスクが起こる確率もはっきりしていないことなどから上記の表は信用に値しません。ペイン科がこの表を示して自分の科を宣伝すれば、ペイン科の治療行為が信用されなくなる危険性があります。


リスクも効果もはっきりしていないものを患者に用いる倫理

星状神経節ブロックの使用には倫理的な問題があります。漠然と「治療は1回5cc×2を毎週×30回行います」と言われても、30回も行えばリスクに遭遇する確率がかなり高まります。針先で迷走神経を傷つけたり、薬液の圧や出血の圧力で周辺の神経に炎症を起こしたりなどの可能性が高まってしまうということです。


さらに、30回通院させる労力は患者にかなりの負担になります。注射の痛みも軽視できません。そして30回行えば水虫が治る、心筋梗塞が改善するなどのエビデンスもないわけですから、水虫や心筋梗塞の治療として星状神経節ブロックを行うことは医の倫理に反します。星状神経節ブロックの適応はかなり限定されるものです。よって上記の表は星状神経節ブロックの信頼性やペイン科の威信を失墜させるものとなります。


医者に腰痛と肩こりを治せない

私は以前のブログで「医者に腰痛は治せない」と書きました。この意味を要約すると「腰痛や肩こりはブロック注射で治すことができますが、注射の痛さが強烈で、リスクも少なくないことから、軽度の腰痛、日常の肩こりをブロックで治すということは医の倫理的に不可能」と述べました。実際に世間を見渡すと、肩こりや軽い腰痛の人がいきなりペイン科に行ってブロックを希望することは皆無です(一度経験している人はブロックを希望することがあります)。薬でもマッサージでも接骨院でも改善しない痛みをわずらって初めてペイン科にかかることを考えるのが普通です。そして実際にブロックのリスクや副作用は軽視できないのですが、私個人の意見としてペイン科の医師はこれらを軽視する傾向が高いと感じます。リスクや副作用を軽視すれば、腰痛も肩こりもどんどんブロックで治すことが正当化されるでしょう。そしてブロックによる事故の被害者も増えるでしょう。


リスクを低くできなければブロックをしてはいけない

私は注射器を過度に怖がる神経症の患者にも、子宮内膜症に苦しむ小学生(高学年)にも、ブロックを行いますが、それは万に一つも合併症を起こさないという実績があり、強い痛みを感じさせることなくブロックをすることができるという二つの技術を身に着けているからです。つまり安全性を何よりも重視し、ひとりひとりの患者に時間をかけて愛護的にブロックをすることを徹底しているからです。さらに患者の背骨がどんなに強い変形があろうとも、どんなに肥満であろうとも、奇形があっても、必ず狙った箇所に針を到達させることのできる技術を身に着けたからです。1万回ブロックしても1万回合併症を起こさないからこそ症状が軽い人や小学生や高度変形の高齢者、極度の肥満者などにもブロックを勧めることができるようになったわけです。そうでなければ「強い痛みに苦しんでいない患者」に対してブロックを勧めることは医の倫理に反します。


文頭に記した様々な適応病名には「強い痛みを伴わない病気」がたくさんあります。例えば眼精疲労・不眠・高血圧などです。これらの症状を治すためにペイン科を訪ねる患者は皆無ですし、これらの症状を持つ患者をペイン科に紹介する医師も皆無です。ならば、上記の表はペイン科の威信を失墜させます。医師たちがペイン科の医師を信用しなくなります。


認知症・脳梗塞後遺症などの治療にブロックが適応されるか?

私はこのホームページ上に上頚交感神経節ブロックを用いて認知症や脳梗塞後遺症の患者を改善させることが可能であることを執筆しました。しかし、これらの病気は「強い痛みを伴わない疾患」であり、患者が進んでブロック治療を受けることはまずありません。改善には個人差があり、絶対に治るとは限らないからです。このような「痛みを伴わない疾患」でブロックを行うためには、最低でも「痛みを感じさせないブロック注射」の技術を持たなければなりません。そして、治療には数十回~数百回と通院しなければならないこともあるのでリスクや合併症を「何度治療を行っても絶対に起こさない」と言えるほどの腕が必要になります。さらに、毎週同じ場所に注射するので、注射部分に炎症や出血を起こさない特別な技術も必要になります。それらができる技術があって初めて認知症や脳梗塞後遺症患者にブロック治療を勧めることができます。ですから、私がこうした「痛みを伴わない疾患」にブロック治療を開始したのはごく最近です。技術が未熟なうちは、カジュアルにブロックを勧めることはできませんでした。


そうであるなら、上記のような疾患に「星状神経節ブロックが効果がある」と証明するためには、極めて高い技術がある医師のみがデータを収集できます。極めて高い技術がある医師は極めて少ないですから、結局きちんとしたデータ収集ができません。ですから、上記の適応表はきちんとしたデータではない可能性が高いのです。


そして「どうせきちんとした証拠もなく、効能効果を適当に書いているのだろう」と他の科の医師たちに思われています。私のホームページに記載してある内容もおそらく上記の表と同様に信用性のないものと思われるわけですからかなり迷惑なことです。この迷惑のおかげで、医師たちは私の様々な論文を信じないでしょう。信じてくれなければ私の治療法を全国の医師たちに広めることができません。だから本当に迷惑しています。


「ついで治療効果」について

ついで治療効果とは、私が上記の表を皮肉ったものです。上肢帯の激しい痛みや三叉神経痛の激しい痛みのためにペイン科に毎週通院せざるを得ない患者が、ブロックを続けていると偶然、めまいが改善したり、血圧が正常化したり、不眠症が治ったり…という「痛みを治しているついでに他の病気にも効果が出た」という効果のことを言います。上記の表にある病名は世界中の「ついで効果」を単に並べたてたものであると私は推測します。


「ついで効果」と「治療効果」は月とスッポンの差があります。治療効果とするためにはエビデンスが必用で、エビデンスがあれば保険適応となり、国家がその治療法を認めます。「ついでに効果」は証拠がなく、治療法として確立できません。にもかかわらず、ペイン科の医師たちが自分のクリニックを宣伝するために、これらの「ついで効果的疾患」を大上段に構えて宣伝することを私はたいへん遺憾に思います。ペイン科が「きわもの」だと思われてしまうからです。


ペイン科はリスクや合併症を開示せよ

ペインクリニック科でもっとも問題になるのはブロックのリスクや合併症です。組織に針を刺す治療ですから、毎回必ず針を刺すことによる損傷という合併症を必ず起こします。硬膜外ブロックを行えば、脊髄麻酔になってしまう合併症もたびたびあります。キシロカインによる中毒症状は血管内に薬が入ってしまうと起こることがあります。針を刺した箇所がずっと痛かったり、注射後に麻痺が起こることもしばしばあります。しかし、こうしたリスクや合併症をほとんどのペインクリニックが開示していません。これは非常に嘆かわしいことです。


なぜ耳鼻科の医師がめまいの患者をペイン科に紹介しないか、なぜ眼科の医師が眼精疲労の患者をペイン科に紹介しないか?考えてください。それはリスクが効果を上回る可能性が高いからです。他科の医師としては、ちょっとした合併症が100人に1人でもあれば、めまいや眼精疲労の治療にペイン科のブロックを紹介したくないものです(紹介した側にも責任があるため)。ならば、ペイン科は「治療できる!」ことを説明するよりも、リスクや合併症がどの程度であるか?を説明する方が重要です。ただし、問題はペイン科の医師が「ブロック後に声帯が麻痺して咳が出やすくなる」「硬膜外ブロック後に2時間くらい脊髄麻酔がかかって動けなくなる」などをリスクとして考えないことです。


ブロック後に2時間も力が入らなくなることは患者にとっては苦痛です。苦痛はリスクなのです。注射が痛いのもリスクです。これらのリスクをリスクとして考えないうちは「痛みを伴わない疾患にブロック治療をする」ことは無理でしょう。


ブロック注射後に1時間以上寝ていただく意味

私が以前ペイン科の病院に勤務していた時、そこでは硬膜外ブロックを行った患者は1時間半もベッドに寝させていました。なぜ1時間半も寝かせるのか?には理由があります。注射ミスをカムフラージュするためです。硬膜外ブロックではしばしば薬液が深く入りすぎて半脊髄麻酔状態になります。そうなると1時間以上動けなくなります。しかしブロック後の休憩時間を一律1時間半にしておけば、その頃には麻酔が切れて動けるようになるのでミスにならなくなります。患者は「ブロックとはこんなものか!」と思うのみです。


私の担当患者で、ペイン科の医師と私と両者にかかっていた患者がいたのですが、その患者は「ペイン科の先生のブロックの時は毎回1~2時間動けなくなるのに、先生の時は動けるのはどうしてなんですか?」と質問されたことがあります。それはペイン科の先生のブロックミスで毎回薬液が深く入りすぎているからですとはさすがに言えませんでした。それほどブロックミスは普通に起こることだということです。というよりも、それをミスと考えていない医師たちの姿勢を嘆きます。こうしたデリカシーの欠如が患者に不評を買っていることは言うまでもありません。


最後に

星状神経節ブロックの効能・効果があまりにも常識を逸脱していることについて述べました。ペインクリニック科のガイドラインにこうした多量のエビデンスのない効能・効果が書かれているおかげで、普通にブロックを行う私のような医師の信用が落ちてしまいます。そして私が現在進行形でブロックのエビデンスを作ろうとしている作業そのものが、こうした節操のないガイドラインと同類と思われているだろうことが想像でき、たいへん困っています。どうか、このようなガイドラインを発表することはやめていただきたいと医師の一人として思う次第です。本当に困っています。


もちろん、こうした病気を治せる可能性がないわけではないことはよく知っています。それにしてもこの表は医師として科学者として恥ずかしいです。

 

神経脆弱状態での神経損傷について

はじめに

神経ブロックをキシロカインなどの局所麻酔薬を用いて行った場合、もっとも頻繁に起こり、かつ問題となるのは神経損傷でしょう。神経損傷の原因の基礎は、実は多岐に渡る(神経の走行異常、血行不良、圧挫、交感神経性、自己免疫性、代謝異常など)のですが、それを思い浮かべることのできる医師はほとんどいないと思われます。私は神経ブロック後に一過性の麻痺が起こり、それが長時間回復しなかった例を経験しました。この麻痺は再現性があったため、本人の体質が原因であると判断しました。麻痺が起こりやすい体質(状態)というものがあるのなら、神経損傷の概念は変わらざるを得ません。なぜ人によって麻痺の時間に差があるのでしょう。


症例 62歳 男性 主訴:両上肢(左>右)のしびれと痛み

数年前から上記主訴に悩んでいたが近くの整形外科では薬の処方と物療のみであった。H27.2.私の外来を初診。左右の第7頚神経に傍神経根ブロックを行った。注射直後から左上肢に麻痺が出現、全く力が入らなくなる。本人には「薬が狙ったところに入った証拠です」と説明し帰宅していただく。しかし、帰宅後も麻痺は回復せず(知覚低下は数時間で戻る)翌朝も同様に麻痺していた。その後徐々に麻痺は回復したが、完全に麻痺が回復するまでに約3週間を要した。


経過

2度目の治療を行う。前回の麻痺を踏まえ、今回は神経をダイレクトに狙うことはせず、神経根から10mm以上距離を置いた箇所に1%キシロカインを1.5cc×2(左右の第7頚神経根近傍)を注射する。ブロックの際、神経を刺した時のような電撃痛はなく、今回はほぼまちがいなく神経をわざと外した。


結果

今回はブロック後両上肢に8時間麻痺が出現した。後遺症はない。この患者は「しびれと痛みは緩和されたが怖いのでもうやりたくない」と述べた。


考察

1%キシロカインは神経根ブロックに用いると、1時間~数時間の麻酔作用を発現します。しかしながら8時間の麻痺はキシロカインの作用以外の要素を考えなければなりません。いったいどのような作用とどのような体質がこういった麻痺時間の延長の原因となるのでしょう? 2度目のブロックは神経を損傷しないように愛護的に行い、注入圧(水圧)もかけないように行いました。よって水圧や手技で麻痺時間の延長が起こったとは考えにくいのです。今回は2度目の麻痺ですので再現性もあり、しかも左右両上肢に同じような麻痺が現れていますから、原因として患者の体質を考慮しなければなりません。


麻痺時間遅延の原因考察

  1. 局所癒着のため麻酔薬が拡散しない
  2. 無血管野が広がっていて麻酔薬が吸収されにくい
  3. 神経虚血のため浸潤した麻酔薬がwash outされにくい
  4. 麻酔薬への耐性が極めて弱い
  5. 神経が圧に対して極めて弱い

 


などが挙げられます。1~4と5は明らかに原理が異なります。1~4はキシロカインによる作用であり、正確にはneurapraxiaではありません。5は注入圧によりneurapraxiaが発症したと考えます。しかし、臨床的にはneurapraxiaとキシロカインの作用が混在していると思われます。


※neurapraxia: 神経伝導に一部障害を認めるが、器質的には全く異常がないか、あるいは髄鞘の一部にごく軽度の異常を認める状態で、軸索には異常がない。神経回復には損傷部からの再生神経の伸長を必要としないため、麻痺筋は解剖学的位置とは関係なくほぼ同時に完全に回復するが、回復に要する時間は髄鞘の損傷の程度により、数分から数週である。


病的nuerapraxiaの存在

今回の麻痺遅延にキシロカインがどのように影響したとしても、注入液圧がどのように神経を圧迫してしまったとしても、神経がそのストレスに対してneurapraxiaを起こした状況は病的です。神経がストレスに対してかなり脆弱な状態であるといえるでしょう。このような「神経がストレスに対して病的に弱い状態」が存在することは現医学では認識されていません。神経の脆弱な状態は、些細な刺激であらゆる病気に発展する恐れがあり、しかも脆弱な状態はMRIなどで一切描出されないので臨床現場では不可解なトラブルを起こすことがたやすく想像できます。


神経の脆弱な状態では、ささいなストレスではneurapraxiaが発生し、これは可逆ですが、中等度のストレスでaxonotmesis(軸索断裂)を起こしてしまう可能性も考慮しなければなりません。脆弱な状態では「これくらいのストレスでは損傷しない」と思われるようなストレスで軸索断裂が起こる可能性があります。例えばむち打ち損傷や居眠りでの屈曲姿勢などです。軸索断裂が起こってしまうと、回復までに数か月から1年を要することから、患者も医師も回復不可能と誤解してしまう可能性があります。


また、医師の行う注射、針灸での処置などで局所に出血を起こし、血腫が神経を圧迫してaxonotmesis(軸索断裂)が起これば、医療過誤で後遺症が出現したと誤解されるでしょう。よって神経の脆弱な状態は社会であらゆるトラブルを起こす原因になります。少し背中を押しただけなのに、その後に半身不随が出現したというような事件に発展する可能性を秘めています。これまで、神経の脆弱な状態に言及した論文は世界になく、私が初めて提唱しています。しっかり認識されれば、民事訴訟の判例も変わってくる可能性があります。


神経の脆弱な状態

私は脊髄・脊椎不適合症候群が神経の脆弱な状態であると考えています。脊椎のカーブ(軸)が先天的・および後天的に悪く、ちょっとした動作や姿勢で脊髄が尾側にひっぱられてしまい、延髄や脳幹まで下方に引っ張られ、過度な緊張が発生しやすい状態を言います。神経が緊張している状態=脆弱な状態、と推測しています。神経の緊張は現医学にはない(最近になって言及されはじめてきた)病態生理であり、医師の多くが理解していません。


脳神経の脆弱な状態

私は現在、少し立っているだけで、歩いているだけで、椅子に腰かけているだけで、パソコンをしているだけで…めまい・脱力・呼吸困難・耳鳴りなどが発症する患者を6~7名抱えています。これらは脳神経が脆弱な状態に陥っていると推測します。診断名はつきませんので心因性とされ、精神科受診することが一般的です。脆弱な状態にあると、日常の動作で神経が損傷・炎症を起こし様々な症状を起こします。


神経の脆弱な状態の治療法

脆弱な状態に陥る理由は、必ず血行不良が存在しています。原因が骨の変形・自己免疫・腫瘍・代謝異常であったとしても、最後に血行不良を起こして脆弱な状態へと移行していくと思われます。よって治療法は脆弱な状態に陥っている箇所の血行再開です。交感神経節ブロックが最大の効果を発揮すると思われます。


治療リスク

神経の脆弱な状態を改善させる目的で行ったブロックの薬液注入圧で容易に神経が損傷すると思われます。つまりブロック治療の恩が仇になる可能性が高いでしょう。正義感と良心に満ち、勇気を出してブロックした医師の治療が原因で症状が悪化するわけで、そうなると医師の心は激しく傷つき、上司にも「ブロックをするな!」と警告され、「もう二度とブロックをするまい」と思うでしょう。数週間後に患者の症状が回復したとしても、医師の心のトラウマは消えません。私は、そうした正義感にあふれた医師がブロックを行わなくなることに心を傷めます。今回、神経の脆弱な状態に言及したのは、それが医療過誤ではなく、患者の状態でなっているという場合があることを知っていただきたかったからです。


ただし、被害者にこのような内容を説明しても、理解することはなく、憤ることでしょう。医師と患者、あるいわ被害者と加害者は理解しあえることはなくトラブルを避けられないでしょう。セカンドオピニオンを他の医師に求めると、こうした内容を理解できる医師はいないと思われますので、さらに事態が悪化するでしょう。


まとめ

神経の脆弱な状態では病的neurapraxiaや、最悪の場合病的なaxonotmesisがたやすく発生すると思われます。そのきっかけが医療行為であれば医療過誤とされ、きっかけが第3者行為であれば傷害罪が適応されることがあります。しかし、現実的にはそこに神経が脆弱な状態があり、日常の行為で損傷する可能性を考えなければならない状態があるかもしれません。神経の脆弱な状態はこれまでの医学の概念にはなく、今後も訴訟トラブルメーカーとなることが推定されます。その時に、本症例のような事例があることを思い出していただければ幸いです。

古典的片頭痛に特効のブロック

はじめに

私は20歳の時から始まった古典的片頭痛の持病があります。古典的片頭痛は通常の片頭痛とは違い、閃輝暗点や視野狭窄、言語障害、感覚障害などが一過性に30分から1時間起こるという特徴があります。寝不足や過労が続き、緊張状態で長時間作業をしていると起こります。上記のような神経症状のあと、1~2日続く頭痛と吐き気に悩まされるということを、20歳の頃から何度も繰り返しています(年に数回くらいの頻度です)。今回も数日前に片頭痛の発作を起こしましたが、その際に自分自身に上頚交感神経節ブロック(1%キシロカイン3cc)を行い、劇的な効果があったので報告します。


古典的片頭痛とは

古典的な片頭痛発作は、視覚現象(しばしばジグザクの光や光のフラッシュが片側に 10~ 30 分で展開される)の後、片側性で拍動性の激しい頭痛が生じ、悪心、嘔吐や光過敏など の症状を伴う。一方、普通片頭痛は両側の頭痛のみを生じる。片頭痛の有病率人口の 15~ 20%でありその半数が女性である。一般的に、片頭痛の多くは緊張やストレス、気圧によ って引き起こされる。また頭痛の家族歴や乗り物酔いの既往があることが多い。片頭痛の 亜系としては、頭痛を伴わない視覚現象のみを呈する場合がある。
病態  片頭痛は 2500 年以上前のギリシャ文明時代から知られているものの、いまだそのメカニ ズムについては解明されていない。しかし神経伝達物質であるセロトニンの異常が片頭痛を引き起こすと考えている。セロトニンは神経細胞間でメッセージを伝達する伝達化学物質である。片頭痛発作時はこの化学物質の変化が脳の局所的な機能低下を引き起こし、血管壁の変化が攣縮性の収縮を引き起こす。血管の狭小化すると、酸素供給が減少することによる脳機能の低下がみられる。(北米、神経眼科学会誌より)


脳血管の血管平滑筋の痙攣

古典的片頭痛の原因ははっきりしていませんが、脳内の血管平滑筋が痙攣するという作用機序があります。もし、血管平滑筋の痙攣を解除できる方法があれば、古典的片頭痛をその場で治療できます。


血管平滑筋を支配するのは交感神経ですから、交感神経をブロックできれば脳血管の痙攣が解除されるのではないかと考え、鏡を見ながら自分の頸部に交感神経節ブロックを行いました。恐ろしいと思われるかもしれませんが、私は普段から上頚交感神経節ブロックの副作用を調べるために、自らの体に試し打ちしていますから全く平気です。


結果

ブロックを行うと10分以内に速やかに閃輝暗点が消失しました。視野狭窄(盲点の拡大)もおさまり、字が読めるようになりました。これほど即効だとは思いませんでした。しかも、いつもは閃輝暗点が消失した後に拍動性の頭痛と吐き気が必ず出現するのに、それが全くありませんでした。


ところがさらに2時間後、再び閃輝暗点が出現し始めます。閃輝暗点が出現し始めた時点で休養をとらないことが原因です。ブロック後も仕事を続けた為、再燃してしまいました。そこで私は再び自分の頸部に上頚交感神経節ブロックを行いました。すると今回も同様に10分程度で閃輝暗点がすみやかに消失。


この時点で若干呂律のまわりが悪かったのですが、薬時間後に呂律が回復、そして驚いたことに、頭痛と吐き気が全くありませんでした。通常はこの後、1~2日拍動性の頭痛と吐き気が続くのですが、頭痛なしです。


古典的片頭痛は頭痛がないものもありますが、私の場合、頭痛は必発で、閃輝暗点が見える状態が数十分続けば、その後に頭痛なしではいられません。にもかかわらず、ブロックが奏効し、今夏は頭痛を予防することが出来ました。


古典的片頭痛へのブロックの機序

ブロックは交感神経を麻痺させ、血管平滑筋の痙攣を解除したと考えます。その後に生じる頭痛は、血管が痙攣していた時間が長ければ長いほど強くなることを私は20年以上も前から体感し、経験しています。すなわち、可能な限り短時間で血管の痙攣を解除できれば、脳のダメージも頭痛も最小限に抑えられると思われます。


治療上の問題点

古典的片頭痛が発生して数十分以内にブロック注射を受けることができるかという時間制限があります。上頚交感神経節ブロックがどの医師にもカジュアルにできるようになればこの問題は解決します。私はそれをめざし、多くの医師たちにブロックの手技を伝えていく所存です。

 

延髄性呼吸困難症(新概念)

はじめに

あらゆる呼吸機能検査、採血検査、心機能検査などで異常がないにもかかわらず呼吸困難感が出現する患者は全国に多数存在すると思われますが、そうした患者は例外なく心因性と診断されることになっています。しかしながら、呼吸困難感が出現する状況として臥床時、高い枕、首の前屈長時間時、長時間座位での仕事時など姿勢が関与していると思われるケースが非常に多いこと、頸部交感神経節ブックで速やかに呼吸困難感が消失する例が多いことから、私はこれらの呼吸困難感の原因を心因性と診断することに極めて強い違和感を覚えています。


こうした呼吸困難感の原因は呼吸調整の受容体→延髄→脳への電気信号伝達の異常であると私は判断しています。つまり、脊椎のアライメント異常が根本に存在し、それが原因となって脊髄が尾側に引っ張られ→延髄・脳幹が緊張→延髄・脳幹の血行不良→舌咽神経・迷走神経・延髄の異常→呼吸困難感の出現、という機序を提唱すると共に、延髄性の呼吸困難感は頸部交感神経節ブロックで軽快させることができることを述べたいと思います。


延髄性呼吸困難感の仕組み

原因不明の呼吸困難感は呼吸調整を行う受容体(酸素・二酸化炭素分圧)からの信号が脳に伝わるまでの経路で間違った修飾を受けることで発生すると思われます。つまり動脈血の酸素分圧が低下(二酸化炭素分圧が上昇)していないにもかかわらず、そうであると脳に誤った信号が伝えられるということです。


この誤作動は生理的に健康な人でも起こります。例えば痛みを感じている時、不安や恐怖を感じた時などに、動脈血の酸素分圧が低下していないにもかかわらず呼吸困難感が発生し、呼吸回数が増えます。このように、健常な人でも精神的に呼吸困難感が起こり得ることから、「原因不明の呼吸困難感=心因性」と判断されるに至っています。


確かに、精神状態が呼吸困難感を作り出すことは理解できますが、これがすなわち、呼吸調整受容体―延髄―脳の経路に異常がないと断言する理由にはなっていません。現医学ではこれらを無理矢理「心因性」と判断しており大変残念に思います。


呼吸の受容体

  1. 頸動脈小体(内・外頸動脈の分岐部に位置)は舌咽神経を介して、大動脈小体(大動脈弓に位置)は迷走神経を介して、延髄の弧束核にPaO2低下とPaCO2上昇を感知(主にO2)した信号を送る。そこから吻側延髄外腹側野の外側旁巨大細胞核(呼吸中枢)に感知した情報が伝えられる。
  2. 延髄腹外側には髄液のph低下(CO2上昇)を感知する中枢受容体があり、ここでは完治した情報を吻側延髄外腹側野の外側旁巨大細胞核(呼吸中枢)に伝える。

 


呼吸困難感は呼吸中枢(外側旁巨大細胞核)に過剰な信号が送られると発症すると思われます。感情とも連動するので交感神経とも密接なつながりがあると思われますが、交感神経から呼吸中枢に至る経路は解明されていません。結論として呼吸困難感は延髄の弧束核、そして外側旁巨大細胞核の虚血や損傷で起こる可能性が高いと私は考えます。延髄の損傷を起こす原因の多くjが脊髄の過伸展であると推測します。


延髄損傷で呼吸困難感が発生する

むちうち損傷で延髄が瞬間的に強く引き伸ばされる、高い枕や側臥位での横枕で延髄に長時間の虚血ストレスがかかる、前傾(前屈)姿勢で長時間作業し延髄にストレスがかかる、頸椎の手術で術中の体位が悪く延髄を長時間過伸展してしまう、延髄の呼吸中枢に微小な血栓ができる、などの延髄損傷がきっかけとなり、過剰な信号がここに入力されることで呼吸困難感が出現すると考えます。


呼吸困難感の随伴症状

延髄が過伸展される場合、呼吸中枢のみが単独で損傷する(虚血状態になる)ことは考えられず、延髄の前後に存在する脳神経核の異常がほぼかならず併発すると思われます。


1、嗅覚異常(においに過敏・においがしない)2、眼精疲労・視野狭窄・かすみ目、3、眼球がひくひく動く、複視、4、三叉神経痛(目の奥、こめかみの痛み)5、味がしない、口がゆがむ、6、めまい、難聴、耳鳴り、7、舌のしびれ、口内の異常、8、肩こり、のどのしめつけ、9、動悸・発汗・頻脈、体温が低い、などです。不眠もほぼ必発と思われます。また、錐体路症状が発生してもおかしくありませんので、上下肢の脱力、首に力が入らないなどを伴っても何の不思議もありません。むしろ、呼吸困難だけが単独で起こる方がめずらしいでしょう。


延髄過伸展による症状は現医学では全く不明

延髄が過伸展されて様々な脳神経症状が発症するという発想は現医学では皆無ですから、これらは全て心因性と判断されます。よって患者がどれほど強く症状を医師に訴えたところで、医師の誰も相手にしてくれません(精神科医のみが熱心に話を聞いてくれるでしょう)。そしてうつ病、ヒステリー、不安神経症などといろいろな病名をつけてもらえます。


精神科以外の全ての科で呼吸困難感は「否定的」にとらえられるので、患者は仕事にもつけず、傷病手当金ももらえず、路頭に迷いますので、病名をつけていただける精神科医と依存関係に陥ります。精神科医の処方通りに薬を服薬すれば、各種保証(生活保護など)を受けられるので患者には疾病利得があります。よって精神科病名を受け入れるようになり、患者自身も自己暗示がかかり「呼吸困難は心因性」と刷り込む傾向があることが理解できます。


こうした現状が延髄性の呼吸困難感を医師が誰も研究しない土壌となっていることを激しく遺憾に思います。


延髄性呼吸困難感の治療法

 

頚部交感神経節ブロック

頸部交感神経節(もっとも有名なのは星状神経節ブロック)を行い、延髄の慢性虚血を解除することが最大の効果を発揮すると思われます。私はむちうち患者で呼吸困難感を訴えている患者に本ブロックを行いますと即座に呼吸が楽になるという臨床経験を何度もしていますのでブロックが即効性のあることを実経験しております。


心理カウンセリング

呼吸中枢を刺激してしまう要因として感情(交感神経)があります。よって感情をコントロールすることができれば、ある程度、呼吸中枢への入力信号数を減らすことができます。呼吸苦が出現した際に、自己催眠をかけ、眠くなるように暗示をかけてあらゆる刺激信号を遮断するように修行すれば、それだけでも呼吸苦をやり過ごせるようになるでしょう。また、不安が呼吸苦に連動するので、周囲の不安要素を考えないようにカウンセリングしてもらうことも重要です。ただ、これは原因を治療しているわけではありません。延髄に異常があることは変わらないと思われます。よってカウンセリングに傾き過ぎることは身の破滅を招きます。


寝具やイス、仕事環境を改善する

延髄へのストレスは脊椎を前屈させることで強まります。よって高い枕は絶対に禁忌です。また布団のマットレスに要注意です。薄く平らなものがよいという間違ったうわさが世間に流布していますが、平らな布団は脊椎を数か所で支えることを意味し、宙に浮いている脊椎部分には必ず重力のストレスがかかります。よって平らな薄い布団は禁忌です。理想は脊椎のカーブに沿うようにマットレスが凹凸してくれるものです。脊椎の全体で重力を均等に受けることが重力のストレスを最小限にします。よって寝具の調整は非常に大切です。


また、職場では机が低い位置にあると、長時間前屈を強制させられるので、作業場は高い位置に変えるように工夫します。そしてモニターなども目線の高さに置き、可能な限りした目線にならないようにします。これが呼吸困難予防の最低の環境整備です。呼吸苦が出現した場合は姿勢を変え、可能な限り冤罪の姿勢をとらないようにします。


カイロプラクティク

姿勢矯正も重要で、頸髄・延髄にストレスのかからない脊椎の位置を体に覚えこませる必要があります。それにはカイロプラクターに矯正していただくことが望ましいでしょう。ただし、効果的な治療ほどそのリバウンドには注意しなければなりません。以下にリバウンドの注意点を述べます。


リバウンド

極めて効果的な治療を行い、その治療が原因にヒットした場合、症状は著しく改善するでしょう。私は頸部交感神経節ブロックでその効果が非常に高いことを経験しています。しかし、原因箇所の血流改善を行うことで以下の二種類のリバウンドが起こる可能性があります。


 

  1. 神経細胞が元気を取り戻し、不快な信号をさらに伝えてしまう場合
  2. 一度血流が改善されて、回復に向かうが、薬が切れた頃に再び虚血が出現する場合

1と2は単独で起こるのではなく両方同時にからみあって起こると考えます。つまり、神経細胞が元気になった後に虚血が起こると、その症状は以前よりも強く感じることになるという理屈です。


リバウンドは効果的な治療を受けたほど起こり得る可能性が高く、多くの患者は治療を受けたせいで症状が酷くなったと誤解するでしょう。この時点で患者と医師の信頼関係は崩れ、治療が前に進まなくなります。


リバウンド経験例

私は頸部交感神経節ブロックを自分に注射してリバウンドを研究しています。リバウンドは薬の濃度を上げたり、量を増やしたりした際に起こりやすく、布団に入ってうとうとした頃に突然の呼吸困難が発生し目が覚めます。私の場合30秒程度で収まりますが、人によっては数時間、呼吸困難が出現することもあると患者から報告を受けています。患者はこのようにして起こるリバウンドをブロック注射のせいであると誤解しやすく、現場ではしばしばトラブルが起こります。誤解を解くのは極めて難しい