自律神経失調症の治療成績(2017)

頻脈、血圧不安定(立ち眩み)、発汗異常、冷え、朝起きられない、などを主訴とする自律神経失調症症例の治療成績を報告。当院では内服薬を一切使用せず、上頚神経節ブロックで加療する。他院の処方で多くの薬剤を日常的に服用するようになり、それでも内服治療では改善しないという難治性の方が来院する。

全17例

全治3例 著効5例 改善3例 やや改善2例 無効2例 1回で中断2例
1回で中断した2例を除く15例で有効率は11/15(73.3%)、やや改善は無効とした。
全治は症状が8割以上改善し、その状態が1か月以上継続。無効は改善の実感がないもの。著効・改善・やや改善の厳密な区分けのルールはなく、問診によるおおまかな満足度で判断している。症状があまりにも多彩すぎるため。

考察

自律神経失調症は患者にとって非常に苦しい病気であるが、診断名や診断基準があるわけではなく、上記のような不定愁訴を訴える者をまとめてそう呼ぶことにしている病気である。有効な治療法はなく原因も不明。多くは薬剤を山ほど処方され、薬剤の副作用や離脱症状にも悩まされる。
当院の治療において15例中8例(過半数)が著効、および全治であり、この治療成績は患者にとっては奇蹟と例えられている。それはどこの病院に通っても治らない症状を根治させたからである。
原因の一つとして、自律神経失調症は延髄にある迷走神経核の血行不良を私は想定しており、独自に開発した上頚神経節ブロックで延髄の血行を促進させ、その結果根本治療となって自律神経失調症を全治に導くことができたと考えている。
特に児童の自律神経失調症は朝起きられないために不登校となり人生を狂わす。こうした児童には特効治療となりうる。