2017年治療成績
はじめに
私は20歳の時から始まった古典的片頭痛の持病があります。古典的片頭痛は通常の片頭痛とは違い、閃輝暗点や視野狭窄、言語障害、感覚障害などが一過性に30分から1時間起こるという特徴があります。寝不足や過労が続き、緊張状態で長時間作業をしていると起こります。上記のような神経症状のあと、1~2日続く頭痛と吐き気に悩まされるということを、20歳の頃から何度も繰り返しています(年に数回くらいの頻度です)。今回も数日前に片頭痛の発作を起こしましたが、その際に自分自身に上頚交感神経節ブロック(1%キシロカイン3cc)を行い、劇的な効果があったので報告します。
古典的片頭痛とは
古典的な片頭痛発作は、視覚現象(しばしばジグザクの光や光のフラッシュが片側に 10~ 30 分で展開される)の後、片側性で拍動性の激しい頭痛が生じ、悪心、嘔吐や光過敏など の症状を伴う。一方、普通片頭痛は両側の頭痛のみを生じる。片頭痛の有病率人口の 15~ 20%でありその半数が女性である。一般的に、片頭痛の多くは緊張やストレス、気圧によ って引き起こされる。また頭痛の家族歴や乗り物酔いの既往があることが多い。片頭痛の 亜系としては、頭痛を伴わない視覚現象のみを呈する場合がある。
病態 片頭痛は 2500 年以上前のギリシャ文明時代から知られているものの、いまだそのメカニ ズムについては解明されていない。しかし神経伝達物質であるセロトニンの異常が片頭痛を引き起こすと考えている。セロトニンは神経細胞間でメッセージを伝達する伝達化学物質である。片頭痛発作時はこの化学物質の変化が脳の局所的な機能低下を引き起こし、血管壁の変化が攣縮性の収縮を引き起こす。血管の狭小化すると、酸素供給が減少することによる脳機能の低下がみられる。(北米、神経眼科学会誌より)
脳血管の血管平滑筋の痙攣
古典的片頭痛の原因ははっきりしていませんが、脳内の血管平滑筋が痙攣するという作用機序があります。もし、血管平滑筋の痙攣を解除できる方法があれば、古典的片頭痛をその場で治療できます。
血管平滑筋を支配するのは交感神経ですから、交感神経をブロックできれば脳血管の痙攣が解除されるのではないかと考え、鏡を見ながら自分の頸部に交感神経節ブロックを行いました。恐ろしいと思われるかもしれませんが、私は普段から上頚交感神経節ブロックの副作用を調べるために、自らの体に試し打ちしていますから全く平気です。
結果
ブロックを行うと10分以内に速やかに閃輝暗点が消失しました。視野狭窄(盲点の拡大)もおさまり、字が読めるようになりました。これほど即効だとは思いませんでした。しかも、いつもは閃輝暗点が消失した後に拍動性の頭痛と吐き気が必ず出現するのに、それが全くありませんでした。
ところがさらに2時間後、再び閃輝暗点が出現し始めます。閃輝暗点が出現し始めた時点で休養をとらないことが原因です。ブロック後も仕事を続けた為、再燃してしまいました。そこで私は再び自分の頸部に上頚交感神経節ブロックを行いました。すると今回も同様に10分程度で閃輝暗点がすみやかに消失。
この時点で若干呂律のまわりが悪かったのですが、薬時間後に呂律が回復、そして驚いたことに、頭痛と吐き気が全くありませんでした。通常はこの後、1~2日拍動性の頭痛と吐き気が続くのですが、頭痛なしです。
古典的片頭痛は頭痛がないものもありますが、私の場合、頭痛は必発で、閃輝暗点が見える状態が数十分続けば、その後に頭痛なしではいられません。にもかかわらず、ブロックが奏効し、今夏は頭痛を予防することが出来ました。
古典的片頭痛へのブロックの機序
ブロックは交感神経を麻痺させ、血管平滑筋の痙攣を解除したと考えます。その後に生じる頭痛は、血管が痙攣していた時間が長ければ長いほど強くなることを私は20年以上も前から体感し、経験しています。すなわち、可能な限り短時間で血管の痙攣を解除できれば、脳のダメージも頭痛も最小限に抑えられると思われます。
治療上の問題点
古典的片頭痛が発生して数十分以内にブロック注射を受けることができるかという時間制限があります。上頚交感神経節ブロックがどの医師にもカジュアルにできるようになればこの問題は解決します。私はそれをめざし、多くの医師たちにブロックの手技を伝えていく所存です。
はじめまして。
慢性の片頭痛を持っている5年生の男の子の母です。
小3の夏頃から頭痛が悪化して毎日1日中痛みが続き、脳神経外科頭痛外来に通院後、現在ではほとんど頭痛は出なくなったのですが・・・。
2年半ほど頭痛予防薬(バルプロ酸など)を飲み続けても(現在断薬中)、完治には至らず、たまにストレスがかかると微頭痛が出たり、臭い過敏や乗り物酔い、頭蓋外アロデニアなのか足裏が数分チクチクしたりすることがあります。
まだ子どもですし、薬の副作用や離脱症状を考えるとこれ以上薬での治療は続けたくありません。
今年の9月で12歳になりますが、先生の治療は子どもでもしていただけますか?完全に治してあげたいんです。
宜しくお願いいたします。
もちろん、小学生にも普通に治療ができます。極めて安全に行い、かつほとんど痛くない注射ですので問題ないでしょう。できれば同時に脊椎の矯正を行うべきです。まだ診察していませんが、こういう症状のある方は脊椎に問題がある場合がほとんどですので。
先生、こんにちは。
4月7日の受診から少し間が空いてしまいました。
小学校6年生男子の母です。
3回ほど注射をしていただきました。
その間少しずつ症状が改善しておりましたが(3年生頃からずっと遅刻してしか登校できませんでしたが、それ以来初めて通常通り朝から登校出来るようになりました。)、本人の痛さに対する過敏症のせいなのか、帰宅すると「注射はしないでカイロだけ通う」と言い出しました。仕方なく現在カイロには定期的に月2回ですが通っています。
今まで足裏の痒みが頻繁にありましたが、継続して服用していたビタミンB群をやめましたら、すぐに症状が消えました。水溶性だと思い安心してしまい少し多く飲ませてしまった副作用だったのかもしれません。
今でも続いているのは、なぜか月に1回~2回は必ず風邪のような症状を訴えて1週間ほど学校を休んでしまいます(今日もです)。その症状は、出ても微熱、喉が痛い、だるい、頭を振ると痛いなどです。それは短時間のうちに良くなったり悪くなったりします。でも傍から見ると学校を休むほど悪いようには見えないです。とても頻繁に体調が悪くなるのですがどうしてなのかわからず、親としてはとても心配になります。何が原因なのでしょうか・・・。
私としましては先生に注射をしていただきたいのですが、本人がカイロだけにするというのでそうしています(家でカイロの宿題をしています)。
ですが、もし出来ましたら先生にいろいろなことをお伺いしながら、治して行きたいと考えております・・・。
「原因は背骨にあり」ですのでブロックではなくカイロプラクティックで根本原因を治すことに賛成ですが、それには1年以上治療を継続するひつようがありますので、効果がすぐに出るということはありません。辛抱強くこつこつがんばってください。成長期の子供の背骨を正しく成長させていくことは、将来に極めて大きな影響を及ぼしますので、それを信じてがんばっていただくことをお勧めします。
だるさや微熱にはウイルスや自己免疫などが関連している場合もありますが、いずれの場合も背骨は大きく関連していますのでカイロ中心でよいかと思います。日常生活ではスマートフォンやDSなど、前かがみになってゲームをすることを控えることが必要です。
学校でいやなことがあるのかもしれませんが、微熱は芝居ができませんので実際体調が悪いのだと思います。が、それは今の医学の枠外ですので簡単に治るものではないと思います。愛情と根気でコツコツと体力をつけていくことをお勧めします。
右眼奥が鈍痛、30年位前より、現在病院でリリカカプセル75mg
寝る前1回 インフリカプセル いたい時 一日4回まで 治療中
です。
鈍痛は変わりなく副作用が強く感じ生活の質がていかしてます。
中々改善しないです。何か他に治療法は、ないでしょうか。
薬は改善させる力がないものだという正しい知識をお持ちください。本気で治したいのであれば一度は上頚神経節ブロックを受けることをお勧めします。当院には1日に20人近くの人がこの上頚神経節ブロックを受けるために来院されます。そして「今まで治らなかった慢性的な症状」が、ほとんどの人が改善します。しかしながら、100人に一人くらいの患者に、症状が強くなるという現象が起こっています。おそらく、ブロック注射のせいで「寝た子が起きる」ということが起こるのだと推測します。上頚神経節ブロックは、脳の血流を上げるブロックであり、痛み止めではありません。ほとんどの病気が、血流量が上がると治るにもかかわらず、稀に静まっていた症状を起こしてしまうこともあると考えます。 そうなる確率は1%程度ですが、それでも治ることを信じて通院する患者もいます。
また、私は「自分で治せなかった1%の患者を他の一流の治療師に紹介し、コラボ治療を行うことで難局を乗り切る」ということも行っています。