ステロイドの薬効・薬害


ケナコルト注射による腱断裂についての考察

ケナコルトを使用することで腱が断裂するという「ケナコルトを悪者扱いする言い方」は近年、下火になってきた気がします。しかしながら、それでも毎年のようにケナコルトが原因で・・・という言い方の論文は世界中から提出されるに至っています。また、これだけケナコルトが悪者にされようとも、ケナコルトを使用する医師は世界でいっこうに減りません。これだけ繰り返しケナコルト使用に対して警告を続けているにもかかわらず世界の医師たちが使用をやめないのか?そういった事情を考えていきたいと思います。2015年3月、ブリストル・マイヤーズ株式会社より、ケナコルト使用上の注意が送られてきましたので、敢えて今一度、ケナコルト使用の是非について考えましょう。→続きを読む

ケナコルトの適量使用法

ケナコルトは使用量が少ないのならとても安全な薬ですが、多いと種々の副作用を長期間表すようになります。よってどこまで少ない量で効果が期待できるかについて研究して使用すれば安全です。そこで使用量を可能な限り少なくし、かつ有効であるぎりぎりラインを調べました。すると関節内注射なら1回2.5mgで十分効果を発揮することがわかりました。実に40mg瓶で16分の1量です。→続きを読む

 ケナコルトの有効性と使用ガイドライン ~膝関注から~

ケナコルトを使用した関節内注射では痛み抑性の効果持続期間が驚異的に延長される。全体を通した平均でも効果持続期間は2週間以上である。それに比較しB,C群(変形が進行している群)ではヒアルロン酸の注射では痛みが軽快することは一切ない。膝関節内注射にケナコルトを使用する場合の適応と使用方法のガイドラインを示す。(pdf fileケナコルトの有効性と使用ガイドライン

ステロイドの薬害を考える

  • ステロイドは副腎から分泌されるホルモンで怖いものでも悪者でもない
  • ステロイドが起因している副作用は事実かどうかの確実性が低く誤解が多い
  • ステロイドの副作用は少ないから大丈夫という安全域がなく個人で異なる
  • 高コレステロール血症の人では少量ステロイド長期投与で下垂体機能低下となりやすい
  • ステロイドを適切に使用しなければ感染時に高熱で死に至ることもある
  • ステロイドの副作用は少量なら大丈夫という神話は崩れた
  • ステロイドを使用するのであれば最低でもコレステロール、ACTH、コルチゾルの計測を義務付けるべきである。特にステロイドを多用する皮膚科や耳鼻科で。
  • 概してステロイドを使用する医師がステロイドのことを知らなすぎると思われた
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ステロイドへの偏見と誤解

ステロイドは権威ある医師たちが考えている以上に効果がある。権威ある医師たちが整形外科医であった場合、その手術の件数を大幅に減らしてしまえるほど治療効果は絶大である。よって整形外科医にステロイドは目の敵にされやすい。当然ながら副作用は誇張されてしまう。の諸刃の剣であるステロイドを医師が使用するに当たっては、患者との親密なコミュニケーションが必要であるが、その手間は想像以上である。問題は、強力な効果を得たいがために、手間を省いてカジュアルにステロイドを使用する医師の存在であり、そういう医師の軽はずみな行為がステロイドを怖いものとする概念を作ってしまったことにある。結果的にステロイドは使うべきと私は結論付けるが、そのためにはステロイド使用医認定制度が必要かもしれない(→続きを読む)。

神経ブロックに対するステロイドの有用性調査

今回、硬膜外ブロックにハイコートという水溶性のステロイドを用いた場合とケナコルトという非水溶性のステロイドを用いて、その効果を比較したが、ケナコルト10mgを用いた場合、その効果時間は2倍以上あることが判明。圧倒的な威力を発揮することが証明された。1%Xylocaine+ハイコートで平均効果日数 2.9日、1%Xylocaine+ケナコルト10mgで平均6.9日。治療効果日数は倍以上であった。→続きを読む

ステロイドの副作用調査中に偶然発見した医学的タブー

高コレステロール血症が体に及ぼすホルモン的な害について、私が偶然発見した新事実を公開する (⇒詳細は最新医学トピックスのプルダウンメニューから)。

骨形成とコレステロール・ステロイドの関連

最も新しい医学では骨細胞が免疫と関与していることや、骨細胞を除去したマウスでは全身の脂肪が消失すること、免疫を抑制するステロイドが骨粗鬆症の原因になることなどから、骨細胞とステロイド、下垂体機能、副腎機能、肝臓での脂肪代謝などは全て密接な関連があるといます。そこで新たな可能性として高コレステロール血症と骨粗鬆症の関係です(⇒詳細は最新医学トピックスのプルダウンメニューから)。

 高コレステロール血症と下垂体機能低下症の関連調査

  1. ケナコルト10mg ワンショットでは健常者では副腎機能にほぼ影響しないと思われる。
  2. ケナコルトの毎週投与は健常人であればほぼ問題にならないが、高コレステロール血症があるとACTH低下→下垂体機能低下→副腎機能低下のリスクが高くなると思われた。
  3. ケナコルトの長期定期投与は健常人ではほぼ問題にならないが、コレステロールの異常があるとACTH低下→下垂体機能低下→副腎機能低下のリスクが高くなると思われた。
  4. 高コレステロール症はステロイドによる下垂体機能低下→ACTH過剰抑制→副腎不全の高リスクの可能性がある
  5. コレステロール異常を持つ者へのTCA投与は、慎重投与の上、ACTHやコルチゾルの計測を義務付けた方がよい。
  6. ケナコルトの長期使用では下垂体や副腎機能検査を必ず行うべきである。
  7. ステロイドの少量使用でも長期化すれば下垂体機能低下をきたし、小児であれば成長障害、女性であれば卵巣機能不全などの恐れがあり、皮膚科や耳鼻科などステロイドを多用する科では特に慎重に投与すべきと思われた。
  8. ケナコルト5mgを2週に1回の使用と限定するのであれば、コレステロール値が正常であれば(治療薬の有無にかかわらず)ACTHやコルチゾルの異常をほぼきたさない。つまり注意は必要であるが安全に使用可能と思われる。
  9. コレステロール値が異常高値である者はごく少量のケナコルトにも反応しACTHやコ
  10. ルチゾルが低下する。よってコレステロール値が高い者にはステロイドの軟膏でさえ処方をためらう必要があると思われる。
高コレステロール血症がある者が治療薬を服用してコレステロール値を正常範囲に改善させていたとしても、1か月にケナコルトを20mg以上使用するとACTHやコルチゾルの異常を来す可能性が高い。高コレステロール治療薬ではこうしたホルモン系の異常に対応する力が弱いと思われ、根本的に改善させたいのであれば食事療法しかないと思われる。→続きを読む