最新脊椎学

索引 ご加持治療 ご加持統計 波動医学
奥様は巫女 野良医師記 治療成績’17
日常損傷病 ステロイド 上頚神経B ブロック 脊椎学
医学の功罪 難治性疼痛 ALS治療 画像診断学 生体力学
疼痛学 善良な医学 手術へ警鐘 アクセス

腰椎アライメント異常症という新たな概念

なぜすべるのか?なぜずれるのか?これまでの間違った概念を改め、ベクトルを用いて物理学的にすべりのメカニズムを解析する。すべると何が悪いのか?将来的にどうなるのか?すべりの意味に迫ります。続きを読む

潜在性二分脊椎・腰椎の破格調査

椎弓に異常のある潜在性二分脊椎は胚性椎弓の成長不全と正中面での癒合不全が原因で生ずる。これは約10%の人のL5-S1に見られる。潜在性二分脊椎では普通臨床症状はないが、ごく一部の症例ではこの部位の脊髄と後根に機能的意義のある奇形がみられることがある(最新整形外科学大系10、P6)。これまで極軽度の潜在性二分脊椎は臨床的な意義が少ないと思われ、広く研究されるに至っていない。ただ、潜在性二分脊椎は最軽度のものでも何らかの症状を起こす可能性が高いと述べている論文を散見する。よってこれを持つ患者には激しいスポーツや重労働につくと将来的に腰疾患になりやすいことを伝え、警告するということが一般的である。しかし、どの程度の二分脊椎が、どのような症状を引き起こすか?などの具体的な研究は進んでおらず、その臨床的意義は不透明なままである。続きを読む

背骨のお話

せきつい動物の脊椎は前屈に弱いということの理由から解説し、人間の脊椎が前屈姿勢をとることで脊髄が引き伸ばされてさまざまな症状が出ることを学びます。前屈で脊髄の病気が起こるという概念は今の脊椎学には皆無であり、それゆえ痛みがあっても整形外科でMRIを撮影し、「なんともない」と言われてしまいます。脊髄が引っ張られることによって病気が生じる「脊髄・脊椎不適合症候群」の概念を知るために、まずは背骨構造を学びます。続きを読む

脊椎の基本

脊髄は張力と摩擦に弱い臓器です。神経痛などの症状の多くは脊椎内での過剰な張力と摩擦によって起こることを本論文で説明していきます。しかしながら、現脊椎学には張力と摩擦で神経系が損傷するという概念が欠落しており、ここに書かれている内容は、そうした現医学に警鐘を鳴らすものでもあります。背骨のお話に続き、医学的な専門知識をお持ちの方用に、脊椎と脊髄の構造を説き、張力と摩擦がどのようにして発生するのかを物理的に説明します。現脊椎学では解明されていないさまざまな新知見がありますので、脊椎を勉強しようと思っている方々にお勧めです。MRIの読み方から背骨にまつわる病態生理まであなたの知識欲を刺激してくれるでしょう。脊髄・脊椎不適合症候群の概念を知るための基礎知識となります。続きを読む

世界の脊椎外科学会をゆるがす大間違い

腰椎椎間板ヘルニアは長い間、椎間板の髄核の脱出が神経根を直接圧迫することで激しい痛みを発症させると思われてきました。しかし、何本もある馬尾神経の中で1本の神経根だけが圧迫されることは事実不可能であり、「圧迫が痛みの原因」とする理論が非科学的であることが最近言われ始めました。もとより、高齢者ではヘルニアによる圧迫があっても症状がないことがほとんどで、腰椎椎間板ヘルニアのこれまで考えられてきた病態生理が、間違っている可能性が大きくなっています。痛みの根本原因は神経根への張力であり、張力のある神経根がヘルニアに押されて迂回ルートをとるようになり、さらに張力が高まり、後根神経節が炎症を起こすことが原因ではないかと思われます。それらの事実を模型を使って解説します。続きを読む

頚髄MRIの正常値

10歳から35歳の98例より頚髄断面の横径・縦径・断面積を調査しました。これにより以下のことが判明しました。頚髄断面積は年齢と共に徐々に大きくなること。女性よりも男性の方がサイズが大きいこと。頚髄の縦径は上位から下位に向かって徐々に小さくなること。頚髄の横径は昇順ではなくC4/5,C5/6で一旦大きくなること。これにより断面積もC4/5,C5/6で一旦大きくなること。断面積を計測して、そのサイズが異常かそうでないかを診断するには、男女別、年齢別で考えなければなりません。脊髄に強い張力がかかると頚髄の断面積は小さくなりますが、正常値を設定することで本格的に頚髄の緊張症を診断できるようになります。続きを読む

 極度の腰部脊柱管狭窄があっても症状が軽度である症例

腰椎MRIでL4/5のレベルで脊髄の断面積が正常の約20分の1にまでなっている「極度の狭窄症例」78歳男性に出会った。症状は100mの間欠性跛行と両下肢のしびれのみで、生活に支障がない。極めつけに狭くなっているというのに普通に生活ができていることから、人の馬尾神経は脊柱管が狭くなるだけでは症状が出ないことを推測させる。狭窄を見るやいなや手術しようとする整形外科医に警鐘を鳴らす。馬尾神経はかなり高度な狭窄があっても、たやすく損傷しない構造になっていることを考察する。続きを読む

頸椎奇異運動は脊髄緊張に起因する

頸椎を前屈させた際に環椎が逆方向に動く「奇異運動」を私ははじめて発見しましたが、この奇異運動は頚髄の断面積と関係があることが調査の結果わかりました。断面積が小さいほど奇異運動が起こりやすく、これは頚髄に緊張が強くかかっていると奇異運動が起こることを示唆します。ここでは頚髄の緊張をMRIで読むためのコツ、及び、奇異運動のメカニズムについて解説します。続きを読む

腰椎すべり症と過活動性膀胱の関連調査

私は腰椎疾患と直腸膀胱障害の有無について患者から聞き取り調査を行ってきたが、腰椎疾患を持ち、神経ブロックを受けている患者の実に84%にあきらかな頻尿の症状が認められた(「頻尿の原因が腰椎由来であることの実態調査」参)。これは信じられないほど莫大な数字であるとともに、特に下肢にしびれ・突っ張り・だるさなど痛み以外の症状を訴える者はその100%において頻尿症状が認められた。こうした傾向は高齢者だけでなく、10代の男女にも認められる。特にL5分離すべり症をともなった13歳の少年に頻尿現象があったことをきっかけに、もしかするとすべり症と直腸膀胱障害は年齢に関わらず、若年層でも密接な関係があるのではないか?と推測したのが調査のきっかけとなった。続きを読む

寝具と腰椎の関連調査

腰が悪い人は布団を薄くし、畳の上で寝るくらいに硬い布団の方がよいと信じている人は多い。中には病院のベッドをできるだけ硬めにしている医師も存在する。つまり、一般人のみでなく医師も平らな布団が腰痛疾患によいと信じているわけだが、この俗説が正しいかどうかを検証する。これまで寝具に関して医学的に検証を試みたものはない。ここでは平らで硬い診察ベッドを用い、そこに仰臥位になった状態でXP撮影をすることにより、腰にどのような影響を及ぼすかを調査した。 続きを読む

前傾ネックの病態生理

前傾ネックという言葉は医学的に存在しない。これは「頭部が体幹よりも前方にシフトし、頸椎が前傾になっている状態」を私が定義づけた言葉である。後弯(前屈している状態)ではなく、頸椎の軸が前方に傾斜している前傾である。頸椎の前傾姿勢をなぜとるのか?前傾が何を意味するのか?全く知られていないが、今回は前傾ネックについてその病的意味を考察した。前傾ネックでは頸椎のアライメント測定で誤差が出てしまうことも同時に調査したので、今後、頸椎のアライメントの研究をする者たちの参考になればと思う。続きを読む

異所発火説という因縁

脊椎外科医は確かにヘルニアを除去することで痛みやしびれが完治することを体験した。手術中、神経根がヘルニアに押されて強い張力が働いていることを見た。ヘルニアと硬膜が癒着しているところを自分の目で確認した。そして術者たちは間違いなくヘルニアが痛みの直接的な原因になっていることを確信した。しかし、これが脊椎外科医たちにヘルニアの間違った考え方を植え付ける原因となった。数えきれない程の誤った手術を行わせる原因となった。というのも、ヘルニアを除去しても痛みがとれない症例が続出したからである。さらに壮年者では症状が全くなくてもMRI上76%にヘルニアが存在する事実、そしてヘルニアが全く存在しないにもかかわらず激しい神経痛を患う人が少なからずいることなど、「ヘルニアが痛みの原因」とするには理屈に合わないことが続々とわかってきた。それでも脊椎外科医たちは「ヘルニアが神経根を圧迫して痛みを生ずる」という考え方を引っ込めるわけにはいかなかった。ヘルニア手術を開発した教授たちのプライドである。 続きを読む

脊髄終糸症候群手術に警鐘!

ヘルニアも脊柱管狭窄もないのに強い腰下肢痛・頻尿などを呈する病気は、これまで「精神疾患である」とされ、精神科薬で薬漬けにして治療するということが世界で行われていました(今も行われています)。しかし、近年になり原因不明の腰下肢痛の原因が「脊髄の緊張にある」という新たな発想を持つ整形外科医が出現し始めました。そして脊髄の緊張を除去するために硬膜の終糸を切離する手術を行う医師が現れ始めました。これはすばらしい進歩です。私はそうした「脊髄の緊張」に着想するようになった医学の進歩を大変うれしく思う一方で、こうした安易な手術の危険性を強く訴えざるを得ません。なぜならば、硬膜は脊髄や神経根を緊張から守るためにある組織だからです。続きを読む

腰痛に対する安静療法の概念

腰痛、坐骨神経痛などを安静にして治すという概念が、現医学にほとんどないことをとても残念に思う。体を動かしながら治せるのであれば、労働者が腰痛を訴えて会社を休むことはそもそもないだろう。どんな痛みも安静にすることが治療の基本であることを再度見直し、横になっているとただちに廃用性症候群になるというような間違った知識を正していく必要があると感じる。ここではそもそも安静がなぜ必要か? どのように安静を守るのか?について具体的に考えていきたいと思う。続きを読む