背骨と病気のお話

あんまり驚かないでください

あんまり驚かないでください。これから話すお話は私が自分の頭で誠実に考えた新しいお話しです。だからこれを話すにあたって、参考にした教科書や医学書、雑誌などはほとんどありません。だからといって奇想天外な話をするわけではありません。当たり前のことを整理して一つ一つわかりやすく考えたものをつなげて作った極めてまじめで科学的なお話です。


話の流れで現代の医学を痛烈に批判する場面もありますが、それは少しでも医学をよい方向に向かわせたいという願いからであって、世界の偉い教授先生たちの名誉を傷つけるためではありません。話を進める上で現在の背骨の手術などに対して厳しい意見を申し上げますがお許しください。


ここでは誰もが理解できるようにやさしく背骨から来る病気のことについてお話しします。全てのお話が、専門家たちに言わせれば、言葉足らずになっているとは思われますが、ご容赦ください。医学を志す人、背骨の病、難病奇病に苦しむ人たちに役立つお話です。


いきものの起源

生き物の起源からお話しすることで背骨の基本的な仕組みがわかります。背骨は生き物にとって何の意味があるのかというお話です。

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この地球には背骨を持つ生き物が食物連鎖の頂点を極めています。頂点が優れているわけではありませんが、頂点である理由や利点があります。生き物たちは常に子孫をつないで行こうとする方向に進化していきます。それは命を守るため、栄養源を確保するため、環境になれるための進化です。あるものは骨格を体の外にまとい、殻を作って、簡単には食べられないように進化します。

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しかし、丈夫な殻をまとうとその重さと不自由さのために移動速度が遅くなり、自在な動きができません。殻がなければ動きが自在になりますが、地球の重力に打ち勝って体を支えることはできないので、陸地で生きるには極めて不利になります。


 

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また、殻や骨格がない軟体動物は筋肉の動きを支える骨や関節がないため、ある程度の速さ以上には動けません。もしも動きを速くしたいのなら強い骨格と素早く収縮できる骨格筋が必要です。が、速さをと自在さ身につけるには体の表面がある程度柔らかくなっている必要があります。その二つの条件をみにつけて進化したのがせきつい動物です。


体の表面は皮膚という比較的やわらかいもので覆うだけにして機動性を富ませ、柱となる骨格を体の中心に置き、強靭な筋肉でそれらを素早く動かすことを可能にしました。だからこそ脊椎動物が食物連鎖の頂点に立つことができたわけです。


しかし、完璧に見える脊椎動物にも弱点があります。それは神経です。筋肉がたくさんあって、いろんな素早い動きができる分たくさんの神経が必要です。その神経の通路が弱点となります。神経が傷つけば動きが失われ、その時点で生きていくのは困難になります。よって神経は強靭に守られなければならないという宿命を背負います。つまり脊椎は脊髄という神経の束を守るために作られた鎧です。しかしながら地上に生きる動物の脊椎には致命的な弱点があるのです。


うごきが多様な地上動物の脊椎

魚類の背骨には重力がかかりませんが地上の背骨には重力がかかります。だから地上の脊椎動物の背骨は重力に耐える構造をしています。


 

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真ん中の三角の穴が脊髄を通すスペースです。左が魚類、右が人です。右の人の脊椎は魚類に比べとても複雑な形をしています。複雑な理由は、地上の脊椎動物では背骨で重力を支えなければならないからです。


地上動物の脊椎は姿勢により、上下前後左右、あらゆる方向に重力を受けます。その重力に耐えるために前後左右にずれないようにフックがついています。複雑なのはそのためです。魚類の場合、背骨を左右に動かすという単純な動きしかしません。ところが陸棲動物は前後にも屈伸させることができます。

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イルカやクジラは水棲の哺乳類ですが、彼らもまた背骨を前後屈させます。ところが前後屈させると背骨には「ある重大な弱点」が発生します。それは脊髄が背骨によって引き伸ばされてしまうという弱点です。

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背骨が側屈するときは脊髄が直線を走るので、引き伸ばされるということは起こりません(図の左)。それどころか、脊髄が直線を走ることで走行距離が短くなります。しかし前屈するときは椎体と椎体の間隔が開くので脊髄がかなり引き伸ばされることになります(図の右)。


地上に生きる脊椎動物の背骨は前後に曲がる構造ですから、前に曲がる時は背骨の中を通る脊髄が物理的に引き伸ばされます。これが陸棲の脊椎動物の弱点です。なぜなら脊髄は筋肉のように自在に伸縮できないからです。引き伸ばされると損傷します。


しかし現医学には脊髄が姿勢や体勢によって過度に引き伸ばされて損傷するというような考え方がありません。よって脊椎疾患の患者は、見当違いな原因を疑われ、見当違いな脊椎手術が行われ、術後も痛みがとれないということが世界中でしばしば起こっています。脊椎手術の成績があまりよくないということは脊椎外科医が自ら認めていることですが彼らはその理由にまだ気づいていません。


えんかつな背骨の動き

背骨が側屈しても脊髄の長さには影響しません。しかし脊椎が前屈すると脊髄は必ず引き伸ばされます。逆に背骨を背屈すると脊髄の走行距離は短縮し、ゆとりが生まれます。だから陸上の脊椎動物にとって前屈することは脊髄を損傷する機会を増やします。


四足の動物でもそこに例外はありません。牛や馬でさえ頸椎に損傷があると首を前屈することを嫌がり、地面にある草などを食べようとしなくなります。背骨が強く前屈することは脊椎動物にとっては危険なことですので脊椎動物全般的に脊椎をできるだけ前屈しない仕組みになっています。


たとえばキリンが水を飲む時、首を曲げますが、もともと前屈している胸椎や腰椎をさらに曲げるということはありません。もともと背屈している頸椎の付け根→やや前屈している位置、へと動かすことによって首全体を前屈させます。

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このとき頸椎はそれほど強く曲がっていないことがわかります(黄色のラインで示している)。しかしながら、キリンが首を横方向に曲げるときはとてもよく曲がります。キリンの頸椎は前屈に対しては制限され、側屈に関しては自由度が大きいことがわかります。

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もちろん人間の首も同じで、前屈には制限があります。

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前屈はおもいっきり曲げても真ん中の写真のようにあまり曲がりません。それに比べて背屈させるときはしっかり曲がります(写真の右)。


脊椎が前に曲がると脊髄が引き伸ばされて損傷するので、前に曲がってはいけない構造になっています。人間の場合、直立歩行をするため、腰椎が背屈するように進化しました。

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よって、背骨が大きく前後に曲がる構造を持っていますが、それでも頸椎や腰椎は少ししか前屈しないことが上の写真からわかります。背骨が前屈すると脊髄のトンネル(脊柱管)の長さが長くなるので、脊髄が引っ張られてしまうことは避けようがありません。背骨の前屈は、脊椎動物にとって神経損傷のリスクとなるからこそ頸椎と腰椎は前屈しすぎない構造になっています。


おおくは伸びない脊髄

神経は筋肉のように伸びません。無理に伸ばすと損傷します。神経には薄い膜と鞘がついていますが鞘はゴムのような弾力性がなく、薄くても丈夫です。脊髄は神経の束です。よって普通なら自由に伸びません。いや、伸びてはいけません。しかし、背骨が前屈すると脊柱管が長くなるので、脊髄は多少、伸びることができる構造を持たなければなりませんでした。その構造が「交叉すること」です。

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脊髄では神経が縦に走っていますが、その神経が背骨から出る高さに来ると横に走り、反対側の場所から外に向かって出ていきます。だからアルファベットの「X」を描くように神経が交叉します。


神経が交叉しているおかげで脊髄は少し伸びることができます。横に走っていた「X」の線維がたて斜め方向に走ることで、神経自体が伸びることなく、脊髄が多少伸びることができます。このとき脊髄の断面積は小さくなります。「X」部分の断面積が小さくなることで断面積が小さくなります。


脊髄を走る大部分の神経が必ず交叉するのですが、なぜ交叉しなければならなかったのかの理由は「脊髄が引き伸ばされても神経が損傷しない構造」を得るためです。脊髄が引き伸ばされてもっとも損傷しやすい場所は物理的考えて脊髄の根元である延髄でしょう。

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延髄には矢印で示した錐体と呼ばれる場所があり、随意の筋肉を動かす運動神経はここで交叉します。もっとも引き伸ばされる機会の多い場所で運動神経の多くが交叉する理由は、それほど運動神経が生き物にとっては重要度の高い神経であるからでしょう。


カイフォーシスネックでは脊髄が無理に引き伸ばされる

まっすぐ前を向いているのに頸椎が前に曲がっているのをカイフォーシス(後弯)ネックと言います。下の図の左がカイフォーシスネックです。右は正常です。正常な頚椎の人はまっすぐ前を向くと頸椎がそりますが、カイフォーシスネックではまっすぐ前を向いているのに左のように前に屈曲します。カイフォーシスネックは、わざと首を曲げようとしてこうなっているのではなく、自然にリラックスしていてもこの状態です。当然ながら脊髄は常に引き伸ばされます。

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また、カイフォーシスネックの人は首を最大に曲げた時に撮影すると下の写真のように普通の人以上に曲がります。

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右の写真は正常者が最大に屈曲させた写真です。カイフォーシスネックの人はまっすぐ前を向いているにもかかわらず、正常の人が最大に屈曲した時以上に曲がります。これは脊椎動物にとってかなり危険なことです。何もしていない状態でも常に頚髄が引き伸ばされる可能性が高いからです。


きんちょうの強い頚髄のMRI

脊椎が前屈している状態では物理的に脊髄が引っ張られます。よって脊椎動物にとって前屈はリスクのある行動です。しかし、脊椎動物の鳥類や哺乳類のように「子育てをするいきもの」にとって前屈は必須行動です。前屈しないと子を育てられないからです。しかし、今も尚、脊椎の前屈は進化の途中であり、前屈が脊椎動物にとって苦手であることには変わりありません。ここでは実際に脊髄が引っ張られている症例をいくつか示します。

 症例1

37歳女性 両上肢のしびれと痛み・握力低下・肩こり・背中・首の痛み・頭痛・強い不眠・顔面紅潮

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左は脊髄が強く引っ張られている例、右は引っ張られていない脊髄です。両者を比較すると、左の方が延髄の前後径が狭くなっています。各レベルでの横断面積もC1/2、2/3、3/4で症例1の方が小さいです。C5/6、C6/7の断面積は正常対照とほぼ同じですが、断面積は神経根の緊張が高いとC5/6、C6/7で断面積が広くなるという特徴があります(横に引っ張られるために横断面積が広がるから)。また、左の脊髄は直線的で、右は曲線的です。同じ人間なのに脊髄の長さのゆとりには差があります。では実際に、緊張の強い脊髄の特徴を図解します。


脊髄緊張のサイン1:直線的である

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脊髄が張力を受けると、走行は重力に反して直線となります。MRIは仰臥位で撮影しますので、本来脊髄は重力で背中側(この図の右側)に寄ります。が張力を受けていると吊り橋のように浮いて直線的になります。


脊髄緊張のサイン2:凸部の曲率半径が変わる

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脊髄が張力を受けると硬膜が直線を走ろうとするので凸部の内側は圧迫されて曲率半径が小さくなりますが、外側は直線を走ろうとするので曲率半径が大きくなります。そして凸部での前後径も短縮します。緊張が緩いと内外側は同じ曲率半径となります。


脊髄緊張のサイン3:ヘルニア部対面が直線

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緊張が緩ければ、ヘルニア凸部を脊髄は避けて後方(右側)寄ります。しかし緊張が強いと後方に寄るゆとりがないので凸部に押しつけられて凹み対面は直線化(青線)します。


 

脊髄緊張のサイン4:間隙は凸部で狭く凹部で広い

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脊髄に緊張があると脊椎の凸部では隙間がゼロになり(赤矢印)、脊椎の凹部では隙間が出来ます(青矢印)。

これらのように、脊髄に緊張がかかっている状態はMRIで確認できますが、実際に脊髄の緊張が強い人はちょっとしたスポーツや遊びの時間で脊髄が損傷を受けやすくなります。たとえ強い衝撃でなくても、長時間前屈状態でいるだけでも脊髄は傷つきやすいでしょう。まさに脊椎動物の弱点です。このようなMRIの読影方法は現医学では考えが及んでいませんので先生方もこの画像で学んでいただけるとありがたいです。


MRIがぞうで脊髄・脊椎不適合を見つける限界

これらのようにMRIで脊髄に強い緊張が存在しているかどうかを簡単にみつけることが可能です。脊髄に緊張があると、断面積が小さくなり脊髄の走行が直線的になり、上記のような変化が認められます。しかしながらMRIは静的な(じっとしている状態で撮影する)検査ですから、前屈した時のみに緊張が高まるなどの「動的な不適合」を見つけることができません。これがMRIの限界です。よってMRIで脊髄に緊張がかかってないように見えても、実際は前屈すると強く緊張がかかって症状が出るというような人の異常を見つけることはできません。


せきずいを固定する紐

脊髄は脊椎内である程度自由に動き、ある程度固定されています。そうでなければ事故で脊椎が強く前屈したときに延髄や橋にまで張力が伝わり、ここが損傷すれば致命的だからです。脊髄が引っ張られてもストッパーがついていれば脳幹が引っ張られることを防ぐことができます。ストッパーは下図のように正中・外側硬膜靭帯というものが椎体毎に存在しています。

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この紐があることで脊髄が尾側に引っ張られても、牽引力が直接脳幹に伝わる前に防ぎます。しかし、この紐はそれほど強力ではないので強い牽引力がかかると脳幹にまでその力が及んでしまいます。


また、むち打ち事故などではこの紐が引っ張られ過ぎることで硬膜が破け、髄液が漏出することもあるでしょう。これを髄液漏出症候群と言います。むち打ち事故で延髄が強く引っ張られて損傷を受けると、自律神経失調症が発生します(延髄が自律神経の核なので)。そうした症状をバレー・リー症候群と言われています。私はこのようにむち打ち後の自律神経失調症の発生理由を考えていますが、現医学は私のような発想をしていないようです。


以下 未完成 執筆途中

 

 

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