三叉神経痛の治療成績(2017)

当院ではいわゆる三叉神経痛の治療はしていない。いわゆるとは三叉神経の末梢に物理的な刺激原因があるものであり、そうしたはっきりした物理的な原因のあるものを一般的に三叉神経痛と呼び、それよりも中枢が原因している顔面・前頭部の痛みは三叉神経痛とは呼ばず、原因不明と言われたり精神異常と言われたりする。当院では原因不明の症候性三叉神経痛のみを治療し、その治療成績を示す。いわゆる三叉神経痛は脳外科医や麻酔科医に一任するが、いわゆる三叉神経痛は頭・顔面痛の一部でしかないと感じている。


全10例

著効4例 改善3例 中断3例(治療1回で中断)


中断した3例を無効と仮定した場合、有効率は70% 改善例は数日の改善であり再燃傾向が高い。著効とは痛みが5割以下になることが1週間以上続くこととした。改善は少しでも軽快していると感じたものとした。


考察

症候性三叉神経痛は難治性である。三叉神経の末梢にブロックを行っても無効なことが多いが、当院では星状神経節ブロックをさらに進歩させた上頚神経節ブロックを行っている。「星状神経節ブロックは三叉神経痛には無効」と教科書に掲載されているため、三叉神経痛に星状神経節ブロックを行い医師はほとんどいない。当院ではオリジナルの上頚神経節ブロックしか行わず、その有効率は70%と高い。この意味を逆に考えると、三叉神経領域の痛みを訴える患者の中に「いわゆる三叉神経痛」の患者は多くないとなる。この痛みに上頚神経節ブロックがこれほど高い効果を示すことが、「痛みの原因は三叉神経の末梢には存在せず、ほとんどが中枢に存在していること」の証となる。


上頚神経節ブロックの効果としては、著効だけでも40%ある。改善の3例と著効の1例には再燃傾向があり、治療には繰り返しのブロックが必要と思われる。繰り返しブロックを行えば有効率、著効率はさらに上昇すると思われる。症候性三叉神経痛に上頚神経節ブロックは極めて有効であると結論する。