高コレステロールが認知症を進行させる

高コレステロールの話をする前にまずコルチゾールが脳のシナプス形成にどのような役割を担っているかについて述べる。


2012年岩手医大の祖父江らはストレス条件下で増加するコルチゾールがシナプス形成障害を引き起こすメカニズムを分子レベルで解明。その一方でラニッシュラオらは動物実験では重大なストレスを受けている間に、多量のコルチゾルは動物の不安行動を緩和させたことを示す。また、コルチゾールが減ってしまうと海馬の神経細胞は樹状突起をのばすことができずとあり、コルチゾールが枯渇しても記憶障害が起こると言われる(2010年別冊ニュートン「脳と心」)。


結局、コルチゾールは分泌量・分泌期間などによりその役割は変化し一様ではない。コルチゾールは間違いなく脳の機能を保つ役割をしていて、多すぎず、少なすぎず、バランスを保つことが脳機能の正常化に必要であることがわかる。コルチゾールのバランスが崩れることが脳に様々な悪影響を及ぼすと言える。わかりやすく言うと、

  1. 脳が強いストレスを受けた時は瞬間的に多量のコルチゾルが分泌されなければ脳細胞の損傷は免れない。
  2. コルチゾルが長期に渡って分泌されるとシナプス形成が阻害される
  3. コルチゾルが枯渇してしまってもシナプス形成に障害が出る

脳にとってコルチゾルはバランスよく有事に適宜分泌されることが大変重要であるといえる。適宜分泌されなければ、その度に脳細胞が障害を受けることになるだろう。


人はストレスを受けると不安や焦り、イライラなどによりコルチゾールが多量に分泌され、脳の過剰な反応を抑えようとするが、その反面、ストレスが長期化し、コルチゾールが分泌され続けると、脳のシナプス形成まで停滞しうつになる。


それを過ぎると、ストレス後症候群(PTSD)ではコルチゾールの慢性的な減少が起こり、これが正常な脳の機能を阻害し、記憶障害などを引き起こすと推測されている。慢性的な、コルチゾールの減少は認知症を進行させるようである。


さて、問題となるのは慢性的なコルチゾール減少は誰もがなるというわけではなく、ある条件下で起こるところにある。その条件が高コレステロールである。


ここでは敢えて高コレステロール血症という言葉を用いなかった。なぜならば、最近では薬の発達で、コレステロールを必要以上に摂取しても、そのコレステロールを血液内に移動させないことができる。よっていくらコレステロールを過剰に摂取しても血中コレステロール値は正常であるというのが通常になりつつあるからだ。私の言う「高コレステロール」とは血中コレステロールが高いことを指すのではなく、過剰に摂取し、過剰に蓄積されている人のことを示す(血中コレステロールが高いとは限らない)。


コルチゾールの枯渇は、そうした「高コレステロール状態」の人に起こりやすいということを私は2013年に偶然発見した。発見のきっかけはコルチゾールを体内に投与したときの副作用を調査だった。


通常では副作用がでないはずのごく少量のコルチゾールを投与し、その1~2週以降の血中のコルチゾールとACTH(副腎皮質刺激ホルモン)を測定したのだが…。こく少量のコルチゾールしか投与していないのにコルチゾールが激減する症例が少なからず存在し、その90%が「高コレステロール状態」だったのだ。


つまり、必要以上にコレステロールを摂取している人は、外部からコルチゾールを投与するとコルチゾールが急激に低下しやすい(副腎皮質や下垂体の機能が低下する)ことが判明したのである(「高コレステロール血症と下垂体機能低下症の関連調査」を参)。


ではコルチゾールを投与しなければいいではないかという話になりそうだがそうではない。私が投与しているコルチゾールはごく低用量であり、普通に体内で生成される分泌量よりも少ない。つまり、私の投与したコルチゾールよりも大量のコルチゾールが緊急時(ストレスを受けた時)には体内から分泌される。だから普通の人でも「高コレステロール状態」にある人はストレスを長期間受けているとコルチゾールが正しく分泌されない体になってしまうというところに重大な問題点がある。


私の研究からわかったことは、どうやら、高コレステロール状態にある人の場合、わずかなコルチゾールが分泌されただけであっても視床下部や下垂体に強烈なネガティブフィードバックがかかってしまう。これが慢性化すると下垂体や副腎皮質が委縮してしまいコルチゾールの枯渇が起こる。


話を最初に戻すが、コルチゾールはそもそも脳のシナプス形成に必需品である。バランスよく分泌されることが脳のシナプス形成に重要である。高コレステロール状態ではそのバランスが崩れ脳のシナプス形成障害が起こり、認知症を進行させることが考えられる。


コルチゾールの増加が引き金となって認知症が進行する危険性があるわけだが、問題はどういう時にコルチゾールが増加するかである。もっとも暴露機会が多いのは感染症、特にインフルエンザである。


感染症を患った際には炎症を抑えるために副腎皮質からコルチゾールが多量に分泌される。しかし、その際に高コレステロール状態であると、視床下部や下垂体にネガティブフィードバックが強烈にかかり、下垂体機能低下・副腎皮質機能低下が続発する可能性が極めて高い。感染が長期化すると下垂体-副腎機能低下は3カ月近く長引く。その間、認知症や記憶障害が進行する可能性が高い。


こうした自己コルチゾールに対する過剰なネガティブフィードバックを起こさせないためには高コレステロール状態を改善する以外にない。つまり、高コレステロール治療薬を服薬しても無駄で、コレステロールの摂食制限をする以外に方法はない。


高コレステロール血症の人口は2200万人とも言われ、摂食制限をしなければならない人口割合は莫大である。これらの人口に対する高コレステロール治療薬の売り上げは莫大であり、私がこうした内容を公表することは世界を揺るがす社会問題にも発展しかねない。よって学会発表ではなく、ブログでのつぶやきとして公表する。ことが重大なだけに事実確認はもう少し慎重であるべきだからである。

 

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