高齢者ふらつき治療完成報告(症候性パーキンソ二ズム)

はじめに

動作が全体的に遅くなり転倒しやすくなることが70歳を超えると急に起こりやすくなることをご存知だろうか? 脳の活動低下が原因で起こる日常動作の不安定症状はこれまでの医学では「病気」とは扱われずただただ放置するしかなかった。中には手のふるえや小刻み歩行などを伴い「症候性パーキンソ二ズム」と診断がつく場合もあるが、大部分の高齢者は診断がつかないままただ「動作が遅くなる」だけの症状であることが多い。私の診療所では以前より「小刻み歩行」や「手のふるえ」が現れた患者に対し上頚神経節ブロックを行い、治療法がないとされる「症候性パーキンソ二ズム」の治療を行っていたが、この治療を行うと高齢者の運動能力が格段に上昇し、転倒しにくくなる、足が上がるようになる、全ての動作素早くなるというすばらしい効果があることがわった。本治療は先進国がかかえる超高齢化社会を真正面から救うことのできる非常に有用な方法なので一刻も早く世界中に広めるべきと感じる。


残念なことにみんな治療をあきらめている

高齢になり、計算力・記憶力・運動力・平衡感覚などが低下することを、上頚神経節ブロックで回復させることができるというのに、この文章を高齢者たちが読む機会がないために「みんな治療をあきらめている」ことに非常に残念でならない。

私のクリニックには82歳と84歳の夫婦(建設会社を経営)が現役バリバリで働いているが、それを上頚神経節ブロック(月に1回)で支えている。ブロックの効果が切れてくる頃になると、ふらつきや計算力低下が起こるようになり、ブロックを行うと再び頭脳力が改善し仕事が出来るようになることを体感している。よってこの夫婦は仕事を続けるために上頚神経節ブロックを必須にしている。

上頚神経節ブロックは人生の後半をこれほど充実させる力があるが、それの事実は世間に広まらない。残念というよりも人類の幸福にとって「もったいない話」である。が、私にはそれをどうすることもできないため、上頚神経節ブロックがいかに効果が高いかの証拠を「突発性難聴の治療成績」で代用して示す。「突発性難聴と脳の老化は関係ない」とは思わないでいただきたい。難聴を治せるということは、頭蓋内の神経細胞を治せるということと同じ意味だからだ。

では上頚神経節ブロックの治療実績をご覧ください。


症例1 82歳 女性

3ヶ月前から歩行が小刻みとなり歩幅が確保できず歩きにくいという症状が出現。若干前傾姿勢となってきた。手の振るえ・固縮などはない。誰にも相談できず悩んでいたが思い切って私に相談してきた。即座に上頚神経節ブロック(1%キシロカイン2cc×左右)を行うと、その数分後から小刻み歩行が消失しすたすたと帰宅できた。さらに2週後、「小刻み歩行が再び現れ始めた」というので同ブロックを行う。それ以降全く小刻み歩行が起こらなくなった。

 

症例2 83歳 男性

2年前より手のふるえあり、会計時にお金を取り出すのが困難なレベル。普段もほとんどつねに手がふるえている。本患者は私が2年前から腰部脊柱管狭窄症に起因した坐骨神経痛をブロック治療していた患者だった。この半年で歩行が極めて遅くなったが、これは腰部脊柱管狭窄症によるものではなく脳由来であると判断。「手のふるえも治せますよ」と本人を説得し上頚神経節ブロックを週に1回の頻度で開始。数回の治療後歩行能力が上昇し家から診療所までの距離800mを独歩来院可能となった(それまではバスかタクシー)。手のふるえは会計時の手のふるえ方を観察。やはり数回のブロックで徐々にふるえがおこらなくなった。6回目のブロックで手のふるえはほとんど起こらなくなった。しかし、いまだに歩行時のぎこちなさまでは解消しきれていないため治療を継続中。

 

症例3 80歳女性

1年前より私の外来で腰部脊柱管狭窄症の治療のため隔週で腰部硬膜外ブロックを行っていた患者。半年前から転びやすくなり、1ヶ月に1回は最低でも転倒するようになる。診察日時も間違って来意することが目立ってきた。ここ1ヶ月は転倒することを恐れ、家にとじこもるようになる。本人からではなく、患者の友達から「転んでばかりいるのでどうにかなりませんか?」と相談されたため、本患者を説得し治療を開始することにした。

上頚神経節ブロックを行う初日、診察室に入室する際にきわめてぎこちない歩き方をしており、杖をついていたが転びそうだった。しかし、同ブロックを行った数分後、退室時にはすたすた杖をつかずに歩いて帰った。劇的な変化だった。その後5日間は買い物も散歩もすたすた歩けたと本人から報告を受けたが、6日目には再び足がもつれやすくなったと言う。そこで本ブロックを毎週行うことにした。ブロック後の数日は杖が不要になる。しかし数日から4~5日経過すると症状が再燃する。気温や気圧の変化で悪化もする。よって現在、週二回同ブロックを行い経過観察中である。

 

症例4 81歳男性

1年半前から腰痛・下肢痛で歩行能力が急激に低下した患者。1.5年前から私の外来にかかり、硬膜外・神経根ブロックなどを駆使しようやく歩行ができるというレベルにまで復帰させたが、「痛みが軽くなってきた」というのに「寝返りができない、一人でベッドから起き上がれない」などの不可解な症状があった。明らかな小刻み歩行はなかったが動作が極めて緩慢であり私は「症候性パーキンソ二ズム」ではないかと考え(今から10ヶ月前)上頚神経節ブロックを4回行った。すると歩行能力が上昇し診療時の入退室がスムーズになったのだが、本人は「ブロックしても特に改善したとは思えない」と発言し治療に乗り気ではなかったため中止した。中止後数ヶ月かけて極めて徐々に動作スピードが遅くなることが観察できた(ブロック後の寝返り動作・起き上がり動作で確認)。

そこで再び本人を説得し上頚神経節ブロックを隔週で受けることを命じた。ブロック再開1ヵ月後、寝返りや起き上がりが速やかに自力で行えるようになり、毎日スタスタ散歩ができるようになった。それはあまりにも劇的な変化であり、患者本人も「このブロックのおかげで動作が速くなった」と認識した。

 

症例5 72歳女性

症候性パーキンソ二ズムと診断を受けている72歳の女性。手のふるえと前かがみ姿勢、小刻み歩行があり、これを上頚神経節ブロックで改善させた例。「パーキンソン症のブロックの驚異の効果紹介」を参。

 

その他の症例

動作緩慢・歩行スピード低下・前傾姿勢・うなだれ首などの症状がある高齢者には積極的に上頚神経節ブロックを行い、全例で改善傾向を認めている。他に10数例あり、現在も治療中である。ここでは省略し、症例がまとまれば再び報告する。


 

症候性パーキンソ二ズムに本人は気づかない

手のふるえという明らかに目に見える症状がある場合、本人が自分の体の異変に気づくことはたやすいが、動作が緩慢になる、ころびやすい、ふらつく、という症状では「症候性パーキンソ二ズム」の存在に本人も医師もきづかないものである。今回の私のレポートではなぜ「症候性パーキンソン二ズム」の存在を証明できたかというと、上頚神経節ブロックの前後ではっきり歩き方や動作スピードが変化するからである。本ブロックは延髄・脳幹・大脳・小脳などへの栄養血管を拡張させてあげるだけの治療である。その治療前後で症状がこれほど劇的に変わるのだから、患者には「脳・脳幹・延髄の血行障害による動作異常」が存在していたことが判明する。しかし、動作異常は極めて緩慢に進行していくため「歳のせい」と放置するのが常であり、本人も脳の血管障害であると認識することはない。この劇的な効果のある上頚神経節ブロックは、なるべく早く治療法を世界に拡散させなければならないと感じるが、これまで「誰も治療法を考えてこなかった」領域の病気なので、簡単に広まるとは思えない。まずは本人が自覚する必要があり、そのためにはマスコミによる本症の治療例の通念の拡散が必要である。


 

整形外科医ショックを起こす

整形外科医はロコモティブシンドロームなどをさかんに研究し、高齢者の寝たきりを防ぐ医師としての第一人者になろうと必死であるが、本症例はそうした整形外科医をショックに陥れるほどに驚愕の事実となる。それは運動能力が劣化する理由の第1が、運動器にあるのではなく脳にあることを露見してしまったからである。

この事実は私にとっても衝撃であった。なにせ私は超高齢化社会を本気で救うために、運動器と脊髄の機能を回復させるためのあらゆるブロック術を研究してきた医師だからである。その私が、歩行が困難になる理由が末梢(末梢神経、筋、骨、関節)にあるよりも、中枢(脳・脳幹・延髄)に重点があることを知ってしまったからである。

私は腰部脊柱管狭窄症の患者に対し、積極的に硬膜外ブロックなどで治療し、手術することなく歩行能力を改善させることを主たる仕事としてきた。しかし、実際に治療してみると、腰部硬膜外ブロックを行うよりも、上頚神経節ブロックを行った方が、患者がスタスタ歩ける様を見て、極めて困惑した。今までやってきた研究努力が自らの手で水の泡にされた気分だった。

同様に整形外科医もリハビリテーション科もデイサービスも訪問リハビリステーションも、介護施設も・・・同様のショックを起こす。彼らの努力は無駄ではないが、高齢者の運動能力の役にはあまり立たないことを認めざるを得ないからだ。それほど本ブロックの効果は既存の治療法に比べると格段に症状を改善させる効果が著しい。


 

他人事?それとも自分事?

超高齢化社会が到来し、若者が介護に苦しむ時代となることがわかっている。そうした世情の中、80歳を越えても寝たきりにさせない社会を作るためには本ブロックを世界に拡散させなければならない。

しかし、「本人は気づかない」この手の病気では家族が率先して治療に通わせてあげる必要がある。家族の理解なしでは本治療法は広がらない。そのときに、高齢による動作の緩慢を他人事とするか自分事とするかが個人個人に問われるであろう。そしてこのような有用な治療法を広めるためには、私がいくら自画自賛した論文を述べ立てても無理である。国民全体が治療の普及を欲し、政治的に国に圧力をかけなければならない。一刻も早くそうした国民の力が結集することを望む。ちなみに、私は自分の手柄を誇示するためにこのような論文を書いているわけではない。本気で世界のこと、国のことを考えている。


 

上頚交感神経節ブロックの普及

このHP上では上頚神経節ブロックが延髄・脳幹・脳が由来する諸症状に極めて有効であることを示してきた。著者は6~7年前にこのブロックを編み出し、これまでのべ数千例に治療を行ってきたが目だった副作用はなかった(上頚神経節ブロックの作用・副作用参)。

しかし、私以外の者がこのブロックを行うとなると合併症に一抹の不安がある。普及をさせなければならないが、安全性についてさらに研究する必要がある。そして症候性パーキンソ二ズムの治療としてこのブロックが保険請求が認められるよう動く必要がある。

高齢者ふらつき治療完成報告(症候性パーキンソ二ズム)」への12件のフィードバック

  1. 私の義父は81歳です。5年ほど前に転倒し初めて起き上がれなくなったと言っておりますが、今は日常起き上がれないことが多くなり、いよいよ本日から介護付き施設へ入ることとなりました。
    以前は、歩くことを趣味とし、2駅も3駅も電車に乗らず70歳過ぎまでは活発にしかも早く歩いていて元気だった人が、ここ数年で急激に(加速度的に)歩けなくなってしまい、日常生活も一人で困難な状況になったのです。
    あまりにも急にこのような症状に陥りましたが、町の整形外科は年齢によるもの、と一言で片付けているようです。私はそうではないんじゃないか?と思って義父に解決策を持つ先生が必ずいるはずで、探してみたいと思っていたところで、このサイトにたどり着きました。本人ではなく恐縮ですが、どうかよろしくお願いいたします。

    • 私のクリニックにはあなたの父と同じ症状の人がしばしば来院されます。そして上頚神経節ブロックを受けてすたすた歩いて帰られます。原因は脳血管の老化による大脳基底部の血流障害です。初期であればなんとかなりますが、脳細胞が壊死(萎縮という言い方もある)していると、治療効果が極めて少なくなります。まあ、効果がしっかり出るかそうでないか?は試してみないとわかりません。私は多くの難病奇病を改善させることができますが、死んでしまっている細胞を生き返らせることは「短期間には」できません。診療所は東京にありますが、通院は可能でしょうか? それが心配です。

  2. 91歳の父です。レビー小体型認知症で通院中です。(診断確定後2年です)
    その前後から頻繁に転倒しておりました。主治医はパーキンソン症状と言うのでリバスタッチ4.5ミリ処方されておりましたが、最近9ミリになりました。
    父はベッドや椅子から立ち上がった時に下肢に力が入らず、ふらつき、とっさに
    身近に有る物につかまろうとして転倒してしまいます。
    前傾や小刻み歩行は確かにありますが、主治医は立ち上がった時にふらつくのは
    パーキンソンでは余り聞かないと言います。このままの治療しか無いのでしょうか?教えて下さい。お願いいたします。

    • ふらつきの理由は多岐に渡りますので原因は一つに特定できません。しかし、私のクリニックでは「ふらつき」を訴える高齢者に対し、上頚神経節ブロックを行うことですでに数多くの方々をほぼ完治に近い状態にしています。原因はどうあれ、治療法はあるということです。ただし、ふらつきという病気の特性状、患者は近所の医師にかかる以外に方法はないので、私の元へは遠方から通うのは困難であると思います。上頚神経節ブロックは私が独自に開発し、そのノウハウを持っていますが、この技術が広まるまでに至っていません。

       仮に広まったとしても、このブロックで起こりうるリスクやトラブルに、普通の医師たちが対応できるかどうか? とても心配です。このブロックを広めるにはそれなりの責任がつきまといますので、簡単には普及させられないところがあります。

  3. 私は1950年生まれの女性です。2014年7月頃から左足が時折震えるようになりました。鼠径部にもくすぐったいような違和感がありました。徐々に症状は進み継続的に左足、背中、胸、左手、今は右手も震え始めました。全身に及んでしまっていますが、左手の震えを一番強く感じます。不整脈もあり、震えが強いと不眠になります。長くかかっていた波動の漢方医からもさじを投げられてしまぃした。此方のサイトに一縷の希望を感じました。診て頂けるようお願い致します。(痛みはありません)

    • ふるえには企図振戦(意識して力を入れるとふるえる)と、ひくひく動く線維束攣縮、勝手にからだが動き出すジスキネジーなどがありますがどれのことを言っているのかわかりません。しかしながらどれも脳幹から大脳基底核に問題があり、治療すべきはその部分です。現医学では、その場所を治せる医師は存在せず、ノーマンズランドと言われます。もちろん、私は、そのノーマンズランドの治療を行える珍しい医師です。誰もやれない、やらない、から私がやっています。まあ、一度、私のブロック治療を受けることをお勧めします。

  4. はじめまして。6年前からふらつきがあり去年の11月から段々ひどくなり今は、日常生活にも影響が出ています。不眠もあり寝られません。今年に入ってから落ちついてじっとしていられないと言う症状が出てきてしまいました。薬はスルピリト、エリスパンを1年ちょっと飲んで去年の11月にやめました。先生の治療を受けたいのですがお願いできないでしょうか。ちなみに千葉県在住です。どうかよろしくお願いします。

    • ふらつきの治療成績は極めて良いので、多分、かなり改善できると思います。また、お住まいも近くですので、通院は十分可能です。秘書の方からご連絡さしあげます。

  5. 92歳の父親です。
    4年前に腰部圧迫骨折になり病院・鍼灸等に通い1年ぐらいで痛みはかなり改善されてきましたがそのころから歩きづらい・階段のくだりが恐い・ふらつく等の症状が出始めました。去年ぐらいから小刻み歩行・ふらつきが段々ひどくなって
    動作もかなり遅くなってきています。一度診ていただきたいのでよろしくお願いいたします。

    • まさに症候性パーキンソニズムの症状です。長寿を健康な状態でまっとうできるようにするには上頚神経節ブロックがベストです。年齢にかかわらずぜひ受診させてあげてください。

  6. 79歳の母です。
    平成23年、重量物を持ち上げ、腰部の圧迫骨折(1回目)
    地元のクリニックに通院し完治。
    平成26年、転倒(ベッド腰掛けに失敗)により腰部の圧迫骨折(2回目)
    地元のクリニックに通院
    2回目の転倒より、バランスがとりにくく、歩幅が小さくなる。
    平成28年、転倒(バランスを崩し、庭で後向きに倒れる)により腰部の圧迫骨折(3回目)
    地元のクリニックに通院するが、歩幅が一層狭くなりよちよち歩き。さらにバランスが取れず直ぐ転倒する。頭のふらつき も併発するが、地元のクリニックでは骨折箇所は完治しており、今後施す処置はないと言われ総合病院に通院する。
    S病院(神経内科)の診察を受けるが、異常無しとされ、対処方法がないまま現在に至る。

    服用薬
    ノベルジン錠50mg
    メコバラミン錠500ug
    エディロールカプセル0.75ug
    フルルビプロフェンテープ40mg
    スミルスチック3%

    注射
    テリボン

    以上、よろしくお願いいたします。

    • パーキンソン症候群が進行している状態です。一刻も早く上頚神経節ブロックでの治療をお勧めします。通院できる距離かどうかと、ご家族が連れてこられるかが問題になると思います。しかし、今後の介護人生を考えると、治療を優先させた方がよいと思います。現医学では打つ手なしですので私のところへ来ることをお勧めします。

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