脳梗塞後遺症や認知症治療に上頚神経節ブロックが効果あり

<記憶力の向上>

  • 症例:68歳 女性
  • 主訴:耳鳴り、肩こり、腰痛、左坐骨神経痛、意欲減退、記憶障害
  • 現症1:耳鳴り:何匹ものせみがミーンと鳴いていて非常にうるさいというような耳鳴り(8年前から1日中鳴っていて鳴りやむことはない)
  • 現症2:家事がやりたくない、遊びも趣味もしたくない、買い物にもいけない
  • 現症3:記憶障害:買い物に行くと何を買おうとしていたか思い出せない、朝起きるとやるべきことが思い出せない。
  • 治療:上頚神経節ブロックを2013.11.05から週1回の頻度でおよそ8か月、計33回行った
  • 経過:耳鳴りは早朝はゼロになった。昼間は低い雑音がするが集中しないと聞こえない程度まで改善
  • 記憶障害:メモなしでも買い物リストを暗記できる、メモなしで次の日にやることがわかる、スケジュール管理にメモ帳が不要になる、ナンプレ(パズル)が最初は10分かかっていたが現在は4分台となる。
  • 意欲減退:上記のように趣味(パズル・ゲーム・パソコンでの映像編集)ができるようになり、面倒くさくてできなかった家事が楽々できるようになる。
  • 考察:難聴治療を目的に始めたが、明らかに(本人が自覚できる)記憶力が飛躍的に向上したことを考えると、上頚神経節ブロックが記憶障害や認知症に効果があることがわかる。また、意欲を向上させる効果もあることがはっきりした。


<新たな成果、もう一つの症例>

前回ブログの脳梗塞+難聴の症例を思い出してほしい。難聴治療の目的で上頚神経節ブロックを4回行い、それなりに音が大きく聞こえるようになったという快挙に遭遇したが、その彼女の続編である。詳細はトップページ>最新医学トピックス>脳梗塞後遺症に革命的な新治療、を参考にしてください。


「このブロックは現在難聴治療としてやってますけど、実は脳の血流量を増加させる効果があるんで、脳梗塞にも効果があるかもしれないんですよ。それに認知症や記憶力低下にも効果があると私は思ってるんで、将来はそちらの方でも治療に応用していこうと考えてるんですよ。」

と彼女に話ししながら今回5回目のブロックを行った。すると彼女は私にこう話した。


 

  • 「先生、実をいうとピーラーが右手で使えるようになったんです。」私は彼女が何を言いたいのかわからなかった。
  • 「皮むきをこう引くことができなかったんですよ」と、ピーラーを使うしぐさをする。
  • 「それができるんです」まだ、彼女が何を言いたいのかわからない。しかし、私はピンときた。
  • 「もしかして、この注射をするようになってから、できるようになったということですか?」
  • 「そうなんですよ、できるようになったんです」
  • 「ええ~~っ」と驚かずにはいられなかった。
  • 「それはすごい」彼女はまさにこの上頚神経節ブロックを行うようになってから、あきらかに右手の巧緻性が上がったと言う。
  • 「でも、先生、字を書こうとすると手が横に滑るんです。これも治ります?」
  • 「治るかどうかは分かりませんが、続ける価値はありそうですね。」

 

もちろん、私は彼女の話を全て信用しているわけではない。しかし、脳梗塞や認知症にも効果がある可能性が高いとは思っていた。彼女が言うように字を書くときに横滑りしてしまう症状が年内に改善されれば、脳梗塞後遺症の治療として成立する可能性が十分ある。よって今後の報告を待ってもらいたい。


その後さらに2度の上頚神経節ブロックを経て

  • 「字が書けるようになりましたか?」
  • 「いや、まだうまく書けませんが、手はふるえにくくなりました」
  • 「それだけじゃないんです。足が内側に向いていてリハビリの先生には「それは脳から来ているから治らない」って言われてたんですけど、少しずつ足がのびるようになってきたんです」
  • 「それはすごい」

治療5か月目

  • 右手で髪の毛をとかせる(てぐし)ができるようになる。
  • 座位でいると右足が外に開いてしまっていたが、開かなくなった
  • 表情の変化が豊富になった

今後も追加報告していきます

脳梗塞後遺症や認知症治療に上頚神経節ブロックが効果あり」への6件のフィードバック

  1. 母(89才)が6月7日に右半身不随で歩けなくなりました。その日まで一人で留守番洗濯料理の手伝いをしてくれていておしゃべりもできていました。その3週間前位から急に足の動きがわるくなったので近くの内科と整形外科に連れて行きましたが歳のせいだと言われ、大丈夫だと思っていたので7日に足が急に動かなくなってもあまり重症だと思わなかったせいで病院に行くのが遅くれて後遺症が残ってしまい本当に申し訳ないと悔やんでいます。
    今病院に入院中でリハビリしてもらっていますが歩くのは無理だと言われショックを受けています。6月16日までは右手で箸を持っていすに座って食事が出来ていましたが便秘が酷かったとかで酷い出血があったのでその日に救急車で今の病院に移りましたがその夜中にベッドから落ちて右肩の骨が折れて2カ月間三角巾で釣っていたら右手が動かなくなってしまいました。それと落ちた時から急に痴呆の症状が出てしまいました。今は少しはおしゃべりが出来て私達の言うことは理解が出来ています。それと右手は物を掴めるのですが掴んだらなかなか離せないので思うよう動かせなくてよくイライラしています。
    なんとか少しでも良くなってほしいと思っています。

    • 脳梗塞、認知症は歳をとると大なり小なり必ず誰もがわずらいます。超高齢化社会ではこれらの疾患を予防、進行抑止、改善させることが「夢の治療」です。夢の現実化はすでにできていますが、問題は介護者の都合・費用・そして対効果です。これらのバランスをとらなければ、治療は普及しません。しかし今のところ、このような治療をしているのは私一人だけであり、私の診療所の近所に住む患者以外にはなかなか治療が難しいのが現実です。それでもあなたがどうしてでも改善させてあげたいという堅い堅い意志があるのでしたら治療を開始してもよいと思いますが、そうでなければ、あなたも患者も疲労困憊して終わってしまいまいます。

  2. 返信ありがとうございます。
    診療所の場所はどこですか?私に出来るだけのことはいまじゃないとしてあげられないと思っています。
    話は別ですが私の兄が東京に居るのですが2年半前に脳梗塞になってしまい右半身麻痺と失語症をかかえています。今も一生懸命リハビリをしていますがなかなか進んでいないようです。少しでも母の状態が良くなれば兄に伝えられるので母が喜んでくれるのではと思います。母と私は広島に住んでいます。何とか宜しくお願いします。

    • 東京在住であれば通院が可能ですが、片麻痺があると移動はたいへんだと思います。それをなんとかできる財力があるようなら(タクシーで通院するなど)、どうぞ来院下さい。そこそこ効果が得られると思います。

  3. 11月中頃迄、今の病院でリハビリを出来る限りさせてもらってから東京へ連れて行こうと思っています。もう歩くのは無理だと言われたのですが少しでも立つ練習をさせてトイレで立たせたいと思っています。
    そちらの病院の場所はどちらですか?母を施設から通わせようと思っていますのでをできるだけそちらの病院に近い施設をさがそうと思っています。

    • わかりました。そこまで本気であれば、ベストを尽くします。詳細はメールにて。

      医療秘書のAと申します。あなたさまの携帯アドレスでは、当院からの連絡が届かずエラーがでてしまいました。申し訳ありませんが、別のご連絡つくアドレスをご連絡いただけると助かります。

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