神経ブロック後の疼痛増悪に厳重注意(SJS体質)

2017年治療成績

はじめに

神経ブロックは主に痛みを遮断する目的でおこなわれます。しかしマレに神経ブロックで痛み・しびれ・まひなどが増強してしまう例があります。それはリバウンドとは違い、後遺症をも引き起こす可能性がある忌まわしき疾患です。症状はブロック後数十分で発現し、それが数日から数か月に渡って治らず、運悪く後遺症となる場合もあります。おそらく注射薬剤に患者の免疫が即時に過剰に反応し局所に急性の炎症を起こしてしまうことが原因だと思われますが、こうした病態はこれまでの臨床医学では全く認識されていませんでした。


普通なら即時の急性炎症は薬剤が拡散するにつれて鎮静化に向かいますが、神経根ブロックでは炎症が神経根に起こり、さらに椎間孔が変形して狭小化している場合、その狭いトンネルの中で起った炎症性の浮腫は神経根の血行不良を招き、炎症が遷延すると思われます。よって痛みが後遺症として残ったり、麻痺が長期間残ったりすると推測しています。


ブロックを行う医師は注射した薬剤が引き金となって後遺症を残すほどの炎症が起こることなど、想像もしませんのでブロック直後に痛みが増強した患者を見ても「あり得ないこと」「心因性のもの」と受け取るものです。しかし、神経ブロック後に疼痛やしびれが増強したとなると医療訴訟に発展する可能性が高く、いちはやく原因を究明しブロックを行う医師たちに注意を喚起しなければなりません。そのためにはこうした稀な症例に新たな病名をつけ、広く知らしめる必要があります。ここでは仮に「薬剤過敏性神経炎」と名付けておきます。


症例1 22歳F

2年前より、頭痛、頸部痛、両上肢帯痛、背部痛に悩まされ整形外科や鍼灸などを受診するが全く改善しない。線維筋痛症と診断されていたがうつ病で心療内科にも通院していた。親にすすめられて私の外来を受診する。左右の第7頚神経根に対して傍神経根ブロック(1%キシロカイン2㏄)を行う(傍神経根ブロックとは直接神経根を刺すことなく、神経根の近傍に薬剤を注入する侵襲性が極めて少ないブロック)。ブロック後数十分で激しい痛みを訴え激怒。その後両親に話しを伺うと「薬剤に過敏性のあるデリケートな体質」であることをきく。その後の経過は不明。


症例2 50歳F

普段から頚痛や後頭部痛があったが、昨日より激しい左頸部痛・左後頭部痛が起こり、首が回らないという状態で私の外来を受診。左第7頚神経根に対して傍神経根ブロック(1%キシロカイン2㏄)を行う。直後からC7エリアに痺れが出現し痛みが治まった。しかし数時間後、麻酔の効果が切れると痛みがC7エリア全体に広がった。痛みは軽快しないまま1週間経過し、後頭部の痛みが徐々に強くなったため私の外来を受診。今度は後頭部の痛みを治療目的で左C3に傍神経根ブロックを行う。しかし痛みは軽快せず、50分後には痛みが倍化し、左耳の奥に痛みが出現した。さらに首が動かせなくなる。その後は頭痛薬を用い入浴などで痛みを20%まで軽快させた。しかし、左耳の奥の痛み(注射によって新たに加わった痛み)はやや残存している。


この症例は別件で坐骨神経痛の治療として腰部硬膜外ブロック(0.5%キシロカイン5cc)を行ったがその際は何事もなかった。話をきくと、鼻炎の薬で強い頭痛が起こった経験、ビタミンEで吐き気や嘔吐が出現した経験、引っ越した後に顔や首に皮膚炎が出現した経験など、過敏体質があることをきく。


ブロック後に痛みが増強した病態生理

注射に用いた薬剤はいずれも1%キシロカイン2㏄のみです。薬剤は神経根付近に注入しますが、直接神経根を刺しません。上記の例はいずれもブロック後に神経根炎が増悪したと思われます。つまりキシロカインという薬剤が神経根の炎症を増幅させたと考えます。注射して数十分から数時間はキシロカインの局所麻酔作用で痛みが軽快しますが、キシロカインの効果が切れると同時に痛みが増悪しました。痛みが増悪した理由として注入した薬剤が局所に炎症反応を引き起こし、神経根の炎症をさらに悪化させたことによると推測しました。2例とも蕁麻疹などの出現はなく、局所的な即時アレルギーが原因と思われました。このような「ブロック注射直後に痛みが増加した」 例は自験例では2例のみであり非常にマレと思われます。2例には薬剤に対する過敏性があり、因果関係があると思われます。


薬剤アレルギーの存在をブロック前に知ることは困難

発症の可能性が事前にわかっていれば、このような疼痛増強を防ぐことができるでしょう。しかしそれはかなり難しいでしょう。症例2では別件で硬膜外ブロックを行っていますが、その際はキシロカインを用いても悪しき反応は全く認められませんでした。反応が認められなかった理由として硬膜外ブロックの際の薬剤の濃度が半分だった、硬膜外スペースという神経根にダイレクトには届かない場所だったためかもしれません。また、薬剤アレルギーとはいうもの、それが浸透圧によるアレルギーなのか? pHによるものか? 特定の塩基に反応したものか? などが不明です。浸透圧やpHによるものだったとしたら、パッチテストなどで陽性になることはありません。また、特定の薬剤によるアレルギーであったとしても、そのアレルギーは濃度や量に依存しているのかいないのか? で性質がかわります。濃度や量が少なければ反応しないタイプであったとすれば、少量使用では症状が出ないでしょう。アレルギー反応は現医学ではほとんど解明されていない段階ですから、既知の知識で考察したり診断したりすると、それらは誤診を生みます。よって症状が起こるかどうかをブロック施行前に把握することはかなり困難でしょう。


薬剤過敏性神経炎と患者の体質

薬剤を注入した部分に強い炎症が起こるという病態は「誰にでも起こる」わけでは決してありません。患者の根底には薬剤に過敏に反応する免疫体質があるはずです(多くは先天的)。しかしながらこの異常免疫体質は現代医学では病名がつくことはありません。SLEやリウマチなどの膠原病患者の一部にこのような免疫異常の方が含まれると思われますが、逆に本体質をもつ方が膠原病の診断をつけられることはほとんどないと思われます。


本症は薬剤による即時アレルギーでありながらIgEが関与しないタイプと思われ、現医学では全く解明されていない免疫反応と言ってよいでしょう。例えばインフルエンザの注射後に注射した部分がパンパンに腫れる方がいますが、そういう人が本疾患の特異体質を潜在的に持っていると思われます。


本症はスティーブン・ジョンソン症候群と同じカテゴリー

薬剤過敏性神経炎はおそらくスティーブン・ジョンソン症候群(以下SJS)とほぼ同じ病態と推測します。神経ブロックではキシロカインなどの局所麻酔薬が引き金となりますが、おそらく全ての薬剤の局所注射が原因となりうると思われます。SJSはその免疫学的な仕組みが全く解明されていませんので使用薬剤の量や濃度に依存するのか? 皮内テストは予防に有効なのか? など全く不明です。


SJSの診断基準

 1) 概念

発熱を伴う口唇、眼結膜、外陰部などの皮膚粘膜移行部における重症の粘膜疹および皮膚の紅斑で、 しばしば 水疱、表皮剥離などの表皮の壊死性障害を認める. 原因の多くは、医薬品である。

2) 主要所見(必須)

① 皮膚粘膜移行部の重篤な粘膜病変(出血性あるいは充血性)がみられること。

② しばしば認められるびらんもしくは水疱は、体表面積の10%未満であること。

③ 発熱。

3) 副所見

④ 疹は非典型的ターゲット状多形紅斑。

⑤ 眼症状は眼表面上皮欠損と偽膜形成のどちらか、あるいは両方を伴う両眼性の急性角結膜炎。

⑥ 病理組織学的に、表皮の壊死性変化を認める。


SJSは皮膚症状・眼症状・呼吸器症状・消化器症状などがありますが、皮膚症状は診断基準の必須項目ですので、皮膚症状が極めて軽い場合はSJSが見逃されてしまいます。SJSの病態生理が解明されていれば、皮膚症状がなかったとしても、「皮膚症状のないSJS」と診断がつけることができますが、現医学水準ではそれができません。よってSJSの診断基準は臨床的には意味がなく、今のところ患者を救済するための制度適用ラインでしかありません。


万一SJSの呼吸器症状や消化器症状がメインのタイプが発症した場合「原因不明の咳」「原因不明の下痢」などと言われるだけです。そして上記の2例も一種のSJSであると推測します。キシロカインが速やかに分解されるために皮膚症状が出る前の状態で終息するSJSであると推測します。この考え方が正しいかどうかは現時点では判明しませんが、このように考えて行くことで免疫学は発展すると思います。


物理刺激によるSJS

またニコルスキー現症のように皮膚をひっかくという物理的刺激が免疫反応の引き金となるパターンもあることから、体内のアレルギーは薬剤だけに反応するのではなく、薬剤の圧力、浸透圧やph、温度などの物理刺激が引き金となるパターンがあると考えます(既知の免疫学では考察できていない)。


浸透圧や薬剤の水圧、phによる刺激で炎症が起こるという反応は、健全な人でも普通に見られることですからこれを病的と定義することはできません。しかし、炎症反応の強さは個々によって異なるわけですから、炎症反応が強く出るタイプの人をSJS体質と定義してもいいでしょう。ですが、SJS体質とノーマル体質の線引きは不可能です。


なぜなら、症状が出るか出ないか?は炎症反応の強さに依存しているわけではなく、肉体のコンディションに依存することが多いからです。たとえば、頸椎の変形が強く、椎間孔が極めて狭窄しているというコンディションの人は、神経根にわずかな炎症が起こっただけで神経根の阻血→運動麻痺という症状が出てしまいます。この場合、SJS体質が症状を起こしたのではなく、椎間孔狭窄というコンディションがもっとも大きな原因となっているからです。


逆に言えばSJS体質の人でさえ、健康コンディションが良い時は何も起こらないのです。ただし、SJS体質の人は明らかに健常人よりは症状が出る確率が高くなります。ここでは薬剤の物理刺激で発症するタイプのSJS体質がある可能性を頭に入れておきます。私は臨床的に神経根ブロックで実際に麻痺が出現した例を経験しており、「神経脆弱状態での神経損傷について」が大変参考になると思います。


SJS体質と歯科医の局所麻酔

歯科医では歯の麻酔でのトラブルが日常茶飯事ですが、歯科医はそうしたトラブルに巻き込まれないためにも以下の文を読んでいただきたいと思います。侵襲的ではない歯の治療で表面麻酔薬を使った際に、顔が著しく変形するほどに歯茎や頬が腫れる方がマレにいます。これらはまさにSJS体質が原因となっていると思われます。おそらく表面麻酔薬に対するSJSです。しかし誰もその存在を知らないために臨床現場でかなりのトラブルをひきおこしていると推測されます。


つまり局所麻酔薬に対する過敏なアレルギー反応なのですが、それが現在認識されているⅠからⅣのどのタイプにも属さない未解明のアレルギー反応であるため、説明がつけられない状態です。局所におこるSJSではアナフィラキシーも起こりませんし、Ⅰ型アレルギーのように蕁麻疹も出ません。よって患者は歯科医の技術が下手であるために顔が腫れあがったと誤解するでしょう。実際の原因は本人のSJS体質にあるわけです。その誤解を解くための論文さえ世界には存在しません。唯一本論文が誤解を解くカギになりますのでどうかご利用、そして研究の材料にしてください。


SJSと帯状疱疹後遺症

SJSが帯状疱疹ウイルスや肝炎ウイルスなどの感染がきっかけで発症するタイプであった場合、患者は悲劇的な運命をたどるでしょう。ウイルスはほぼ一生体内から消えてなくならないからです。恐らくSJSは量依存であり(量に依存しないタイプのものあるかもしれません)、炎症反応とアレルゲンの量が二次関数の関係にあると推測します。なぜなら、ウイルスが増殖すればそれだけで炎症反応が1次関数的に上昇しますが、そこにSJSの過剰免疫反応が加わるわけですから、炎症反応が二次関数的になると思われます。


さて、帯状疱疹ウイルスが原因で生じるSJSの場合、ウイルスは増殖していないにもかかわらずアレルギー反応により局所に炎症が起こり続ける可能性があります。局所のごく小さな炎症ですからCRPは陽性になりません。Bリンパ球でさえ局所の炎症では異常増加しません。よって検査データでは正常なのに局所に炎症が起こり続けることがあると推測します。これが神経根に起これば、非常に不快な痛みが半永久的に起こり続けるでしょう。アロディニアの原因にもなります。炎症は当然ながら浮腫を発生させますから、椎間孔が狭小化している患者では神経根の浮腫により神経根の栄養血管が浮腫の圧力で扁平化し、阻血状態に陥ります。これが神経麻痺の原因になると考えます。


帯状疱疹後遺症による神経痛はSJSの一種である可能性を私は唱えます。そして不幸にも椎間孔の狭窄があると炎症性浮腫に陥った神経根は阻血により運動神経が損傷し麻痺も出現すると考えます。さらに、帯状疱疹ウイルスにアレルギー反応を持つ患者が、局所麻酔薬にもアレルギー反応を示す場合、疼痛治療を行うことで助長することが起こり得るでしょう。


帯状疱疹後神経痛の治療では局所麻酔薬を用いてさかんに疼痛除去を行うことが普通です。痛みが耐え難いものだからです。疼痛を除去するために神経根を目指して局所麻酔剤を入れるのですが、その薬剤がさらに炎症を引き起こすかもしれません。私は実際に、帯状疱疹による神経痛を除去する目的で傍神経根ブロックを1%キシロカインを用いて行ったところ、麻痺が出現した症例を経験しました。その経験が本論文を書くきっかけとなりました。


SJS体質と腱断裂

薬剤注入がきっかけで起こるアレルギー反応から細胞壊死が起こることはマレではありますが存在するでしょう。ばね指など腱鞘炎の治療にしばしばステロイドを用いますが、用いるステロイドによっては局所にSJSが起こり得ると思われます。人間だけでなく動物でも同じで、動物実験でステロイドを腱に注射し、腱を壊死させることを立証している学者もいます。


SJS体質の患者ではステロイドに限らず、種々の薬剤注射で局所に炎症が起こる可能性があり、注意が必要です。まさか医者も患者もSJS体質が腱断裂の原因になっているとは誰も想像しないでしょうから「ステロイドで腱が切れる」という極論が世に回ってしまっていると推測します。ステロイドは体内から分泌されているものですから、ステロイドで腱が壊死するという言い回しは極論であることに気づいてほしいと思います。


もしも、真にSJS体質がある場合、おそらくステロイド注射後に注射部位が腫れて熱を持つという現象が起こるでしょう。腱断裂を注意するにはそうした現象に留意する必要があると思われます。腫れと熱が発症するようなら、それ以上使用しなければ腱断裂にまで発展することはまずないでしょう。


SJS体質の不運と皮肉

今のところSJSを治療する有力な方法はステロイド投薬です。しかし、合成的に作ったステロイドは異物であるためアレルギー反応を起こし、投薬したステロイドでさらなるSJSが起こることを想定しなければなりません。もともとSJS体質の人はどんな薬剤を用いてもアレルギー反応を起こす可能性が高いのですから、ステロイドを投薬してもSJSが起こる確率は普通の人より高いと言えます。SJSの治療薬でSJSを起こすとは何たる皮肉でしょう。


最後に

この論文を読む人は世界で一体何人でしょう。何人の医師がこれを読んでSJSに注意を促すでしょう? 本論文は全て推論であり根拠や証拠に非常に乏しいものです。信じる価値はが高くても、信用度は低いものです。もちろん免疫学が進展し、SJSのアレルギー反応様式が解明されれば、証拠が出せるでしょう。しかし、免疫学は現医学においてもっとも後退している分野です。解明までには数百年を要するのではないでしょうか? しかし、医者にとっても患者にとっても不幸な医療事故を起こさないために、こうして推論のまま文章にしました。真実を見つめる医師によって広まればいいのですが・・・。

 

 

 

神経ブロック後の疼痛増悪に厳重注意(SJS体質)」への2件のフィードバック

  1. 早朝のメール申し訳ありません。
    2年ほど前から肩こりが酷くここ1年前から肩こりは少なくなりましたが、首の痛み、特に付け根辺り《痛みは毎日場所が変わる、だいたい左右のどちらか》が酷く鎮痛剤も効かないのでまず近くの整形外科で5月にMRIを受ける予約をしました。予約まで3日の時どうにも痛く目の痛みも辛かったので知人に紹介されたペインクリニックで注射を受けました。説明がなかったので分かりませんが、うつ伏せにねて何箇所か首に注射を打ちました。ブスッと言う音と痛みが大きかったですが、一瞬で終わりました。その際に3日後にMRIを受けるということを先生に伝え又結果を教えて下さいと終わりました。
    整形外科で受けたMRIでストレートネック、ヘルニアがあると診断されトラマールを処方されました。
    痛みは注射を受けた1週間後から出て来ましたので寝込むような時だけトラマールを飲んだりして過ごして今に至ります。
    子供の夏休みに入り首の痛みで寝込むことばかりで可哀想になり一泊ですが旅行をと考えその前に以前行ったペインクリニックで注射をしてもらおうと行ったのが昨日でした。
    以前MRIをとるとお伝えしてそのままだったので貰っていたCDロムを持って行きました。
    中国人の先生はそれを受け取ると見もせずに以前触った時頚椎ヘルニアと言った。なぜわざわざ整形外科でMRIをとったの?と不機嫌な、様子でそれを返されました。
    そしてすぐ後ろを向いてといい向いたら何も言わず座ったまま注射をしました。
    左の首の痛いところに針を刺してすぐ左半分の腕、肩に電気が走るような感じでびりっときて自分の意思とは関係なく手が引きつり伸びました。今まで感じたことがないような感電した感じでビックリしたんですが、ビクッとなった為先生が腹を抜きました。動いたらダメ!怖がりだね。って言われたんですが本当に自分の意思とは関係なく体が動いたんです。注射の液を入れる前になったのですがもう注射はしないと言いました。液を入れてないのに直後から左手の腕から指先まで凄い痺れピリピリ感で1時間休んで帰ったら治ると言われ徐々に痺れは無くなって来たのですが、今でも指先の親指以外4本だけ痺れが残った状態です。
    この痺れが治るのか心配になり、相談させていただきました。
    なぜこのような状態になってしまったのか、先生はあなたが動くから悪いと怒りましたが体が勝手にビクッと伸びたのにと何も言えなかった自分にも怒りがあります。

    結局首の注射は液を入れず終わってしまいましたがその前の待ち時間でした鍼が効いたのか首の痛みは殆どありません。注射の針を刺した所と手先の痺れのみです。

    この痺れがずっと続くことはありますか?
    長文になりました、藁にもすがる思いでメールさせて頂きました。すみません。

    • 日本の医療は他国と比較して、とても高等なものを貧しい人に施すという意味で世界一の水準となっています。しかし、そのひずみが必ずあります。その一つがMRIの診断料金です。他の病院で撮影したMRIは、診断しても初診時しか「国がお金を支払わない」と決めています。つまり、他の病院で撮影したMRIを読むことは、診断料金を医者が自腹を切ることになります。よって、あなたが担当医に「診断料金をおごりなさい」と命令しているような形になっているため、担当医としては極めて腹立たしいことになってしまっています。本来は診断料金を自費で支払う義務があなたにあるのですが、日本ではそうやって自費を請求すると、がめつい悪徳医師と思われる傾向が高いため、請求できず、それで今回のようなトラブルが起こります。

       さて、しびれに関しては2か月以内に治ることが多いですが、数年かかることもあります。動いたのはあなたのせいではなく、針が神経に刺さったためですので不可抗力です。また、根本的にヘルニアや椎間孔狭窄もしびれがなおりにくい原因となっていますので、治るまでにもっと長くかかることもありますし、その原疾患のせいで、徐々に今より悪化することもあります。針で刺したのがしびれが長く残ってしまう原因の全てではないということです。まずは様子を見て、それでもだめなら再度ここに相談下さい。

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