科学界に衝撃、医学界に激震、リンパ管組織発見

2017年治療成績


2015年、バージニア大学医学部で「中枢系リンパ管」という全く新しい組織が人間の体内に存在することが発見されました。まずはその詳細を転載します(GIGAMENより)。


新しい発見

医学・科学は目覚しい進歩をとげ、人々は人間の体について隅々まで研究・調査し、もう知らないことなどないと思われていた。だが2015年、米バージニア大学医学部の研究チームは、まったく新しい人間の体内組織を発見したと発表し、医学・科学界に非常に大きな衝撃を与えている。

新しい循環器、中枢系リンパ管

gigamen_Discovery_New_Body_Part

実際に見たり触れたりすることはできないが、「中枢系リンパ管」と名づけられたこの新しい循環器は、脳から余分・不要なリンパ液を廃液する役目を担っており、神経疾患や免疫性をより良く知る上で重要な組織だ。米バージニア大学医学部の研究チームを率いるAntoine Louveau氏が、繊細な細胞を傷つけることなくマウスの髄膜(脳を覆う軟膜)をスライドにのせる方法を考案したが、その方法を用いて研究を行っていたところ、同研究チームが中枢系リンパ管を発見した。研究チームは驚いた。なんと人間の脳検体からも同じリンパ管が発見されたのだ。ユニコーンに偶然出くわすことに値するほどの大発見。


これまで、リンパ系組織は脳内には存在しないものとされてきており、今回の大発見は科学界では万に一つもない想定外の大発見であった。この組織自体がこれまでに発見されていなかったことはもちろん、その存在は教本上では「ありえないこと」として取り上げられていたのだ。では、この中枢系リンパ管がこれまで見落とされてきた理由とは?ずばり、中枢系リンパ管は深層部に存在するからである。


脳の内部および外部血管から血液を廃液する硬膜静脈洞内に中枢系リンパ管がある。また、主要血管付近にあるため、それら血管の影に潜んでいたというわけだ。医学・科学界における偉大な発見だということに変わりはないが、さらなる研究と調査が必要だと同研究チームは述べている。ただ、多くの人々を悩ませてきた多発性硬化症や、アルツハイマー病、そして自閉症などといった難解な疾患の数々を理解し学んでいく上で今回の発見=中枢系リンパ管の存在が大きな役割を果たしてくれるのは確かだ。


高齢化が進みアルツハイマー病を患う患者数が増え、また人々が自閉症についての理解を深め早い段階で認識することができるようになってきたことから自閉症患者数も増加しており、患者の家族らはこれらの病気にどのように向き合っていけば良いのか日々悩んでいることだろう。患者のためにも、患者の家族のためにも、今回の歴史を揺るがす大発見が今後またさらなる発見へとつながることを期待したい。

参照元;mental_floss


 

脊髄や末梢神経は未知

この偉大な発見は医学書を大幅に塗り替えるほどの影響力がありますが、世界の医学部の教授たちは自分たちの学説がいろいろと塗り替えられるほどの影響力があることに気づいていないか知らぬ顔をしているようです。なぜならそのことに気づいているのなら、日本の医学界にも激震が走っているはずなのに、皆平静だからです。まるで他人事のようです。この発見では、脳のリンパ系が発見されたのみであり、脊髄や末梢神経のリンパ系は未知のままです。しかし、10年以内にはそれらも判明するでしょう。リンパ系の発見が既知の医学学説に対して大きな影響力がないと思っているのでしょう。しかしそれは違います。


リンパ系は動脈と同列

末梢の細胞をミクロレベルで観察すると動脈から血漿成分が血管外に流れ出て、その液体が酸素や二酸化炭素の受け渡しを行い、ブドウ糖などのエネルギー源の受け渡しを行います。それらの液体がリンパ液となって排水されて静脈に戻るということで生体内の細胞は生き続けることができます。もしもリンパ系が詰まって、狭窄してうっ滞すれば、液体は停滞し、細胞は酸欠に陥り機能しなくなります。そういう意味でリンパ系は細胞の命の源であり、動脈と同列の重要な組織です。


中枢神経系にリンパ系が発見されたということは、脊髄や末梢神経にもリンパ系が発見されるのはもはや秒読み段階でしょう。これまで原因不明とされていた神経疾患が、リンパ系の炎症によるうっ滞が原因で神経細胞が壊死していく原理などが解明される可能性があります。そして既知の理論が間違っている可能性も暴露されていくきっかけとなるでしょう。


ブロック注射の副作用の怖さ

神経系にリンパ管が存在することがわかれば、神経ブロックの怖さ・副作用の怖さが現実味を帯びます。それは神経リンパ管に薬剤が入り、逆流して脊髄液内に薬剤が拡散する恐れです。恐らく、10年以内に髄液の排水経路として新たに中枢リンパ系が発見されるでしょう。その中枢リンパ系にブロックの薬剤が注入されれば、末梢から脊髄内へ薬剤が入り「脊髄麻酔」となってしまうでしょう。これが医療事故につながりやすいことは明白であり、中枢系リンパの発見は、「神経ブロックが危険な治療」であることを暴露することになりそうです。危険なのはブロック自体ではなく、気軽に行うブロックで脊髄麻酔がかかってしまうことを世界中の医師の誰一人として認識していないことが危険なのです。


造影剤で死に至ることを考える

整形外科ではおおよそ4年に1度、脊髄にウログラフィンなどの造影剤を入れてしまい、業務上過失致死となる事件が発生します。ウログラフィンには「脊髄禁」と表示されていますが、薬剤を吸うのは看護師であることが多く、医師も確認せず使用して事故が起こる場合があります。血管造影に用いられるイオパミロンも脊髄禁ですが、血管を造影しようとし、誤って中枢系リンパ管に造影剤を注入してしまうことが考えられます。その場合、造影剤は脊髄に流れてしまい医療事故となります。恐らく、そうして死に至った患者は世界中に少なくないでしょう。しかし、これまでの医学では中枢系リンパなど知られていなかったわけですから、脊髄に流入して痙攣をおこして死亡したとしても、その原因は単なる「アナフィラキシーショック」として扱われていたと思われます。血管造影で死に至った患者の中には、こうしたケースがあったはずであり、この推定的事実を考えると、本当はこのニュースがもっと大騒ぎにならなければならないほどの衝撃的な発見のはずです。なぜなら、血管造影は日常茶飯事に大病院で毎日行われているからです。


星状神経節ブロックで呼吸停止

私の知り合いの整形外科医から聞いた実話です。彼の家系は医者一家で、叔父が麻酔科医で星状神経節ブロックを得意としていました。彼の母は肩こりがひどく、叔父の麻酔科医が星状神経節ブロックをして差し上げました。すると、意識不明、自発呼吸停止のDOAとなり、すぐさま気管支切開をして呼吸を確保して命をとりとめたそうです。現医学では星状神経節ブロックで意識不明・呼吸停止となることを誰も想定していないと思われます。もしかするとその原因は中枢系リンパではないかと推測します。リンパ管に麻酔剤が流入し、脳幹の神経組織を麻痺させたのでしょう。こうした推測は中枢系リンパの発見があってこそできることであり、今までは「原因不明」とされていました。星状神経節ブロック後に意識消失する例はリンパ管を通して髄液内に薬剤が逆流した可能性を考えます。リンパ管に針が刺さることは確率的にはかなり低いので無視される可能性が高いですが、そうしたリスクの可能性を知らないことの方がリスキーです。無知ほど怖いものはありません。


ブロックでは不可解な副反応がしばしば起こる

私の経験上、ほぼ20人に1人に必ず起こる「仙骨部硬膜外ブロック時に耳が遠くなる」という現象があります。もちろん、現医学ではその理由はわかりません。仙骨裂孔付近の硬膜には静脈叢があり、それを指すと薬剤が静脈内に流入する可能性があります。しかし、明らかに静脈を指していないにもかかわらず、上記の現症は起こります。その理由はおそらくリンパ系への流入で麻酔剤(キシロカイン)が全身に回ったためと思われます。


また、私は腰部硬膜外ブロック後1時間の時間差で麻痺が起こることも経験しました。通常、硬膜外ブロックでは1時間程度で表面麻酔剤の効果が切れてきますが、本ケースでは1時間後に突然麻痺が出現して立てなくなりました。1時間後に脊髄麻酔がかかってしまったことは私の中では「摩訶不思議な事件」として心に残りましたが、その理由は硬膜外に注入した薬剤がうまく拡散せず、何らかの動作をきっかけに中枢系リンパに流入したと推測します。その他にも硬膜外ブロック後、時間差で麻痺が起こることを多数経験しており、これまでは謎でしたが、リンパ系の発見でつじつまが合うような気がします。


ブロックで半身不随になる事件

当HPへの投稿で、神経破壊薬を用いた腰部交感神経節ブロック後に半身不随の後遺症が残ったという事件があったことを知りました。施術者は「原因不明」の一点張りだったそうです。しかし、リンパ系が発見されれば、その理由はリンパ管経由で脊髄に神経破壊薬が流入したと推測します。神経破壊薬で脊髄損傷となったと思われます。それはめったに起こらない極めて悲惨な事故ですが、事故に遭った方の口惜しさを考えるとこういう事件を二度とおこしてはならないと思います。リンパ系が発見された現在、この類の事件がリンパ管を経由して起こるのだとすれば、うかつにボツリヌス毒素や神経破壊薬を用いてブロックをしてはいけないことになります。世界で行われている破壊的なブロックは、極めてリスキーなこととして扱われるべきであるかもしれません。リンパ系の発見はそれほど医学界に衝撃を与えるべきことです。


リンパ系から脊髄への逆流→事故を防ぐ

では、どうすれば麻酔薬がリンパ系から脊髄に流入して脊髄麻酔となってしまうことを防ぐことができるでしょうか? はっきり言いますが防ぐことができません。現在、治療後にふらつきやめまい、意識もうろうなどの現症が起こっている中に、リンパ系から脊髄に逆流したのが原因と思われるケースがおそらくかなりの件数あるでしょう。注入薬の全量が流入するわけではないと思われますが、一部が入ったという可能性を考えると、ブロックした人の2~3割にそういう現象が起こっている可能性も考えます。すると、流入を防ぐことは不可能なので、流入しても大丈夫なように安全性を高めた手技にすることが望まれます。そのための心がけをのべます。


ブロックの安全確立のために

  1. 頚部のブロックはトリガーポイント注射であっても慎重に行う
  2. 頚部へのブロックは可能な限り少量にする。具体的には1箇所2cc以下。
  3. 頚部へのブロックは高濃度の薬剤は使わない
  4. 可能な限りゆっくり(5分以上かけて)注入し、患者を観察する
  5. 可能な限り注入圧を低くする(逆流しにくくなる)

 

これらを守らなければ事故にしばしば遭遇するでしょう。よってブロックをする医師は安全確立を義務化する必要があります。しかし、中枢リンパ系が発見されてまだ間もないことから、こうした面倒な作業は麻酔科では敬遠されると思われ、世界各地でブロック事故はまだまだ起こるでしょう。


現実的に安全なブロックは難しい

ブロック手技には高度な技術が必要で、かつ時間がかかります。その上で上記のような安全ガイドラインを守るとなれば、現在の設定されている手技料では採算が合わなくなります。倍の時間をかけて行うことを義務付けるには、手技料金を倍にしなければ採算がとれないということを意味します。医療費で困窮する世界の国々が、そうしたことに賛同するとは思えませんから、上記の安全ガイドラインは無視される運命にあります。

無視されたとしても、事故の件数はどの道以前と同じであり、急上昇することはありません。ただただ、「急いで行うブロック注射は極めてリスキー」であることが判明しただけです。

中枢リンパ系の発見で、私は今後、さらに安全性に気を配りながら手技を行いますが、私と同じような考え方をしてくれる医師が、世間にどれほどいるのか?が疑問です。なにせ、リンパ系の発見がテレビニュースにもなっていないくらいですから。誰か、親切な方が、この意見を広めてくださることを願うのみです。

 

 

 

 

科学界に衝撃、医学界に激震、リンパ管組織発見」への8件のフィードバック

  1. フラつき、揺れ、目のチラつき、歩きにくさ、舌の動かしにくさ、手足の脱力感(感じはするが力は普通に入れられる)、指が動かしにくいなど色々と自分の症状を調べていくうちに先生のサイトにたどり着きました。
    先ほども病院に行ったのですがMRIも異常がないため、症状が色々とあるからにどれがひどく出たらまた受診をと経過観察になりました。

    それはさておき
    英語に疎いのと原文を全文手に入れる環境でないので素人コメントで恐縮です。
    リンパは弁構造があったかと思うのですが、発見された管構造は逆流は容易なのでしょうか?それとも元々リンパ管の弁構造は弱いものなのでしょうか?

    • 貴重なご意見ありがとうございます。推測ですが・・・毛細管レベルには弁は存在せず、支流がある程度まとまった本管レベルになると弁があるのではないでしょうか? もし、東京に通院できるのであれば私の勤務先を紹介させていただきますが、可能でしょうか?

  2. 興味深く拝読させて頂きました。
    今回のコメント内容はリンパではなく、脳脊髄液に関するものです。先生の参考になるのではないかとメールさせていただきます。
    私は自宅でカイロプラクティックを個人で営んでいます。少しでも患者さんのためにと昨年勉強した中に、手技による脳脊髄液の循環に関するものがあり、体表面の所謂ツボにより脳脊髄液の生成・循環を促すものです。脳脊髄液は大学(豪マードック大 カイロプラクティック学科卒)では脳と脊髄を包む硬膜内を循環していると学習しましたが、現実には、脳脊髄液の生産量と脳表面での吸収量は約2:1程度と聞き及びます。これが本当であれば、あとの半分の消費は何処へ?ということになります。脳脊髄液の循環に関する手技では、刺激によって、現実に皮下細胞の張りや筋力・反射神経の改善が即現れます(手法を知っていれば誰でもできます)。また、脳脊髄液の流れが改善されることで、難聴で聴力低下していた方の若干の回復(音叉で確認)も数例ですが確認しました。その手技の説明では、脳脊髄液の生産増により、中枢神経から分岐する各神経枝と共に身体全体に押し流され、流れの悪かった箇所の通りが改善されることで、神経系の伝達が改善されて、その様な結果として現れると言っています。多分、末梢神経端に到達したところでリンパ液として処理されるものと考えています。もし、そうであるならば、脳脊髄液は神経枝へと分岐した以降は一方通行となり脳内に帰ることはないということです。一方、脊柱管の硬膜管に近接した部位へのブロック注射では注入圧力により一部逆流することも考えられます。
    先生の心配していることや実例と照合してみて、ご納得いくでしょうか。
    今回、松方弘樹さんの死因である脳リンパ腫について、脳リンパは聞いたことがなかったので調べている時に先生の記事を拝読させていただいたおり、参考になるのではないかと書かせていただきました。もし、参考になれば幸いです。

    • 貴重な情報をありがとございます。「多分、末梢神経端に到達したところでリンパ液として処理されるものと考えています」には私も同意します。「手技による脳脊髄液の循環」には大変興味があります。その手技を完成させていただき、ぜひ私と協力して難病の患者治療に参加していただけないか?とラブコールを送ります。すぐにとはいいませんが、将来的にごいっしょしたいです。

  3. とても勉強になる情報をありがとうございます。
    更に加茂先生の脳脊髄液のお話は正に今の私には旬な情報で有りがたく読ませて頂きました。
    私は現在自宅にて週4、接骨院にて週2で治療家として働いております。
    患者様の中に難病の方がとても多く西洋の医学では治療法がないと藁をもつかむお気持ちでいらして下さる方をどうにかしたい!と沢山の情報を調べた結果、脳脊髄液の循環➡脳呼吸にたどり着きました。
    私の患者様に脊髄小脳変性症の方がいらっしゃいますが、リンパ菅のマッサージと頭から仙骨にかけて主にアプローチ(アロマオイルにてマッサージ等)を心掛け一年半小脳の萎縮がとまっています。
    携帯電話すら振戦でできなかったのですが現在では電話をかけることは勿論字を書くこともでき大好きな将棋もお友だち(同じ年の健常者)と同格で楽しめている状態にまでなりました。
    その他サルコイドーシスの患者様や腎不全で週3透析をされている方等ご自分でもはっきりとわかるような改善が見られます。

    これからも力を付けたく先生の情報を更に勉強したいと思います。
    メールを読んで下さりありがとうございました。

    • 脳呼吸、とても大切な、重要な概念です。静脈やリンパ管の潅流が悪いために起こっている脳・延髄系の病気は、ちまたに腐るほどたくさん存在しています。しかし、現医学でその仕組みを解明できていないだけのことであり、解明される前に治療法を確立させておかなければ、医学が遅れている間に多くの人が苦しむことになります。特にこの超高齢化社会では。私もがんばって勉強し精進します。

  4. こんにちわ。私は大阪でカイロプラクティックの施術所を開いております。
    私も最近、脳リンパ排液について知りました。そして先生のサイトに行き着いたわけですが、脳脊髄液の循環を中心にケアしているものからすると、大変心強くなる思いです。TRPV4やアノクタミン1といった聞きなれない言葉に悪戦苦闘してますが、先生もこれから頑張ってください。

    • リンパ灌流を改善させることで脳浮腫を完治させ、余命1か月以内というような重症患者の命を救った腱引き師がいます。腱引き師範の小口先生です。世の中にはいろんな特殊技術を研究している施術師がいるものです。そして上には上があります。特殊技術を持つ者同士が手を組み合うことで、難治性疾患の患者たちを大勢救うことができると思います。ご声援ありがとうございます。

小澤 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です