捻挫後に長引く腫れへの対処法(自己免疫性関節炎)

2017年治療成績

外傷後自己免疫性関節炎(新しい病気の概念)

 はじめに

手や足・指などを捻挫した後に腫れや痛みが数ヶ月経過しても引かないということが経験上、全捻挫受傷者の約1割前後に存在すると思われます。加えて捻挫した箇所の周囲にまで腫れが拡大し、腱鞘炎やコンパートメント症候群様のしびれなども出現することがあります。症状が軽快しないどころか、炎症が広がっていく1割前後の捻挫患者では、意外にも見た目には軽度から中等度の腫れや出血の捻挫であり、重症に見えないという特徴があります。よって担当医には「たいしたことがない」と思われ、患者は不安を募らせて他の病院にセカンドオピニオンを訊きにまわるようになり、医者不信になるようです。このような外傷後の炎症の拡大にはおそらく患者の自己免疫に問題があると思われます。つまり自己免疫に過敏性のある例に発症しやすいと推測します。全く新しい概念です。しかしながらリウマチやSLEなどの検査では陽性となることがほとんどなく、採血データでは診断がつきません。そこでこれらの病態を外傷後自己免疫性関節炎と名付けその仕組みを推測し、治療法について述べたいと思います。


外傷後自己免疫性関節炎の概念

捻挫や打撲などの外傷後、外傷部位を中心として関節炎、腱鞘炎、滑膜炎、などを起こし数ヶ月以上腫れや痛みが引かない状態。かつ痛風結節が否定的で明らかな原因がない場合本疾患を考えます。CRP陽性や補体価が上昇することもありますが膠原病に特有な抗体は陰性のことが多い。自己免疫の過敏性の原因として金属アレルギー、シックハウス症候群、病巣感染などの後天的な要素も考えられますが、多くは先天的な自己抗体の過剰反応に起因していると思われます。


診断基準

  • ・捻挫後6週間以上経過しているのに腫れや痛みが全く治まらない
  • ・外傷の箇所の周囲や対側にまで不可解な炎症(滑膜炎など)が広がる
  • ・関節腫脹がある
  • ・コンパートメント症候群を合併することがある
  • ・「透き通るような白い皮膚」の外観がある(自己免疫過敏性により皮膚のターンオーバーが早くなっているため)。
  • ・朝のこわばりの経験がある
  • ・腱鞘炎の既往がある
  • ・痛風や感染症が除外できる
  • ・腫れや出血などの見た目による重症度が軽度から中等度

病態生理

過敏な自己抗体(膠原病体質)があり、外傷をきっかけに自己抗体が活性化され、局所の滑膜・腱鞘などに強い炎症を引き起こすと思われます。過敏な自己抗体は先天的なものと後天的なものがあると思われます。先天的なものを私は膠原病体質と呼びますが、現在の医学水準ではその体質を診断できるツールがありませんので「膠原病」とは診断不可能です。世の中にはこのように「自己免疫の過敏性を持ちながら各種膠原病とは診断されない」膠原病体質の人が膠原病の診断がついた人の何十倍もおられると思われますが、現医学水準ではそれを病気として診断できないことが悔やまれます。異常はあっても診断がつかない過敏な自己抗体を持つ人がたくさん存在することを広く認識していく必要があると思います。おそらく補体価などがわずかに上昇していると思われます。


自己抗体が過敏であると細胞のターンオーバーが全体的に速くなります。そのため目に見える皮膚細胞は「透き通るような白い皮膚」であることが多いでしょう(ターンオーバーが早ければ若い細