腰椎手術回避するための腰・下肢痛への超連続ブロック療法

はじめに

歩くことも寝ることも不可能なほど強烈な腰痛・神経痛を患った場合、その患者はまさに生き地獄のような毎日を強いられます。激烈な神経痛にはどんな経口薬も効き目がなく、神経ブロックを行ったとしても一時的にしか改善しないこともあり、患者は「どんなことをしてでもこの激しい痛みから逃れたい」と切望するあまり、短気を起こし、手術への道を選ぶものです。しかしながら、神経根が骨性に圧迫されて発症している場合、手術での成功率は低く、術後も症状が軽快しない場合が多々あります。こうした症例が痛みから逃れ、普通の日常生活に戻るためには、手術以外にどんな方法があるのかについて、その成功例である19日間で15回行った「超連続ブロック療法」から考察します。


 症例

78歳 男性 主訴:腰痛・下肢痛

現病歴

2013.12月 突然の腰痛・右下肢痛が出現し、M整形外科病院を受診。神経根ブロックを2週に渡って2度受けるが痛みが改善しないため入院。10日間ベッド上待機(この間無治療)の後、L4/5 PRIFの手術を受ける。しかしながら痛みは軽減しないためインターネットでトリガーポイント注射ができるクリニックを検索し、2014.2.6.私の外来を訪れる。私は彼に「トリガーポイント注射ではまず治らない」ことを説明し、この日、右のL5神経根ブロックを行う。

現症

腰痛・臀部痛・右下肢外側の痛み・右足背のしびれ

XP

L4/5にpedicle screwがある。L5/S1の間隔が極めて狭く左右椎間孔が見えないほどに狭小化しており、神経痛のメインは椎間孔の狭小化であり、手術でそれが解除されていないことを確認した。


治療経過1

  • 2014.2.6 右L5傍神経根ブロックを行い、初めて2日間痛みがない日が訪れた
  • 2014.2.13 ブロック同上、痛みが劇的に軽快したため2月17日に長距離歩行で悪化
  • 2014.2.20 痛みがL5領域ではなくS1(ふくらはぎ)、右S1傍神経根ブロックへ変更
  • 2014.2.27 ふくらはぎ痛は軽快傾向 右足背しびれあり ブロック同上
  • 2014.3.6 腰痛が軽快 ふくらはぎ痛低下 ブロック同上
  • 2014.3.13. 腰痛・ふくらはぎ痛はほぼ完治、右下肢外側に痛み 右L5ブロックへ変更
  • 2014.3.20. 右側臥位で寝ることができるようになった ブロック同上
  • 2014.4.3. ブロック3日後に痛みが増す(リバウンド) ブロック同上
  • 2014.4.24. 全ての症状が軽快 起床時に少し痛みあるのみ ブロック同上
  • 2014.5.1. 数日前より腰痛出現 両下肢痛も強くなる 腰部硬膜外ブロック+左右L5
  • 2014.5.8. 前回の強力な治療で腰痛・右下肢痛軽快、左L5ブロックのみに変更
  • 途中略
  • 2014.6.26. 左右下肢痛は軽くなり、ブロックを離脱していこうという話となる

 

治療経過2

  • ここまで神経根ブロックが奏功し全快へと向かうと思われたがしかし
  • 2014.6.29. 起床時にぎっくり腰 腰痛・両下肢痛、右足に力が入らない。歩行不可 緊急に近医のM整形外科病院受診しブロック注射を受けるが全く無効 再手術を勧められる。しかしこれを拒否し私の外来に来院する。
  • 2014.6.30. 左右L5ブロックを行うが効果は数時間、「痛みが強いならブロックの回数を増やし、治療を重ねるしかない」と説明。この日から彼は息子に車で送ってもらい、土日以外の毎日、私の外来を追いかけて来院するようになる。

現症

寝ても起きても痛い、右下肢は足の背屈が不可(麻痺)、両下肢のふくらはぎと外側に痛みとしびれ、かろうじて左側臥位のみ可能。歩行は杖をついて3~4mなら可。

治療

仙骨部硬膜外ブロックと神経根ブロックの併用を行う。しかし、仙骨部硬膜外ブロックの際に強い痛みを訴えるので中止。以降神経根ブロックのみで対応し、これを土日以外毎日連日で7月18日まで19日間に15回のブロック行った。その後週に1~2回のブロック治療とする。


 

  •  2014.7.24. ブロックが4~5日効果的となり、治療間隔を週に1回とする
  • 2014.7.31. ブロックが1週間効果持続するようになり、歩行は安定。しかし右足の背屈がほとんどできない。
  • 2014.8.7. うつ伏せに寝ることが可能となり、痛みに苦しむことはなくなった。しかし、右足の背屈が弱いのでブロックを継続(週1回)することにする。

 


特殊なブロック治療について

本症例は非常に特殊です。それは「ブロックを行っても効果がない」という極めて悪質な神経痛症状だからです。しかもL4/5の手術を受けているので腰部硬膜外ブロックができない(やろうと思えば上方の腰椎間からできる)こと。加えて仙骨部硬膜外ブロックは注射時に強い痛みが出てしまうという特殊な状態ですから治療法が八方塞がりとなっている点です。


そこで神経根ブロックに期待するしかありませんが、神経根ブロックは週に1回、連続3回くらいが限度と言われており、私のように神経根ブロックを毎日するという治療法は極めて特殊です。


なぜ毎日神経根ブロックを行えるかの理由は、私の行う神経根ブロックは直接神経を刺すことなく、神経根の周囲にキシロカインを浸潤させる方法をとっているからです。私が行う神経根ブロックは、「傍神経根ブロック」というべきものです。しかしながら効果は十分であり、ブロック後1時間はしばしば下肢が麻痺して歩行不能となることから、十分に神経根に薬液が浸透していることがわかります。よって、通常の神経根ブロックのようなリスクがなく、毎日行えるのです。


本症例は腰椎症性神経根症です

本症例はL4/5を固定手術してしまったことが原因で、L5/S1にストレスがかかりやすくなりL5/S1の椎間板が崩壊し、L5/S1で神経根が骨性に押しつぶされて起こった神経根症です。L4/5を固定すればL3/4とL5/S1に急速な変性が起こることはほぼ必須であり、こういうことが術後に起こることは当たり前です。が、現整形外科学会ではそれを認め、反省する動きが少ない状態です(ないとは言いません)。よって手術被害者は全世界に大勢存在します。


腰椎症性神経根症という病名はない

現在、不思議なことですが腰椎(椎間関節)が変形することで椎間孔が狭くなり、神経根が圧迫される病態は「存在しない」扱いになっています。複雑な理由や事情(行政や面子の問題?)があるからでしょう。


手術的に椎間関節を削って椎間孔広くするということは非常に困難かつ、それを行うと腰椎が不安定になって障害を残すとのことで、行われていません。よって、現医学では椎間孔の狭小化に対する画期的な手術法はなく、固定術しかありません(Hブロックという方法もあり?)。


こういう状況のため、腰椎症性神経根症は手術してもなかなか治りにくい極めて悪質な腰椎疾患と言えます。悪質なだけに本疾患は予防して防ぐことを真剣に考えなければなりません。


ところが、MRI上の脊柱管狭窄に視点が奪われ、これを手術的に固定術を用いて治すことでその前後に重度な腰椎症性神経根症を発生させてしまうのです。予防どころではなく、手術こそが本症の原因づくりになっています。


これは脊椎手術を否定しているわけではありません。脊椎の固定術を行う場合は、その前後の椎間が崩壊していくことを予測の上で、腰椎症性神経根症の発症が将来的に予測される場合は、最初から固定範囲を広くとって手術を行うべきであると言いたいのです。もちろん、なぜそのような広範囲をこていしなければならないかは、患者にしっかり説明し、手術後はきっちり運動制限もするべきです。そうした未来予測と指導を行わないからこそ、脊椎の手術被害者が全世界に多く存在すると言えるでしょう。


腰椎症性神経根症はブロックでも十分に治る

本症は骨性に神経根を圧迫し、後根神経節が炎症を起こすことで激しい疼痛が起こります。骨性ですからブロックで狭くなった椎間孔が広がることはありません。よってブロックで症状が完治するとは思えないでしょう。しかしながら本症は常に突然起こります。発症前は痛みが全くありません。すなわち、たとえ椎間孔が狭くなっていたとしても発症前は何事も起こっていません。この事実は痛みが出現するのは後根神経節が炎症して腫れたことにより「常に触る」状態になったからであると思われます。


そうであるなら、後根神経節の腫れをブロックで解消させることができれば、発症前の元通り「椎間孔は狭くても神経根に触らない状態」に戻れます。


何度も何度もブロックをしても、なかなか腫れが解消しない理由は、椎間孔が狭いためにどんな姿勢をとっても神経根に触ってしまい、「触らない状態」を維持できないからと思われます。そこで、ブロックを繰り返し行うことで炎症の改善力を高め、腫れの消退にまで導きます。


基本的に神経根ブロックは局麻剤で痛み伝達信号を断つために行うのではなく、神経根(後根神経節)の栄養血管を拡張させるために行っています。これを連日繰り返し行うことで栄養血管の拡張している時間を少しでも多くさせます。そして炎症による腫れを消退させていくことが真の狙いです。急性期は後根神経節の浮腫が強すぎて、思うような血管拡張作用が得られないと思われます。そこを打開するために連日のブロックを行います。


連日、連続の神経根ブロック療法

連日、放射線を浴びせ、神経根を刺し、造影剤を注入するというような侵襲的処置を行ってはいけません。よって連日・連続で神経根ブロックを行うためには、神経根を損傷せずに愛護的に、X線を用いずにブラインドタッチで狙った場所に注射針を届かせる技術が必要です。しかも注射針は限界まで細いゲージのものを使用しなければなりません。また、連日行う処置ですから、手技が強い痛みを伴うものであってもいけません。それらの条件を満たせるようになるまで技術を磨いてから治療に臨まなければなりませんが、日頃から自分の注射技術を磨こうという精神でブロックに挑めば必ずできるようになります。


通常の神経根ブロックと私の傍神経根ブロックの違い

通常の神経根ブロックは神経周膜の中に針を刺し、薬液を注入します。私のブロックは神経根近傍に浸潤させるのみです。前者はブロック時に飛び上り悲鳴を上げるほどの痛みを伴いますが、私のブロックは局麻薬を浸潤させながら行うためほとんど痛くありません。


私は神経根ブロックの目的を、「神経根への栄養血管を拡張させるため」に行っていますので、神経に直接刺す意味はないと考えています。むしろ通常行われている神経根に直接刺して行うブロックは無意味なだけでなく、神経根を損傷させるためデメリットが大きいと考えます。


本症例の患者は、通常の神経根ブロックと、私の神経根ブロックの両者を体験していますが、私の傍神経根ブロックの方が治療効果が高いと報告しています。しかしながら通常の神経根ブロックは保険点数が3000点と圧倒的に高く、これを行う医師にお金という大きなメリットを落とします。これをどう考えるかについては各個人に判断をゆだねたいと思います。


 

超連続ブロックと医療の現実

超連続ブロックは極めて愛護的にブロックができるという「高等なブロック技術」があることが前提であり、一般的な教育を受けた医師には実行が不可能であるばかりか、リスクがあるため行うべきではありません。また、保険制度が連日のブロックには金銭の支払いを拒否するため、基本的には許されていません。さらに最大のネックとして、連日来院すると担当医はほとんどが憤慨します(ブロックにケチをつけられていることを意味するので医師のプライドを汚してしまう)。私は「他の医師が治せない疾患を治す」ことを専門としている医師ですから、こうした「挑戦的治療」を行えるのですが、普通は連日ブロックする屈辱に耐えられる医師はいません。患者には理解できないと思いますが、連日のブロックは、患者よりも医師の側に強い精神的ストレスが加わります。よって、本治療は、一般的には不可能な治療法であることを御承知下さい。つまり、こうした神経根症の患者は、一般的には地獄のような苦しみから逃れるすべはなく、最終的には精神科に通院し、痛みを感じなくなるまで大量の精神安定剤を服薬し、社会生活を放棄せざるを得ない状況にあります。


 

神経根症は治らなくても手術

上記の事情から、現実的には患者は手術に願いを託します。しかし、腰椎症性神経根症はMRIなどで所見がないことが特徴なので、画像上は異常なしと言われて手術をしてもらえないのが通例です。手術をしても実際に治りにくいのですが、術後に安静を強いられることで、その安静が神経根の炎症を鎮め、安静の副産物として症状が軽快するという事実があります。よって手術はあまり有効ではなくても、結果的に軽快することがあります。さらに、手術を受けることで社会的に脱落者にならずに済みます。手術を受けると言うことで社会的に同情され、生命保険などからも保証金を受けられるからです。実際問題、地獄のような激痛から逃れて、社会的に脱落者にならずに済むのであれば、たとえあまり有効ではない手術であっても受ける価値が十分に高いと言えます。手術は固定することが有効です。なぜなら椎間の不安定性が解消されるので、椎間から出ていく神経根にストレスが加わりにくくなるからです。しかし、固定をすることで必ず、その上下の椎間が不安定になる運命が決まりますから、いずれ固定した箇所の上下に神経根症が出現することが多いでしょう。私は、そのような手術後の再発を治療することを専門としている医師でもあります。これらの不具合を差し引いても、手術をしたほうが社会的には守られると思われます。

腰椎手術回避するための腰・下肢痛への超連続ブロック療法」への15件のフィードバック

  1. はじめて連絡差し上げます。
    私は現在34歳、会社員の男性です。
    十数年来の慢性腰痛持ちで、
    様々な治療を行いましたが
    著効がありませんでした。

    今回、サイトを拝見して、
    治療を受けたいと考えておりますが、
    いかがでしょうか。

    ご検討いただければ幸いです。
    何卒よろしくお願いいたします。

    • 57歳女性です。
      L3.5すべり症の為脊柱管狭窄があり、L4ヘルニアです。痛みがあるので背骨を伸ばせない為、前屈みの側弯状態です。固定術の手術はしたくありません。ブロック治療をお願いしたいと思います。
      何卒宜しくお願い致します。

      • 手術を回避したいという意志はよくわかりました。まずはブロックをトライしてみましょう。その効き具合と、MRIなどの診断と重ね、最善の方法を探る必要があります。私は手術を回避させる事のできる数少ない医師の一人ですが、そんな私でも患者の状態によっては手術を勧める場合もあります。手術をするべきか、しないべきか?は単に世間のうわさで判断してはいけません。手術が必要な人、手術をすれば完治する事が90%以上の確率でわかっている人で、ブロックの効果が数時間しかない場合は、私も手術を勧めます。どちらにしても、ブロックをしないことにはそれらさえも判断できません。

        • お返事有難うございました。
          現在通院している病院で神経痕ブロックを2回しましたが、効果はありませんでした。
          手術をした場合は日常生活にかなり支障が出ると言われました。
          痛みが無くなり、前屈みが無くなるのならば、手術も考えましたが?治療にあたっての具体的な手順を教えてください。 堀江

          手術をした場合は日常生活にか
          り支障が出ると言われていま

          • ここは有料ネット診療所ではありません。治してくれない医師へ恨みを訴える場所でもなく、具体的な手順を教える健康教室でもありません。また、手順を逐一説明する義務も私にはありません。患者は私に敬意があるのなら「できる限り私に面倒をかけないで、迷惑をかけないで治療していただきたい」という精神になるでしょう。「具体的な手順を教えてほしい」という文面からはそれがうかがえません。患者の医師に対する敬意については「こちら」をお読みください。百歩譲って手順を逐一説明したとして、それが自分の都合に合わないのなら拒否するという姿勢であるのなら、治療は無駄です。ここは私の治療へと導くサイトではありません。困っている方をできる限り救うために、現状をアドバイスし、それらが叶わない場合、最後の手段として私の治療を受けていただくことをアドバイスしているのみです。最後の手段ですから「治すためには何にでも挑戦するという勇気と決意と私への信頼」を必要とします。「具体的な手順を教えて」という文面にからはそれらが伺えません。治療に関して条件を出すのはあなたではなく私の役割です。難治性の症状を治すには、私に大きな負担がかかります。それが理解できない方はご遠慮ください。まずは「著者へのアクセス」を再度お読みください。私のような無名のやぶ医者に依頼するのではなく、もっと有名な先生をあたられることをお勧めします。尚、メールは携帯アドレスには届かない(受信拒否)ことが多いですのでご注意ください。

  2. 47歳、男、福島県
    約3年前より左腰痛、左下肢の痺れ、電撃痛、冷えに悩んでいます。
    当初、椎間板ヘルニアと診断され保存療法を行っていましたが、その後mriにてヘルニア消失と診断されましたが、その後も上記の症状に変化ない状況です。
    担当医師には、原因不明と診断され投薬にて対処してる状況です。
    特に、左腰痛、左下肢から指先への電撃痛、冷えが日々辛い状況で、外出も苦痛な状況です。
    この様な状況にこちらのブロック治療法は、効果あるでしょうか?
    通院を考えたいと思っているのですが、どうでしょうか?
    よろしくお願いします。

    • 私の治療が効果があるかどうか?は私にはわかりません。ただ私は最大限工夫をします。とだけは断言できます。工夫がなされた治療を受けたいというのなら受診ください。ですが、工夫をうするには自費診療である必要があります。少々ですが、お金がかかると思います。

  3. 64歳 男性 無職です。4、5年前から腰痛による間欠性破行が悪化し、去年から今年にかけて頸椎後縦靭帯骨化症椎弓形成術、胸椎黄色靭帯骨化症椎弓形成術、腰椎脊柱管狭窄症椎弓切除術を脳神経外科病院で受けました。腰椎手術から半年経過しましたが、右腰部の痛みと右足大腿部内側から足首、甲にかけて痺れが有り、間欠性跛行は術前より悪化しています。この神経症状の原因は椎間孔の狭窄ではないかと思い他の脳神経外科病院を受診したところ、レントゲン、MRI、CT画像および下肢の反応状態からL4椎間孔の狭窄が原因と診断され、MD法による椎間孔拡大による除圧術を薦められています。手術は6か月後になると言われました。どちらの先生も、腰椎固定術は回避する方針を示されています。私といたしましては、椎間孔の拡大除圧手術を受ける前にぜひ一度先生に診察をお願いしたくて連絡をさせていただきました。よろしくお願いします。

    • 脊椎多重手術の方ですね。なぜ最初から椎間孔の拡大をしないのか? それが現代脊椎手術の「脇の甘さ」だと思います。現医学レベルでは脊椎は思いつきで手術をする時代であり、早くこの無秩序な時代から抜け出してほしいと切に願います。

       と、同時に、椎間孔を拡大させることは手術の中でもっとも難易度が高いものであり当然成功率も下がります。一昔前までは椎間孔を拡大させるという発想さえありませんでした。それほど難しいということです。難しいからという理由で、安易に椎弓切除という無駄な手術が行われている現状を嘆きます。

       さて、椎間孔狭窄は当然ながらブロックにも極めて抵抗性があり、医者がブロックで治すことをあきらめざるを得ないほど「改善させることが難しい」疾患です。私がブロックであなたのような症状をすっかり改善させる事ができるなら、私は世界中の脊椎外科医に殺されてしまいかねないです。半年も待ちの状態の先生の手術を「無意味」にさせるわけですから。つまり、それほどブロック治療は難題に取り組むことを意味しています。生半可な気持ちで治療に淡い期待を持たないほうがよいでしょう。

       現在、超連続ブロック療法は、保険が使えません。つまり自費になるということです。しかもあなたの場合、椎弓切除術を受けていますので神経根ブロックしか行えません。神経根ブロックは1回が15000円とお値段が高く、それを連続で何度も行うのですから、それなりにお金もかかります。そして治療は根気比べとなるわけですから、最初から相当な気合を入れなければなりません。その覚悟がおありでしょうか?

      • 先生、お忙しい中早速ご返事をいただきありがとうございます。神経根ブロック療法を受診する時間と費用の問題は解決できますが、ある程度予想していたとは言え、先生から「改善させることが難しい疾患」であると指摘され、手術を回避してブロック療法で治癒を望んでいたので正直落胆いたしました。ただ、この事実は厳粛に受け止めて次のステップに進みたいと思います。幸い、腰椎椎弓切除術により両足の痺れと痛み、突発的な腰の激痛は改善されました。それ故に、腰椎椎間孔の狭窄による症状が明確になったように思います。固定術を回避して治療していただいた医師には感謝しています。私が受診した2か所の脳神経外科病院の医師はいずれ劣らぬサムライ医師であると思いますし、特に椎間孔拡大術を施術していただける医師を「サムライの中のサムライ医師」と信頼し、よく相談した上で治療していただきたいと考えています。また、椎間孔拡大術を受ける前に上殿皮神経障害外来を受診したいと考えています。先生ありがとうございました。

        • いろいろと勉強されて手術の道を進んでこられたようですね。すばらしいことです。脊椎外科医は己が行う手術の欠点を「隠す姑息さ」があります。そして「うすうす自分の手術が正しくない」と思っても、それを修正できない大きなプライドがあるようです。椎間孔拡大術は、そうした「自分の手術が正しくない」ことを真正面に受け止めた上で開発された手術法ですから、この手術を行う医師は自分に勝ち、真実を見つめる強い魂を持っているということを意味しています。そういうサムライ医師にめぐりあえてよかったですね。また、どうしても困ったことがあればご相談下さい。

  4. 73歳男性患者です。先生がお書きになっていること、思い当ることばかりです。実は脊柱管狭窄症で一年前にL4/5の内視鏡下除圧術を受け、膝から上の症状は消失したのですが、下肢の感覚障害(足底の異物感、足首以下の灼熱感、痺れ、冷感など、左右差あり)が少しだけ残り、それが最近急速に悪化してきました。安静時の灼熱感が特に辛く、睡眠薬が増えてきました。MRIでは異常は見つからず、試行した仙骨ブロックでは何の作用も感じられませんでした。その時点で整形外科での対応はムリとされ、近所のペインクリニックでも腰椎手術歴がある場合腰部硬膜外ブロックはしないと言われました。
    私の場合も、椎間孔狭窄について医師と話し合ったことは一度もありませんでした。これからチェックしてもらうとすれば、住所の松戸市から通院可能な範囲(都内なら東部)で適切な病院があるでしょうか?

    • 足底の灼熱感の場合、神経はS1ですので椎間孔狭窄は否定的です。なぜならばS1の椎間孔はもともと開いている骨の孔なので狭窄することがほとんどないからです。灼熱感の原因はMRIでは判断できないほかの何かであり、その原因は現代の医学で判明しません。仙骨からの硬膜外ブロックが全く無効であるのなら、その原因は腰椎には存在しないことも考えます。詳しくはブログの「二次ニューロン性の腰痛の発見」をご覧ください。

       おそらく西洋医学ではお手上げの症状であり、もし、私が治療するにしてもリスクの高い治療(頚髄への治療)になるかもしれませんのでお勧めしません。私でも治せない知覚異常は「高齢者にはざらにある」ものです。どんな偉大な医師も老化には絶対に勝てません。ただし、そういう現状の中、最近は腱引き治療師と手を組み、共同で治療して、難治性疾患の壁を越える挑戦をしています。

  5. 60歳代、茨城県、男性
     右下肢の痛みと痺れ、右足裏の知覚異変(何かふんづけている感じ)があり、1年4ヶ月です。痛みのため上半身は左に傾き、少し歩くと一層傾きます。間欠性跛行は5分程度で出ます。23年前にもL45のヘルニアで右下肢の痛みが2年くらい有りましたが、治まっていました。
    MRIを診て○○整形外科ではL45のヘルニア及びL345の腰部脊柱管狭窄症との診断で牽引、薬ロキソニンの保存療法でしたが効果が感じられず、手術をすすめられました。手術は回避したいと思い、AKA治療のある□□整形外科に行き月2回のAKA治療をしてもらい1年経過しましたが、まだ効果は感じられません。 ここの先生は手術には反対の意見でした。
     最近某大学病院の整形外科にも受診したところ、レントゲン、MRIの所見で除圧手術で痛みはとれるが、痺れは分からないとのコメントでした。

    手術は避けたいと考えておりますので、ぜひ先生のブロック治療を受けたいと思います。 何卒、宜しくお願いします。
     

    • まずはお住まいの近くのペインクリニックに相談に行かれることをお勧めします。私のところへは最終手段としていただいたほうがよいと思います。まちがっても整形外科に行ってはいけません。整形外科医は手術を専門とする医師ですから、AKA療法も含め、保存療法の治療は代替医療よりも劣る有様です。ちなみに私は整形外科医ですが・・・ペインではありません。

       運動器の疾患はできるだけ近くで治す方が得策です。ですが、よい医師と巡り合うことができないという場合は最終的に私が相談に乗ります。

植田 にコメントする コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です