第十六話 ドライブ中の超常現象話

前回の第十五話からの続きです。奥様と尼僧の先生のタッグによる祈祷を終えた後、私は車で先生をご自宅(お寺)まで送ることにしました。電車なら2時間、車なら1時間半で着くからです。それに先生もお疲れでしょうから。


ナビにお寺への行先を入力すると、いきなり首都高速の入り口が進行方向と反対を示したので私は機転を利かせ「ナビには従いません。自分の知っている道で行きます。」と二人に告げます。先生の経験上、ナビが狂うということが日常茶飯事にあるそうです。そんな強力な能力者を二人も車に乗せれば何が起こるかわかりません。尼僧も「ナビなんていつも狂いますよ」とさらっといいます。大変です。


奥様を車に乗せた後、いつのタイミングで起こるのかはわかりませんが、助手席のシートの頭部分(ヘッドレスト)が最上の高さまで上がっていることが3回ありました。ヘッドレストの位置調整は電動式であり、スイッチを押さない限り動かないのですが、奥様が乗っていない時にいつの間にかマックスまで上がっています。また、奥様がコインパーキングでお金を支払おうとするとおつりが出ずに領収書も出ず、エラーでもなく四角い線がくるくる回っている表示になったりなどなど、誤作動がしばしば起こります。
スマホの画面の×を押しても消えない、階層の深い決してワンクリックでは出ない画面がワンクリックで出てしまうなども普通に起こります。ですが故障ではなく一時的なものでそのまま放置していれば治ります。


さて、ここで尼僧の先生を送迎中の話しに戻ります。車内では先生の身の上話を聞くことができました。中でもお寺の建立資金を易(占い)で得た話には驚きでした。まず話は尼僧の先生が僧侶になったころからの話しにさかのぼります。先生は50代半ば、趣味として好きだった山登り中、ある山で1人の僧侶から「あなたはこの御守りを持っていなさい」と小さな御守りを渡されたそうです。



一緒に同行した皆の中でただ1人御守りを渡されたので不思議に思いながら山を登ったところ、谷間に滑落してしまい、本来なら死んでも良いほどの事故にあいながらも奇跡的にかすり傷で無事に帰還し、九死に一生を得たのです。御守りをよくみるとそこにはご不動様が描かれていたのでした。それからいろいろなものが見え始め、命救ったおかえしにお不動様から啓示を次々に受けるようになり、その啓示通り全国の神社仏閣へ参拝されたそうです。啓示の受け方まで詳しくおっしゃいませんでしたが、おそらく言葉で表せるほど単純ではなかったでしょう。


しかし、全国津々浦々にお参りに行くのはよいのですが、仕事もできませんし資金が尽いてしまうので、それでは困るし僧侶にもなりたくないし仕事もやめたくないというと、なんと驚くことに突然喋れなくなり、今の職場を辞めざるを得なくなったそうです。そして、「お金が入るように工面しよう。易をせよ」とのお告げがあったそうです。尼僧の先生は恐る恐るお告げ通り成田山の易所に行きました。すると大きな大きな蛇と占いの老婆がいて「よう来た。ご不動様からあなたが来るとのお告げがあったぞ。」と言われたそうです。


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そこで易を習い、ご不動様の啓示を客に伝えるということをしたところ、資産家の客が訪れるようになり、何億もの商談を次々に成立させ、そのお礼にと高額なお布施をもらうようになったとのことです。それは芸能人もお忍びで来客されるまでになり、財もあっという間に貯まり、それを資金にわずか3年でお寺を建立されたそうです。まるでわらしべ長者のような話です。多分誰も信じないほどの超常現象(超自然現象)と思いますが・・・。


尼僧の先生が熱心にお唱えをしながらご不動さまのお告げ通りに行動を起こしていると、様々なことが開運となってかえってくるため、その能力にあやかりたい人が大勢やってきて、信者が増えていくそうです。この話が真実であれば、人を導き栄えさせる目に見えない力が通常の人の力とは全く関係のないところで働いている可能性があるわけです。見えないのでほとんどの人は信じない、信じられないと思います。また、日々修行をしている高僧でさえ、能力者が神々と交信できる能力を信じないと思います。


ですが、こうした超常現象(超自然現象)が自分に起これば、やっと信じることができるでしょう。だからこの手の話を人に話したところで、それは説教にも何にもならないと思われます。本当に縁あって結ばれていくものでしか理解できない領域へと入っていっているのです。


奥様は巫女と言われていますが、まだ発展途上中です。今から何が起きるか?は予測不可能。ただ、彼女に起きていることは私の前では真実なのです。