第四話 奇跡のお導き

奥様はこの出来事をわかってくれるであろう方々にかたっぱしから連絡してみました。ですが、正月です。誰も連絡がつかない様子。これは「自らお寺に参りに来なさい」いうご不動様のお告げだと奥様は察知したそうです。


その自分の直感を素直に信じ、次の日、1月2日の早朝、3時間という短い浅い睡眠の後、始発電車でお寺に向かいました。興奮したまま浅くしか寝れなかったのも無理はなく、朝起きるのがとても苦手な奥様が眠たさを振り切り決心してお寺に向かう姿は勇敢でした。ただ、正月2日のしかも4時という超早朝です。奥さまはハッ!もしかしてと思ったそうです。


そうです都内の中心部であっても正月元旦明けの深夜0時から数時間経った4時代でちょうど人々が眠りにつく時間帯です。当然、道路に誰1人いません。車さえも通っていません。もちろんタクシーもです。近くにある高級シティホテルにいつも停まっているタクシーさえいません。・・・ここから先は奥様から聞いた話になります。


「ああ。どうしよう東京駅の始発まであと15分しかない、、、もうダメかな。。」そう思いました。でも、あきらめたくありません。「絶対お寺に行きたいんです!ご不動明さま。お祈りすれば思いが届くでしょうか」


そう心から念じたとき、スーと1台の車が近づいてきました。

なんと個人タクシーです!

「わー!!!(泣)」と両手いっぱいに手を挙げてとめて飛び乗りました!

広い広い4車線の道路にそのタクシーしか車の姿がありません。奇跡です。ほんとに奇跡が起きました。始発までタイムリミット15分という出来事です。



「ありがとうございます!東京駅まで!」

はい。と静かに運転者さんがいいました。とてもお優しそうなかたです。

ほんとに信じられなかったんですが、ほんとのことです。

タクシーの運転者さんに何度もお礼を伝えて無事、東京駅に着き、緊張したまま寺に着きました。着いてすぐお寺の方に会い、了解を得てご本堂に行きました。


そこにはすでにお経を唱えている尼僧さまのお姿が見えました。

尼僧さまはお経を唱えながらなにも仰られることなく静かに他の方に指示し、私を護摩焚きの火のすぐ前に座るように促しました。



奥様も静かに座り、お経に合わせて少しずつ大きくなる炎を見つめていると、またカラダが揺れ始めました。。それから約1時間30~2時間ほど上半身は様々な形態で動き、手も見たこともしたこともないカタチで空中を動き回り、こらえきれない声もあがり続けました。2時間近くもずつととまらずです。


最後のほうでは、何もいわずにすっと近づいてきた尼僧さまが除霊をしていただきました。自分でもびつくりするような別人の太い声が出たりします。自分の意識はあるのに、カラダや声が自分とは別物のようでした。


お経と護摩焚きが終わり、カラダも落ち着いたころにいろいろお話させていただきました。


尼僧:「あなたの動きをずっと見ていましたが、おそらくAさんは頭のてっぺんにあるチャクラが開いていますね。それと第三の目といわれる額の真ん中。この二つ。私と同じです。チャクラの中でもとても強力なチャクラ(第7チャクラ、クラウンチャクラともいいます)で、スーと直線的にカラダの中を通っているので、いろいろなものが入ってきやすいんです。Aさんの魂と神様の魂はしっかりと結びついていてとても強力で離れることはできません。今はまだ弱いので、人間界での小さな邪気や大きな邪気など周りからいろいろなものがはりついてしまうのね。それを上手にはがしてあげないといけません。神様が人様のために尽くすことをするためにAさんを選んでいます。神様がここに早く来るようにAさんを呼んだのね。Aさんに与えられた使命を考えなければならないでしょう」


なんと光栄なことでしょうか。と、奥様の話はここまで。奥様はさらに昨年診療所に尼僧が訪れたときに尼僧からアドバイスされた自分の誕生時の話し(※詳しくは「第一話 巫女覚醒」へ)のことを思い出し、あらためて尼僧に確認してみたそうです。すると、やはり「あなたの霊感が強いのは故郷の氏神さまやご先祖さまのおかげですよ。近いうちすぐに参りに行きなさい。」と再度言われたそうです。


・・・で、私はというと、実は自分なりに奥さまの現象が知りたくて、尼僧とは関係なく別の患者として当院に来院されている都内の寺の住職の日蓮の僧侶に奥様がトランスにはいっている状態を伝えて相談していたのです。そして、奥様が尼僧のところに行っている元旦2日の早朝の間に今の現状の意味を知ろうといろいろお聞きしてみましたが、はっきりとした答えは得られませんでした。


やはり奥様自身から謎を知るしかありません。尼僧の話を聞いて落ち着いて帰ってきた奥様に私はすぐに「じゃあ、さっそく故郷に行こう。チケットを二人分予約して。」と二つ返事で了承しました。



こうして約10年前、単身1人で独立するために上京してきた奥様は数年ぶりに親孝行もかねて里帰りすることができたのです。ご両親は両手を挙げて大喜び。さっそく、ゆかりの神社に尼僧から言われたとおりにお酒とお米と塩を用意してあいさつにいきました。



そこでも体に異変を感じるほどの合図があったようで、手ごたえがあったことに奥様は満足した様子。心配性の母親の重度の不眠、めまい、と頑固な父親の腰痛にと九州の優秀な治療師と院長とのコラボ治療を手配し、体の不調に悩む両親のために奥様ができることで親孝行。両親はその夜、何年かぶりに熟睡できたそう。安心して帰途につきました。


科学者である私は、理解できないものを拒絶するのではなく、理解できないなら理解できるまで確かめるのが私の主義です。