停滞期から回復期への昇格

停滞期から回復期への昇格

基本的にこれまでの医療は治療を重ねても改善しない患者に執拗に治療をすることを禁じていました。国家財政の浪費にあたるからです。しかし、治療が要介護者を減らす可能性があるとすれば話は別です。介護費用よりもブロック費用の方が安いからです。 さて、日常損傷病では日常生活における繰り返しの損傷によって症状が出現しているわけですが、今以上に改善させるためには、日常生活を変える以外に方法がないというところに必ず突き当たります。
私たちは日常生活における損傷要因を患者に禁止していくことで停滞を回復にまで昇格させることが可能です「徹底的安静療法で治癒した難治性神経痛の6症例」を参照ください)。 私は一昔前までは「どんなことをしても絶対に治す!」といきまいて治療をやっていましたので患者の日常生活を変えさせてでも症状を改善させるということをやっていました。現在はその頃よりもさらに私のブロック技術が高まったために、停滞期のまま治療を続けています。ブロック注射のリスクを減らすことに成功しているからです。

停滞期から急性増悪期への降格

停滞期治療を行っている患者が、日常とは異なることを行動した場合、改善と悪化のバランスは崩れ、悪化の方に病状がシフトします。日常とは異なることは「葬儀、盆正月、お彼岸の墓参り、団体旅行、雪かき、大掃除…」などです。 患者は病識がないのが大変困ったことであり、いつものブロック注射をしているのに悪化→ブロックのせいで悪化といいがかりをつける患者も大勢出現し、トラブルになります。 一度急性増悪のサイクルが回りだすと元治療していたレベルに戻るという保証がありません。非日常なことを行ったために変性や細胞適応が起こり不可逆変化となることがあるからです。 一般的には、盆や正月、お彼岸などが急性増悪になるという知識が欠落しているため、このような急性増悪を防ぐためには、社会全体でマスコミを利用して高齢者教育をしていくしかありません。
また年配の医師たちは少々無理した散歩程度の運動が急性増悪を招くということを認識しておらず、「どんどん歩きなさい」という指導が患者を寝たきりに進ませている可能性について全く考えていない医師が多いと感じています。 私は常に急性増悪の理由を調査しており、何が急性増悪を招くのか認識しています。

停滞期改善シフト療法は手術件数を減らす

私の外来は「他の医師からさじを投げられた患者を専門に治す」外来ですので、当然「手術しないと治らない」と言われた患者が多く訪れます。そうした患者をケロっとよくしてしまうことを趣味に医師をやってきました。少し悪趣味ですが、そうした患者を改善させると優越感に浸れるのです。
つまり、私の外来には最終的に手術になった患者がほとんどいません。これは手術適応患者を無理やり手術させないのとはわけが違います。私も外科医ですから手術が必要と感じれば手術を進めます。しかし、痛みがなくなるので実際に手術が不要になるのです。 手術しないと変形が進み、いずれ手術しなければならなくなると批判する医師向けに、現在は私の外来で治療中の患者が5年のスパンでほとんど変形を進行させない例が多いことを論文にまとめています。どうやら適切な治療をすれば変形は進まないようです。 もちろん手術自体を否定しているわけではありません。ただ、手術しないで済む症例は、停滞期改善療法を推進させれば桁違いに増えると思われます。

改善させるだけが治療ではない

改善させるだけが治療ではないということが、今後の医療に求められます。すなわち高齢により放置すれば日々少しずつ悪化していく状態を、悪化させないように現状維持させる療法です。 しかも、何も治療しなかった場合と比べて、質の高い幸せな暮らしを送るための治療です。私は常に高齢化社会に立ち向かっています。高齢という絶望的な機能の悪化に医療がどの程度立ち向かえるのかを常に挑戦しています。そのためには現状を維持させるために療法を確立し医師たちに広めなければなりません。

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