治療の目的を考える

治療の目的を考える

さて、こうした人間の欲深き業である「ないものねだり」をなくすために、治療とは「何を目的に行っているか」の根本を患者に教えなければならなくなりました。 高血圧薬、高コレステロール薬、睡眠薬、痛み止めなど…治療薬はそもそも病気を根治させることは一切できていません。治しているのではなく症状を抑えているだけです。それが証拠に薬をやめればすぐに元に戻ります。
しかし、ここでもう少し深く考えます。高血圧薬を中止して12時間後に血圧が上がるようなら、薬は治療にはなっていませんが、もしも薬をやめても1週間血圧が正常であったなら、これをどう考えるかということです。この薬の場合は治療ですか?それとも姑息的ですか? 薬の作用時間は12時間です。12時間経てば薬の血中濃度はゼロ近くになります。ゼロになっているのに12時間を超えても1週間血圧が下がって正常化したままなら、この薬は体内の血圧システムを改善させていると考えます。この場合は治療なのです。 ではなぜ1週間後に血圧が元に戻ってしまったのでしょう。これは症状の再燃と考えます。つまり、一旦は改善したのですが、塩分の多い食生活、ストレスの多い社会環境に暴露していたために再び症状を作ってしまったと考えます。
このように、今行っている医療行為が姑息的なものか治療になっているのかを考えて実行することが今後の医療に問われています。なぜならば人が医療に対して「ないものねだり」をするようになり、湯水のごとく健康維持にお金をかけるようになり、国の経済が破綻寸前だからです。

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