痙攣という病態がもたらす症状の新たな考察

痙攣という病態がもたらす症状の新たな考察

こむら返りが横紋筋の不随意の痙攣によって起こることはわかっていますが、そのはっきりした原因が解明されているわけではありません。筋組織への血流不足、電解質異常、過度な運動、温度の低下などでこむら返りが起こることはわかっていますが高齢者ではそうした状況が満たされていない場合でも毎日こむら返りが起こることがあります。 私は高齢者のこむら返りに対し、腰部・仙骨部硬膜外ブロックを行うことによりこむら返りを起こらないようにすることにこれまで数十例の患者に行ってきました。成功率は100%です(再燃もありますが)。
このことより高齢者のこむら返りには筋への直接的な血流や電解質異常よりも骨格筋の支配神経の不調に最大の原因があると推定しています。 自律神経の不調では血管平滑筋の収縮(コムラ返り)が誘発される可能性があり、血管平滑筋のスパズムは横紋筋のっ血行不良を誘発し、こむら返りの原因にもなるでしょう。つまり、横紋筋のこむら返りの原因を追求すると平滑筋のこむら返りがその根本原因である可能性もあり、原因の追求が難しいでしょう。
さて、日常病として重要なことは血管平滑筋のこむら返りは、実は多くの人で普通に起こっているかもしれないというところにあります。 私は古典的片頭痛の持病があり、脳血管平滑筋のスパズムをしばしば起こします。古典的片頭痛の徴候として閃輝暗点がありますが、私は閃輝暗点を毎日のように数秒くらい経験しています。つまり、私の場合、脳血管平滑筋のスパズムはかなり高頻度に起こっていることが判明します。
膠原病では手指の血管のスパズムが起こり皮膚が白色化することもよく知られている事実です。冠動脈に起こる血管平滑筋のスパズムは異型狭心症と言われます。おそらく日常生活で症状に出ない程度の平滑筋のスパズムを私たちは常に経験している可能性があります。 平滑筋スパズムは子宮や卵巣、小腸などにも起こっている可能性があり、そうしたスパズムで生じる急性腹症の症状は、現医学では考察さえ成されていませんが実在する可能性が極めて高いでしょう。しかし、私は原因不明の急性腹症の中に血管平滑筋のスパズムが原因とされるものがあると確信します。 まためまいや難聴、耳鳴りも内耳神経の栄養動脈のスパズムによることもあると考えています。ただその割合がどの程度なのかは不明です。
これらの推測が臨床と結びつけば、医学はかなり前進します。スパズムを起きないようにすることができれば、これまで治らなかった症状を治せる可能性が出てくるからです。 私はそうした横紋筋や平滑筋のスパズムが神経由来である可能性を推測しています。神経は脊椎と密接な関係にありますから、つまり脊椎が悪い人は横紋筋や平滑筋のスパズムが起こりやすいという新たな病態生理です。
これまでの医学ではコムラ返りの原因が脊椎にありとは考えていませんでした。 この発想が的を射ているのであれば急性腹症、異型狭心症、めまいや難聴などを交感神経節ブロックや硬膜外ブロックで治療する新しい療法が生まれるということです。
私はすでに下肢のこむら返りを硬膜外ブロックで完治させた経験を数多くしており、こむら返りの主因が脊髄・神経根由来である確証を得ています。すでに治療実績は上がっています。そして私の治療実績は神経(脊椎)の異常で筋のスパズムが起こりやすいことをうかがわせます。 今後、日常損傷病学では脊椎の異常で平滑筋のスパズムが起こりやすくなり、他の臓器への一過性の虚血を起こす病態があると推定し、急性腹症などにも硬膜外ブロックを用いる方針を打ち立てます。おそらく、これまで治せなかった腹部内臓器の疾患の一部を治せる可能性があります。この研究については今後、疾患別に治療成績を発表していく予定です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です