ターンオーバーの概念応用

ターンオーバーの概念応用

現医学ではまだ解明されていないターンオーバーの概念について実例を挙げて解説します。

その1

赤ちゃんの体細胞のターンオーバーは速いでしょう。すなわち体細胞の撤廃処理も早いことを意味しますし、そこには抗体の活動、マクロファージなどによる貪食行動が著しいという必然性があります。ただし、自己抗体の活動が過度であると撤廃処理能が高すぎるために炎症が起こりやすくなるでしょう。アトピー性皮膚炎が小児期に多く、中高年になると共に穏やかになるのはそうした自己抗体の活動が幼少期は高く年齢と共に穏やかになることと関与しているのではないでしょうか。 女性の肌は男性よりも美しく、皮膚のターンオーバーは女性の方が男性よりも速いと思われ、そこには当然ながら自己抗体の活動性の高さが存在するでしょう。膠原病などの自己抗体病、関節の変形などが女性に多いのはターンオーバーが男性よりも女性の方が概して速いための必然、つまり自己抗体が女性の方が男性よりも活発であることが理由と推測します。

その2

ターンオーバーが速いという意味を科学的に説明するならば、細胞寿命が来る前に自己抗体やマクロファージにより撤廃処理を受けるという意味になります。よってターンオーバーが速いと組織の細胞は若く未成熟なものが多くなるのでその分強度が低くなるはずです。 一般的に、女性が肌に合わない化粧品を用いると炎症を起こしやすいものですが、これもターンオーバーが女性の方が男性よりも速いせいで皮膚の強度が低くなっているためかもしれません(もちろん、性差のみでターンオーバーの速度を決めつけるつもりはありません)。 概して男性は外的ストレスに対して肉体が丈夫ですが、その理由は男性の体細胞のターンオーバー速度が女性よりも遅く設定されているからと思われます。これらより、性ホルモンはある程度ターンオーバーの速度を変えるカギになっていると思われます。もちろん、ターンオーバー速度は性ホルモンのみで決まるのではなく、成長ホルモンや甲状腺ホルモンなどの影響も受けると思われます。

その3

マクロファージが過剰に炎症局所に遊走してくると細胞を貪食したマクロファージ自体が細胞適応を起こし、そのマクロファージもまた別のマクロファージに食される対象となるでしょう。その細胞適応化したマクロファージがトリガーとなってさらにマクロファージが増えれば、マクロファージのゴミも増えていくという悪循環が起こります。 例えばコレステロールがマクロファージのターゲットになることはよく知られており、粥状動脈硬化は粥状斑内膜にcholesterol含有マクロファージが集族して起こります。 通常ターンオーバーを促進するはずのマクロファージが局所に集族し過ぎると、マクロファージ自体が異物化し、その箇所でのターンオーバーが困難になるという逆説があることを認識しておきます。 つまり、炎症が起こるとターンオーバーが速くなりますが、炎症が過剰であると死骸が増え、マクロファージが作用できない死腔が生まれ局所のターンオーバーが不可能になるという概念を持つことを推奨します。この概念は日常損傷病学で最重要かつ大胆です。炎症が強い箇所でターンオーバーが阻害されると、局所に活性化酸素の蓄積が起こり、不可逆な組織の老化、異物の蓄積を招くと考えます。 こうした異物の蓄積と死腔ができる前に、我々医師は全力で炎症を抑えるべきでしょう。そのために何をするのか?をよく考えなければなりません。 その一つの方法が免疫抑制であり、免疫抑制剤を適所に適時に適当量を使えるかどうかが、今後の抗老化医学の課題となります。 これまでの医学では感染にステロイド禁忌というような安易な思考でした。しかしながらそういう理論とは反対に、体の中では感染時には必ずステロイドが増産されます。感染によって起こった過剰な炎症を抑えるためです。 感染部にはマクロファージが多量に収族しますが、炎症により局所に浮腫が起こるとマクロファージが集まってこれなくなります。免疫抑制を用いて浮腫をある程度コントロールしなければ、感染局所の血行障害を防ぐことができません。感染にステロイドを使うな!ではなく、使う時期と、使う箇所と、使う量の問題を考えなさい!です。 現在はステロイド以外の免疫抑制剤も多く開発されており、まさにそれらの使い方を考察する必要があります。膠原病だけに使うというシンプルな考えではなく、種々の炎症に用いるという大きな視野で治療法を考えます。 ただ、免疫抑制剤の副作用が強いと本末転倒です。よって適時、適所、適量の研究が必要になるのです。

その4

ターンオーバーが遅すぎることは自己抗体の活動が著しく低い状態と同意と考えます。この場合、組織は古い細胞が多くなり、細胞の平均年齢が上昇します。つまり組織内には成熟した細胞が多くなるわけで細胞強度としては若干強くなると考えます(平均年齢上昇が適度な場合)。 皮膚で例えると角質層が厚くなり、少々の外力では皮膚が傷つかなくなるでしょう。しかしその代償としてしわの多い皮膚となり見た目にごつごつし美しさが損なわれるという代償を払います。千年以上生きる樹木はこのターンオーバーの遅さにより外皮が極めて厚くなり、厚い外皮が害虫や細菌、気候の変化から守るからだと言われています。 おそらくこの法則は動物(人間)にも通用していると思われます。 農家で働く高齢者の皮膚は極めてしわが多く、見た目はとても老けて見えますが、実際は紫外線や物理的な摩擦にも非常に強い皮膚をしていて、老けて見えても実際は非常に健康であるという例が見て取れます。 熱帯雨林地方に住む人たちはコレラ菌を食したとしても下痢にさえならないことが多々あります。それらはまさに腸管壁のターンオーバーが遅く、菌からのストレスに細胞が耐える構造を持っているからだと思われます。つまり、ターンオーバーの遅さは環境の激しい地域では命を守ることに非常に役立ちます。 最近の骨粗鬆症治療薬の多くは破骨細胞の活動を抑えるものが主流になっており、骨細胞のターンオーバーを遅くして骨細胞を丈夫にするという仕組みになっています。まさにターンオーバーを調整することによって組織強度を得ているよい例です。 しかしながら一方で、ターンオーバーを過剰に遅くするとどんな障害が起こるのかを考えなければなりません。 一つのヒントとして、骨粗鬆症治療薬のビスフォスフォネート製剤で、大腿骨近位部骨折や顎骨壊死の報告があります。これらの因果関係はまだ論争中ではっきりした答えが出ていませんが、ターンオーバーを遅くさせ過ぎることによる弊害の一つと捉えておくべきなのかもしれません。 ターンオーバーの調節は今後の医学の主流になると思われますが、過剰な調整は新たな病気を生むと考え、慎重に対処していかなければなりません。 ステロイドや他の免疫抑制剤もターンオーバー調節剤であり、今後の治療の主流となるべきものです。しかし、過剰投与では必ず問題が生じることを肝に銘じておきます。問題が出るから禁忌というのでは医学は発展しません。

その5

自己免疫が正常であっても感染や外傷などが原因で細胞適応化した不良細胞が短期に大量に発生すると、もはやマクロファージなどで貪食しきれず、組織内が多量の機能しない細胞で覆いつくされてしまいます。機能しない細胞の中には細胞適応しながら生きている細胞もあれば死んで異物となったままの細胞もあり、混在しているでしょう。これらの細胞は病的石灰化や硝子化の引き金となり、物理的に血行や円滑な動きを阻害する障害物となります。肩関節周囲炎での肩峰下滑液包の石灰化や関節周囲の石灰化、手根管症候群でのアミロイド沈着などがそれらにあたります。ガングリオンの正体もおそらくこれです 肩峰下滑液包の石灰化などはステロイドの注射などにより消退することから、ステロイドなどは細胞適応(細胞壊死)の大量発生にも抑止力として機能すると思われます。 ただし、そこには疑問が残ります。ステロイドはマクロファージの過剰に集まることなどを抑制しますが、むしろ大量に発生した細胞適応化した細胞の撤廃作業を遅らせます。にもかかわらず、ステロイド注射で局所が治癒していくメカニズムがはっきりしません。 この疑問のつじつまを合わせると、過剰なマクロファージは局所の循環不全を起こし、マクロファージ自体が細胞適応を起こしてゴミになるという推論です。 適当な数のマクロファージは細胞のターンオーバーを助けて治癒に向かわせるのですが、大量のマクロファージはマクロファージ自体がゴミとなることでターンオーバーを遅らせてしまうと考えることです。ステロイドはマクロファージが過剰に集積することを防ぎ、正常なターンオーバーに戻すと推測します。これらは推論の域を脱しません。

その6

石灰化を放置すべきではありません。細胞適応が存在している証拠であり、必ず局所に炎症が起こっていて正常なターンオーバーが阻害されている状況と考えます。石灰化は処理しきれない破損細胞の一時的なゴミ処理です。速やかに炎症を抑える治療をすべきであり、放置することは局所組織の不可逆な老化を進めます。 逆に言うと、組織内に蓄積していく死亡した細胞や活性化酸素を取り除けば、局所の若返りを可能にすると考えています。方法は一つです。マクロファージなどに食べてもらい、食べたマクロファージを体外に出してしまえばよいのです。しかし問題は外に出す方法があるかというところです。簡単には出せないからこそ人は老化し死を迎えます。 体内で処理できない有害物質を体外に出す方法は排便、排尿、皮脂、汗、皮膚の角質と共に排出、毛髪や爪に付着させて排出、呼気に混ぜて排出させる以外に方法がありません。 実際に人工透析の患者は皮疹が多く出現することから、腎臓(尿)で排出できない有害物質を皮膚から排出させていることが推測されます。また不自然に毛髪が抜けたり、爪が変形したりするのも、有害物質をどうにかして体外に排出しようとしている可能性が推測されます。 肝臓では胆汁という形で便中に有害物質を排出しているでしょうし、腸内の粘液分泌にも排泄要素があるはずです。 逆に言えば、こうした有害物質の排出が不可能であると肉体は多くの病気にかかりやすくなり老化していくと考えられます。 すると新しい治療法がすぐに思いつきます。例えば膠原病患者では体細胞のターンオーバーが早いことにより有害物質が蓄積しやすいでしょう。それならば、肝臓や腎臓を健全に保つことで有害物質を体外に出せばいい→膠原病患者は肝臓や腎臓のケアを膠原病の治療と平行して行っていく。という考え方です。 日常損傷病学ではこうした様々な科との連携を考慮した治療法を今後、考案していきます。

その7

ターンオーバーについて研究したclock は 若年者のfibroblast は老年者のものより培養条件下で分裂回数多いこと、 Werner 症候群患者由来では逆にターンオーバーが少ないことを発見しています。つまり、高齢者、または老化が速くなる遺伝子病ではターンオーバーが遅いわけですが、これがそもそも老化とは何か?の答えになっていると思われます。 つまり本来ならば自己抗体によって抹殺処理を受けるはずの老化した細胞が、自己抗体によって処理されないままでいる→老化現象であるということです。ここには新たな概念が二つ必要です。それは自己抗体が老化現象に強く関わっているという概念です。 もう一つはその自己抗体を抑制する物質であるステロイドホルモンも老化現象に関わっているという概念です。 ステロイドは自己抗体の活動を抑制しますので老化した細胞の抹殺処理を遅らせます。その結果組織内の細胞寿命は延長され、組織の細胞は高齢化が進むのです。 おそらく組織の高齢化は性差があります。男性の細胞のほうが女性よりも高齢化しています(すでに骨細胞ではそれが証明されています)。そして高齢化したほうが組織強度は強くなると思われます。高齢化が進み過ぎると、活性化酸素、複製ミスした細胞などが蓄積し、徐々に組織が再生不可能な状態になっていくと思われます。よってステロイドもBP製剤も、使いすぎると組織に不可逆なダメージを与えると考えます。

その8

自己抗体が鋭敏すぎる人、自己抗体そのものの数が多い人の場合は、細胞の抹殺処理が激しいことは容易に予想されます。6で述べたように、ターンオーバーには性差があり、遺伝子的にもその速度は制約を受けることがわかっています。ターンオーバーの速度はおそらく種々のホルモンの影響を受けるでしょう。性ホルモンと副腎皮質ホルモンが代表格です。 自己抗体の鋭敏さには生まれ持った体質が影響する他、後天的な要素(環境ホルモン)もあると思われますが、組織のターンオーバーが速すぎると、細胞が未熟で物理的な強度が低くなり、外的なストレスで損傷しやすい組織になりやすいと思われます。

その9

ステロイドの分泌が少ない人では、自己抗体の抑制が効きにくく、ターンオーバーが速くなると考えられます。また、そういう人ではかぜをひいて肺炎などになった際、自己免疫の活動が度を越して過激になると予想され、そのため炎症症状が強くなり症状が重くなる傾向にあるでしょう。 ステロイド分泌を低下させる疾患の一つである下垂体機能低下症はほとんど研究されていませんが、その原因として高コレステロール血症があるということを私は2012年に発見しました(学会発表はしていません)。高コレステロール血症人口は日本で2000万人以上と言われており、今後、高齢者の健康推進を考えていかなければならない日本としては、低コレステロール食の推進が国家戦略として必要と思われます。ちょうど和食が世界文化遺産になりましたので推進時期としては今が絶好です。 自己抗体の免疫疾患である膠原病の患者では、特に低コレステロール食が症状治療に重要なカギを握っているでしょう。下垂体機能が低下し、ACTHが低い状態ではステロイドが分泌されにくいからです(これの概念が世界に広がればよいのですが…)。

その10

ターンオーバーが速い状態が炎症であり、炎症を治療するとは亢進したターンオーバー速度を正常に戻すことを意味します。短くなりすぎた細胞寿命を元に戻すことを意味します。ターンオーバーを速める原因は、開発途上国では不衛生さ、つまり感染です。寒い地域の国や先進国では衛生的なので、感染よりもスポーツや過労、各種膠原病やアレルギーが原因となりやすいでしょう。 不衛生で感染症が多い地域では自己抗体が過敏であると生命の維持に不利となります。感染が起こるたびに過剰で重傷な症状になるからです。よって不衛生な地域では自己抗体はある程度鈍感でなければ生きていけません。自己抗体が鈍感であれば細胞のターンオーバーが遅くなりますから細胞の平均寿命が延び、見た目の老化が早まります。 先進国や衛生的な地域では自己抗体は鋭敏であるほうが有利です。感染によるストレスが少ないため、細胞が長寿化しやすいからです。自己抗体が活発で鋭敏であれは過剰に長寿化する細胞を積極的に抹殺処理してくれます。そして次々と新しい細胞に置き換えられます。よって細胞の平均年齢が若くなり、見た目が若くなります。先進国では感染症のストレスが少ない分、自己抗体が鋭敏であるほうが細胞の若返りを招き活性酸素などを蓄積させないことに役立っていると思われます。 しかし、その分、膠原病やアレルギーの発生頻度が高くなります。

その11

発癌のメカニズムはターンオーバーの際の細胞の複製ミスであると思われます。なぜミスを起こすのかを追究すれば癌の原因が解明され、どうすればミスした腫瘍細胞をマクロファージに食させていけるか?を研究すれば癌を切らずに克服できるようになるでしょう。 ここではターンオーバーの速さ、回数が限界を超えることはリスキーであるという概念を持っていただきたいのです。私たちの細胞はコピーからコピーを作ります。書類をコピーする際、原本からコピーする分には何万回コピーしても問題はありませんが、コピーした書類からコピーを作るということを1万回繰り返せば、どれほど精巧なコピー機を用いても、書類の字が全く読めないものとなり、原書とかけはなれたものになります。 人間の細胞複製もこれと同様であり、コピーには限界があります。 かろうじて、コピーミスした細胞はマクロファージによって排除するという手段でのみコピー元の原型をとどめる努力がなされているわけで、その努力だけで原型をとどめるには無理があります。 いいえ、無理ではないのでしょうが、活性化酸素などの蓄積により、年々無理になっていきます。それが老化です。 万一、コピーミスした細胞をコピーすることが繰り返されたらどうなるでしょう。それが腫瘍です。しかも、コピー速度が速い場合、その不良細胞をマクロファージが食するのが間に合いません。よって腫瘍は増え続ける一方となります。それが悪性腫瘍です。 ターンオーバーの速度と感染と自己抗体と活性化酸素の蓄積はそれぞれ互いを牽制しあい、シーソー関係、バランス関係にあります。そして最適なバランスというものは存在しません。なぜならば、生まれ育った地域の衛生面によって有利なバランス・不利なバランスがあるからです。 重要なことは各個人が自分のターンオーバー速度、自己抗体の質を考え、自分に最適な生活を思い描き健康計画を立てることです(体の壊れやすさには個体差が激しい)。よって全員一律に治療するという考え方も今後の医学では破棄していきます。そしてターンオーバーの暴走である悪性腫瘍の発生を未然に防ぐことです。

その12

ターンオーバーが遅すぎることは見た目にわかります。細胞の平均寿命が上がって長寿化しますから、皮膚は滑らかさを失い、高齢者の容貌になるからです。紫外線を多く浴びている農夫、肉体労働従事者などでは皮膚組織が日常物理的に破壊されますので、ターンオーバーが速いと皮膚強度が弱くなるため生体は皮膚のターンオーバーを遅くし、強度を高める方に向かいます。よって皮膚組織の高年齢化が進み、見た目に老けて見えるようになります。 おそらく、ターンオーバーの遅さは皮膚だけでなく全身に影響を及ぼすと思われ、農夫や肉体労働者の自己抗体の活動は穏やかであると推測します。自己抗体の活動性には先天的なものと後天的なものの両方が影響すると思われますが、今のところ明らかなことはわかっていません。 自己抗体の活動を穏やかにするためのもう一つの因子としてステロイドの分泌が相対的に高いことが考えられます。しかしながらステロイド分泌には様々なホルモン分泌が干渉しあっていると思われ(特に性ホルモン)詳細はわかりません。 私はステロイドが下垂体からのACTHを抑制することをケナコルトの注射後のACTH測定で確認していますが、ステロイドは女性の排卵を抑制することがよくあり、ACTHにとどまらず、下垂体の他のホルモンの分泌をも抑制し汎下垂体機能低下症を起こす可能性もあると考えています。 ステロイドホルモンも性ホルモンも生活環境で著しく変化しやすいことはよく理解されていますが、ステロイド分泌過多は肉体にとって緊急事態を意味し、長期化すると免疫力低下から様々な病態を引き起こすでしょう。

その13

自己抗体は組織親和性があり、標的がありターンオーバーを速める標的組織はある程度決まっています。例えばリウマチでは軟骨や滑膜を標的にする自己抗体が増えます。しかしながら重要なことは組織親和性はあるものの、自己抗体の活動性の高まりは標的組織だけにとどまらず、全身のありとあらゆる細胞のターンオーバーを速める可能性があることです。 よって私は整形外科医が数ある膠原病の中でリウマチだけを診るという医療体制に理不尽さを感じています。関節や骨格を破壊していくのはリウマチだけの特徴ではないのですから。 膠原病では自己抗体の活性化のためにすべての組織でターンオーバーが速まり、骨では破骨細胞が活性化して骨粗鬆症を呈し、関節では軟骨や滑膜組織のターンオーバーが速まって関節炎が起こりやすいでしょう。よって膠原病の患者には一般的な整形外科患者よりも繊細で丁寧かつ大胆な運動器への治療法が必要でしょう。 ほとんどの整形外科医はステロイドの使い方を知りませんが、膠原病患者の運動器を診療するのであれば、ステロイドの使い方を研究する必要があります。そしてターンオーバーの速さを考慮した生活指導が重要でしょう。

その14

従来、ターンオーバーしないと考えられていた脳神経細胞も脳神経幹細胞が成人でも存在することが判明して以来、再生することが判明しつつあります。 また、神経根には古くからdogiel細胞なる独立した細胞が存在することが判明しており、私はこの細胞が神経幹細胞であり、神経の再生に関与しているかもしれないと推測しています。同様に軟骨は再生されないと考えられていましたが、自己増殖能を持つと思われ、これも再生するはずだと推測しています。 再生が明らかであれば、治療法は今後革新的に変わります。関節は手術で治すのではなく、ステロイドをうまく使ってターンオーバーを調整してあげることで再生を促せばよいのです。 私は、自分自身の患者でステロイドを用いて膝関節治療を続けている患者の経年変化を追っていますが、なぜか私が治療している患者は関節の変形が進まず止まっていることが多いのです。おそらく軟骨が再生されているのだと推測しています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です