新しい病気概念、相対的膠原病


 

新しい病気概念、相対的膠原病

高コレステロール血症などによる炎症(免疫)抑制システムの停滞は、当然ながらささいな損傷で大きな炎症が起こるというような免疫システムの暴走をまねきやすいでしょうから、自己抗体が正常範囲である膠原病を発生させると推測させます。 これまでの医学では自己抗体が正常範囲であれば「異常なし」として症状を訴える患者を放置する医療をしてきましたが、炎症システムの停滞という新たな概念を導入することにより、自己抗体価が正常なのに膠原病に類似の症状を訴える患者を診療する糸口が見えてきました。
膠原病では自己抗体が多いことで体細胞の解体処理が激化し、体のあちこちで炎症を引き起こすことがその病因の本態ですが、日常損傷病学ではそうした診断基準の概念を超えます。 自己抗体価が正常範囲内にあっても免疫抑制システムが停滞している場合、体細胞がわずかな損傷でも炎症が激化し、解体作業も激化すると考えられ、このような抑制システム低下による新たな炎症病態を考えなければなりません。これを相対的膠原病と名付けます。 相対的膠原病の原因となるのは下垂体機能低下、および副腎機能低下です。 体内のコルチゾール(ステロイド)分泌低下により炎症抑制が作動しにくくなった状態を表します。
コルチゾールが下垂体機能を抑制するネガティブフィードバックのシステムは完全に解明されていませんが、コルチゾールの元となるコレステロールの過剰摂取が下垂体機能低下に大きく関わっている可能性があります。 コレステロールの1日の必要量は年齢と共に低下していきますので、普通に食事をとっていれば、高齢になればなるほど高コレステロール血症に罹患しやすく、そしてこの相対的膠原病になりやすいと予想されます。
相対的膠原病では、体内の炎症を十分にコントロールできないため、ストレスのかかった体細胞周囲に誇大な炎症が生じやすく、しかも一度発生した炎症はおさまりにくく、些細な外傷をきっかけに慢性症状へと移行しやすいと思われます。 また、インフルエンザなど、感染症に罹患すると、全身に激しい炎症が起こりやすく、異常高熱にもなりやすいでしょう。 高齢者の不明熱が内科病棟の入院患者に少なくありませんが、不明熱の原因の多くがこの相対的膠原病が関わっていると私は推測しています。
相対的膠原病は、現在のコレステロール過多の食生活を続ければ20歳以上の成人のどなたでも罹患しやすいと思われます。 さて、相対的膠原病で炎症が関節などに生じれば、関節破壊を食い止める手段がほとんどありません。NSAIDなどの消炎鎮痛剤は一切無効と思われます。 治療法は食生活を改善するか、または免疫抑制剤を使用することです。中でもステロイド使用は劇的な効果を発揮します(効果については別記)。 最近ではステロイド以外にも免疫抑制剤が多く開発されています。しかしながら、免疫抑制剤の使用はステロイドも含め、副作用への対処という難問を抱えています。

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