急性期は治療が症状を助長させる

急性期は治療が症状を助長させる

急性期の症状では治療効果が上がっているにもかかわらず症状は悪化することがしばしばあります。これは船の走行に例えられます。船が全速前進しているときにギアをバックに入れて逆行しようとしても、実際に逆行するまでには時間がかかり、その間船は前進を続けます。船が大型であればあるほど逆回転のギアを入れてもかなりの間前進を続けます。
病気の症状もこれと同じであると考えるのが日常損傷病学です。広範囲の症状、長年の症状、炎症程度の強い症状などは治療を始めても効果が現れるまでに時間差があります。この治療時間差の概念は現医学では皆無ですから本当は効果が上がっている治療法が「効果なし」とされている例が多数あります。
急性増悪期にはあらゆる薬、あらゆるブロック、安静治療でも症状の悪化が食い止められません。短期な患者は「医師が正しく治療していない」と思い込み、自分勝手に不信感を募らせます。これは医師にとっても患者にとっても互いに不幸なことであり、こうした人間不信を起こらないようにさせるには、学校教育の中の保健の授業でこのようなことを教えていく必要があります。日常損傷病学が保健体育に組み込まれることを切に望んでいます。
また、慢性期の病気は回復しにく悪循環が回っており、悪循環を解消させるのに時間がかかります。つまり、治療を開始しても、それが効果を発揮するのにタイムラグがあります。例を挙げると、腰部脊柱管狭窄症の一症状である下肢のしびれがあります。医学書的には「しびれにはあらゆるブロック治療がほとんど無効」と言われており、しびれの症状に硬膜外ブロックなどをすることを「無意味な行為」と位置付けています。しかし実際は繰り返しブロックを行うとほとんどの症例で有効なのです。 これまで無効とされていた治療法の中には「繰り返し根気強く行えば有効」という治療法が他にも無数にあると思われます。それらを探し出せるかどうかは医師の精神力に依存しています。

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