器質的異常のない症状は日常損傷学の守備範囲

器質的異常のない症状は日常損傷学の守備範囲

器質的異常のない症状の典型は不眠症です。2002年、Ohayonによると不眠症の有症状率は30~48%、診断基準にあてはまる不眠症は6%です。これほど多くの国民に有症状の不眠ですが、その根本治療法は存在しません。睡眠薬は根本治療には成り得ず、服薬をやめるとすぐに不眠となります。当然ながら器質的な異常は認められません。現医学においても「根本治療」という意味では不眠症治療はお手上げ状態ですし、病因も全く不明です。
私はすでに、不眠症をブロック注射で根本的に治す治療法を確立しています(一部、治療無効例もありますが)。 同様に器質的異常のない症状に次のようなものが挙げられます。 眼精疲労、急激な視力低下、嗅覚障害、三叉神経痛、片頭痛、顔面神経麻痺、味覚障害、めまい、耳鳴り、呂律のまわりが悪い、自律神経失調症、手足のしびれ、冷え症、月経困難症こむら返り、過活動性膀胱などです。
これらは現医学でほとんど治せない病気として君臨しています(明らかな器質的異常がある場合を除きます)。もちろん薬で症状を抑えることはできませんが、服薬を中断すれば再燃しますので、根治しません。治療法も確立していません。 これらの症状の根治療法を確立するのが日常損傷学の守備範囲です。上で述べたように、現医学水準で器質的異常のない症状・疾患を「治せると宣言する」「治そうとする」行為は、それ自体が医師の信用度を著しく低下させます。治せたとしても他の名誉ある医師たちから、彼らのメンツにかけて否定され続けます。だから研究したくてもできないという土壌があることを思い出してください。
実際に私は他の医師から見て「治せるはずがない症状」を治していますが、それを信じるのは恐らく、治してもらった患者だけです。ですが、いずれは誰かがやることです。だから「信じてもらえない」「医師として不名誉とされる」ことを受け入れつつ、難病治療を日々推進しています。あとは賛同する医師を少しずつ増やし、治療実績を世界に示せばよいことです。このいびつな高齢化社会を救うために、前に進むしかありません。

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