キシロカインショックと誤解されやすい症例報告

はじめに

局所麻酔薬として小手術やブロック、抜歯の際に頻繁に用いられるキシロカインには使用時に血圧が急降下してショックを起こす可能性(アナフィラキシーショック)があることはよく知られています。しかしながらキシロカインが直接原因でショックを起こしているのかどうかの真実はわからないものです。なぜならば、採血の注射でさえ恐怖心から血管反射を生じ、血圧が急降下して失神する人が少なくないからです。
ところが、キシロカインを局所注射した後に患者が失神した場合、医師はそれをまるでアナフィラキシーショックを起こしたものと誤った診断を下しがちです。医師はその後、局麻薬を禁忌薬としてカルテに銘記し、「キシロカインを今後一切使用しないように」と患者に指導する習慣があります。この「腫れ物に触らず」的な考え方は後にこの患者が局麻薬を使用せざるを得ない状況になった時に大きな不利益となります(例えば抜歯時)。患者の不利益を考えれば医師は短絡的な誤解をしないように注意しておく必要があり、ここではその誤解の例と誤解の解き方について述べたいと思います。

症例1

29歳男性 5年前、臀部にできたアテローマ切除で、キシロカインを局所麻酔として注射した際に意識消失。担当医師に「今後医者にかかるときに、キシロカインは絶対に使わないように毎回必ず申告する」ように指導される。私の外来には腰痛、左坐骨神経痛で来院、神経ブロック注射が治療上不可欠という状況にあったため困ったことになる。

症例2

65歳女性 12年前、右足背に腱鞘内注射をした際、その局麻薬(詳細不明)で意識消失となる。その際、医師に「局麻薬は今後一切使用しないように」と指示される。私の外来では頸椎症性神経根症で右肩から右手にかけて強い痛みを訴え、神経ブロックが必要という状況にあったため困ったことになる。

対策

アナフィラキシーショックを否定するために1%キシロカイン0.2ccで皮内反応テストを行う。15分経過後注射部位に反応が陰性であることを確かめる。その後、上記男性患者には1%キシロカイン5ccを、女性患者には1%キシロカイン2ccを用いて神経ブロックを行う。

 結果

29歳男性は注射後軽い貧血を起こしたため1分間横になってもらい軽快。65歳女性は何事もなく治療を終える。

考察

29歳の男性は今回の注射でも軽く貧血を起こしたことから、自律神経の血管反射が起こりやすい体質であると思われました。65歳女性の場合はそうした既往がないことから、当時キシロカインで意識消失したのは他の理由があると思われました。それはキシロカインの血管内注射の可能性です。この場合、キシロカインショックと言うよりも血管内への誤注入という医療過誤が考えられ、いわゆる急性キシロカイン中毒が発症したものと思われました。

■急性キシロカイン中毒とアナフィラキシーショックとの違いを明確にする

アナフィラキシーショックの場合、その使用を禁忌としますが、中毒は禁忌にする必要がありません。急性キシロカイン中毒は血中に吸収される速度と量に依存しますので急激に血中濃度が上昇しないように工夫すれば症状は顕著に現れることはないでしょう。
個々において意識消失や血圧低下などの症状が現れる血中濃度閾値が異なりますから、閾値が低い人においては注意が必要です。一般的な医師は少量のキシロカインでめまい、意識低下、血圧低下、呼吸困難など、の過敏中毒症状を生じる特殊体質の患者と関わる機会があまりないでしょうから、それらの症状が現れた場合、アナフィラキシーショックであると誤診するかもしれません。しかしそれらの症状を見てキシロカインを禁忌にするべきではありません。将来的に、その患者がキシロカインを必要とする場面に遭遇するからです。禁忌ではなく、過敏な中毒症状を呈するということは本人に伝え、今後医師にかかるときは毎回必ず申告するように指導すべきでしょう。
以下に私が経験したキシロカイン中毒の症状を挙げます。以下の症状はキシロカインを局所注射した際に、毎回繰り返す再現性のある症状なのでキシロカイン中毒症状と断定しています。
  1. 吐き気
  2. 浮動感、めまい、平衡感覚異常
  3. 音が聴き取りにくくなる
  4. 意識が遠くなる感覚
  5. 血圧低下
  6. 軽度呼吸困難症状は注射後5分前後から現れ(血管内注射となってしまうと即出現)、20分でピークを迎え、その後徐々に症状が消失していきます。

急性キシロカイン中毒とその対処法

対処法は急性アルコール中毒の対処法と同様、維持輸液をして血中濃度を低くさせ、呼吸困難がある場合は酸素2ℓ/minカヌラ(経鼻)などで対処します。しかし、たいていは臥床安静のみで30分程度で回復します。

■急性キシロカイン中毒が起こりやすい状況

  1. 患者が寝不足などの体調不良
  2. 既往に自律神経失調症、神経症がある
  3. 頭部に近い部位への局所注射
  4. 硬膜外ブロック(特に仙骨部)
  5. 吸引確認動作が不十分な局所注射(血管内注射)
上記の2症例は恐らく5が原因と思われます。しばしば中毒症状が起こるものとして硬膜外ブロックが挙げられます。特に仙骨部硬膜外ブロックは静脈叢に対して水平に針が移動するため血管を損傷し、血管内注射になるリスクが高いことを念頭に入れておかなければなりません。よって、仙骨部硬膜外ブロックを行う際は、「気が遠くなる、耳が遠くなる」などの中毒症状が出ていないかを患者に訊きながら行うことを強くおすすめします。

■急性キシロカイン中毒回避法

急性キシロカイン中毒は感受性により個人差が激しいものです。感受性の高い患者では少量でも中毒症状が出る場合があることを念頭に置きます。私は自律神経失調症の治療として上頸神経節ブロックを行っていますが、その際、キシロカイン中毒の症状は他のブロック注射よりも高率に出現します。よって頸部付近にブロックをする際には「立ちくらみ、ホットラッシュ、発汗異常」などの自律神経失調症の症状の有無を事前にチェックしておくとよいでしょう。注射を行うと毎回必ず中毒症状が出現する患者がいますが、その際はあらかじめ維持輸液の点滴を行い、プリンペラン、メイロンなどを点滴しながら行います。酩酊症状が強く出る場合は酸素吸入も併用します。
また、硬膜外ブロックを行うとほぼ毎回中毒症状が出現する患者がいます。明らかに静脈内注射になっていないことを確認してから行っているのに、必ず発症するので仙骨部硬膜外ブロックでは静脈内注射になっていなくても局麻薬が血管内に移動しやすい構造があるのではないかと推測しています。

■キシロカイン禁忌という誤った判断をしないことが重要

局所麻酔薬を使用しなければ処置が何もできないという場面に、普通の人であれば一生のうちに数回以上遭遇します。痛み治療には神経ブロックで必ず局所麻酔薬が必要になります。よってキシロカイン禁忌と軽はずみに判断し、患者に「今後絶対に使用してはいけません」とムンテラすることで、その患者も、将来治療に当たる医師にとっても大変な迷惑となります。禁忌なのはアナフィラキシーショックの場合のみであり、中毒症状は使用法を注意しながら使用すればよいものです。
本症例のように患者が「キシロカイン禁忌」と思い込んでいる場合、患者を説得してキシロカインを使用することは困難であり、一般的には医師は治療を拒否、患者は処置が必要であっても放置されるという状況になります。そうした患者の将来を考えると、キシロカイン禁忌を軽はずみに診断してはいけません。抜歯や縫合など、どうしても局麻薬を使用しなければならない時があり、その際に患者やその患者を診療する医療スタッフに迷惑をかけます。

■他の局所麻酔薬の使用について

急性キシロカイン中毒の場合、薬剤を変えても中毒症状が変わらないのが一般的です。ワインでも焼酎でも中毒が起こるのと同じです。種類に依存するのはむしろアナフィラキシーショックのほうです。私はキシロカイン中毒症状が現れやすい患者4例に対し、カルボカインを使用してみましたが、中毒症状が軽快することはありませんでした。

■外来でキシロカイン中毒が起こると…

キシロカイン中毒で意識消失した患者を目の前にすれば、多くの医師はうろたえ、そして「この患者には二度とキシロカインを使わない」と決意することでしょう。その意味もこめて「禁忌」と宣言します。しかし、実際は急性アルコール中毒などと同様、事前に症状を予測し、きちんと対処していれば患者も医師もあわてふためくことはありません。むしろ患者は「治療のためには一時的な中毒症状は我慢すればよい」と納得します。きちんとインフォームドコンセントを行って治療に当たりましょう。それはとても面倒な作業ですが、どうか逃げないでいただきたく思います。
キシロカインを使用して治療しようとしている時点で、患者にはキシロカインが必要不可避の状況が起こっているわけですから、あなたがやらねばどの医師にできるというのでしょう。どうかその責務から逃げないでいただきたいということです。

キシロカインショックと誤解されやすい症例報告」への23件のフィードバック

  1. それでは本当にアナフィラキシーだった場合は、皮内テストによってアナフィラキシーになりますね?その可能性があるかないかはどう判断するのでしょうか。

    • 比内テストによりアナフィラキシーショックになるのは当然です。よって比内テストは無駄であると主張する医師が存在し、一時期、比内テストを廃止していく傾向がありました。アナフィラキシーショックは「量に依存しない」と言われており、少量でも発症するからです。しかし、医療現場ではこの考え方は正しくないと思います。なぜなら、量が少なければ分解されて解毒される時間が早く、ショックになっている時間が短いと思われるからです。また、発症の勢いも「量が多いときよりも勢いがゆるやか」と考えられますから、その間に治療することも可能でしょう。したがって比内テストは有意義であると思われます。
       ただし、比内テストは医療従事者側にとってはコストがとれない、時間がかかる、きわめてわずらわしいことですから、正直言って「やりたくない」ことです。
      さて、比内テストによってアナフィラキシーショックになるかならないかの判断は体質により判断します。アレルギー体質の人はアナフィラキシーショックになる確率が普通の人よりも高いので、「これまでの人生の中でアレルギーを起こした経験」から判断します。つまり問診票です。そのために問診票があるのです。しかし、患者はそれほど大切な問診票であるのに、しっかり記入することを面倒だとおもい、詳しく書いてくれる人が少ないことに嘆いています。ただ、詳しく書いても、その問診票をまともに見ない医師が多すぎることにもため息がでます。

      • 胸水穿刺の際に局部麻酔をしたあと、背中から何かが入ってきた感じがわかりしばらくすると、気持ち悪くなり、浮遊感、大量の汗、意識が遠くなる感覚があり、全身に発疹、刺している周辺?に発赤がでできたらしく、様子がおかしいということで血圧を計ると低下しているということで、ステロイドと何かを全開で点滴をしていました。「キシロカインショックかもしれないので今後病院にかかるときはそのことを伝えてください」と看護師さんに告げられ、後に主治医から迷走神経反射かもしれないと告げられましたが困っています。今回歯の治療のため口腔外科に行ったところ、皮膚科でキシロカインの皮内アレルギー検査を行うことになりました。しかし皮膚科の医師に陰性であっても使用しないでくださいと告げられました。今まで44年間アレルギーはなかったのですが、皮内テストで陰性であれば問題ないと判断できるのでしょうか?

        • 全身に発疹が出るのはアナフィラキシーの可能性があります。しかし、何に反応したのかはわかりません。薬剤に反応したのではなく、ゴム栓やポリ容器の溶け出した成分に反応した可能性もあります。一応、皮内テストで陰性であれば「問題なし」としたいところですが、人の体は不明な点が多いので、現医学で「完全に問題なし」とはできないのです。皮膚科の医師に「キシロカインを使用しないこと」と言われたのはそうした事情です。一番よいのは、口腔外科で皮内テストを受け、判断してもらうことでしょう。ただし、その際に、万一アナフィラキシーが出現した場合の準備をしておくべきで、場合によっては気管内挿管の器具を揃えておいたほうが安全です。そのような面倒な安全対策が必要なので医師が治療を嫌がる可能性があります。また、何か起ったときの責任は自分でとる、と一筆書いておく方が、医師は安心すると思います。おそらく、皮内テストで大丈夫なら、99%大丈夫と思われますが、残りの1%の安全性が問題になります。

    • 助けて下さい(涙)先生(; ̄ー ̄A。

      そのキシロカインや麻酔が怖くて治療もできません。
      胃カメラも歯医者さえ。

  2. はじめまして。
    私は69歳で、昨年10月に顔面神経麻痺のBELL麻痺になりました。当初ステロイド、バルトレックスを投与しました。その後鍼治療やスーパーレーザーなど4ヶ月続けましたが、良い結果を得られずいまだに口角眉おでこなど動きません。今一番厄介なのは病的共同運動です。実のところスーパーレーザー(星状結節に)ではなくブロック注射をやりたかったのですが、20年ほど前頭が痛く近所のペインクリニックでブロック注射をしてアナフィラキシーになり、強心剤など打たれ怖い思いをしました。その時医者に「私は薬物アレルギーがあるから嫌だ」と言ったのですが、「私長い間この注射をしていて、そんな人に会ったことがない!それなら普通の人の3分の1の量を」と言われ首の後ろに打たれました。1~2分後顔が腫れ先生も慌てました。私はペニシリン、ストマイ、ノボカイン、ヨードなどにアレルギーがあります。歯医者では、麻酔をしてます。又大腸検査の時も鎮静剤?もOKです。
    そこでご相談ですが、7ヶ月経過した顔面神経麻痺にブロック注射は有効だと思われますか?また使えるブロック注射はありますか?
    ブログを読みもしかしたら?とメールをしました。当方東京です。
    よろしくお願い致します。あっ、女性です。

    • まずは歯医者で使用している局所麻酔薬を教えてもらってください。それと同じものを使用すれば問題ないと思います。さらに念のため使用の前に皮内テストを行います。皮内テストも心配であれば、点滴で静脈確保し、ステロイドをすぐに注入できる状態にしておいてから皮内テストをするという方法もないわけではありません。アナフィラキシーの調査をしてからでなければ治療は進みません。上記のことをきちんと行えば多少のリスクはあるものの、大きなリスクにはならないと思います。何が使えて、何が使えないのか?しっかり把握することで命を守ることができます。私はリドカインを用いますが、歯医者で用いている局所麻酔薬を取り寄せるのが一番安全です。

      • 早速のお返事有り難うございます。歯医者に問い合わせたところキシロカインとエピネフィリン八万分の1との事でした。で、7ヶ月経った顔面神経麻痺に
        効果を期待出来ますでしょうか?本当に初期にやれば良かったのですが
        最初の経験が怖かったので、はなっから選択肢にはいりませんでしたが。又先生は顔面神経麻痺の患者の治療をなさった事がございますか?効果等教えて頂きたいです。お忙しいのに申し訳ありません。よろしくお願い致します。
        高野

        • まず、キシロカインが使えるということでよかったですね。そして、顔面神経麻痺の治療実績は残念ながらゼロです。治せる可能性はわかりません。というのも私の行う上頚神経節ブロックは顔面神経核の血流を増加させるかなり強力な治療法ですが(現医学の中では最も強力であると思います)、死んでしまった神経細胞には血流を増加させても、短期間では再生されないと思うからです。仮死状態の神経細胞であれば生き返らせることができるでしょう。つまり治る可能性はあなたの顔面神経核の神経細胞の状態に依存するということです。ただし、私は現医学では治せないとされている高齢者の難聴をかなり高い確率で改善させることができますから、同様に同じ脳神経核の一つである顔面神経核の治療も可能であると思っています。まとめると、やってみなければわからないということです。あとはご自身の価値判断です。ただし、ブロックに極めて大きな恐怖症をお持ちのようですのでそれを乗り越えることは不可能に近いと思いますが、万一乗り越えられるようなら、またご相談下さい。

  3. 丁寧な御返事有り難うございました。アナフィラキシーの心配が取り除かれ、確かな腕?が望めるならブロック注射自体には恐怖心はないのですが、、、。
    そうなると以前のブロック注射は何を打たれたのか?医者が言うには本当に一般的なもののようでしたが。場所を誤ったのかしら?。
    とりとめないですが、先生はどう考えられますか?
    あと、重度の顔面神経麻痺の後遺症として、病的共同運動がでて、8月ごろ
    ボトックス注射を勧められています。これとの兼ね合いも、どうでしょうか?
    以前書きましたが都内です。長期に通うことになることも考えてます。

    • 顔面神経麻痺ではなく痙攣であるのなら、ボトックスの治療が妥当だとは思います。田中角栄の顔面神経麻痺をペイン科の医師が星状神経節ブロックで治した話はあまりに有名ですが、私の上頚神経節ブロックはその上を行く効果があります。ただ、そうであったとしても、重度のものは簡単に数回で治るはずもなく、気の遠い話となりますので、ボトックス治療の方が現実的です。ちなみに以前にアナフィラキシーを起こした際の薬剤名はプロカインです。歯医者ではキシロカインですね。私の治療を受けることは、ボトックスとの同時は不可能(無意味)です。そして私の治療は夢を追うことであり、ボトックスは現実を追うことです。

  4. 夢ですか、、、!実は私役者なので夢を追うのは好きなのですが。
    「医者を選ぶも寿命の内」と言いますが、もし、最初のブロック注射がなかったらーと、悔しいです。仕方なくスーパーレーザーを30回程やりましたがペインの先生も効かないね〜なんて、のんきでした。
    ボトックスは特定の筋肉を麻痺させるだけだからひょっとして生きている神経には効果があるのでは?と素人ながらおもうのですが、、、。気の遠いとはまぁ何回ぐらいを想定されてますか。
    乗り気でないのは文面から察せられますが宜しくお願いします。

    • 私の治療は顔面神経核への血流不足を改善させるものであり、延髄レベルで生じている血行不良を改善させて、仮死状態になっている神経核をよみがえらせる治療です。一方、ボトックスは顔面神経の不具合には一切治療せず、顔面神経が筋肉を動かさないように妨害する毒素です。仮死状態の顔面神経、または神経核をよみがえらせることはできても、死んでしまった神経をよみがえらせることは神様でも不可能です。死んでしまっている場合は、まずその死体を処理し、そこに新たな細胞を芽生えさせ、成長させていくしか方法はありませんが、もともと、そこは、血行不良のために死体ができてしまったわけであり、血行を増やしてあげたからと言って簡単に新しい細胞が芽生えるはずもなく、細胞新生にはどのくらいの月日がかかるのかも全くわかりません。だから、細胞新生を期待するのであれば、夢を追うことになるわけです。仮死状態の神経細胞であれば、私の治療で生き返らせることができると思います。ですが、何%が死体で、何%が仮死状態か?はわかりませんから、治る可能性は個人差があるわけです。早ければ早いほど治るという意味はそこから来ています。早い方が死体が少ないからです。私の治療がどの程度効くか?は数回治療すればわかることです。少しでも反応があれば改善の余地がありますが、なければ気の遠い話になるのであきらめますか?という話になります。いずれにせよ、根本的に治したいなら上頚神経節ブロックしか方法はなく、ごまかすだけでよいのならボトックスでよいわけです。両方を同時に行えば、たとえ顔面神経核が治ったとしても、その抹消でボトックスが効いてしまっているので、効果が全く不明となります。だから同時治療はありえないわけです。まあ、まずは試しに治療してみましょうと言いたい所ですが、アナフィラキシーがあり、リスクがあるので厄介であり、私に迷惑が掛かることを想定しなければなりません。私は医者の立場でものを言いますが、それは他の医師ができないこと、やらないことをやっているのですから、当然のことです。天狗ではありません。サービス業として商業目的でこうした厄介事をやっているのではないのですから。

  5. 御返事有り難うございました。ノボカインとプロカインが同じという事に驚きました。前記の医者にはハッキリノボカインはダメと伝えたのに!(愚痴)
    そうなるとリスクはかなり低くなるのでは?比内テストもされるとのですし。
    確かにじょうけいしんけい節のブロックのページを読むと分からないなりに
    かなり高度な手技が必要のようです。でも、先生、自信がおありのようですし。あとボトックスですがもしやる事にしても多分8月以降です。その間数回やってみるというのは、どうなのでしょう。リスクを最大限考慮して、やってみようという気に成ってます。御一考頂けますか?あっもう一つのりすくは69歳ということですね。

    • 現状をご理解いただけたようですので、ようやく治療を進めることができます。リスク回避しながら治療を行うことは私どもには負担が大きく、デメリットが大きいということを自覚しておいてください。その上で、希望に向かって治療をするということ、治療者である私に対する敬意を忘れるようでは私の患者になる資格がないということをご理解下さい。私は、天狗でも偉そうでもなく、そういう敬意がなく治療に来られると、治らないままお帰りいただくことになり、双方がいやな思いをするからです。全力で行う治療なのですから、悪い結果を生みたくないという思いが、このような言葉になっています。

  6. お忙しい中、何度も御返事頂き有り難うございます。
    確認ですが大きいデメリットとは
    1→アナフィラキシー
    2→年齢
    3→思いがけないアクシデント(最もこれがこわいのですが、、、)
    他に、考えられるデメリットは何でしょうか?良くなるか、否かは、数回の治療でわかるとの事でした。
    勿論先生のご負担はあることと思います。一度伺った方が良いでしょうか?

    • デメリットが大きいとは、あなたのデメリットではなく、「私のデメリット」が大きいと書いたのですが、結局ご理解いただいていないので残念に思います。私があなたを治療するにあたって、私には何の得があると思いますか?という意味です。あなたが治療費として1回100万円をお支払いいただけるのなら、メリットもありますが、普通の保険診療を行うにはあまりにも大きなデメリットを私がかかえることになるという意味です。にもかかわらず、こうやって相談に乗っていることを理解できないから、私に対する敬意がない!という意見になっているわけです。敬意のない方に治療しても無駄に終わるので、私は無駄をしたくないので、敬意のない患者は最初から診療しません!ということを述べているわけです。私は難病を治すことを趣味にしているわけではありません。神様でもなく聖人でもなく単なる人間です。自分のことしか考えず、難病を治そうとする医師の立場になって物事を考えられない方は最初からお断りです。

  7. ご相談に乗って頂き有り難うございました。医師に対する敬意は、持っているつもりですが、難病に取り組む先生には格別の敬意が必要なようです。
    残念です。有り難うございました。

    • 日本は保険を遣う限り、どれほど一流の腕を持つ医師でも治療費は格安で均一です。難病を専門に治すには莫大な研究が必要であり、その労力はお金に換算ができないほどの破格の価値があります。その価値の対価を要求しないかわりに、難病治療医には当然ながら「格別の敬意」が必要になります。我々はその「格別な敬意」を利用して、患者を信頼させ、その敬意を治療に利用し、本当に治らないものを治してしまいます。患者の敬意をお金に買えるなどというゲスなことはせず、その意志を治療に遣う事で難病をクリアしていく我々の姿勢を少しは勉強しなさい。もし、来院する気があるのならもう一度ここに書き込み下さい。

  8. 19歳男性。歯科にてキシロカイン麻酔後、会計時に血圧低下で失神。横になって休むことで回復しました。
    状況としては、19時に予約(夕食食べず)。混雑のため20時半に治療開始。21時すぎ、会計時に失神。
    アレルギーによるショック症状はすぐ現れるものでしょうか?この場合は中毒症状と考えられますか。
    お忙しいところ申し訳ありませんがよろしくご教授ください。

    • 推測ですが、キシロカインのアレルギーではなく、治療のストレスとキシロカインの交感神経へのブロック効果で血圧保持機能が低下したためではないかと考えます。注意して使うことで対処するしかありません。アナフィラキシーショックではないと思います。

  9. 歯科で局部麻酔を左下顎の奥に受けた瞬間に、ツーっと心臓の方に向かって冷たいものが流れた感覚があり、そのまま動悸と血圧低下が起きました。1時間ほどで症状は収まりましたが、歯科医からは「気のせい」という説明しかもらえず、未だに何が起こったのか分からないままです。
    内視鏡検査時に、喉の麻酔薬(経口)が歯科の局部麻酔と同じ成分と聞き、上記の経験を話したところ、飲まない方が良いと言われ、辛い治療となりました。
    歯科での体験が、急性の中毒によるものでアナフィラキシーショックではなかったとしても、経口麻酔薬は飲まない方がいいのでしょうか?

    • ここのブログに書いてある通りですのであまり回答することはありませんが、今後、キシロカインを使っても、おそらく問題は起こらないと推測します。しかしそれは保証ではありませんから、何か起こった場合に責任は自分でとるという一筆が必要になると思います。または、今回のキシロカインの出来事を告げないでいるしかないでしょう。大豆を食べただけで死ぬ方も世の中には大勢おられます。ですから、その危険が少しでもある場合、大豆を食べるときは自己責任で食べるしかありません。

       つまり、このお話は医療の問題ではなく、損害賠償という法的な話になっているわけです。

       あなたのいうように、急性キシロカイン中毒であったと思いますが、それを保証するものがないので、そこからは自己責任で判断せざるを得ません。自己責任でキシロカインを使うことは本人にとっては恐ろしいことですが、それを行う医師にとってはもっと恐ろしいことなのです。私のように皮内テストを行う医師などいませんから、もし、ご心配なら私のところへ来られて皮内テストを受けるしかないでしょう。

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