第六十六話 左手覚醒

 2017年12月3日は奥様の師匠のお寺で八千枚護摩が始まる日です。真言宗の2大難行の一つと言われる荒行で、行者が飲食を制限しながら1週間で8千枚の護摩木に火をつけ、ご不動様の真言を10万回唱えるというものです。最後の3日間は飲食・睡眠の全てを絶ち、煩悩を火で焼き尽くします。師匠のお寺のH行者は今年で13回目の八千枚護摩の行を行っているそれはそれはすごい方です。その分この行で発せられる波動の力は大きく、奥様は自身にこびりついている患者たちからもらった波動を追い出すために、八千枚護摩に参加します。医療業務があるので毎日は行けませんが初日は参加しました。

 そして今日は2日目の12/4日。

「今日はすごく体が軽い。パワーがみなぎっている。」と奥様。

いつもよりも確かに元気で顔色がいいのです。

 そして運よく奥様のパワーが満タンの今日、ご加持を受けられる方は幸せです。

患者の中で今日はALSの確定診断がついている40代女性の方が来られました。彼女は手足の力はしっかりしていて呂律が回らない、呑み込みが悪いという症状がメインの方です。

 私のブロックを行う前に奥様がご加持を行うのですが、今日はいつもよりパワフルです。私は横でご加持の様子を観察しています。

「今日は右手の反応がすごい。手がぶるぶる震えてる。ほら。」とわたしに言います。確かに患者の胸に当てた手がぶるぶる震えていました。ご加持中に手が震えるのを私は初めて見ました。なぜ震えているのかの意味は全くわかりませんが悪いことではなさそうです。

 「あらっ、今日は左手が反応している。左手も熱くなる。左手で患部もわかる。」そう言いながら奥様は両手ではさむようにお腹から股関節へとご加持します。

「両手でわかるから患部前後の立体感がわかる。」と言います。

「それはステレオだね。左手が覚醒したんだね。」

「本当。左手でもわかる。左手でも治療できる。これで両手ではさみうちにしてもっと治せるかも」と喜びます。

「きっと、8千枚護摩の影響が出てるんだと思うよ」

「そうかも。お不動様が見守ってくれているからだな。」

何がきっかけかはわかりませんが、奥様の左手は本日付で覚醒です。日増しに奥様の能力が強くなっています。今後どうなるのか、私には予想が全くつきません。

ちなみに患者はご加持とブロック後には呂律が多少良くなります。全身の倦怠感も軽減します。両手でご加持ができる人ってそうそういないんじゃないでしょうか? 奥様すごい。