第五十話 ブラックホールシール

私は波動治療で癌を治すという高松のF先生を2017年11月1日に再び受診した際に右肺の癌を告げられました。さっそく自分の診療所で胸部レントゲンを撮影し、目視できるほどの腫瘤陰影が写っていないことを確認しました。まだ手遅れではないなと少しほっとします。

 その後、F先生から送られてきた波動水(波動を転写させた水)を朝夕2回飲むようにします。そしてさらにF先生は遠隔治療を行ってくれたそうです。遠隔治療はF医院のある高松から念じ、私の癌に最適な波動を私に送るという作業を意味します。祈り治療と言ってもよいかもしれません。この辺の話は現時点の私にはよくわかりませんでした。祈りの波動は距離を越えると言われており遠距離でも治療になるそうです。

F先生はれっきとした医師免許のある西洋医学の医師です。オカルトであろうとなかろうと、癌患者を波動で治した実績がありますので私は尊重しています。なにせ、奥様に波動(霊能力)というものがどういうものなのか、毎日のように奇蹟を見せられていますので、素直に受け入れます。

 波動水を飲むこと3週間。奥様のメールに「テロメアの数値が上昇し、癌の反応が消えました」という報告を受けました。なぜ高松にいるF先生がそんなことがわかるのかというと、F先生の元には私が左手と右手で自筆した自分の名前があり、その名前から出る波動とサンプルの癌波動を共鳴させることでその状態がわかるそうです。

 前にお話しましたが、奥様は空海の書や奈良時代の般若心経などから強い波動を感じます。つまり字や絵にも波動が転写されることは間違いのない事実なのです。オカルトな話であり、その原理は私には全くわかりません。ですが、奥様が絵や字から波動を受ける姿を見ていれば、自筆の書から波動が出ている話がオカルトとは言えないことを認めざるを得ません。

空海の書

 ちなみに、奥様にも肺癌が消えるように毎晩念じていただきました。そして3週後、癌が消失したとのこと。癌があることを確認したわけではありませんので、「もともと癌などなかった」と言われればそれまでなのですが、この話が真実であったなら、私は命拾いしたことになります。奥様やO先生が私をF先生に導いてくれたおかげです。大変感謝しています。

さて、最終診察と研修を兼ねて再び高松に飛びます。

高松の景色

前日にホテルに泊まり奥様はコンビニでお菓子や飲み物を買ってきましたが、ちょうどその時、コンビニでくじ引きをやっていました。4回くじ引きして4つともアタリでした。

「もしかして全部アタリなんですか?」と店員に訊ねたそうですが、そんなことはないそうです。これは偶然? それとも超能力?

 F先生の診察で私の癌が消えていることを再度タウジングロッドで確認していただきました。よかったです。その後奥様の診察です。この後奥様に大事件が起こります。

F先生は奥様の波動が普通の人とは異なるため診察も興味津々のようです。私が「Kさん(奥様)は普段ご加持をしているので悪い波動を吸い取ってしまい大変なんですよ」と説明するとF先生は丸く小さなシールを取り出しました。

「このシールは波動を吸い取って体外に出すためのものです。波動は手のひらから出て行きますので、手のひらは地面に向けてください」と言われました。

 そして奥様の右手の波動の強いポイントを特定してシールを貼ります。すると、その直後に奥様の手首が前後に震え始めたのです。その震えがあまりに激しいものですから奥様は耐えられず悲鳴をあげます。

親指の下あたりに貼られたシール。実物です。

「いや~(泣)震えが止まらない。止めようとしても止まらない。」と。

F先生は

「こんな反応をした人は初めてです。驚きです。震えが止まるまでもう少し待ちましょう。」と。

奥様は震えに耐えながら待っていると、数分してようやく動きが落ち着いてきました。

「波動が出れば止まると思います」とF先生。

そしてようやく震えが止まったのですが、奥様の右手は痺れており、右の肩甲骨の方まで痛みが残ります。さらに吐き気までするようになってしまいました。

 奥様と私はシールを貼ったまま、別室で波動治療をするために移動します。二人でソファーに横になりF先生は見守っています。

「あのう、気分がすぐれないのでシールをはがしてもいいですか?」と奥様。

「いいですよ。」と言われたのでシールをはがします。

奥様は私が前回波動治療を受けた時、奥様も波動治療を試しに受けたのですが、奥様は治療以来のどが痛くなりその状態が1週間続いてしまいました。ですので今回の波動治療にも若干警戒心を抱いていました。それをF先生に言うと

「わかりました。今回は少し控えめにしておきます。」と波動に用いる元のスピッツの数を減らしました。

奥様の体は非常に波動に敏感ですので真に厳選した波動でなければ悪影響を及ぼすことがあります。それはテラヘルツ鉱石の件で私たちはすでに学んでいます。

ですから奥様はこの能力が芽生える前から、宝石類は身に着けませんし、食べ物も薬も石鹸も非常に気を使っていました。師の僧侶にも注意するように言われています。少しでも合わない波動があると奥様の体が拒絶反応を起こすようです。

 波動治療では特に何事も起こりませんでしたが、それ以降、奥様はとても不機嫌になります。右の上肢にしびれと痛みが残っていてとれないからです。でもそれだけが理由ではなさそうです。どうもさっきのシールで奥様には何か邪悪なものが憑いてしまったのかもしれないと私は思いました。

「F先生に悪意がないのだから、それは勉強だと思いなさい。」というと、F先生をかばう私に不満を向けられてしまいました。奥様は痛みとしびれだけではなく、恐怖心というトラウマをおぼえてしまったようです。明らかにあのシールを貼ってから奥様の人格が変化し、怒りっぽくなっています。そして元気がなく顔に精気がありません。

 奥様は帰りの飛行機内で自分の右手に暗示をかけ痛みが治るよう念じました。すると羽田に着くころには痛みが8割くらいなくなっていたそうです。

 しかし、不機嫌さはまだ消えません。私は「そんなことで怒るのはやめなさい。」と言いますが、そういうとますます不機嫌になります。

私のいう「そんなことで・・・」というのは、実は奥様にとっては「そんなこと」ではなかったようです。

波動使いは波動によって利益も得ますが害も普通の人の何倍も被害を受けてしまいます。だから私にとってはそんなこと・・・なのですが、奥様にとっては重症を負うということです。シールを貼っただけのことですが、それが何日も尾を引くほどのダメージを与えてしまうとは・・・この時は想像もできませんでした。

イメージ画像です。

奥様は翌日の診療でもまだ手がしびれていました。しかし、ご加持治療を行っているときは緩和されると言います。ですが、あのシールに対する嫌悪感と恐怖心は消えません。奥様はあのシールの正体を知るためにF先生にメールしてシールの詳細を訊ねました。

「シールの名前はブラックホールシールと言います。色彩療法で用いられている正式な治療シールで、ブラックホールのように波動を吸収すると言われています。」との返答でした。

「ブラックホール・・・怖い~・・・(泣)」

奥様の様子が変わり、そして精気が失われている様子を見ると、二つのことが起こっているのではないかと想像できます。一つは奥様の気が吸い取られてしまって精気を失ったということ。そしてその後に逆に奥様に悪い波動が入り込んだことです。

おそらく、シールは気の出入り口となったに違いありません。奥様の気がそこから抜け出し、代わりに邪気が侵入したのではないかと。

一連のシール事件から学んだことは、波動は器械やタウジングロッドなどを用いれば、奥様ほどの能力がなくてもある程度作ったり調べたりすることができるということ。

しかし、波動の知識があまりにも乏しく、波動医学自体がまだまだ稚拙であるということ。波動を扱う場合、無害ではなく、使い方を誤ると有害であり、副作用もあるということなどです。

オカルトであるから副作用がないと思われていますが、今のところオカルトであっても、副作用のこともきちんと研究していかなければなりません。

 そしてこの後、このシールが原因で奥様にとって大きな動きがあるのでした。