第四十二話 初めての片頭痛治療

 恥ずかしいながら私は51歳にもなりながら、たかがスマフォゲームであっても熱が入り、夢中になるたちです。奥様のくじ引き実験をしながら私も熱が入ります。ゲームのキャラクターを育てたいがために、夜更かしをしてゲームをやってしまいました。次の日が休みだからです。さらに言うと、奥様の「アタリを引く能力」に大興奮し、よく眠れませんでした。だから本日・水曜日は寝不足だったのです。

私は午後1時、奥様と一緒に表参道に靴を買いに行ったのですが、その時もスマフォゲームをやりながら店内を歩いていました。と、その時、目の前に光るものがちらつき、スマフォの字がよく見えず、読めなくなります。

私の持病の「古典的片頭痛」です。脳を使いすぎると血管が痙攣を起こし、脳が虚血となってまるで脳梗塞のような症状が一時的に起こる病気です。

私の場合、かなり重症で、顔の半分がしびれたり、言葉が出なくなったり、字がよめなくなったり、右半分が見えなくなったりします。それが1時間くらい続いた後に、吐き気をともなう拍動性の頭痛が1日中続き、翌日も頭痛が遷延します。

ウィキペディアより

1年間に4~5回は起こりますが、これが診療中に起こった場合、以前は診療を中止して1時間くらい寝て休みをとるのすが、最近は私は自分で上頚神経節ブロックを鏡を見ながら打ち、数十分で改善させてしまうという奇抜な技ができるようになりました。が、今は表参道です。注射ができません。

 私は店のソファーに腰かけ目を閉じて休みます。が症状はなかなか去ってくれません。

奥様は私を助けたい一心で私のうなじと頭頂部に手を当て、治るように念じて真言のお経を小声でとなえます。私は波動には鈍感で奥様の波動を間近で受けながらもそれで体がビリビリ感じたことがありません。しかし、頭に手を当ててもらったときは固くなった脳が解きほぐされたような感覚がして暖かくて気持ちよかったのを覚えています。

奥様の手のサーモグラフィー

数分間手を当ててもらうと、その症状が落ち着いてきました。この気持ちの良さは私が自分に上頚神経節ブロックを打った時とおなじようでした。「すごい!奥様の手当てが医療に使える!」とピンと来ました。

 ご加持中の奥様に、どんな具合だったか訊ねると

「頭に手を当てていると、頭のてっぺんから何か蛇みたいな長細いものが出てきた」と言うのです。「それって俺に蛇系の何かが憑いていたってことか。それを抜き取ってくれたんだな。ありがとう。」

私は、自分の片頭痛治療が成功か不成功だったかはその後の経過でわかります。治療が成功していないときは、神経症状が改善した後も頭痛が1日中残ります。

つまり、外出先で片頭痛が起こってしまうとまともな治療ができないので副産物の頭痛がその後1日以上続きます。ブロック注射をすれば副産物の頭痛は起こりません。

そしてなんと!奥様のご加持を受けた後に頭痛は起こりませんでした。つまり治療が見事に成功していたわけです。

「すごいね。これなら患者に治療ができるよ。絶対。」と私は太鼓判を押しました。

「うん、よかったね~治って(満面の笑み)。わかった。やってみる!」

と、私が第1号のご加持患者となったわけです。この日から奥様の霊能力を治療に用いるという新たな治療がはじまったのでした。※2017年9月の出来事です。