第三十八話 月に一度の日曜護摩の日

 奥様の師の僧侶のN寺は必ず毎早朝に護摩焚きをするという極めて希少なお寺です。たまにするのではなく毎日するのですから。それほど修行を積み、かつ絶え間なく功徳を積むのでご利益がパワフルなお寺であるということです。

N寺 お盆の夜

 奥様は我が診療所で「病気の原因に未知の波動(神仏の波動)が関係している」と思われる患者様にはお声がけし、一緒にお寺でご祈祷することを勧めています。一般的にはそれらを霊障と呼びます。お寺は東京から常磐高速道を使って1時間以上かかるところにあり、決して近場ではありません。患者様は知らない土地に長時間かけて行くわけですから、いかに「病気を治したい」という気持ちが本物であるかがわかります。そして奥様が患者様たちに信用されているかがわかります。

普通の病院で「お寺に行く勧誘」をすれば、真っ先に解雇されるでしょう。しかし、患者たちは奥様を信じてお寺に祈祷に行くわけですから、この光景はクリニックとしては異例です。この異例さは逆に言うと当院には「なんとしてでも治さなければならない切羽詰った難病の方が多い」という証拠になります。簡単に治る病気ならお寺まで行く決意をすることはないでしょう。

 そして今日は月に一度の「日曜護摩焚き」の日です。平日に来られない方々のために、月に一度だけ早朝ではなくお昼に護摩焚きをし、お不動様のご利益を信者の方々に授けようとするものです。奥様は患者たちの案内人として付き添いますが、無償奉仕です。立派なものです。

 この日は診療所の患者様三人と奥様の息子がご祈祷に参加したものですから、奥様は普段より精神集中して祈祷に臨みました。

 さて、こんな風に盛大に祈祷し、護摩焚きに行って帰ってきた時は、家でしばしば何かが起こります。

例えばマンションのオートロックが外から近づくと勝手に開いてしまうのも護摩焚きの帰りに起こりました。これは奥様に起こる超常現象の一つです。

写真はイメージです

 そして今回も超常現象が起こりました。なんと・・・家にあるお不動様のお札の前に捧げているお水が白く濁っっていたのです。これまで水を毎朝変えているのですが、白く濁ったことなど一度もありません。はじめての経験です。

濁っているのがわかります

 何かの化学反応でしょうか? その意味が全くわかりません。

 しかし、こうした超常現象はN寺では普通に起こっています。例えば金粉。お寺ではなぜか仏具の周囲に金の粉が積もります。強力なお唱えをすると金の粉が舞い降りてくるそうです。触ってみると確かに金色の粉です。仏具台に積もっています。    

おそらく本物の貴金属の金ではないと思います。とにかく金色の粉なのです。お唱えする時の波動により空気中の何かが化合して金色の粉となって降り積もっているのだと思います。

 そして私の家でも・・・お供えの水に化学反応が起こり白濁しました。奥様の波動は本当にいろんなことを引き起こします。

 これらの超自然現象を目の前で観察すると、物理や化学が地球上で起こっている全ての現象を説明できるまでに発展していないことを思い知らされます。水が濁ることや金の粉が空気中から降ってくることも科学では何一つ説明できません。それらを「あり得ない」と言って否定するだけでは、幼子のだだと変わりがないでしょう。超自然現象を真正面から受け止めてこそ、立派な科学者と言えるのだと私は思います。