第七話 私の車を壊さないで

前回は尼僧の先生と一生に霊障払いのお手伝いをした奥様でした。ALSの妻は今までの心のつかえを全部さらけだせ、号泣され、少し疲れた様子だったそうですが、ご主人はとても満足されたそうです。喜ばれてまた次回もお願いしたいと言われました。ただ、根が深すぎてもう少し病状が進行してないときにお会いしていればと尼僧が残念がられたとのこと。


さて、その翌日の月曜日。いつものように支度して奥様と一緒にマンションの前の駐車場に向かいます。車のキーはワイヤレスで車のドアノブに手をかけると自然にキーが解除されます。ワイヤレスキーは奥様が一つ、私が一つ、互いにカバンの中に入れて持ち歩いています。だから、車に乗るときは奥様は助手席のドア側へ、私は運転席のドア側へ移動します。


私はまだ車に触っていないのですが、奥様が助手席側のドアの前に立った時に「キャー!」という悲鳴を上げました。私はその時よそ見していたものですから、朝っぱらから何をやらかしたんだ?と奥様の方を見ました。すると、車のウィンドウが5分の1ほどまでに下がり、トランクがパカッと開いていました。


※イメージ画像


一体何が起きたんだ?と思って車に近づくと、4つのウィンドウが全て5分の1ずつきれいに揃って開いており、さらにサンルーフも半分開いてたのがわかりました。


「えっ?!なんなんだ??!なにが起きたんだ?!」とても驚きました。そのとき私は初めて異変に気付きます。少し触っただけで4つのウィンドウとサンルーフとトランクが全部同時に開いていたのです。それと同時に、そんなことは科学的にはあり得ないことであることも瞬時に理解しました。


パラノーマル・アクティビティというアメリカの映画を思い出します。昔はバカバカしいと思って気にも留めなかった映画でしたが、目の前で奥様が怪奇現象を引き起こすのを見ると、ああいった映画が全くフィクションではないのかもしれないと思ってしまいます。車に奥様が触れた瞬間にこの怪奇現象が起こったわけですから、間違いなく犯人は奥様です。これを医師で科学者である私が分析するとこうなります。


奥様には現代科学ではいまだ発見されていない波動エネルギーを出す力があり、その波動は電気製品のスイッチを通電させることができると解釈します。


ちなみに、ウィンドウ、トランク、サンルーフは全て手押しのスイッチで動くシステムであり、無線で動くタイプではありません。とにかくスイッチを長押ししなければ動かないものであり、そのスイッチはトランク以外、車の外にいたのでは触ることができません。となりますと・・・奥様には特別な波動エネルギーを出す能力があると考えるしかありません。それは今の科学では解明されていないだけのことであり、1万年後には解明されているのかもしれないと。


実際のところこうした怪奇現象は奥様が何か祈祷や真言宗の行事に参加した後に起こるということがわかってきました。霊能力と言う人もいますが、私は霊という言い方があまり好きではありません。奥様もそのようです。
奥様のような能力が生まれつき備わっている人は、おそらく1万人に一人くらいはいらっしゃるのではないかと思います。


しかし、そうであったとすれば、自動運転技術や人体にICチップを埋め込む技術などは要注意です。波動エネルギーで誤作動することはいくらでもあることだからです。科学者たちはそのことを知らないまま電子制御技術ばかりを発展させていきますと、誤作動でとんでもないことが起きるでしょう。例えばミサイルのスイッチでさえ、触ることなく通電させてしまうことができるわけですから。人間の知恵はまだまだ浅はかです。