私は名もない小さな異端児医者、その全力を挙げた診療日記である
はじめに
私がなぜ大学病院でも治すことのできない難治性疾患を次々と治していく医療技術を身に着けることができたのかの理由がこの診療日記に書かれている。この日記を書いたのは10数年前の話である。そのままお蔵入りにするか、公表するか迷ったのだが、公表することで私の治療の信憑性が増すのであれば、多くの方々にお役に立てるだろうと思い公表することにした。読み返すと当時の自分が痛々しく心がえぐられる。私は人が人生でもっとも嫌がるであろう「自分のプライドを自分で傷つける」ということを行ってきた。それが人間をもっとも強くさせると確信していたからだ。人間のもっとも弱い部分であるプライドを強くしておけば百戦で百勝できるからだ。プライドは大きければ大きいほど弱みとなり、戦いの際にその弱みを突かれて敗退する。よってプライドを自分の手で叩き潰し続ければ「弱みのない人間」となれる。これが私の必須の仕事であったことは、私のこれまでの人生は戦いそのものだった証拠となっている。
もう戦うのはやめよう。人は一人でいきているわけではない。と決意した私は、この日記を「最後のプライド潰し」としてここに公表することにした。ここに書かれていることは以前の私の罪深さでもあり反省の意味も含んでいる。
- 第一話 あなたは副作用の全てを知りたいですか?
- 第二話 医者は趣味?それとも仕事?
- 第三話 医者のマクドナルド
- 第四話 難病を治したいなら勇気がいる
- 第五話 カルテは読めない
- 第六話 医者より湿布のほうが効く
- 第七話 ブラックリストに要注意
- 第八話 MRI神話は終わった
- 第九話 インフォームドコンセントどこまで…
- 第十話 インフォームドコンセントどこまで…2
- 第十一話 患者は医者をよく騙す
- 第十二話 訴えられても仕方ない
- 第十三話 同意書の意味、理解できますか?
- 第十四話 私はやくざです
- 第十五話 赤ん坊のまま大人になった高齢者
- 第十六話 日本のおば捨て山は健在
- 第十七話 療養型医療施設の患者がとうとう爆発した
- 第十八話 生活保護どこまで
- 第十九話 世界に普及している医者の言い訳
- 第二十話 電子カルテの弊害
- 第二十一話 副作用にびびるのもいい加減にしろ
- 第二十二話 嘘の診断書作成
- 第二十三話 勤務初日でクビ!
- 第二十四話 散歩して鍛えるのは吉か凶か?
- 第二十五話 インフォームドコンセントどこまで…3
- 第二十六話 75円の治療
- 第二十七話 悪意に満ちたステロイド療法
- 第二十八話 おれの診療にくちをはさむんじゃねえ
- 第二十九話 医師という社会貢献事業
- 第三十話 辞表提出という屁の突っ張り
- 第三十一話 駄々コネ幼児脳患者はやくざよりも手に負えない その1
- 第三十二話 駄々コネ幼児脳患者はやくざよりも手に負えない その2
- 第三十三話 孤独死しますか?
- 第三十四話 脅迫には屈しません
- 第三十五話 孤独を愛する診療
- 第三十六話 再就職交渉再び
- 第三十七話 病棟業務の面倒
- 第三十八話 今度の勤務は正念場
- 第三十九話 勤務初日で再びクビ決定?!
- 第四十話 プライドを傷つけちゃった?
- 第四十一話 隠蔽体質、失われた良心
- 第四十二話 夢うつつでひらめいた医学的発見
- 第四十三話 臆病者への治療
- 第四十四話 宣伝はご法度
- 第四十五話 バカ娘再び
- 第四十六話 被害妄想傾向患者への挑戦
- 第四十七話 健康ビジネス、医者の傲慢
- 第四十八話 納得してもらうのは難しい踵の治療
- 第四十九話 医者のプライドで患者を苦しめるんじゃない!!
- 第五十話 何様だと思ってるんだ!
- 第五十一話 知っていますか?医療ミス
- 第五十二話 そもそもチーム医療って何ですか?
- 第五十三話 お願いだから治療させてください
- 第五十四話 そりゃあ患者を診てないね
- 第五十五話 怒鳴られ役、始めました
- 第五十六話 歩けば治る、鍛えれば治るという落とし穴
- 第五十七話 何も言わないって…やっぱり罪?
- 第五十八話 治療の壁は高くて厚い
- 第五十九話 権威に尻尾をまく医者の性質を利用したがる患者
- 第六十話 裏目に出た治療
- 第六十一話 患者と家族が病院に乗り込んできた
- 第六十二話 患者の立場から医者を見ると…こうも変わる
- 第六十三話 悪徳医者は生保にたかる
- 第六十四話 医療費と若者の将来を食らいつくす高齢者
- 第六十五話 ネガキャンは私には通じない!
- 第六十六話 理解しがたい「最大幸福」
- 第六十七話 弁護士と結託する生活保護青年